ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

★パンやの剣士さん!★~朋友(パンヤオ)物語~
日時: 2015/05/16 22:59
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=3618

↑凛花と恐怖のゲーム(原作?)

●凛花と恐怖のゲームで、連載していた外伝が
遂に、一つの小説にさせていただきました。
●スピンオフ?的なものです。
●題名は、少し変わるかもしれません。
●凛花、外伝だけ読みたいのに、
めんどくさい、という方は、コチラをご利用ください。

題名について
朋友→友達(中国語)


登場人物

●市村紅(雲雀さん)

●千光寺青 (オリジナル)

飛前緑オリジナル

紅の、子供時代のお話です。


というわけで、新しく始めました!
温かい目で、ご覧ください。
次回から、スタートです。
よろしくお願いいたします。

また、親小説の『凛花と恐怖のゲーム』も、よろしくお願いいたします。



《目次》

>>3>>4>>5>>6>>7>>8>>9>>10

3/21執筆開始

《お客様》

とらじ様

裏の傍観者様(凛花での連載時)


雪花菜様(凛花での連載時)




Re: パン屋の剣士さん!~3人の恋~ ( No.1 )
日時: 2015/03/21 19:40
名前: とらじ ◆9g4.dY7mOk (ID: wyieLVt/)
参照: 元・ちほりん(。・x・)ゞ♪



ヤッホー!!

一番乗りかな?

題名が気になってみたら、みーこの小説だった!

今回も、面白そう!((o(^∇^)o))

これからもみーこのファン1号として応援してるね!(迷惑だったらごめん(;>_<;))

お互い頑張ろー!(まー、うちはみーこの足元にも及ばないけど☆)

Re: パン屋の剣士さん!~3人の恋~ ( No.2 )
日時: 2015/03/21 19:58
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

1コメありがとう!
今回も、一生懸命更新頑張るよっ!
全然、迷惑じゃない!むしろ、嬉しいよ!
小学生小説家、としてお互いガンバロー

Re: パン屋の剣士さん!~3人の恋~ ( No.3 )
日時: 2015/03/26 19:21
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

「紅!また、修行サボったの?」

紅は、青い空の下で、計999回目の説教を受けていた。
顔を真っ赤にして、怒っているのは、道場の先生の孫の『千光寺 青』だった。

この時、紅は、13歳。青は、12歳。
年下の奴に、説教されるのは、苦痛で苦痛でたまらない。

「おめぇなぁ・・・年上の奴に、よくも説教できるよな。」

「剣士としては、私の方が、力は上だよ!紅!6年も早く習い始めて、この腕とは、お前には、剣の才能は、無いんじゃねぇの?」

青は、フフン、と鼻で笑った。


ああ?
なんだと?


「おめぇだって、まだ、まともに斬る事なんて、出来てねぇし、
停止術も、0,1秒しか止められねぇじゃねぇか!
そんな奴が、俺に口出しスンナ!」

紅は、ゴツーンと青の頭に拳をお見舞いした。
すると、青は目を吊り上げて、

「いってぇ。乙女は、大切にしろよ!」
「おめぇのどこが、乙女だよ!」

青は、刀を鞘から抜き、紅の首にあてた。

チャキ………

キラリと、刀が光る。

「殺されたいの?」

青が、声のトーンを下げて喋る。

しかし、紅は、余裕の笑みを浮かべ刀をつかんだ。
青の額から、汗が流れ出る。

カチャカチャと、手の震えと共に音が鳴る。




バキッ




刀が、地面に落下した

「俺の力で、真っ二つに、
なるような刀が相棒なんて、剣士もダメダメだなぁ〜」

紅は、鞘で青の頭を、コツンと叩いた。

「もっと、鍛えろ…」

耳元で、紅は、囁いてきた。
ギリッと、奥歯が音を立てる。

「私、絶対にお前を超える。
おめぇみたいな、ヘボ剣士に負けるもんか!
父ちゃんに、教えてもらって、紅を倒すんだ!」

「どうぞ・・・ご勝手に。」

紅は、服を脱ぎ捨て部屋の中に入っていった。
青は、独り取り残された_________

「私。剣士には向いてないのかな?
やっぱり・・・家を継いだ方がいいのかな・・・」

青の家は、パン屋だった。
兄弟のいない、一人っ子の青が継がなければ、
パン屋は、潰れちゃう・・・・

青は、道場を後にした___________
もう、ここには来ない。








絶対_______________________________

青は、家に向かって歩き出した。
青の家は、町はずれのパン屋さん。


お客は、ほとんど来ない。
なぜならば、町の真ん中に、数日前大きな市場が出来たのだ。
みんな、そっちへ流れちゃった。
だから、パンはいつも売れ残る。
残ったパンは、夕食になる。




「青!」

母親が、青を呼んだ。
倉庫からの声だ。

「なぁに?」

店の裏の倉庫に回ると、母親と_________


「緑!」

「どうも。」

緑は、ペコリと会釈をした。
青は、目を丸くした。
なぜ、緑がいるの?

「んじゃ、今日はこれで。」

緑は、青に向かって、向日葵のような笑顔を見せた。

緑の手には、うちのパン屋の紙袋が抱かれていた。
青は、にこっと笑いかえす、また店に戻った。




その時、




「ちわーっす。」

ででででででで、デデーン!


紅・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「なんで、来たのよ!」
「道場帰り。昼飯買いに来たんだよ。」

ポンッと、腹をたたいて笑う紅。


時計を見ると、10時。
昼飯には、早すぎる気がするけれど。


「んじゃ、揚げパン!」

小銭を、青のエプロンのポケットに突っ込むと、
揚げパンをひったくって紅は、帰って行った。

「んじゃ〜な。」
「もう、二度と来るなぁ!」

青は、笑顔と、怒りの表情が混ざった複雑な顔で、紅を見送った。

バタン!
扉が、閉まりまた、店の中は静かになった。
今まで、騒がしかったのに……

青は、店の裏の、倉庫からモップを取り、戻ってきた。

「青!騒がしかったけれど、お客?」

「・・・・うん。道場の【先輩】。うるさい人だよ。」

モップをかけながら、母親と会話をするのは、青の大好きな事。
会話は、大好き。

「青!明日の、道場の朝練いくの?」

その瞬間、青の表情が一変した。
笑顔が、強張った。





もう・・・・道場には、行かない




「あっ・・・明日は、手伝いするよ。うちの」
青の額から、冷たい汗が流れ出る。

「でも、今月、大会でしょ?行かなくていいの?」
母親の、何でもない、ただの質問が、胸に突き刺さる。

うぐぐぐぐぐぐぐぐぐうぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ。

行きたいよ,でも__________________
















私は、弱いんだよ。
私は、剣士に向いてないんだよ。
そんな奴が、試合に行ったって………


「青!パン、出来たから、並べてくれないか?」

父親が、太い腕で手招きをしていた。

「いいよっ!」

青は、駆け出した。
少しは、気分転換になるだろうか。

___大会当日___

待ってもないのに、朝を迎えた。
剣術大会は、9時からの為、まだ十分時間はあった。
父親が、手に入れた出場者名簿を見ると、あの2人も、出場するようだった。

「青?やっぱり行くって、どうして?」
道着に着替えていた、青は、何も言わなかった。
そして、沈黙を貫いたまま、家を飛び出した。


坂を三つ超えた先に、会場はあった。
すでに、ボルテージは、MAXになっていた。
額から吹き出す汗を、袖で拭きながら、今、試合中の選手を眺めていると、後ろから係員に、

「あなたは、参加者ですか?」

と、名簿を見せながら話しかけられた。

「飛び入り参加って、アリですか?」

「無理だね。事前参加が、ルールだからね。また、来週の大会でも参加したら?」

そういうと、係員は、ケラケラ笑いながら、歩いていく。
青は、『ルール』だから、と自分で納得して観客席へ入る。
まわりは、保護者だろうか。
自分より、年上の人間しかいなかった。





いきなり、ボルテージが上がる。
ハッと、ステージを見ると、選手が入場を始めていた。

『いよいよ!子供の部です!』

きっと、この部門で紅や、緑が試合をするんだ。









「あっ・・・・・・・・」

青の目に、信じられないものが飛び込んできた。
東西、分かれて試合をするのだが、


東・紅
西・緑


あの二人は、敵として出場していたのだ。
「私は、どっちを応援するべきなの?」


緑は、有利にゲームを進めていた。
紅が、追い詰められていく。

(紅!・・・負けないで!)

キーーーン

刀が、ぶつかり合う。


ピキイキピキピキ


2人が、知らないところで、不吉な準備が進められていた。

Re: ★パンやの剣士さん!~3人のこい~★ ( No.4 )
日時: 2015/03/26 19:24
名前: みーこ ◆jdHxHHqZ4A (ID: wJ5a6rJS)

ガコッ


いきなり、緑の刀が真っ二つに折れた。

緑の顔は、赤色から真っ青に変化した。

「えっ……………」
汗が、流れ出る。
しかし、また、体制を立て直し、
折れた刀を、片手に緑は、紅に突進していった。

____________

「弱すぎだろ…」

退場のすれ違いざまに、紅は囁いてきた。
ビクン、と緑の体が震える。

「紅さんは、・・・強かったです」

言いたくない!言いたくない!
こんなこと、言いたくない!

「お前・・・道場で、何を習ってたんだよ!」

紅の迫力に押され、声が出ない。

「あうぅぅあくぁ・・・」
涙目になりながら、必死にしゃべろうとするけれど・・・


アイツは、緑の答えも聞かず、
建物の中へ消えていった。

「俺はぁ・・・・」
緑は、悔しくて悔しくて___

冷たいコンクリートの床に座り込んだまま、
人形のように、緑は、
動かなかった_____________________動けなかった。


「緑・・・」

いきなり、後ろから頭を掴まれた。

爪が、グイグイ食い込んでくる。
コイツ、躊躇を知らないのか?
痛みは、増していく。

「イテテテテテテテテテテ!」

顔を真っ赤にしながら、叫ぶ。

「イテーヨ!・・・・青!」

緑は、叫ぶ。

「あっ、ばれちゃった?
鷹の手を持つ、青様って呼んでね!」

「はいはい!鷹の手を持つ青様!痛いです!鷹に、手はねぇだろ!」

「ハイは、一回!」

「はいっ!」

返事をした後、緑は、勇気を振り絞り、言葉を発した。

「青………様。俺を、強くして下さい。」
ギュッと唇を噛んで、声を絞り出す。

「なんで?紅に勝ちたいから?」
即答だった。
何の迷いもなく、そう、言った。

緑は、コクンと頷く。
青は、残念、という顔をした。

「私はね、剣術は、
勝負のために習うものではないと思うよ。
大切なものを、守るために習うんだよ。
大会も、強さだけを競ってなんかない。
守る……大切なものを守る力を、競ってるんだよ。」

緑は、青のセリフで、泣き出してしまった。

「勝った奴より、負けた奴の方が、強くなるんだよ。
勝負は、勝つか負けるしかない。
そこで、神様は、緑を勝たせるために、今回は、負けるようにしたんだよ。
人間は、勝てば、努力をやめてしまう。
けれども、負ければ、次は勝とうって思って努力する。
そこで、差が開く。
だから、緑は、ここで負けたからって、努力をやめないで、ね。
私は、慰めたりはしないから。慰めは、甘やかすことになるから。」

「俺も……同情は、入りません。」
緑は、俯いた。

「ヨシッ!じゃあね!」

青は、そう言うと、手を振って帰って行った。
緑だけが、残された。
そこへ……………


「よっ!ヘナチョコ」


悔しい………
どうして、こんな奴に、
こんなこと、言われなきゃいけないんだよ!
なんで…………


「弱かったな。お前。」
「僕は………………………」

次の言葉を探すが……


「弱いから、言い訳をするんだよ!
言い訳をするから、弱いんだよ!
俺は、言い訳が嫌いだ。
言い訳なら、言うな。
それとも、宣戦布告ですか?
同じ、結果しか見えていないが、宣戦布告ですか?」

緑は、立ち上がった。





「俺は………」








「紅、お前を倒す!いつか、お前を倒す!」

「!………俺を……倒す?」

一歩、紅に緑は歩み寄る。
紅は、歩み寄った緑から、距離を取るように後ろへ後退りした。

「お前みたいな、ヘナチョコが俺を倒す?ハァ?」

「俺は………2度と、おメェに、負けない!」

アイツの目は、狩りの時の、ライオンのようだった。
「じゃあ………ショーブしようじゃねぇか!」

カシャン、と音を立て鞘から抜かれた刀は、
緑を、殺す準備が出来ている。
緑も、刀を出すが、アイツの刀より、短く弱そうだ。

「っ…………」


(頼む…………勝たせてくれ。)
俺の、願いは、神に届いただろうか。
ギュッと手に力を込める。

「うわぁぁぁぁぁ!」

叫びとともに、紅に向かって行く。

「遅い。」

紅は、一言呟く。
気がつくと、目の前にいたはずの紅は、
緑の真後ろで笑っていた。

「あ………………」

顔が、カァと熱くなる。
緑は、相手になどされていなかった。

紅は、余裕があるのか、手招きをする。


殺せるものなら、
殺してみろ(ヤッテミロ)と言われたような気がした。


ガクッと膝が曲がる。
「こっちは………力一杯なのに……」

「俺は、まだ全力、出してないからな。」

力の差って奴かよ______これが。

同じ、道場で習っても、

元からの才能があるかないかで、

力の差は、開いてしまう。

才能は、生まれつきだ。

努力は、才能には勝てない。

全て、『無駄な努力』だった……のか。

みんな、『無駄な努力はない』なんて、キレイゴト言いやがって。

今の、俺は………俺は………何なんだよ!


「もう、終わりか?俺、帰るな。」

紅の、大きな背中が、視界に入ってくる。

苦しい………

俺は………




今まで、何をしていたのだろう。

先生や、青に向ける顔がねぇ。









Page:1 2 3 4



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。