ダーク・ファンタジー小説
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- 異常性癖者のキロク
- 日時: 2019/11/17 10:20
- 名前: 紫音 (ID: fh.wbL8r)
へぇ、こんな所に来るなんて物好きだねー、君。
あはっ、御免御免、そんなんで怒らないでよー!
えーっと。ここの説明でもしようかなぁ。
ここはね、異常性癖者のキロク、って言うのかな。それをまとめた所なのー。
えっとねー、例えば死体愛好家ちゃんとか、その妹の食人ちゃんとか!
その子達の観察キロクがあるの。
ちょーっぴりグロイから注意してね♪
ではでは、一名様ご案内〜。
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紫音、またの名を雨音と言います。
_2016/4/1 紫音
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.22 )
- 日時: 2016/04/23 06:04
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
Anather Episode 藍那 夏織 Ⅱ
高校3年になってから1度だけ、奏音ちゃんがやってきた。
校門の前でみたーと言うのをクラスのオトモダチが教えてくれた。
最初は何とも思わなかった。「へー、やっときたんだ」って言う感じで。
数分前に校門にいたなら今教室にいるのかな。なんて考えると自然と楽しみになってきた。
【 今度は絶対に泣かせてあげたい 】
・
一度教室に行ったけど奏音ちゃんの姿が見れなくって残念な思いをして探しに玄関の方まで行った。
それでも居なくって悲しい思いをしながら教室に戻ろうとしたとき…
「あれ…ノン、ちゃん…?」
私の声を聞いた瞬間に動いていた奏音ちゃんの足が止まる。何で居るの。みたいな顔をしながら私を見ている。
「あ、やっぱりノンちゃんだー。覚えてる?」
ヘラヘラとした笑顔を顔に貼り付け奏音ちゃんに近づく。
ねぇ、貴方が大っ嫌いな顔を見るってどんな気分?昔の記憶が蘇ってきて悲しい? 泣く?泣く?
「私だよ、かお…」
「知らない」
もぅ。名前っ位は言わせてよ。そしてその俯いている顔をあげて私の前で泣いて見せて?
いくら思ったって泣いてくれなくって少し落ち込んだ声が私の口から零れ落ちる。
「え…?」
「貴方の事なんて知りませんので。さようなら」
そう言って彼女は私の前から去って行く。
「さようなら。私の友人【だった】人」
泣いてくれないあなたは嫌い。そもそも泣かない人の存在意義なんて私の中にはない。
だからあの子も私の中での存在意義などない。価値のない人間って言う事。
Anather Episode 藍那 夏織_fin
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.23 )
- 日時: 2016/04/23 16:37
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
Anather Episode 藍那 夏織_まとめ
やー、夏織ちゃんみたいに人の泣き顔を見たがる子。とっても恐ろしいよね〜。
なんか、殺人系の性癖とはまた違った怖さ!
そうそう、夏織ちゃんは後天性のダクライフィリアってこと、書き忘れてたね。
なった理由はね〜……あったあった!両親が離婚して母親の方について行ったんだって。
それでいつまでも悲しみに浸っている母親の涙に興奮するようになったんだって。
…涙に興奮するんだ。いや、ダクライフィリアだからしょうがないか。
ハイブリストフィリアの私には理解でき……ぁ…。
Anather Episode
藍那夏織
【 ダ ク ラ イ フ ィ リ ア 】
性格:表向きは友達思いの恋する乙女() でも本当は人をどうやったら泣かせられるかをどんな状況でも考えている。
今まで友人になっては裏切って。の繰り返しをして何人もの人を裏切ってきた。その度に転校をしている。
容姿:腰あたりまである藍色の髪。基本的におろしているが体育の時はポニーテイルにしている。目は黒。身長は平均より上で胸もある。休日でも今までいた学校の制服を着ている。
誕生日:9/20
備考:EpisodeAの藍沢奏音とは【 元 】クラスメイト。
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.24 )
- 日時: 2016/04/24 07:46
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeC 霙那 柚木 Ⅰ
いつものホームルームの時間。
「悲しいお知らせだが、みんな。落ち着いて聞いてくれ」
いつもふざけているようなあの、男性教師が珍しく真面目な顔で教卓に手を付き言ってくる。
いつも先生を茶化す男子たちも珍しく空気を読んでまっすぐ前を見て口を一文字に閉じている。
凄く重い空気が…重たい沈黙がこの教室にあった
その沈黙を破ったのも担任の真面目な声。
「昨日まで、この教室で一緒に勉強をしていたさ、榊が……」
榊が…と涙を流し、ハンカチで溢れだす涙を拭きとる担任の姿を見ながら私は続きの言葉を予想していた。
どうせ、悠樹がなんか変な事やらかして校長に呼び出されてそれをワザとらしく涙を流してるんだろうな。そんなことを思っていた。
前だって一回あった。 あれ?でもあの時は悠樹普通にホームルームに出てたな。
でも、今はいない。まぁ、どうせ遅刻なんだろうけど。
「榊、悠樹が……」
でも、そのわずか数秒後には私の【 予想 】と言う名の【 希望論 】は打ち砕かれた。
【 榊悠樹が自殺した 】
重たい沈黙が再び訪れる。
私の中では驚きと、悲しみと…色んな感情が混ざり合ってとっても複雑。
そもそもアノ悠樹が自殺なんかするわけないよ。彼奴にそんな勇気ない。
「この中に嘘だと思ってる奴もいるだろう。でも先に言っておく。本当だ、今日の朝保護者の方から連絡があったんだ
今朝、榊が起きてこないからって部屋を見たら首をつって死んでいたそうだ。それに、手首や首には切った痕もあったそうだ」
近くには血まみれのカッターナイフも…
そんな現場の詳しい情報を聞きたいんじゃない。
そもそもなに?馬鹿なの、悠樹は。
リスカやった上に首つりって馬鹿にもほどがあるでしょ!
リスカで死ねなかったから首でも吊ったの?彼奴は。
死んだ。という知らせを受けたその日はずっとそんな事ばっかり思っていてこんな事、考えて何ていなかった。
でも、ちょっと経った今ではもうそんな事は考えない。
考えてることって言えば…
【 死ぬ 】ってどんな感じなんだろうな。
それだけしか考えていない。
もう、あの出来事の痕から私の中で色々狂い始めていたのかもしれない。
- Re: 異常性癖者のキロク【 参照200突破感謝!! 】 ( No.25 )
- 日時: 2016/04/29 09:31
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeC 霙那 柚葵 Ⅱ
悠樹が死んで、もう一週間が経とうとした頃。
「これ。悠樹から柚葵ちゃんへの最後の手紙」
遺品の整理をしていたら見つかったの。と渡されたのは赤黒いしみが点々としている白い封筒。
表には【 霙那柚葵以外見るべからず 】と書いてある悠樹が私に宛てた、最初で、最後の手紙。
【 柚葵へ。
トツゼン死んでおどろいた?おどろいた?そうか。おどろいたか。
そうだよなぁ。俺様が死んで幼なじみのお前がおどろかないわけないもんな。
あ、死んだことよりもむしろこの手紙に驚いちゃってるパターン?
まぁお前に出す初めての手紙だもんな。……最後でもあるけど。
で、本題に移ろうと思うが。心の準備は整ってるか?おどろきすぎて心臓止まらないようにな(笑)
俺がお前にこんなヘンな手紙を出したのは自殺……リスカの感想。
お前言ってたろ? リスカ一回でもいいからやってみたい。でも死んじゃったら嫌だって。
だから俺が試してやったよ。どうせ、今死んでも悔いはないからな。
結構痛いな。リスカって。いや、手首切る時点で痛いのはわかるけどな?
あれはおススメしないぜ?痛いのが嫌いなお前には耐えきれないと思う。
じ あ ろそ げ
ゃ なそ ろ んかい…だ
榊悠樹】
【 じゃあな そろそろ限界だ 】その文字は酷く乱れていて周りには赤黒いシミがやけに目立った。
きっとそれが悠樹が手首を切った後に書いた言葉なんだろう。…悠樹の、最期の言葉。
普通の人ならここで手紙を抱き締め故人の名を呼び、悲しみに浸るところだろう。
でも私は椅子に座り、足を組み、こう呟くだけ。
「へぇ、リスカって痛んだ。やっぱり」
- Re: 異常性癖者のキロク【 参照200突破感謝!! 】 ( No.26 )
- 日時: 2016/05/01 16:48
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeC 霙那 柚葵 Ⅲ
悠樹からもらった手紙は布団に入って毎晩読み返している。
「俺様がって…死ぬ間際まで彼奴は俺様キャラを付き通したんだねぇ…」
あー、笑える笑える。そう言って一人静かに笑う。
暫く笑っていると笑い過ぎてなのか、悲しみなのか分からないけど薄っすらと涙か浮かんでくる。
「悠樹……何で死んだの?」
無意識のうちに私の唇から漏れだした弱々しい声。いくら聞いたって誰も答えてくれない質問。
いや、理由は試しただけって書いてあったけどね。でもなんとなく納得できない。
だれも答えてくれないから、自分で答える。我ながら寂しい人みたい。
…死んだら悠樹に会えるかな。って言う考えも浮かんできた。
もしも死ぬとしたらリスカとか、あと首つりとか…感電とかで死んでみたい!
でも死ねるのは【 1度だけ 】。
どんなに色々な死に方があったとしても人間が死ねるチャンスは【 1回 】その一回でどうやって死んでいくか考えるのが楽しい。
「絞首、斬首…電気、できるなら磔でも良いかもしれない」
キリストと同じ死に方で死んでいくのは良いかもしれない。
あとは釜茹でとか。火炙りとかも。
自分の死に方を考えていたらとってもわくわくしてきた。
コウフンしている。っていうのかな。
自分の死に方を考えて興奮する私って……
「【 異 常 】なのかなぁ?」