ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 手作りジョーカー
- 日時: 2011/12/25 22:31
- 名前: 藤田光規 (ID: 7gBpjPib)
中2のガキが考えた小説です。
中二病として多目に見て下さい
その他アドバイス感想どしどし!!!
- Re: 手作りジョーカー ( No.1 )
- 日時: 2012/02/04 22:41
- 名前: 藤田光規 (ID: BUG11FhX)
「と、この問題を・・・じゃあ桑原、解いてみろ。」
「へ?」
「へじゃないよ。解いてみろ。」
くすくす耳障りな声が聞こえた。ごくごく簡単な問題だ。真面目に答えるのも面倒なのでわからないと言っておく。あ
「しょうがないなあ。じゃあ三上、桑原の代わりに解いてやれ。」
三上はすらすらと黒板に問題を解いている。だが、やがてチョークのスピードが落ち、黒板消しで2回修正すると黒板に大きく文字を書いた。
「わ、か、り、ま、せ、ん」と。
- Re: 手作りジョーカー ( No.2 )
- 日時: 2011/12/24 13:47
- 名前: 藤田光規 (ID: 7gBpjPib)
教室の中には何かが爆発したように笑い声が渦巻いた。醜くて汚い声だった。思わず僕は耳をふさぐ。三上を見ると満足そうな笑みを浮かべて席に戻って行った。
「三上ぃ今にはきいたぞ〜〜分からないなら分からないと最初から言うように。でも努力することは大事だからなぁ。桑原は三上を見習うこと〜」
先生の声にもみんなが笑った。三上は僕の方を向いて自慢げに口角をあげた。どうやら笑っているらしい。吐き気がする。
僕は三上のことが大嫌いだ。いつかテレビで見たカメレオンに似たあの顔も。周りにはお調子者で通っているあの性格も。クラスでワースト1位の悪すぎる頭も。
僕は知っている。三上のひょうきん者という仮面の下に隠された、醜い素顔を。
授業終了を告げるチャイムが鳴った。生徒全員が立ち上がり、日直が号令をかける。
「きりーつ れー ありがとうございましたーっ。」
先生はそそくさと教室から出ていった。皆おのおの違うことをしている。談笑する者、教科書を開く者、教室から出て行く者、それぞれ違う。観察していて面白くなるが同時にばかばかしくもなる。
机の中から本を取り出す。ヘッセの「車輪の下」だ。皆は難しいと言っているが、僕にとっては面白い。1ページごとに読み進めていくたび自分の世界に入っていくのがよく分かる。
「・・・い。おーい修!!聞いてるのか?」
正面には前野がいた。驚いた。突然目の前に人が現れたのだ。・・・違うか。僕が気付かなかっただけか。
「おまえ今日変だぞ。あのくらいの問題だったら楽々解けるだろ。今もそうだ。何かあったのか?」
「今はヘッセの真理に近づいていたんだ。無視したことは謝る。ごめん。」
「ごめんじゃないよ。なんだヘッセの真理って??マジでどうにかしたのか?」
前野は顔をのぞきこんだ。どうやら気づいてないようだ。栞をして本を閉じる。
「大アリだよ。今日は凛の一回き・・・」
「ごめん!!」
突然前野が頭を下げた。つくづく僕を驚かせる人だ。
「わざわざ言いたくもないこと言わせてしまって・・本当にごめん!!」
「いや・・顔あげろ拓実。いいよそのくらい。大丈夫だよ。」
「怒ってないか修?」
「大丈夫だって。怒ってない怒ってない。だいたいぼくがおこってるのは・・」
ドアが音を立てて開いた。先生が入ってきたのだ。前野は僕を気にしながら席に戻っていく。
今の言葉の続きを心の中で言う。
(僕が怒っているのは・・・三上だけだよ。)
この掲示板は過去ログ化されています。