ダーク・ファンタジー小説
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- もしも僕が超能力を使えたら。
- 日時: 2012/05/13 12:00
- 名前: 璃夢 (ID: AdHCgzqg)
初めまして璃夢と申します。
えっと、何もかもが初めてなので、めちゃくちゃ緊張してます・・・
どうすればいいのか全く分かりませんが、取り敢えず小説を書きます!(って、言えばいいんでしょうか・・・?)
私の思考回路はお花畑なので、可笑しいかもしれませんが、ぜひ・・・読んでいただけたらなぁー・・・と、神様にお祈りしてます。
まだまだ分からないコトがたくさんなので、コメント(感想とかも頂けると嬉しいです・・・あ、すいません・・・)の中で指摘してほしいです。
100人に読んでもらうのが夢ですー!((ま、無理だとおもいますが・・・)
と言う事で、これからよろしくお願いします。
===紹介===
題名:「もしも僕が超能力を使えたら。」
登場人物:園原 千鶴(ソノハラ チヅル)
渡 森羅(ワタリ シンラ)
常葉(トキワ)
神塚 暮巴(カミツカ クレハ)
と、今のところはこんな設定です。でも、物語が進むうちにオリキャラを募集する事があるかもなので、その時はよろしくお願いします。
===目次===
はじめの記録「僕とはこんなモノなのだ。」
記録:1「僕にとっての日常を君は知らない。」
記録:2「僕の知らない君達が居ること。」
記録:3「僕は雪が嫌いだと気付いた。」
記録:4「僕は君を護りたいと思った。」
記録:5「僕が女であるから何かが狂った。」
記録:6「僕は超能力を使えない。」
記録:7「僕意外の人間は超能力者だった。」
記録:8「もしも僕が超能力を使えたら。」
記録:9「僕は何かを覚悟した。」
記録:10「僕は君達を見守ることにした。」
さいごの記録「私がコレを終わらせる。」
========
こんなカンジです。この時点で直した方が良い点があったら、ぜひ教えてください!(決して凹んだりはしませんので!)
次から本編にはいります。ではでは、よろしくお願いします♪♪
- Re: もしも僕が超能力を使えたら。 ( No.9 )
- 日時: 2012/05/26 17:06
- 名前: 璃夢 (ID: zbxAunUZ)
記録:5「僕が女であるから何かが狂った。」
先程は、恥ずかしい思いをした。
大声で告白と言っても過言では無い様な内容の文章を口にしてしまったんだから。目の前の神塚暮巴は、未だに笑っている。
「ふふぅ。・・・『常葉君は僕が護る!』ねぇ〜・・・。良いねぇ、青春!良かったな、常葉」
「あ・・・・はい。光栄です。私には勿体無いお言葉です」
常葉君は、歪んだ笑顔を見せてくれた。その表情を僕は見たくなかった。きっと・・・彼のこの笑顔は作り笑顔なんだ。表情だけではない。僕の推測からすると、常葉君の言葉自体が、社交辞令や神皇女を不快にさせまいと必死に考えた言葉なんだろう。
本当に、僕の事を忘れてしまったんだな・・・。君は。
僕はそんな事を呟きたくなった。しかし、余り言うのは彼にも悪いとも思う。僕は、これ以上は何も言わないことにした。しかし・・・何ていうんだろう。寂しいものだな。今更僕がこんな感情を抱くなんて、と思いつつ、神塚暮巴に尋ねた。
「それで、態々この僕を呼び出した目的は何だ?僕だって忙しい身なんだ。さっさと用件を済ませ」
神塚暮巴は、「千鶴だって、常葉に会いたいから来たんだろう?別に我が呼び出した訳じゃないんだがな・・・」などと多少文句は言いつつも、僕を客間らしき豪華な一室に通した。何故か其処には、常葉君も一緒に居た。
「其処の椅子に腰掛けて貰って結構ですよ。あ・・・申し訳ございません。お名前をお聞きしていませんでしたね。」
常葉君に言われ、僕は椅子に身を委ねた。少し、疲れた様だ。
この、初対面の様な遣り取りも、僕の彼への気持ちが押しつぶされる様な衝動を作る原因の一つなんだと思う。僕は、為るべく常葉君の姿を見ないようにして、短く答えた。
「・・・・・園原千鶴だ。別に・・・・何とでも呼べ」
一見、冷たく感じる僕の言葉に、彼は微笑んだ。そして、生前と変わらず、僕の名前を呼んだ。
「では、千鶴様・・・で宜しいでしょうか?あ、私は常葉と申します。特に覚える必要もありません。ただの召使・・・いえ、死霊ですから」
そう呟く彼の表情は、何処か寂しそうに見えた。
「突然だが千鶴君。君に頼みたい仕事がある!」
神塚暮巴の唐突な頼みを、僕は最後まで耳に入れずに、快く了解した。
「ふわぁッ!!?そ、そんな簡単にOKしちゃっていいのか!?もしかしたら君にとって、無理な仕事かもしれないんだぞ!」
神塚暮巴はぎゃあぎゃあと叫ぶ。全く、僕の耳にしたら有害音だ。と、彼女にこんな事言おうものなら、即座に殺されるかもしれないな。
僕はそんな事を考えながら、小さく笑った。誰にも気付かれない様に。
「だから、その仕事とは何だ?僕は其れを聞くために此処へ来たんだぞ?忘れたか?既に常葉君にOKを出した筈だ。」
僕の言葉に、神塚暮巴の横に立っていた常葉君が首を傾げるような仕草をした。ああそうか。其れは彼が生きていた頃の話だ。今の彼が知っている訳が無い。こうなってしまえば、証人も居ないしな。そう思った僕は、諦めてもう一度神塚暮巴に尋ねた。
「まあ、それはもう良いんだ。ほら、早く仕事について口を割れ!」
★
「えっとだな〜・・・我の祖であるはじめの神は、攻め込んできた能力人間達の能力を封じ込めた・・・的な話は生前の常葉に聞いたな?」
僕は小さく頷いた。又も常葉君は首を傾げたが、一々尋ねていては切が無い無いと思ったのだろう。それ以上は黙って聴いていた。
「其の時、祖は彼等の神に対する怒りや不満などもその身に封じ込めた。詰まり、現世の人間達にも、時が来れば神を殺したいとかの欲望が出てきちゃうワケなんだ。しっかしなぁ〜・・・。祖も致命傷を負っていたんだ。上手く「運命」を作り出せずに、一万年後には能力と記憶が蘇る仕組みとなった・・・。そして、その一万年後ってのが明日なワケよ〜〜・・・。あーもうヤダ!面倒臭い」
僕は静かにその話を聞いていた。はじまりの神が致命傷を負った。ならば、神塚暮巴だって危険なはず・・・。しかし其の様な素振りを見せないのは、何か良い対策があるからなんだろう。
神塚暮巴は続けた。
「我は死にたくないし、此処で我が死んだら、次の神が生まれるまで人間達だけで好き勝手に遣ってしまうだろうな。そうなったら、この星は崩壊してしまう・・・。この代々続く神塚家の名に置いて、その様なことは我の名を恥じる・・・・。絶対にそんな事させてはいけない。だからそんな我にとって、能力を持って生まれなかった千鶴君は救世主なのだよ!」
神塚暮巴は、口元を緩めて笑った。まるで本当に楽しそうにしている様だ・・・。と、僕はそんな事を思った。
「意味が分からない。何故僕が救世主なんだ?僕に大勢の人間を止めろ、とでもいいたいのかな?君は」
僕は業と嫌味のような言い方をしてみた。
神塚暮巴は、笑いながら答えた。
「ハッ?無力な君なんかが、人間を止める?千鶴はそんな事が出来るとでも思っていたのかな?はじまりの神ですら止められなかった人間達を?・・・・そんな無茶は言わんよ。ただ君には、神を襲うその能力を浴びてほしいのだ。我の代わりに、な。」
え・・・・?それって、僕が神塚暮巴を護る為に命を捨てるという事か?・・・・嫌だ。そんな事に・・・・何故、僕なんだ?
僕は、立ち上がって叫んだ。
「何故僕なんだ!此処にだって沢山の人間が居るだろ!?それに、命が無い死霊だって・・・・」
僕の声は、客間に響いた。視線の先には、まるで虫けらを見る様な瞳で僕を見詰める、神塚暮巴が居た。ただそれだけだ。
「千鶴。君だけなんだ。此処に居る人間だって、明日になれば我を殺す事だけを考え、襲い掛かってくる。死霊だって役には立たない。死霊となってしまった我の召使は、この屋敷の中でしか生前の姿をしていられない。我の力で姿を作る事は出来るが、怪我をすると其れを体に溜め込み、四方構わず暴れだす。中身が傷みに耐えられなくて、な。しかし、君は人間だ。嬉しい事に、能力はヒトにだけ効果が無い。痛みも無く死ねるんだ。となると・・・・千鶴。君しか居ないんだ。この世界を護ってくれないか?」
僕が、死ぬ。でもこの世界は・・・・・生き続ける。
正に、今まで僕がノートに記録してきたものが役に立つではないか。
僕の居ない世界の誰かに、僕が神に言われた事、全てを嘘偽り無く書くんだ。其れで、僕が生きた証を残せる。
否、違う。僕が生きた証なんて本当はどうでも良いんだ。ただ僕は、誰かに悲しんで欲しい。誰かに、涙を流して欲しい。
「分かった。僕が其れをやろう」
<僕は、明日で記録を書けなくなりそうです。しかし死ぬ心算なんて・・・・無いんです。常葉君を護るって決めたから。>
☆
「しかしな、問題が一つあるんだよ。君は女だ。」
最初、僕が女であるから生じる問題について、何も気にしては居なかった。大体、性別なんて関係ないと思う。
「女である君が吸収できる攻撃量は少ないんだ。理由は我にも分からないが、な。ただそうなると、色々と面倒でな〜。」
「それで、どうするんだ?僕は別に構わないが」
僕はそう呟いた。大分疲れが溜まってきた。もう、話しているのも辛い。
神塚暮巴は、悪戯っぽく笑った。
そして・・・
「まぁ、大丈夫なんじゃない?」
と、呟いた。
<しかし、僕は分かりませんでした。僕が女であるせいで、問題が大きくなってしまう事。それに・・・常葉君を、巻き込んでしまう事。
如何でもいいなんて、初心者の思考回路でした。
と、僕は今になって後悔しています。>
僕が女であるから、何かが狂った。
ああ、どうして?どうして僕は、女なんですか?
- Re: もしも僕が超能力を使えたら。 ( No.10 )
- 日時: 2012/05/28 11:03
- 名前: 璃夢 (ID: zbxAunUZ)
記録:6「僕は超能力を使えない。」
午前零時になった。時計は、変わり無く動き続けている。その様子は、今日起こる悲劇を分かっていない。其の時、僕は初めて「時よ止まれ」と呟いた。真っ暗な部屋の中、擦れた僕の声だけが響いた。そう、此処は何も聞こえない。あの異空間なのである。
異空間の中でも「時間」は動く。その恐怖は、じわじわと僕の体を震わせた。
怖い・・・?ははっ。そんな醜い感情が、何故今更僕の中で芽生えているのだ。そんな無意味な感情は、捨てなければならない。この、汚れた世界のためだけに、ね。
本来ならば、この部屋の外に死霊となった召使の一人が立ち構えているはずだ。しかし、その様な気配は全くしない。これも異空間のせいなのか、それとも死霊の能力だと言うのか・・・。
部屋の外に召使を置くように命令をしたのは、僕だ。神塚暮巴は「特に問題ないが・・・」と、快く了解してくれた。その目的も尋ねられたが、「分からない」とだけ答えておいた。本当は分かっている。僕は怖いんだ。自分が死ぬ事じゃない。誰かを巻き込む事を、だ。僕が逃げれば、神塚暮巴を・・・・・否、違う。きっと僕が巻き込みたくないのは、常葉君だ。この「死」への恐怖が、神塚暮巴への「反逆」に変われば、きっと僕は此処から逃げ出すだろう。其れを止めて貰う為に、僕はそう頼んだのだ。しかし・・・こんな恥ずかしい感情を、悟られたくないと言う僕のプライドが、全てを覆い隠し、誤魔化しているのだ。
部屋の静寂を、ノック音が破ってしまった。
僕は、小さく「何だ?」と呟いた。すると、直後ゆっくりと扉が開かれる。僕はその様子をじっと見詰めていた。
「お早うございます、千鶴様。まだ日は昇っておりませんが、そろそろ準備をして頂きたい・・・と言う神皇女からのお言葉をお伝えしに参りました。睡眠中、申し訳ございません・・・」
そう僕に話しかけたのは、記憶を失くした常葉君だった。
その遠慮がちな物腰は、彼の心優しい性格を現すのだろうか。と、僕はそんな事を考え、フッと鼻で笑った。
「準備とは、間も無く訪れる「死」の覚悟、と言う事かな?全く、神塚暮巴は本物の悪人だな。」
嫌味の心算だった。本当はこんな事言いたくない。しかし、僕の中の恐怖を紛らわせるためには、こうするしかないのだ。
常葉君は、俯きながら言った。
「・・・申し訳ございません。私の軽い発言でお心を悪くされたのなら、謝罪します。本当に申し訳ございません、千鶴様・・・」
僕は、誤り続ける彼に「そんなに謝らなくても・・・」と言い掛けた。
しかし、最後まで言えなかった。彼に遮られたからである。
嗚呼、懐かしいこの温もりを、僕はまた感じている。誰かに抱かれると言う、この感覚。
僕は、彼に身を委ねた。
「私は・・・千鶴様と、もう出会ってしまいました。会話を致しました。・・・私は、貴女と言う存在を知ってしまったのです。だから・・・私は千鶴様に・・・・居なくなって欲しく無いのです。此れは・・・愛と言う感情なのでしょうか。」
常葉君の表情は見えない。
でも、生前と同じだ。
そうか。この感情は、今彼が抱いているのと同じ・・・『恋』と言うモノなのか。
僕は常葉君が・・・・・好きなんだ。
「しかし、常葉君。僕が死ななければ、この世界や、君の主は、無くなってしまうんだぞ。だから・・・仕方が無いんだ。それは、僕だって・・・僕だって、怖い。怖いさ。これから死ぬって分かっているのに・・・何も、出来ないんだから」
あれ・・・?何だ?此れ。僕は・・・どうしてこんなモノを?もう無くなったと思っていたのに。
「千鶴様、私は貴女を騙していました。・・・・記憶を失ってなど、居ないのです。此処に貴女が来ると聞いて、貴女に迷惑が掛からないようにと、神皇女に・・・・」
その時だった。彼の後ろで、にこやかに微笑んでいる神塚暮巴に気がついたのは。
僕は咄嗟に彼から体を離す。
常葉君は、後ろを振り返る。
怖かった。また、あの日のように彼が・・・・。
そんな考えが僕の思考回路を狂わせる。
しかし神塚暮巴はこう言った。
「気にするな、千鶴。我の計らいだ。お主はもう直に死ぬであろう?それで、我からの礼と言う事でこやつの記憶に色々と細工をして、不自然な形で元に戻した。代償は大きいけどな。常葉からは、大切な人間をもらうとするかのう・・・」
神塚暮巴は口元を緩めた。思わず、安堵のため息を吐く。
僕はしばらく間を置いて、神塚暮巴に礼でも言おうかと口を開こうとした。その時だった。僕の声は遮られた。
「さぁ、千鶴。我の為に散るのだ!」
<・・・・遂に其の時はやって来たようです。僕は元の世界の映像を見せられました。赤く燃える炎が、一直線に道を作っています。そして、次から次へと、赤く光る瞳を持った人間達が通っていきます。少し聞こえました。「コロせ、コロせ・・・」と、人々は呟いています。
とても恐ろしい映像でした。中には、もう人間の姿を留めていない者すら居ました。嗚呼、僕はこれからこの仲間達に・・・・命を燃やされるのか、と思わず思ったのです。>
−コロせ、コロせ・・・・・アイツを、神を・・・・コロせ−
え・・・・・・・?あれって・・・・・今の声って・・・・。
渡 森羅。
僕の幼馴染。気さくに話しかけてくれる、優しい男の子。少しずぼらで、やんちゃな子供みたいなところもあって、一緒に居てくれる仲間。
赤く燃える瞳を持ち、人々の先頭で旗を上げている。まるで、リーダーの様な存在にも見える。そしてその両手からは、炎が吹き出る。
悪意に満ちたようなその表情を、僕は知らない。
<神塚暮巴は言いました。
「彼こそが、大昔に人々の先頭に立ち、異空間までの扉を開いた神殺しのリーダー、玉露の子孫だ。」
・・・・・・・と。
そして、
「玉露の子孫を殺せば、きっと神殺しは終わりだ。・・・人々をその気にさせてしまったのは、他でもない玉露なのだからな。そうすれば、君は死なないで済むが・・・・人殺しと自殺。どちらがいいか、聞いてもよいか?」
とも言ったのです。>
死ぬくらいだったら、人殺しの方がマシだと、そう思った。しかし相手は渡君だ。本当にそれでも良いのだろうか?
渡君を殺そうとしたって、僕は超能力を使えない。ただの無力な人間だ。
だったら、僕は・・・・・・・・
死ぬしか無いんじゃない?
<僕は超能力が使えない。だから・・・・死ぬ事にしました。
そして、この世界との別れまでの、カウントダウンが始まりました。>
- Re: もしも僕が超能力を使えたら。 ( No.11 )
- 日時: 2012/05/28 11:14
- 名前: 璃夢 (ID: zbxAunUZ)
==新キャラ(!?)登場に着き、滅茶苦茶短い紹介です♪==
名前{玉露}
読み{ギョクロ}
備考{渡 森羅の先祖。人々に神殺しへの同意を求めた。他の人間よりも一層強力な能力を持っている(っぽい)。手から炎が出ちゃいます}
あー、なんかすっごい短くてすいません・・・。
でも他に書く事も見当たらないので、これで・・・・
あ、参照40突破です♪
私としては、滅茶苦茶嬉しいハッピーな出来事でした〜
果たして、100は超えられるのか!?新たな物語(ストーリー)が幕を上げる!(否、上げないです。(笑)以上です・・・)
- Re: もしも僕が超能力を使えたら。 ( No.12 )
- 日時: 2012/06/03 14:09
- 名前: 璃夢 (ID: zbxAunUZ)
記録:8「もしも僕が超能力が使えたら。」
<僕には超能力が使えません。だから、この儚い命を棄てる事にしたのです。しかし、もしも・・・・
もしも、僕が超能力を使えたら・・・・
まだ、生きる事は出来たのでしょうか?>
僕は、そうノートに書き込んだ後、ゆっくりとノートを閉じた。
きっと此れが、僕にとっては最後の記録になるだろう。
僕は、常葉君にそのノートを手渡した。
「?・・・あの、千鶴様。このノートは一体・・・」
常葉君は、其れを見ながら僕に尋ねた。そうか、この記録の存在は、誰にも語った事が無かったな。僕は口元を緩めた。
「ふふ・・・此れは、僕の居ない世界の誰かに読んで貰おうと思って書いたものなんだよ。短かった僕の一生の最後を示してある。」
僕はそう説明をした。あまり、他人に見せたくは無かった。しかし、僕はもうすぐ居なくなる。だから、此れを彼に託したのだ。
常葉君は、不思議そうに僕に尋ねた。
「しかし・・・如何して此れを私に?大切な物でしょう。ご自分で所持すれば宜しいと思いますが・・・」
そういう意味ではない。此れを書き終える為に、君に預けたのだ。
「僕の代わりに、此の記録に終わりを書いてくれないか?」
僕は呟いた。彼が聞き取れる様に、はっきりと。
彼は、戸惑っていた。微妙な表情で・・・
「畏まりました、千鶴様・・・・・・」
と、静かに言って・・・・・泣いていた。
☆
さて、此の屋敷の外が、赤く燃え上がって来た。
来てしまったのだ。恐ろしい神殺しの人間達が。
逃げれば良かった・・・。そんな事を呟きつつも、僕は屋敷の扉を開ける。
そして、温まった空気を大きく吸い込んで声を張り上げた。
『僕が、君達を苦しめ、貶め続けてきた呪縛・・・・神だ!!!』
嗚呼、人間達が僕を恐ろしい目で見詰めている。
僕は同志達に殺されてしまうのか・・・。
ほら、来たよ。
皆武器を構えてる。
さぁ、僕を早く殺して・・・・・・・・?
☆
「畜生ッ!どういう事だ、千鶴!お主にそんな事、頼んではいないぞ」
私はそう叫んだ。何処にこの怒りをぶつければよいのか分からない。
ただただ、窓の外を見詰めるだけ。
本当に私は神なのだろうか?
だってほら、今ああして園原千鶴が神を名乗って神として死のうとしているではないか。
千鶴が勝手に行っている事だろうが、一瞬でも人間達にとっての神は私・神塚暮巴から、ただの人間・園原千鶴に移ってしまうのだ。
其れは、私にとって利益のあることなのだろうか?
そうだ・・・・。痛いのが嫌ならば、私が・・・・
やっぱり、私が死ねば良いのではないか?
★
「己、神め!ようやくわれわれに殺される心算になったか!!」
「良いだろうその心意気!塵も残らず駆除してやるぞ!」
僕に対して・・・・否、此れは神に対しての罵声だろう。
500mほど先には、多くの人間達が武器を構え、僕に向かって走ってくる。
僕は目を瞑った。
昔、聞いたことがある。
怖い時は目を閉じてみなさい、きっと本来の姿が見えてくる筈だ、と。
誰の言葉だったか忘れてしまったが、僕が大好きだった人の話だ。
兄と呼んでいた存在・・・・それは誰だったかな?
でも覚えがある。その人はもう・・・・居ない。
常葉君と同じで、脳死してしまった気がする。
常葉君みたいに、とっても優しかった。顔は覚えていないけど、誰かとすごく似ている。
でも、誰だっけ?
『千鶴ッ!だ・・・・大丈夫。お兄ちゃんが助けてやるからさ。』
いつだったか、僕が事故に巻き込まれたとき、兄は僕を抱きしめてくれた気がする。
『お兄ちゃん・・・・怖い。怖いよ・・・・!お父さんとお母さんが、まだ見つかってないの!僕探してたら、上から落っこちてきて・・・』
そうだな、此の頃の僕はまだまだ弱くて、泣き虫で、小さかった。
確か、火事でうちのアパートが焼け落ちて、家に居た僕達が巻き込まれたんだ。そうだ、思い出した。此のとき、僕の上に棚が落ちてきて、
僕は下敷きになったんだ・・・。そうしたら・・・
『千鶴・・・怖い時は、目を閉じてみなさい。きっと、本来の姿が見えてくるから・・・・』
『目を瞑ればいいの・・・・?』
『そう。こうやって、目を瞑るんだ。ほうら、真っ暗で何も見えないだろ?』
『うん。なぁんにも見えないよ?でもおにいちゃん。これで何が見えるの?』
『もう少し目を瞑っててご覧。きっと千鶴が目を開けた時には、千鶴のお母さんもお父さんも、この家だって、元通りだからね』
『良かったわ!ねぇ、千鶴が目を覚ましたわよ!』
目を開けた僕を迎えたのは、白い天井。
後、知らない女の人の声だった。
『・・・・誰?ここは、何処なの?』
僕はそう呟いた。
その瞬間、「しらない女の人」の顔が歪む。
突如、大声が響いた。
『何をふざけているの!千鶴?私よ、お母さんよ!』
『おかあ・・・・さ・・・ん?其れは、誰の事?』
別に、ふざけているわけではなかった。
分からなかった。此れが誰なのか。
それが原因で、僕は見覚えの無い母と父に棄てられた。
そして・・・・・
『千鶴さんのお兄さん・・・脳死だそうです。不思議と全く外傷は無くて、ただ・・・後頭部に棚が当たって・・・。残念でしたね。』
病院のヒトは悲しげに告げる。
兄・・・・・?僕に兄が居たのか?
病院のヒトは、僕に、兄と対面するかも尋ねてきた。
ぼくは断った。
『名前も知らないお兄ちゃんなんかと会っても・・・火事を思い出して怖くなっちゃうから・・・』
しかしぼくは後悔する。
このあと知る真実を。
- Re: もしも僕が超能力を使えたら。 ( No.13 )
- 日時: 2012/06/03 14:16
- 名前: 璃夢 (ID: zbxAunUZ)
どうも璃夢です♪
参照50突破にメチャクチャ喜んでいます。
それだけです・・・・すいません・・・・。
えっと、読んでくれた皆様、ぜひぜひコメントをください!!
今のところ、初コメのしゅいろ様しか・・・・
沢山のコメントを待っています!
コメントを求める璃夢の壮大な物語(ストーリー)が、今幕を上げ・・・・るワケ無いです(笑)