ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 幼き心のひと雫【更新再開】
- 日時: 2019/03/10 08:13
- 名前: 月兎 (ID: anGEJHLL)
簡単ではありますが、あらすじを紹介します!!
小学五年生の葉子は3年前に殺人事件で母親を亡くし、
父親と二人暮らし。それまでは幸せに暮らしていた。
が、葉子の身に怪異が襲う!!
そこに現れたのは……
こんなあらすじとなっています。
次に登場人物の紹介をします!!
・月森 葉子(つきもり ようこ)…小学五年生の女の子。3年前に母親を亡くした。
・霜田 瑠璃香(しもだ るりか)…図書館で知り合った。オカルト女子。
更新ペース
亀の歩くスピードよりも遅い
目次(完結した章のみ)
序章(第1章)〜忍び寄る怪異〜 >>01-19
第2章 〜光と影〜 >>20-35
第3章 〜明かされた真実〜 >>36-48
その他
・第三章…グロ注意!!
・この小説はいつになったら完結するのでしょうか……
お知らせ
・とくにないと思う
- Re: 幼き心のひと雫 ( No.10 )
- 日時: 2016/03/13 22:23
- 名前: 月兎 (ID: ADRuIPKx)
「ねぇ…どうすれば…いいの?」「うーん……とりあえず、城内を探索してみる?」「え…怖いよ…」「じゃあ何も解決しないままここにいるの?」「………。」
ーその頃… 「うーん…」「瑠璃香、どうしたの?」「いいや、なんでもない。」「今日ちょっとおかしいよ?」「友達と電話がつながらないんだ…」「え!?それ、結構ヤバいやつなんじゃない!?」「でも家に携帯を忘れたってことも考えられるし…」「ならいいんだけど… 」
一方、葉子たちは迷宮をさまよっていた。
「出口が見つからないなぁ」「そのまま骨にならないといいね。」「…ッ…不吉な事言わないでよ!!」「あはは。ごめんごめん。そんなに怖がるとは思わなかったよ。」「性格悪いね……」「…はい?」「いいや、なんでもない。」「…聞こえてたよ?」「…そっすか。」
…カタッ
「…え?」「今の音…何?」「気をつけて…何が起こるか分からないから……」「?」
その瞬間、怪華ちゃんの右肩付近に何かが飛んできた。
「何…今の…」「確認したみない?」「え……」
怪華ちゃんが〔何か〕に手を伸ばした。
「矢?しかも毒が塗られてる……」「毒矢!?危ないじゃん!!」「そうだね…この城、多分からくり屋敷だよ……」「そ、そんな…」「それに、ここで人が殺されてるよ…」「………」「足元見て?」「?」
私が恐る恐る足元を見てみると………
無数のしゃれこうべが転がっていた。
「うぅ…何…これ……」「………。だから気をつけてって言ったの。」「。」「大丈夫?」「もう…嫌だ……」「分かるよ?その気持ち…」「本当?」「うん。本当だよ。だから、歩こう?」「うん。分かった…… 」
私たちはしゃれこうべのエリアを抜けた。でも……
「ふぅ…やっと抜けた…」「でも、まだまだだからね?」「……。」「♪」
(怪華ちゃんは楽しそうでいいな…)
「次は…毒グモがいるみたい…」「………」「大丈夫。私がいるから。」「でも……」「…でも?」「もし、死んじゃったら…」「そんなに怖がる必要は ないよ?」「怪華ちゃんは平気なの?」「まぁ……」 「怖いもの知らずなだけじゃないかな…」「葉子ちゃん…もし…私が葉子ちゃんの敵だったら…どうしてた?」「そ…それは……」「まぁそれはいいとして……そろそろ進もうか。」 「うん……」
To be continue……
- Re: 幼き心のひと雫 ( No.11 )
- 日時: 2016/03/28 21:44
- 名前: 月兎 (ID: ADRuIPKx)
(………葉子…大丈夫かな?)
「瑠璃香!どうしたの?」「ああ、千香。前も言ったけど、あたしの友達が見当たらないんだ……」「まだ…なの?」「うん…どうしよう……」「警察に言う?」「うーん…」「一応……ね?」
「…………」 「ねぇ、夢で…見たんだけど……」「…何?」「この城の夢。」「どんな夢?」 「…この城には殺人鬼が潜んでいる。」「え…」「だから、気を付けて…いつ襲われるか分からないから。」「怪華ちゃん…守ってくれるんじゃ…なかったの?」「うん。もちろん守ってみせるよ。ただ、相手は大人…だと思う。」「ねぇ!!早く出よ!!」「…その気持ちも分かるけど…この城をもう少しだけ探索してみたいんだよね。ね?お願い!」「………。」
「一応警察には言ったけど…あたしの言い分聞いてくれてるのかな?」「まぁ…きっと大丈夫だよ!瑠璃香が大人が嫌いなのは分かるけど…」
瑠璃香が大人を嫌いになったのは、ある出来事が数年前に起こったからだ。
それは、瑠璃香が今は亡き友達と買い物に行った時の事だった。
「次はどこ行く?」「えっ!あたしに決めさせるの!?」「じゃあ私が決めていいの?」「もちろん!」「私は2階のペットショップに行きたいかな……」「えー…あたしはゲームセンターに行きたかったなー…」「じゃあ瑠璃香ちゃんはゲームセンターに行ってていいよ?私はペットショップに行くから…」「ホント?ありがとう!!」「じゃあね!」「うん!」
これが彼女達の最期の会話となった。
「まだかな……もう待ち合わせ時間とっくに過ぎてるのに……」
♪〜
「ん?音楽?何かのお知らせかな?」
『ただ今、人身事故の為エレベーターの運転を一時見合せております。』
(人身事故?もしかして…)
瑠璃香は事故現場を急いだ。
事故現場には警察官がいた。急な事故だったために、ブルーシートをかけていなかったらしく少しだけ見えていたエレベーターの内部には首のない遺体が転がっていた。この様子を見ていた瑠璃香に警察官が気づきここから離れるよう促した。
でも、その遺体は瑠璃香の友達のものに間違いなかった。だけど、警察官は話を聞いてくれなかった。
「その時あたしは悔しくて悔しくて……」「瑠璃香…前を向いて?過去を振り返ったって何にもならないよ?」「…うん……そうだよね…前を向かないといけないよね……」
「…抜けた……?」「…みたいだね。この調子でどんどん行こうよ。」「…うん……」
つづく……
- Re: 幼き心のひと雫 ( No.12 )
- 日時: 2016/05/03 17:58
- 名前: 月兎 (ID: qbtrVkiA)
「ねぇ!もうすぐ出口だよ!!」「ホントだ…」「やっとここから出られるね!」「あ…でも…ひとつ引っ掛かる事があるの。言っていい?」「うん!いいよ!!」「夢の話、覚えてるでしょ?」「うん…」
「殺人犯…本当にいないのかな…」
「………」
私は怪華ちゃんの低い声で言葉を失った。私は思った。
〜怪華ちゃんの言葉には説得力がある〜
怪華ちゃんは不思議な人だ…
本当に<人間>なのだろうか…
「…あのさ、ひとつ言っていい?」「え?なぁに?」「さっきから私の顔を見て……何?」「あ…ご…ごめん…」「以後、気を付けて…」「……うん。」
『……誰だ…誰かいるのか……』
「……来た。」「えっ?何が?」「…聞こえなかった?殺人犯の声。」「……聞こえた…」 「そう……」 「ねぇ!どうすれば…」「警察…呼んで。」「え?どうして?」「……いい加減にして!!さっきからおかしいのよ!!あんたは死にたいの!?」「え…あ……ううん。死にたくない…」「なら…言うこと聞いてよ!!」「ご…ごめん……」
『…殺す……』
「ねぇ、足下に短剣があるでしょ?それ、取って。」「…?…何に使うの?」「それか、110番。」「え?」「…もういい……自分でするから…」
そう言うと怪華ちゃんは足下の短剣を取り、闇へと消えていった。私はその後をついて行った。 怪華ちゃんの視線の先には男がいた。男は私たちを探しているようにも見えた。
すると、突然私の頭上から物が落ちてきた……
そして、私は気を失った……
「……いるんでしょ?ポルターガイストさん?たしかにあなたのお子さんは事故で亡くなってしまったけれど…それをお子さんの友達のせいにするのは良くないと思うよ?」
『……よく分かったわね…いつから気付いていたの?』
「廃墟に入る前。」
『……ッ!!』
「あなたのやり残した事は…<復讐>、でしょう?でもね?ポルターガイストは、特殊能力を持った人間か、死んでしまって強大な霊力を持った者しかすることができないの。」
『…まさか…私、死んだというの?』
「その通り。だから、早く成仏してお子さんの元に行ってあげて?」
『……さようなら…』
『………』
『………』
(…行ったか……良かった…後は…あいつだけ……)
それと同時に、男がこちらに気付いた。そして男は刃を怪華ちゃんの方に向けて走ってきた。
怪華ちゃんは素早く横を向き、男の脇下をかすめ、足めがけて短剣を突き刺した。
「うぅ…」
怪華ちゃんは男の方を見ずに、私を抱え、出口へと駆けていった。
つづく……
- Re: 幼き心のひと雫 ( No.13 )
- 日時: 2016/05/05 00:09
- 名前: 月兎 (ID: qbtrVkiA)
意識が戻った時、私は病院の天井を眺めていた。どうやらあの時に後頭部を打っていたらしく、頭がとても痛くてまだ完全には復活していない。
(助……かった……?)
ただ、天井は真っ青で、歪んでいた。
(……?なんだろう…この気持ち……まだ死にたくないのに死にたいという気持ち…嫌な気分…)
すると、突然視界がグラッとゆれ、息苦しくなった。 気がつくと、私の足元に目が見開き、口が耳までさけている女の子が足を掴んでいた。
そして、私は気が遠くなっていった……
(葉子ちゃん…大丈夫かな…?本当かどうかは分からないけど…私の初登校日に葉子ちゃんの後ろで青白い顔をして、小学三年生ぐらいの男の子がずっと葉子ちゃんの事を恨めしそうな顔で見てた……最初は先生に怒られて後ろに立たされているのかと思ったけど…誰も座っていない席がひとつしかなかった……あの席は私の席だった…ということは……幽霊?私が住んでいる街には何かがある。)
目が覚めると、そこは普通の病院だった。天井は青くない。女の子もいない。さっきのは夢だったのだろうか…でも、そう考えるとひとつ疑問に思う。
《夢の中で夢を見ていた》。
これしか考えられない。
—ガラガラッ
「大丈夫?」「あ…うん…」「もしかして…うなされてた、とか。」「え…」「病室の外まで聞こえてたよ?」「そうなんだ……」「心霊現象、起きた?」「まぁ…夢の中でだけどね……」「ねぇ…病院は霊の溜まり場だと思うけど…?それでも否定するというの?」「………」
私は言葉を失った…瑠璃香さんが言っていた『 怪異はどんどんふくらんでいく 』というのは、この事だったのかと思った……
「ということは、夢じゃなかったってこと!?」「……。《夢》で起こった事が《現実》でも起こるといったら…信じてくれる?」「え…それは…つまり?」「記憶にはないけれど、病院に運ばれている時に見た夢が実際に病室で起こったという事。」 「そんな……」「ねぇ!今までの怪異の元凶を突き止めてみない?ね?勇気を出して!」「…無理だよ…そんなの……」「ハァ…つまらないなぁ…ね?頭の怪我が治ったら探そうよ!!」「えー……」
プルルル…プルルル……
「あ!電話!ちょっと待ってて!」「……。」
「もしもし…?」
『あ!葉子!久しぶり!』
「ちょっと!声が大きいですって!!」
『あはは。ごめんごめん。』
「で、何の用ですか?」
『あのさ、今度の日曜ひま?』
「うん…ひまだけど…今は友達がいるの!また後でかけ直すから!」
『うん…分かった……』
「ねぇ!怪華…ちゃん?」
私は辺りを見回してみたが、怪華ちゃんの姿はどこにもなかった。
(どうして……)
「葉子ちゃん、どうしたの?」「え…」
明らかにおかしい。ドアを開ける音は一切しなかった。
「どこに…いたの?」「廊下にいたよ?話が長いからつい…ね?」「だったらいいんだけど……」「誰と話してたの?」「えっ?知り合いだけど……」「友達じゃないの?」「うん…友達とはほど遠い関係かな……」「そうなんだ……ナラヨカッタ……」「怪華……ちゃん?大丈夫?」「あ…ううん!何でもないよ!」「そう……」
怪華ちゃんがおかしくなり始めたのはこの時だった……
もう少し早く気付いていたら……あんな事にはならなかった……
To be continue……
- Re: 幼き心のひと雫【参照200突破に感謝!!】 ( No.14 )
- 日時: 2016/06/19 21:53
- 名前: 月兎 (ID: 1kYzvH1K)
『20××年9月6日午後4時29分吉野 舞[10]のバラバラ死体校庭で見つかる。今回の犠牲者は今月1日から行方不明になっていた。』
(どう…して……)
「葉子ちゃん…どうしたの?」 「ちょっと見てよコレ…」 「あーコレね…」「分かるの!?」「ん。分かんない。ま、こんな〈もの〉はおいといて……帰ろ?」「〈もの〉って…」「興味ないね。」
(今日の怪華ちゃんひどい…)
「【きり子さん】ねぇ……」「怪華ちゃんは信じないの?」「さっきも言ったけど、興味ない。」「えー……」「ね?早く帰ろ?」「…うん。」
「葉子?今日ぐらい父さんと話さないか?」「……いやだ。」「………。」
「今日は怖い話をするね!とってもぐろてすくだから気を付けてね!」「何?いきなり…」
「昔、ある村にアリスという女の子が住んでいた。」
「なんか始まったし……」
「その子はみんなから魔女扱いされていた。その理由は、運動能力が誰よりもあり、頭がとてもよかったからだ。そのせいでアリスは精神的に病んでいた。」
「そういう話やめようよ……」
「ある日、アリスは自分の腕に奇妙な絵を描いた。」
「奇妙ねぇ…」
「それは、[目]であった。次の瞬間、アリスは腕に描いた[目]めがけてナイフを「ちょっと待ったー!!ここ学校だよ?誰か聞いててもしその子が気分悪くなっちゃたらどうするの!?」
「突き刺した。傷口からは、血が吹き出した。」
「無視された……」
「アリスは笑いだした。まるで悪魔にとり憑かれたかのように……彼女の笑い声を聞いて村の人たちは、アリスの家に駆けつけた。そして、アリスが自分の腕を傷つけているのを制止しようとしたが、アリスは不意に立ち上がると人々の目をナイフで「怪華ちゃん、それ以上その話をするのはやめようね?ん?」「はいはい……わかったわかった。もうやめるから。」「そう言えばその話、日本じゃないみたい……」「This is the story of Germany.」「いきなり英語使うな。」「…ドイツの話ね。」「怪華ちゃん、日本人じゃないの?」「企業秘密。」「…は?」「【きり子さん】ってこんな感じかな……?」「うーん…【きり子さん】は悪魔じゃなくて怨霊なんだけど……」「そうなんだ…」
—キーンコーンカーンコーン……
「あ!もうこんな時間!今日は急用があるの!!じゃあね!!」「じゃあね!!」
つづく……