ダーク・ファンタジー小説

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「変態とは心外だな。俺にとっては普通のコト」
日時: 2016/02/07 17:07
名前: 雨音 (ID: HKLnqVHP)

 ねえ、貴方には死体を見て興奮したり、眼球を集めていたり、人肉を食すことを好む子のことが理解できる?

理解出来ないのが普通だと思うわ。

でも、その子達だって自分のことを気味悪がってるところもあるの。特に後天性は。

後天性の子達が、そんな風になった訳。教えてあげるわ__

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元:雪音です。

前作った小説の方に何故か入れなくなってしまったのでリメイクついでに作りました!

これはなりきり掲示板の方でやっている指名制の異常性癖スレの指名キャラの過去とかの話です。


今度からエピソードごとに題名変えることにしました!

今はEpisodeDなのでまた変更!

Re: 「私達が異常と化したわけ。知りたい?」 ( No.12 )
日時: 2015/12/20 08:12
名前: 雨音 (ID: HKLnqVHP)
参照: http://「みんな私の事を異常って言うけど、私から見たら貴方たちも十分異常」

EpisodeA 藍沢奏音 XI

「のわっ、何この血」

玄関の方から和音の驚いた声が聞こえる。

ああ、血を拭き忘れてた……。

会うのは嫌だけど、血は拭かないといけないよね…。

「めんどくさ…」

小さく呟き、ベッドから起き上がる。

久々に和音と顔を合わせる。どんな顔されるだろう…。あの時の事、怒ってるかな…。

玄関の方へ行くと、雑巾で床に付いた血を拭いている和音がたいた。

「和音、貸して。私がやるから…」

膝をついて雑巾がけをしている和音に手を伸ばす。

「え…奏音…?」

私を見上げ、驚いた顔をしていたが目に涙を溜めて、「やっと出てきた!」といつものように笑った。

「久しぶり、和音」

つられてクスッと笑ってしまう。

いつぶりだろうか。笑ったのは。ずっと部屋で一人だったから笑ってなかったしな…。

「で、奏音。この血はなに?」

「血は血だよ。人間の血」

キョトンとしてそう言う。嘘はついてない。人間の血だもん。

「じゃあ誰の血?」

「……最低最悪な男の血」

先輩、というのも嫌だしかといってあの男の名前も知らない。

「まさか…その男の人、殺しちゃったの?」

「そう。今私の部屋にいるよ。死体となって」

見る?と聞くと首を横に振る和音。

ニンゲンを食べてるくせに、死体は見たくないらしい。

「…奏音。部屋にいるってことは…自分で持ってったの?」

「そう。ここで殺しちゃってスッゴク綺麗で欲しかったから持ってった。
どうせ思ったんでしょ?ネクロフィリアになったか、って」

そう言うと、コクリと頷く和音。

「奏音も、異常性癖者になったんだな、って思って」

Re: 「私達が異常と化したわけ。知りたい?」 ( No.13 )
日時: 2015/12/20 17:31
名前: 雨音 (ID: HKLnqVHP)
参照: http://「みんな私の事を異常って言うけど、私から見たら貴方たちも十分異常」

EpisodeA 藍沢奏音 ⅩⅡ

異常性癖者

昔からそうはなりたくなかった。

火を見て興奮するリー兄。普通の食事より、人肉を好む和音。そんなのにはなりたくなかった。

「奏音がさ、そんなのになったのって私のせい?」

「和音のせいじゃないよ。全然違う人たちの……せい…」

オリの顔が頭に浮かぶ。

震えが止まらない、涙も出そうで下唇を噛んで絶える。

「奏音……?」

心配そうな声を出す和音。

「大丈夫。…はやく拭いちゃおう。落ちにくくなっちゃう」

そういうといまいち納得してないようだが「うん」と頷く和音。

再び、血を拭きとり始めたのを見て、私も雑巾を取りに行く。

「オリ……」



ねえ、君は何であんなこと言ったの?


そんな理由、覚えてるわけないか


そもそも、私の事すら覚えてないだろうね


でも、私は一生忘れないよ 私を一人にした君は 一生 忘れない



「一生ね…忘れないんだから…」

Re: 「私達が異常と化したわけ。知りたい?」 ( No.14 )
日時: 2016/01/10 06:27
名前: 雨音 (ID: HKLnqVHP)
参照: http://「みんな私の事を異常って言うけど、私から見たら貴方たちも十分異常」


EpisodeA 藍沢奏音 ⅩⅢ

血も拭き終り、リビングのテーブルに迎え合わせになるように座る。

「で、奏音。さっきの答え。まだ聞いてないから言って」

「言わなきゃダメ?」

コテンと首を傾げる。

「だって…昔から血自体を見るのが嫌いでグロイ話とかも泣きながら耳塞いでたあの奏音がだよ!あの奏音が人を殺せるとは思えない!!」

あの純粋な奏音が…と言いながら両手で顔を隠す和音。

別に私は純粋でもない。全く違うモノ。

純粋な頃なんて、君が親を食べるまでぐらいだよ。

「…中学の頃からさ。まぁ、トモダチは数人はいたよ。でもクラスの中でも浮いた存在だったじゃん?私」

「うん、はっきり言って浮いてた。クラス離れてた私のところにまで奏音の噂流れてきたもん。『カンニングの藍沢姉』って」

でも知ってるよ?奏音がカンニングする人間じゃないって事は。奏音はそんな人間じゃないじゃん!

なんて誇らしげに笑う和音。

カンニングしたって意味がないじゃん。

「やっぱり、知ってたんだ…。カンニング噂のせいで全員、私から離れて行った。それで高校で夏織って子と出会ったけど…」

その子も離れて行った。 ただ一つの噂で離れて行った。

   【 偽 り だ ら け の 噂 を 信 じ て 。 】

Re: 「私達が異常と化したわけ。知りたい?」 ( No.15 )
日時: 2016/01/10 07:23
名前: 雨音 (ID: HKLnqVHP)
参照: http://「みんな私の事を異常って言うけど、私から見たら貴方たちも十分異常」

EpisodeA 藍沢奏音 ⅩⅣ

「ニンゲンなんて信じられない。簡単に人を裏切って平気な顔をしてる。
ただの噂で皆離れて言って私の悪口ばっかり言う」

今まで誰にも言えなかったことをぶつける。

和音は何も言わないでただ、うん、うん。と頷くだけ。

「もう、ニンゲンなんて嫌い…」

自分でも知らないうちに涙が溢れていた。 涙が頬を伝う。

「奏音、辛い思いしてたんだね…」

知らなかった。と呟く和音。

まぁね。顔に出さなかったもんね。誰にも言わないでずっとため込んでたもん。

「じゃあ、私の事も信じられない?」

「御免、はっきり言って信じられない。妹だからと言っていつ裏切るか分からないじゃん」

何度も何度も人が離れていくことを経験しているとニンゲンを信じられなくなる。

だから、信じられるのは、愛するのは【 死 体 だ け 】。


【私が異常とかしたわけは、ニンゲンからの裏切り。

それによっての人間不信。 死体しか愛せないようになったことから】




EpisodeA 藍沢奏音_fin

Re: 「私達が異常と化したわけ。知りたい?」 ( No.16 )
日時: 2016/01/10 07:36
名前: 雨音 (ID: HKLnqVHP)
参照: http://「私にとって人肉こそ至宝。でも人は異常だという。 どっこも異常じゃないよ。私にとっては」

EpisodeB 藍沢和音 Ⅰ

幼い頃から見続けてきたのは親に褒められる兄と姉の背中。

兄の梨音は小学生。成績は良い方らしい。

姉の奏音は私と同い年なのにまだ習っていない字を書くことが出来る。

双子なのに、兄妹なのに。私は自慢できることは足の速さしかない。

それでも、親は褒めてくれない。足の速さなんて親は求めてなかった。


「偉いわねー、奏音ちゃん。…それに比べて、和音は全然駄目ね」

いつも二人でいても奏音ばかり褒められる。

私にはいつも同じ言葉を言われる『全然駄目ね』って。

母も、父も。私の事を嫌っている。

本当は娘は1人居ればよかった。でも、まさか双子だとは思ってなかったらしい。

それに同じ顔、同じ身長。見た目は全部同じなのに中身は全然違う。

頭が良いけど足が遅い奏音。頭は悪いけど足が速い私。

足が遅くても頭が良いのを親は求めている。









もしも私も頭がよかったらきっと嫌われることが無かっただろうね。


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