ダーク・ファンタジー小説

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幼き心のひと雫【更新再開】
日時: 2019/03/10 08:13
名前: 月兎 (ID: anGEJHLL)

簡単ではありますが、あらすじを紹介します!!

小学五年生の葉子ようこは3年前に殺人事件で母親を亡くし、

父親と二人暮らし。それまでは幸せに暮らしていた。

が、葉子の身に怪異が襲う!!

そこに現れたのは……

こんなあらすじとなっています。

次に登場人物の紹介をします!!

・月森 葉子(つきもり ようこ)…小学五年生の女の子。3年前に母親を亡くした。
・霜田 瑠璃香(しもだ るりか)…図書館で知り合った。オカルト女子。

更新ペース

亀の歩くスピードよりも遅い







目次(完結した章のみ)

序章(第1章)〜忍び寄る怪異〜 >>01-19

第2章 〜光と影〜 >>20-35

第3章 〜明かされた真実〜 >>36-48
その他
・第三章…グロ注意!!
・この小説はいつになったら完結するのでしょうか……

お知らせ
・とくにないと思う

Re: 幼き心のひと雫 ( No.35 )
日時: 2018/05/08 22:37
名前: 月兎 (ID: pFXOI/OC)

私は、先生の言った場所までやって来た。しかし、例の資料はなかなか見つからず、途方に暮れていた。



(本当にここで合ってるのかな……)



『お姉ちゃん、何してるの?』

「えっ?」


私が振り向くと、小学校1年生くらいの男の子が立っていた。


「何してるって……ちょっと探し物を……」

「………遊ぼ」

「え?」

「遊ぼ」

「まぁ……いいけど……」





「それじゃあ1問目。ここ、ど〜こだ」

「…どこって……図書室?」

「正解。」

「次に2問目。ここは何小学校?」

「……星空小学校」

「当たり。」

「第3問目。ぼく、何歳に見える?」

「え……6、7歳?」

「大正解。」

「さて4問目。ぼくみたいな“人”に友達できると思う?」

「……うん…」

「フフ……セいかイ」

(………え……)

「ゴモンメ。じゃア、きミガトモダチになっテくれルの?」

(………嫌な予感がする……)

「さァ……はヤク……」

「……申し訳ないけど、断るから……」

「……………ククク……そうナンダ……。……ていうのは嘘だよ?お姉ちゃん、騙されたね!」

「……え?」

「じゃあね!バイバイ!!」

「……………」


そう言って男の子は去って行った。………あの男の子、どこかで見たような……ま……いっか。





私は謎の男の子の難題(?)を答えた。……しかし、本来の目的はそうではない。資料を探しにやって来たのだ。……………本当にあるの?

私は懸命に資料を探したが、見つからなかった。


(うーん……一体どうすれば……)


『こんにちは。』


背後から今度は女性の声が聞こえた。


『そのまま振り向かずに聞きなさい。』

「……はい…」

『貴方、この学校から逃げなさい。』

「……はい?」

『理由は後で話すから……今はとにかく逃げなさい。』

「…今すぐ……ですか?」

『ええ……』

「……振り向いていいですか?」

『……10秒後に』

「………はい」



私は、何が何だか分からなくなった。しかし、今の女性の声は明らかにあの巫女の声だ。……やっぱりあの人は私に味方してくれていたのか……

私は、巫女が言ったように10秒後に振り向いて急いで学校から出て行った。








第三章へつづく…

Re: 幼き心のひと雫 ( No.36 )
日時: 2018/05/08 22:39
名前: 月兎 (ID: pFXOI/OC)

第三章〜明かされた真実〜







「実はね…」


この時の私は、この学校の秘めている衝撃的な事実を知らなかった。


「この学校、元々は子供たちの教育のために建てられたものじゃなかったのよ……」

「え……それって……」

「私、ここら辺の土地勘というものはないのだけれど、昔の文献を調べたら、……………」

「?」

「ある大きな事件に巻き込まれて亡くなった大勢の人たちの霊の怨を鎮めるために建てられたそうなのよ……」

「……………」

「話すと長くなるけれど………いいかしら?」

「………はい…」









〜葉子は、巫女である桜に衝撃的な事実を聞かされることになる。果たして、この学校の秘密とは、一体何なのだろうか……〜

Re: 幼き心のひと雫 ( No.37 )
日時: 2018/05/08 22:46
名前: 月兎 (ID: pFXOI/OC)

*これから2話分(特に2話目)は、少しショッキングな内容ですので、ご注意ください。




















「昔と言えば昔なのだけれど……当時の明星市というのは、とても栄えている街だったの。どこまで栄えたかというと……ちょうど今の東京ぐらいかしら……それは言い過ぎだけれど……でもね、本当にとても栄えている街だったのよ……ところが、ある日突然起こった事件のせいで一気に平穏がくずれてしまったの。まずは、その事件の事を話すわね?

「いまはない明星市立小学校にはたくさんの生徒がいたの。……………ある子が、自殺したの。入学式当時に。……原因は分からずじまいだったの……でもね?その子の遺書にはこう書いてあったの。『死にたくなった。』って。……意味が分からないでしょう?その子のお母さんも、一度もそんな話したことないって。それどころか、入学式をずっと楽しみにしていたらしいのよ……

「その事件以来、学校では自殺者が絶えなくなってしまったのよ………。……自殺した子の念が残っちゃったみたい……。ねぇあなた、“穢れ”って知ってる?“穢れ”っていうのはね?人が死んだときに出てくるモノなのよ……。よく分からないと思うかもしれないけれど……とにかくそういうことなの。

「まあ……その死に方がエグかったのよ……ふふ……最初はこの話からしましょうか……。」

Re: 幼き心のひと雫 ( No.38 )
日時: 2018/05/08 22:50
名前: 月兎 (ID: pFXOI/OC)

「当時の明星市立小学校は、木に囲まれていたの。中には朽ち果てている木もあって、とても生徒が近づける状態ではなかったの。それにね?身体が落下した所は、ちょうどコンクリートで固められたばかりだったのよ……ということはね?分かる?……散乱したの…想像したくもないわね……でもあなたにはそれを想像してほしいの……じゃないと、この学校の様々な怪奇現象の真相にたどり着けないから……

「最初にアレが落ちてるのを確認したのは、当時の小学校高学年の子だったのよ……小学校のすぐ近くに明星市立高等学校があったのだけれど、そこの生物部に解剖好きの部員がいて、その人に遺体の状態を調べてもらったの。

「遺体の状態は良好。しかし病弱。……意味が分からないわ……だって、良好な状態なんだったら、普通は病弱なわけないでしょう?……これには何か深い意味があるのだと思うわ……

「私ね、この学校についていろいろ調べたら、いろんな事が分かったの。

「まず一つ目。このすぐ近くにある宝来橋を走って渡ろうとすると、白い手が足をつかんでそのまま川に引きずり込む。

昔、戦いを恐れてこの地に逃げ込んだ兵士が川に飛び込み自殺したの。……まぁ…一説には、誰かに突き落とされたとか……
その兵士の念が、橋を走って渡る音を敵の進軍だと思って、殺そうとするらしいわ……

「次に二つ目。星空市の中にある何処かのトイレの鏡を5月6日4時2分19秒に見ると、知らない女の子が見える。そして、近いうちに不幸が襲う。

少し悲しい話なのだけれど、この街で昔、一家殺人事件が起きたの……その被害者の中に鏡が大好きだった女の子もいたの……殺される前日、女の子はずっと好きだった男の子に告白する予定だったの……ところが、彼女は殺されたわ……それと同時に、一家の財産全てが燃やされて消えてしまったの……。……鏡を除いては。何故鏡が燃やされなかったって?……違う。“燃えなかった”のよ……女の子の念が強すぎて……
その後鏡はどうなったかって?……さあ…分からないわ……女の子は、死後鏡の世界に乗り込んで、鏡と鏡を行き来するようになったの。そして、好きだった男の子を探したの。でも全然見つからなかった………と思ったら見つかったの。ところが、男の子は別の女の子と付き合っていたの。女の子はそれがどんなにショックだった事か……それ以降、鏡の前に現れた者を無差別に攻撃するようになってしまったの……。……最初はそんなつもりじゃなかったはずなのにね……。

「三つ目。明星市立小学校の北校舎に現れる目のない女の子に遭うと、目玉をくり抜かれる。

………ある女の子が事故で亡くなったの。でも、臓器は無事だったのよ。それで、遺族は目が不自由な人に臓器提供をしたの。……そこまではいいのだけれど……。……生きてたのよ…彼女。目がくり抜かれる前、意識が戻りつつあったの……。……この先は気持ちが悪すぎて私の口からは言えないわ……自分で想像してちょうだいね?
彼女は死後、回復しかけの自分を殺した医者両親を恨んだの。彼女は失ってしまった自分の目玉を取り戻すために、目玉を持っている人々を狙ってはくり抜いていったの。……ここまでにしておきましょうか……

「四つ目。………線路にある遮断機の不良によって亡くなってしまった霊が生者の身体をバラバラにする……。……知ってるでしょ?この話……。あの有名な【キリ子さん】よ……。

「…五つ目。この星空市周辺には処刑場や鳥葬する場所があった。

……………ここら一帯が死体の山になっていたのよ……当時は。だから、夜になって写真を撮ったら、たくさんのオーブが映り込むらしいのよ……それとか、声とか足音とか、誰かに腕を捕まれたりするらしいの……

「六つ目。………これが一番驚くと思うわ……

この星空市に生まれ育った者は、大人になれない。……言い換えれば、二十歳を前に死んでしまうのよ……

……信じられないかもしれないけれど……本当なのよ……

この街、どうやら随分と昔に、ある神社の神様を怒らせてしまったみたいなのよ……それ以来、神様はこの街に永遠の呪いをかけて、星空市出身の子供達を殺すようになったの……

「さてと……この“六”不思議と例の事件がどういうつながりを持っているか話しましょう……

まず、自殺した子の“死にたくなった”っていう気持ちは、五つ目の怪談と関係があるんじゃないかって思うの。……死者が心に語りかけていたのよ……“死ねば楽になる”、“生きていた方がつらい”って……

私はそんな風には思わないわ……だって……一人一人はこの世界に必要だから生まれてきたの……今はそう思わなくても、いつか自分を必要とする人は必ずやってくるから……

次。奇妙なことに、遺体の破片が広範囲に渡って散っていたのよ……こんなの…他殺に決まっているわ……。…これは、一つ目と二つ目の怪談が関係しているの……

……関係ないじゃん、と思うでしょ?……憑いてきてしまったのよ……学校まで。………ふふ。怖いわね…憑かれてしまうなんて……

……ダメよね…。自分が誰かのせいで死んだからって……関係ない人を巻き込むなんて……

「私、昔から七不思議に興味があるのよ……それでね?……知っちゃったんだよね……七番目を……。







つづく……

Re: 幼き心のひと雫 ( No.39 )
日時: 2018/05/15 18:45
名前: 月兎 (ID: lMEh9zaw)

「……えっ…」

私は巫女の衝撃的な発言に言葉を失ってしまった……

「……やっぱり知ってたのね…あなたも。」

「死ぬ…んです……か?」

「そうよ。」

「どう……して……」

「……あなたには悪いけれど…この先は自分でやってくれるかしら?」

「……いやです。」

「…どうして?私はもうすぐ死ぬのよ?」

「……じゃあ質問です。どうしてあなたは私に全てを押しつけるなんていう無責任なことをするのですか?」

「……………」

「どうしてですか?ちゃんと答えてください。」

「…強くなったのね……」

「……え?」

「……私があなたの“はとこ”って言えばわかる?」

「……………」

「私、あなたのことをずっと陰で見守っていたの……前におばあちゃんから言われたの……孫の面倒を見てって……」

「……そうなんですか……最低ね。」

「……え!?」

「だって……。……だって…!私の大切な友達を勝手に消して……!許せると思ってるんですか!?私はあなたのことが許せません!!」

「…………。」

(…本当はこんなはずじゃなかったのだけれど……。……仕方がないか……)

「……悪気は…なかったのだけれど……」

「……許さない……絶対に許さない!!」

「……………。」

「……うぅ…怪華ちゃん……」

『おい……葉子か?』

「ぇ…」


私が振り向くと、瑠璃香さんが心配そうにこちらを見つめていた。

「あなた…どちら様?」

「……お前…葉子のはとこ、なんだな…。その割には葉子の気持ち何も分かってねえな……。」

「……ッ…!!は!?何よあんた!!馬鹿じゃないの!?」

「……………お前は黙ってろ。」

「…………………」

「葉子…大丈夫か?」

「……瑠璃香さん…」

「いいか?困ったときはいつでも私に相談するんだぞ?」

「………!」

「どうした?今までと変わりない事じゃないか……」

「そう……ですね……」


私は瑠璃香さんの言葉に感極まって涙を浮かべてしまった。
私の隣にいる巫女は、自分の置かれた状況を把握できずにいた。
私を見つめている瑠璃香さんは、………私にはよく分からないけれど……私を巫女から守ってくれているように見える。


「葉子……一旦私の家に来ないか?…少しお前と話をしたい……大事な話をな。」

「…いい……ん…です……か……?」

「……ああ、もちろん。」

「……もう話は終わったの?私は早く帰りたいのよ。」

「……もちろん帰っていい。……ただし」

「……ただし?」

「二度と葉子の前に現れるな。」

「………っ!?……えぇ!?冗談言ってんじゃないわよ!」

「……………。冗談を言ってるのはお前の方だろ!!!大体お前が葉子の親の代わりになるっていうんならちゃんと葉子の面倒見ろよ!!!」

「……………。」

「……瑠璃……香…さ…ん?」


瑠璃香さんと図書館で出会ってから今日でどのくらい経つだろうか……。瑠璃香さんは私に怒ったことは何度もある。しかし今日の瑠璃香さんの怒り方は普段とは全く違った。


「……あ…葉子……ごめん……恐かったか?」

「……いえ…」

「ふん…そうか……」

「…………………………」

「お前の名前は確か……えっと……神崎 桜、だっけな。……お前もだいぶん顔が真っ青なのだが……」

「えっ……そ…そんなことないわよ!」

「……今度は赤くなったな。」

「……………うるさいわね。」

「……お前、すこしは反省したか?」

「…………別に。」

「………別に、ですむ話なら私はここまで言わねぇんだよ…。」

「………じゃあ私は何と言ったらいいの?何と言ってほしいの?」

「……お前のその態度が気に入らねえって言ってんだよ!!!お前にはそれが分からねえのか!!!」

「………悪かったわね。」

「……もういい。……お前に心から謝る気がないんなら……。……葉子…そろそろ行こうか……こんな所にいてもろくな事がない。」

「……そうですね…」

「……………。」








〜神崎桜とのはとこ関係を明らかにされた葉子は、少しだけ巫女に対する親近感というものが生まれた。しかし、親友を消されたことに対する怒りや憎しみは消えない。この先葉子はどのようにして巫女と付き合っていくのだろうか…〜


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