ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ジェットブラック
- 日時: 2012/03/31 20:43
- 名前: K-10 (ID: uJjLNBYk)
こんにちは。けーとと言うものです。
過去に何度か違う名前で小説を書いたことはあるのですが
どれも途中で挫折しまして…;
今回も懲りずに投稿しようとしてますw
想像力と妄想力をフル稼働して
ケータイのメモ帳に書き溜めてるグダグ駄文ですが、
たまに日本語おかしいし矛盾も生じますが、
深刻な表現力と文才不足ですが…!
宜しくお願いします^^
*主な登場人物*
・ギルバート
魔銃師/人間 『ギルズ・エージェンシー』オーナー
・アレックス
一応魔女 “造られた魂”を持つ
・マチルダ
ギルバートの魔銃 二丁拳銃
・クロイ
人間 魔族の研究者
プロローグ >>1
第一章 >>2>>3
第二章 >>4>>7
第三章 >>8>>9
第四章 >>10>>13
第五章 >>18>>19>>22>>23>>24
第六章 >>25
- Re: ジェットブラック ( No.21 )
- 日時: 2012/02/11 20:12
- 名前: K-10 ◆f62.Id/eYg (ID: r6yRxP5o)
>>20
そうですか!?
こんな厨2臭い駄文なのに
テンションが上がったなんて聞いたら
こっちも上がっちゃいますw
- Re: ジェットブラック ( No.22 )
- 日時: 2012/02/13 10:27
- 名前: K-10 ◆f62.Id/eYg (ID: r6yRxP5o)
鮮血を撒き散らしながら地面を舞うように転がる赤毛。
しかし、その口には闘いを楽しんでいるような
凶悪な笑みが浮かんでいた。
「君は…実に面白い戦い方をするね」
口から垂れる血を袖で拭いながら楽しそうに言い、
ゆらゆらと立ち上がった。
蜂の巣にされたはずの体はすっかり元通りになっており、
衣服に血が滲むのみだ。
「なるほど。焔魔か」
「御名答。ところで…」
紫色の瞳の色が一瞬だけ青白く光った。
乾いた風が吹いたが赤毛が微量の衝撃波を放ち相殺する。
「さっきはよくもやってくれたね。今度は俺の番だよ」
声はイタズラっぽいが顔は決して笑っていなかった。
ギルバートが腕を交差させ拳銃を構えたが、
(速い…!)
間に合わなかった。先程の比にならない瞬間移動かと思うほどの速さ。右のトンファーで顎の下を付かれ、間髪を入れず左で鳩尾を付かれる。張りっぱなしの結界にぶち当たり、一瞬だけ呼吸が止まった。
「ゲホッ、ゲホッ…」
酸味が逆流する。
赤毛は咳き込むギルバートに追い討ちをかけるように
トンファーに炎を纏わせ飛びかかった。
が、その時。
「穢れは洗うことにあらず。知らぬことにある。血飛沫、戦火の匂い、不条理から救う盾となれ。“ダーティレス・シールド”!」
アレックスが呪文を唱えると壁ほどの大きさはある盾が
ギルバートの前に具現化された。
「!?」
「アレックス…?」
ギルバートはアレックスが見やると腕を前にかざし、
呼吸を荒くしている。
一方赤毛は思わぬ妨害を受け、一瞬目を見開いた。
だが、すぐに目はつり上がり怒りを露わにする。
「はあああっ!」
顔を歪ませ、トンファーを握る手に力を込めると
纏っている炎が強くなった。盾に亀裂が入り、
何かを強く裂くような音が響く。
「余計なことしてくれるぜ。全く」
ギルバートが立ち上がりコートの袖で口元を拭い、
軽くアレックスに振り向いた後二丁拳銃を手放した。
カシャッと小さく音を立てて落ちる。
「ギル!危ないよ!」
それを自殺行為だと思ったアレックスはギルバートに叫んだ。
が、その間も亀裂が大きくなる。
音叉を鳴らしたような高い音がしたかと思うと盾は粉砕され、破片が飛び散る。破片は突き刺さることなく塵に変わった。
それと共に赤毛がトンファーを突き出して飛んでくる。
豪火をギルバートの額目掛けて思いっ切り振り切ったが、
当たったのは結界の膜だった。
「残念だったわね」
「…なっ」
- Re: ジェットブラック ( No.23 )
- 日時: 2012/02/18 19:04
- 名前: K-10 ◆f62.Id/eYg (ID: r6yRxP5o)
いや、正確には二丁拳銃——マチルダが素手で顔色一つ変えず、
豪火を纏ったトンファーを受け止めていたのだ。
「生憎俺もマゾじゃないんでな」
マチルダが押さえている反対側で
ギルバートが腕を組んで結界に寄りかかっていた。
ギリギリのところで交わしたらしく、コートの肩先が少し焦げていた。
「二対一とは卑怯だな。それに、よくも邪魔してくれたね」
ただならぬ形相にアレックスは震え上がる。
結界がまるでまったく機能してないかのように、
その視線はアレックスの心臓を射た。
体が冷たくなっていくような感覚が駆け巡る。
「二対一?こっちは一人と一つだ」
人のこと言えたタチじゃない、と馬鹿にしたように笑った。
「黙れ!殺し合いは一対一だ。人だろうがモノだろうが邪魔するな!」
それを聞き、マチルダも笑い出す。
その笑顔は普段見せるものとは違う、嘲笑うような表情だった。
「聞いた?殺し合いですって」
「あぁ。とんだ勘違いだな」
それはさらに赤毛を怒らせる結果になった。
「何が可笑しいんだよ?…まぁ、いいさ。邪魔されて腹が立ってるし、丁度その子の命を奪うことが任務だ………?」
マチルダから逃れようと腕に力を込めるが、動けない。鉄のように堅く感じる。
いや、マチルダに完全に動きを封じるほどの力はない。
「殺し合いなんかするこたねぇよ」
結界から糸のような物が無数に伸び、赤毛の腕に絡みついていた。
「まさかここまで冷静さを失ってくれるなんてな」
アイスブルーの瞳が虚ろになり、
赤毛の怒りの表情とは別の意味の恐ろしさをはらんでいた。
それでも赤毛は狂犬のごとく殺してやる、と吠えている。
「あらあら。任務を忘れてギルを殺そうとするなんて、すっかり本題を忘れてるみたいね。」
「まあ、好都合だが」
アイスブルーの目にはもはや何の感情も映っていない。
あるとすれば虚無以外の何物でもなかった。
「守護の壁面よ。隔絶を絶ち、招かれざる客に招待状を」
ギルバートが唱えた途端結界が歪み、赤毛の体が沈んでいく。
マチルダが押し込むのに抵抗するもなけなしだった。
「…やめっ」
赤毛は倒れるように結界に沈んだが手を伸ばし、
届かないものの外に出ようとした。
「密航者の客間よ。氷雪より冷たく、刃より鋭利に、鋼より堅い抑制の箱庭と化せ」
しかしギルバートは容赦せず、内側から結界が破れないようにした。
「っ出せ!出せよ!」
赤毛はようやく立ち上がり、結界を叩くがもう遅かった。
止めをさそうとマチルダを銃に戻し、結界に銃口を押し当てる。
「出れないだろ?でもな、外から入れることは出来るんだぜ?このまま撃てば跳ね返って一人でドッジボールだ」
「止めて、もう止めて!」
アレックスはギルバートの冷たい目を見て、
惨い事をするのではないかと思ってしまった。
ひんやりとした雰囲気に鼓動が速まる。
「殺しはしない。聞き出すことがあるからな」
怯えているアレックスを安心させるように笑って見せた。
まるでさっきまでの冷たい目が別人のように。
「さて。質問に答えてもらおう。クロイ博士はどこだ?」
銃口を押し当てたまま問いかけるが、赤毛は口を開かない。
「次の質問だ。なぜこいつを狙う?」
しばらくの沈黙の後、その口は開かれた。
「任務だからさ。雇われの身でね。詳しいことは分からない」
自分に勝機は無いと悟ったようだ。少しばかり遅いような気もするが。
「誰に雇われた?」
「…それは最初の質問とほとんど同じだな」
ギルバートは結界の膜にもたれかかった。
- Re: ジェットブラック ( No.24 )
- 日時: 2012/02/18 19:23
- 名前: K-10 ◆f62.Id/eYg (ID: r6yRxP5o)
「これに答えりゃ、出してやらないこともないもない」
「…この国の外の荒野を山の見える方向に歩けば雇い主が住まう屋敷にたどり着く」
それを聞くとギルバートはアレックスの前に立った。
「外に出ろ」
「え、でも…」
「魔法陣を持ってるだろ。出入りは自由だ」
恐る恐る膜に手を触れると水面のように波紋が立った。
そのまま手を突き抜け、肩、足、頭をくぐらせて結界の外に出る。
アレックスがが帽子を拾い上げ、被り直す。ギルバートがホルスターに拳銃を収めると二人は離れた場所まで歩いた。
「おい!話が違うじゃないか」
アレックスはギルバートに押されている形で
ちらちらと後ろを見ながら歩いている。
「ねぇ。あの人出さないの?」
「出すさ。少し変わった方法でな」
100メートルは離れた場所まで来ると
ギルバートはアレックスの魔法陣をよこすように言った。
「何をするの…?」
コートの裏ポケットから自分の魔法陣を取り出した。
ニッと口元を笑わせると、
「追いかけて来んなよ。そんじゃ、バイビアス!」
魔法陣の書かれた紙切れを二枚一緒に破いたと同時に
二つの結界が爆発した。小規模だが威力はある。
並の人間なら跡形もなく吹き飛んでいるだろう。
爆煙が晴れると、そこには血の海の中に沈む体があった。
アレックスは短く息を吸い両手で口を押さえている。
よっぽどショックを受けたのか顔は青ざめ、放心していた。
「…ックス、アレックス!」
肩を揺すられてやっと放心が解ける。
アレックスはギルバートの目を確かめるように見つめる。
さっきのような虚ろな目…ではない。
元の、冷たい印象を受けるだけの目。
「…どうしたんだ?」
ギルバートが首を傾げるとその向こう側にある血の色が目に飛び込んでいた。
再び衝撃に襲われそうになるのを抑え、ギルバートを見据える。
「ちょっと、やりすぎなんじゃない?」
声が震える。自分を守るために、クロイを助けるために闘ってくれていたギルバートがどうしようもなく恐ろしい存在に思えてしまったのだ。
「死んじゃいない。足止め食わしただけさ。まぁ、5時間もあれば元通りと言ったとこだな」
声のトーンが明るい。
素なのかアレックスを安心させるためなのか分からないが、
逆にアレックスの怯えが強まってしまった。
「でも、あそこまでやること…」
「あのな…」
ギルバートが呆れ半分、冷たさ半分で呟いた。
反射的に体がびくっと跳ねる。
「焔魔には一人でひとつの国を焼き払うほどの力がある。それにな、あいつは雇われたと言っていた」
「雇われてるだけで詳しいことは分からないって、博士を連れ去った連中とは関係無いでしょ?」
アレックスが必死に訴えるが、ギルバートは俯き、
分かってないとでも言いたげに首を振った。
「雇われたってことは、利益があるから働くってことだ。つまりお前が生きてる限り雇い主が何をしようとしていても関係ない。利益だけ求めて追ってくるってワケだ。わかったらボサッとしてないで行くぞ」
依頼があれば働く。ギルバートにとって当たり前のことだった。
夕日は沈み、空が濃紺に染まる。
光と呼べそうなものは今は一番星の明かりのみ。じきに月が昇り、冷たい光が荒野を照らすだろう。
「ボクはやっぱり…」
アレックスは何かを言いかけたが口を閉じた。
「余計なこと考えるな。何もお前のせいじゃない。これは…」
ギルバートが歩み出す。
その後ろ姿闇より深く溶けきれない漆黒のようだった。
「これは、正当防衛だ。誰も傷ついちゃいない」
- Re: ジェットブラック ( No.25 )
- 日時: 2012/03/31 20:41
- 名前: K-10 ◆f62.Id/eYg (ID: uJjLNBYk)
久しぶりの更新です。
第六章
空を見上げれば満天の星空と白く輝く月。
こんなにも素晴らしい景色が見えてると言うのに三人には眺めている余裕はない。今、三人はギルバートが入国したところとは反対側の場所にいる。
「山って…あれかよ」
「なんて言うか、山というより…」
島だった。まるであの荒野はもともと海だったかのようだ。ともなれば、この国は海の跡地に創られたものだ。建物らしきものは見当たらないが、遠くに微弱な、並みの人間ではまず感じることの出来ない気配を感じる。
「船でもあればいいんだけど」
「列車ならあるよ」
マチルダが冗談半分で言ったが、予期せぬ答えが返ってきた。三人が後ろを見るとランタンを持った車掌服の男がいた。歳はギルバートよりも上に見えるがどことなくヘラヘラした感じがある。
「列車?そんなものどこにも…第一レールは?」
ギルバートは胡散臭そうに車掌を見つめた。車掌は目を糸にしながら言った。
「もうじき来ますよ。…ほら」
カタカタとランタンの光が揺れる。汽笛の音がしたかと思うと、遠くから煙が見えてきた。シュッシュという音がこちらに近づいてくる。三人は列車のライトに照らされ、目を細めると、ブレーキ音を立てて目の前で列車が止まった。
「すごい…」
アレックスが目を輝かせる。
その声に釣られてギルバートとマチルダが目を開けた。
「あらまぁ」
「こりゃあ…相当な魔力使ってんな」
列車が宙に浮いていた。レールもなければ車輪もない。
車体が地面から数十センチ浮いている。
「君達を乗せるのは初めてだね」
「あぁ。この国のもんじゃねぇからな」
「あの島へ?」
「いや」
ギルバートと車掌と話している間に列車は高く上がり、連結部分をくねらせて八の字を描きながら方向転換をしていた。アレックスはその光景に釘付けだった。方向転換が済み、先頭が島の方向に向く。
「そうか。今日は君達しか乗客がいないようだし普段はあの島に直通なんだけど、今日は特別だ。運賃はいらない。乗ってきな。目的地までつれてくよ」
「そりゃあ、ありがたい話だ」
「そうね。乗ってきましょ」
「ボク、列車に乗るの初めてだ」
車掌はそれを聞くと喜んだ様子で言った。
「ようこそ!スターライト・エクスプレスへ」
カラン、とランタンが揺れると光がゆっくり落ちる。すると近くの車両の乗り口が開き、ステップが降りてきた。
「目的地はどこだい?」
「下級悪魔の住処」
「ほほう。ワケありだね。…おぉっと、そろそろ時間だ。早く乗んな」
この掲示板は過去ログ化されています。