ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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黄泉への誘い 〜生きるのって、楽しい?〜
日時: 2012/02/07 18:22
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: s32F0pf/)

どうも初めましてまたはこんにちは。
九龍と申します。
もうひとつ、小説を書いていますが、これと同時進行ということで。

少しずつ死に近づいて行く少年と、その背中を押す少女の物語です。
どこかで似てるのがあった……。とかがあったら、言ってください。すぐに直します。



注意

荒らし、チェーンメールはお断りです。
ホラー系が苦手な人、僕が嫌いな人は逃げた方がよろしいかと。




目次

登場人物>>2

プロローグ>>3

【一章 - はじめの一歩】
『青信号』>>6  『また会ったね』>>9  『わざと』>>14  『媛香』>>17  『比良坂兄妹』>>18
『お誘い』>>21 『生きるのって、楽しい?』>>22

【二章 - 境界線に立つ】

『死の希望』>>23



お客様

風猫様、クリスタル様

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Re: 黄泉への誘い 〜生きるのって、楽しい?〜 ( No.5 )
日時: 2012/01/01 10:19
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: gWH3Y7K0)

風猫様へ


お久しぶりです。

生きることについての楽しさと、苦しさについて、自分なりに考えてみた結果がこれです。
気になります……ですか。それはよかったです。本当によかったです。

Re: 黄泉への誘い 〜生きるのって、楽しい?〜 ( No.6 )
日時: 2012/01/01 11:18
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: gWH3Y7K0)

第一話『青信号』




けたたましい目覚まし時計の音が、部屋中に響いた。
あぁ、五月蠅い。そう思いながらも、ゆっくりと目を開ける。
カーテンの隙間から、朝日が差し込む。
俺は、まぶしさに目を細めながら、目覚まし時計を止める。

ベッドの上で、上体を起こして、大きな欠伸をする。
さて、今は何時だろう。
枕元にある目覚まし時計を手に取り、時間を確認してみる。
短針が5時ぴったりを指している。
よし、ちゃんと早起きできたな。
俺は時計を元の位置に戻し、部屋を出て、階段を駆け降りた。



「いってきます!」

玄関で、大きな声でそう言って、外に出る。
ドアを閉めるときに、台所から

「行ってらっしゃい」

という声が返ってくるのが聞こえた。


家の前で深呼吸をしてから、俺が入学するという学校まで歩いて行った。
俺の家から、学校まで、歩いて一時間。
腕時計を見ながら、入学初日から遅刻はしないように歩いて行く。

横断歩道まで、あと数歩のところまで、歩いてきた。
横断歩道まで歩いてきたなら、そろそろ、学校につくかな。
俺はそう思いながら、腕時計を見てみる。
思っていたより、早く学校に着きそうだな。
そう思いながら、顔をあげると、横断歩道の前で少女が立ち止っているのが見えた。


黒い髪に、黒い目の少女。髪を短く切っている。女の子にしては、短すぎるくらいに。
目はたれ眼気味で、その視線の先にあるのは、向かいの信号機。
黒いブレーザーに、ロングスカートといった格好をしている。
少女のきているブレーザーは、うちの高校の女子の制服と、全く一緒だった。
あの子も、新入生なのかな。
そう思いながら、横断歩道まで歩いて行く。
その間、少女は相変わらず、向かいの信号機を見ていた。


信号が赤なのだろうか。少女は、向かいの信号をじっと見つめていた。
俺は信号へと目を移してみる。




……あれ。

俺は、信号を見て、目を丸くする。
あの、信号、青なんですけど。
俺は少女のいるところへ、駆け寄ってみる。
この子は、目が見えないのか?
少女の隣に立ち、そう思いながら、少女の横顔をじっと見つめる。

そうしている間に、信号が赤に変わる。
すると、少女は一歩、一歩と足を前に出し、横断歩道を渡ろうとする。
俺はそれを見て、一瞬ワケが分からなくなったが、少女が横断歩道の白線を踏んだ瞬間、はっとして少女の手を掴んだ。







「あの、信号、赤ですよ?」

俺は、向かいの信号を指差し、少女にそう言う。
俺の言葉を聞き、少女はふっと笑う。


「えぇ、解ってます。だって、さっきは青信号でしたもんね」

少女は何事もなかったかのように、そう答える。
信号が、青に変わった。
すると、少女は駆け足で横断歩道を渡って行った。





俺はその間、少女の後ろ姿をじっと見つめて、ぽかんと口を開けていた。

Re: 黄泉への誘い 〜生きるのって、楽しい?〜 ( No.7 )
日時: 2012/01/01 22:49
名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)

はじめまして、開けましておめでtoございます。クリスタルです。

謎の少女は何がしたかったのか?気になりますねぇ

Re: 黄泉への誘い 〜生きるのって、楽しい?〜 ( No.8 )
日時: 2012/01/02 09:15
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: ZGo4Gnz1)

クリスタル様へ


初めまして、あけましておめでとうございます。

少女の意図は、これからゆっくりゆっくり書いていこうと思います。
ゆっくり、ゆっくり、少女の人物像を固めていけたらいいと思ってます。

Re: 黄泉への誘い 〜生きるのって、楽しい?〜 ( No.9 )
日時: 2012/01/02 09:47
名前: 九龍 ◆vBcX/EH4b2 (ID: ZGo4Gnz1)

第二話『また会ったね』




通学路で出会った少女のことが、頭から離れなくなった。
学校について、靴を脱いでいるときも。
先生に案内されて、教室へ歩いて行くときも。
少女のことを考えていた。

青信号の時には、横断歩道を渡らない。
なのに。
赤信号の時は、緊張したように、一歩、一歩と、ゆっくりと期待に満ちた足取りで、横断歩道を渡ろうとする。
ふと、少女の顔を見てみると、その顔は新入生が入学式に出ているときと、おんなじ顔をしている。
初めての経験、未知の領域へと足を踏み入れるときの緊張と、不安と期待。
それらを隠すように、顔に浮かべていた、ぎこちない微笑み。


まるで、自身を危険にさらすことに、期待をしているようだった。





少女のことを考えながら歩いていると、壁にぶつかりそうになったり、階段で足を引っ掛けて、転びそうになったりした。
そのたびに、先生に

「緊張しなくていいんだよ、力を抜いて!」

と言われた。


自宅から出て、あの少女に会うまでは、緊張してて、それでいて、高校生活に期待を膨らませていた。
なのに、いまでは、緊張していたことなんて忘れている!




「さて、ここが君達が使う教室だ。まだ、他の人は来てないみたいだし、どっかに座ってて」

そう言って、先生は俺を教室に残して、職員室へ行ってしまった。
どっか、と言われても、何処に座っていようか。
予定より早く学校に着てしまったので、かなり時間が余っている。
俺はため息をつきながら、教室を見回した。


窓のそとでは、桜の花びらがひらひらと舞っている。
教室は、中学校の教室と比べると、少し狭い。でも、机はたくさんあった。
きちっと並べられた机、ちょっと白っぽい黒板。そして、その前には、教卓がある。
黒板には「ようこそ、新入生諸君!」と、白いチョークででかでかと書いてある。
教卓の上には、白い封筒が一つ置いてあった。



「……なんだ、これ」
「さぁ、なんでしょうねぇ? それ」

俺の呟きに、誰かがそう聞き返してきた。
封筒から目を離し、声がした方へ顔を向ける。



俺は、目を丸くした。
横断歩道で出会った少女が、俺のすぐ隣に、当り前のように立っていた。
肩がビクッと大きく跳ねる。
そんな俺を見て、少女は小さく笑った。




「ふふふっ、また会ったねぇ!」


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