ダーク・ファンタジー小説
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- 異常性癖者のキロク
- 日時: 2019/11/17 10:20
- 名前: 紫音 (ID: fh.wbL8r)
へぇ、こんな所に来るなんて物好きだねー、君。
あはっ、御免御免、そんなんで怒らないでよー!
えーっと。ここの説明でもしようかなぁ。
ここはね、異常性癖者のキロク、って言うのかな。それをまとめた所なのー。
えっとねー、例えば死体愛好家ちゃんとか、その妹の食人ちゃんとか!
その子達の観察キロクがあるの。
ちょーっぴりグロイから注意してね♪
ではでは、一名様ご案内〜。
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紫音、またの名を雨音と言います。
_2016/4/1 紫音
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.2 )
- 日時: 2016/04/01 13:16
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
Episode A 藍沢奏音 Ⅰ
私のみの周りには、異常性癖者が常にいた。
兄の梨音はピロフィリア。つまり火災性愛。
妹の和音はカニバリズム。つまり食人性愛。
兄さんの方は生まれつきで和音は後天性。後天性と言っても本当に小さい頃だったから生まれつきと言っても過言ではない。
一方の私は、ただの人間。異常性癖の無い、ただの人間だ。
実力テストでは学年3位に必ず入る。でも、運動は全然ダメでいつもクラスの人に笑われる。
『奏音ちゃんてさ、頭良いのに運動音痴だよね』って。
そして、テストが返ってきたときに毎回同じことを言われる
『カンニングでもしてるの?』。
ある一人がそんな事を言ったせいで根も葉もない噂は、一気に学内に広まってしまう。
廊下を歩いて他のクラスの子とすれ違うたびに指を指され笑われる。
私を全く知らない子達がクスクス私を馬鹿にするように笑う。
先生が注意すると『ヒーキされてるよねー』とか言われる。
___ただの噂だけでこんなことになる。
親友だと思っていた子も、そんな噂が広まった途端、皆離れて行った。
ただそれだけで離れる、上辺だけの友達だったんだ。
中学、高校1年は友人が全く居ない状態で過ごした。
ずっと。ずっとこのまま一人での学校生活を送るのかな。
そんなことを思っていた時期もあった。
でもね、そんなところに彼女が転入してきたの。
あれは高校2年の夏。彼女は編入してきた。
「藍那夏織です。よろしくお願いしますね」
あの可愛らしい笑顔はよく覚えている。
どこか妹ににた、笑顔の彼女が。
あの時、「苗字に藍が入ってるから」という謎の理由で彼女は私の隣の席になって学校案内も任された。
テストで高得点とったって、運動が全然駄目だって、他の子みたいに馬鹿にしない。カンニングだって言わない。
そんな彼女が大好きだった。
「奏音ちゃん頭良いんだねー。凄い!」
なんて目を輝かせて私の答案を見ていた。
「別に。凄くないよこれぐらいの点数」
冷たく接しても、彼女は「凄いよー」とか言ってくる。
この子は他の子と違う。そう思った。
この子なら、私を裏切ったりはしない。離れて何ていかない。って、ね。
「奏音ちゃん、次移動だよね?一緒に行こう!!」
「………うん。いいよ」
毎回移動教室の時は私を誘ってくれる。
最初は鬱陶しいな。なんて思っていたけれど今ではとっても嬉しい事。
中学校はいつも独りだったから、嬉しくて頬が緩んでしまう。
「ね、私の事オリって呼んで!」
ある日突然、彼女が言い出した一言。
「オリ?」
「うん!私の前の学校の愛称。『かおり』だから最後の2文字取ってオリ」
ニコッと笑いどこか誇らしげにそう言う彼女。
笑ったと思ったら急に不安げに首を傾げ、
「駄目…かな…?」
何て言ってくる。
コロコロと表情が変わって忙しい子だ。
「……わかった、じゃあさ、私の事も ノン、で良いよ。妹からもそう呼ばれてるし」
分かったー、とニコニコしながら言うオリ。
今となってはこの時期が一番幸せだったかもね。
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.3 )
- 日時: 2016/04/01 14:04
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeA 藍沢奏音 Ⅱ
高校2年も残り少なくなってきた冬。
いつものようにオリと次の教室へ移動中。
ボーっとしながら歩いていると隣から小さな声が聞こえた。
「ぁ...」
小さく声を出したオリの視界の先には、クラスの女子に人気の先輩。
「へー、オリってあの先輩好きなのー?」
ちょっとからかい気味に言ってみる。
別に、オリが誰を好きになろうが私には関係ない。
「ぇ、あ、うん…でも、話したこともちょっとしかないしすれ違うだけで幸せなんだ」
なんて、少し寂しげに笑うオリ。
「青春してますね〜」
「むぅ…ノンちゃんは気になる人はいないの?」
「いないよー。恋愛に興味ないし」
苦笑気味のそう言う。本当に、恋愛に何て興味はない。
「ノンちゃんは可愛いんだから絶対近いうちに告白されるよー」
「何その予想ー」なんてクスクス笑いながら言う。
告白されたって、全く嬉しくなんてない。
「ね、君藍沢奏音ちゃんだよね」
校門を出かけたところで話しかけられた。
ああ、オリが気になってる先輩か。顔を見て納得する。
「俺さー、君の事結構気になってるんだよねー。ね、俺と付き合ってみない?」
俺結構人気でしょー?そんな人気の先輩の彼女だったら友達に自慢できるよー。なんてウザったらしいことを言う。
別に、自慢したいとも思わなし。そう心の中で呟く。
「遠慮しておきます。私、恋愛事に興味ないですし。貴方の事も興味ないで…」
こんな出来事、漫画や小説の中だけかと思ってた。
口を口を塞がれる。周りには多くの人。それに写真を撮ってる人もいる。
無理やり引きはがして逃げる。足が遅いから追いつくんじゃないかとおもって心配だったが追って来ていなかった。
……明日、最悪な事が起きそうで怖い。
あの後、家に帰って口をよく洗った。いくら洗っても唇が触れた感覚は今でも残っていて気持ち悪い。
朝、教室に入った瞬間静寂が訪れ、急にクスクスと女子を中心に笑い出す。
何やってるんだろう。と思いながら席に着くと『よくアレ気にしないでいられるよねー』なんて聞こえる。
なんとなく、黒板を見ると
【藍沢奏音 校門前で先輩に強引にキス!?】と書かれていて、周りには昨日の写真が貼られている。
違う、私がキスしたわけじゃない、無理やりキスされたんだ。
あれを見た瞬間、オリの顔が脳裏に浮かんだ。
『ぇ、あ、うん…でも、話したこともちょっとしかないしすれ違うだけで幸せなんだ』って言って寂しげに微笑んだあの顔を。
「ね、ノンちゃん…アレ、本当…?」
音もなく近づいてきた、オリ。青ざめた顔で黒板を指さす。
「あんなの嘘だよ!私がそんなことするはずな「藍沢さんからキスしてたじゃーん。私見てたよー、昨日」ッ…!」
否定しようにも遮られて何も言えない。
「ノンちゃんさ、私が先輩の事好きって知ってたよね…?ノンちゃん、恋愛に興味ないって言ってたよね。アレ、嘘だったの…?」
涙を瞳一杯に溜めて、訊いてくる。
止めてよその顔。泣きたいのはこっちだよ。
「そーだよー。藍那さん。藍沢さんてサイテーだよね。私同中だから知ってるけどさ、テストでいい点取ってるのはカンニングしてるからなんだよ」
違う、違う、違う…!
「そ、だったんだ…。ノンちゃん、そんな人だったんだね…」
涙を流しながらそう言うオリ。
ぽろぽろと彼女の流した涙が床に小さな水たまりを作っていく。
「そんな人と私、関わりたくないな………」
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.4 )
- 日時: 2016/04/01 14:10
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeA 藍沢奏音
ずきりと胸が痛んだ。オリも結局は、あの子達と同じ。上辺だけの友人。
「もう、話しかけないで…」
追い打ちをかけられた気分。泣きたい、でも、泣いたらなんだか負けのような気がする。
カバンを掴み、教室を出る。早足で、はやく、この場を去りたかった。
もう学校へ行きたくない。ずっと部屋に居たい。
一番信用していたオリにまで嫌われたら学校に行く意味なんてない。
人間なんて、信じられない。何も信用できない。
__ニンゲンなんてシンヨウできない
「ただいま…」
誰もいない家に帰る。
兄さんも、和音も学校に行っていて居ない。一人ぼっちの時間。
ふっと、自分の中で何かが緩んで涙が溢れだす。
私はなにも悪くない
寧ろ私が被害者だ
無理やりキスされたのに、私が無理やりキスをしたことになってる
違うって言っても誰も信じてくれない
根も葉もない噂を言うだけのクラスメイト
根も葉もない噂に騙されて私の元から離れて行ったオリ
ニンゲンなんてどれも一緒。
その中で私は…
私は一体、誰を信じて生きて行けばいいの
「……ちゃん、ノンちゃん!!」
無駄に煩い和音の声で目覚める。
薄っすら目を開けるとどこか心配したような顔の和音が目に映る。
「帰ってたんだ…和音」
むくりと起き上がるとなんだか頭が痛い。目も腫れていて不細工だろう。
「大丈夫?ノンちゃん。目腫れてるよ…」
心配そうにそう言い、私の方へ手が伸びる。
_私を裏切ったニンゲンと同じ手が…
怖い、嫌だ、触らないで!!!!
ぱしん、と音を立てて和音の手を叩き落とす。
ぇ…、と小さく声を漏らし、驚いた顔の和音。
いくら双子の妹とはいえ、私を裏切った奴らと同じ手。
触れられたくない。
「の、ノンちゃん……?」
『ノンちゃん』と頭の中でオリの声が流れる。
私の元から離れて行ったあの子の声が。
やめて、呼ばないで、その呼び名で一生…
「呼ばないでよ…」
消え入りそうな声で言う。和音に届いているか分からない声。
和音にも触られたくない、名前も呼ばれたくない。
和音の事も、もう信じられない。
もしかしたら和音もいつか、私を喰いちぎってしまうかもしれない。
そんなの嫌だ。母さんや、父さんがたどった末路を辿るのだけは御免だ。
もしかしたら兄さんだって、私を燃やしてしまうかもしれない。
そう考えるとなにも信じられない。
いっその事、部屋に引き籠ってしまおうか。
そう決意し、すぐに部屋に駆け込む。
「……ふぅ…」
部屋の鍵を閉める。ここの部屋は内側からしか開かないから入ってこれないはずだ。
もう、誰とも会いたくない。誰も信じられない。
ドアの前にしゃがみ込む。
「ッ……」
ギュッと下唇を噛んで涙を必死に堪える。
和音に触れられることを拒絶した時、少しの罪悪感があった。
幼い頃からずっと一緒だった和音。中学の頃だって、クラスは違っても休み時間に会って話したり、一緒に帰ったり。
和音に触れられる、名前を呼ばれるのを拒絶したのは今日が初めて。
ちょっとは後悔している。
でも、あの時は本当に嫌だった。オリと同じ呼び名で、呼ばれるのが。
本当に、和音はいつか私を裏切っちゃうのかな…。
兄さんも、きっとそうだ。
皆いつかは裏切って、私を一人にしていくんだ。
部屋に居れば安心。誰も来ないし、一人っきりの生活。
パソコンだってあるから外の事もわかる。
外に出なくたって、生活できるんだ。
学校みたいなあんな地獄へ行かなくても良い。
誰にも会わなくていい。
何て最高なんだろうか。
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.5 )
- 日時: 2016/04/01 14:23
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeA 藍沢奏音 Ⅳ
……外では今、卒業式が行われている時期だろうか。
3月は卒業の季節だもんなー、なんてベッドの端に座り、考える。
学校へ行き事をやめた私には関係ない話だけどさ。何となく、考えちゃう。
「学校…か」
冬からずっと学校へ行っていない。行く気にもなれないし、行きたくもない。
そんなことを思っていると玄関から、ピンポーンとインターホンの鳴る音。
今日は平日。当たり前のように兄さんも、和音もいない。
だから必然的に一人。
人に会うのは正直言って嫌だけど、部屋から出て、玄関へ向かう。
荷物だったら受け取ればいいだけだしね。
「……」
無言でドアを開けると頭上から、久しぶりだな、と声が聞こえる。
顔を見なくても、声だけで分かった。
『ね、君藍原奏音ちゃんだよね』
『俺さー、君の事結構気になってるんだよねー。ね、俺と付き合ってみない?』
『俺結構人気でしょー?そんな人気の先輩の彼女だったら友達に自慢できるよー』
あの時の、私とオリが離れる原因になったあの男の声。
「いやー、合ってて良かったよ。君の友達の夏織ちゃんに住所訊いてよかったー」
ヘラヘラと笑いながらそう言う。
夏織ちゃん。一番聞きたくない名前。
夏織、かおり、カオリ、オリ!
何度か私の家で勉強を一緒にしたから住所は知っている。
でも、何でこの人に教えちゃうの…!!
「ねえ、この頃学校来てないけどどうしたの?俺とキスしたのから冷やかされて嫌になった?」
グッと顔を近づけられる。
気持ち悪い、吐き気がする。
しばらく無言を付き通す。
重たい沈黙が私と男の間にある。
「…何か喋れよ」
一気に声のトーンが下がった。
声を出そうにも喉に声が張り付いて声が出ない。
段々近づく顔、あの時と一緒。
私が最後に学校へ行った日の前日と
オリと離れた日の前日と
全てが狂い始めた日と…
同じ。
そう考えるととても嫌だった。
全てが狂ったあの日と同じ何て、嫌だった。
あんなことがまたあるなんて想像するだけで無理。
「嫌だッ」
突き飛ばしてドアを閉めようとするがすぐに起き上がってきて閉めるのを阻止される。
「おいおい、いてぇじゃねえかよッ!!」
声を荒げる。
私は恐怖のあまり頭が真っ白になった。
丁度着ていたパーカーのポケットに入っていたモノを出す。
黄色い、大きめのカッターナイフ。
_そうだよ。これで刺しちゃえば正当防衛だよね?
_大丈夫。正当防衛だから
そう自分に言い聞かせカチカチカチと音を立てて、カッターの刃を出す。
「お、おい。何やってんだよ」
少し怯えたような声が聞こえる。
さっきの威勢のいい声はどうしたんですかー?なんて笑いたくなっちゃう。
「何って、刺すんですよ。これを、貴方の身体に」
自分の口を通して発した声はとても冷たくて、まるで自分じゃないみたい。
「は、や、やめろ…!」
「何言ってるんですか。そっちが先にやってきたんじゃないですか。
貴方のせいで私が壊れちゃったんですよ?責任もって死んでください」
ザクリ…
カッターの刃が皮膚と血管を切裂いて肉刺さる感覚。
なんだか気持ち悪い。
カッターを抜くと、傷口から血が溢れだす。
でも、もっとやらないと死なないね。こんな程度じゃ死なない…。
ザクリ、ザクリ、ザクリ・・・
どんどん増えていく傷。溢れる血。
どんどん血が引いて冷えていく身体。
よく見たらスッゴイ……
「綺麗かも……」
- Re: 異常性癖者のキロク【リメイク版】 ( No.6 )
- 日時: 2016/04/01 19:29
- 名前: 紫音 (ID: HKLnqVHP)
EpisodeA 藍沢奏音 Ⅹ
「アハ…アハハハ…アハハハハ」
一人で狂ったように笑い続ける。
スッゴイ綺麗、さっきまで生身の人間だとは思えない…。
血の引いて青白くなった肌、どんな言葉も発さない口
何でこんなに綺麗なんだろう…
「いいよね。死んだんだから、どうやったって」
それに気が付いてずるずると2階の部屋まで引っ張っていく。
ちゃんと床に付いた血は後でふき取る。
今は、この美しい死体をもっと見ていたい…。その一心で重たい死体を部屋まで運んだ。
死体を床に置き、ベッドに寝転がる。
【 死 体 愛 好 家 】
今の私の事を現したような言葉。
昔は異常性癖者の兄や妹を気味悪がっていた。
でも今の私は彼らの仲間入り。
あんな風になりたくない。って気を張り詰めて生きてきた。
でもさ、今となるとすっごいバカバカしいよ。そんな生き方が。
「ふはっ」
昔の私を思い返し笑ってしまう。
ホント馬鹿だったんだな。私は…。
暫くボーっとベッドに寝転がっていると下から和音の驚いた声が聞こえてくる。
「のわっ、何この血」
ああ、血を拭き忘れてた……。
後で拭こう。と思っていたけどまだ拭いていない。
拭きに行きたいけど今行ったら和音に会うことになる。
最後に見た、あのショックを受ける和音の表情を思い出して胸が苦くなる。
でも、ちゃんと謝らなきゃな。そう思ってベッドから起き上がる。
久々に和音と顔を合わせる。どんな顔されるだろう…。あの時の事、怒ってるかな…。
玄関の方へ行くと、雑巾で床に付いた血を拭いている和音がたいた。
「和音、貸して。私がやるから…」
膝をついて雑巾がけをしている和音に手を伸ばす。
「え…奏音…?」
私を見上げ、驚いた顔をしていたが目に涙を溜めて、やっと出てきた!と昔と変わらない無邪気な笑みを浮かべた。
「久しぶり、和音」
つられてクスッと笑ってしまう。
いつぶりだろうか。笑ったのは。ずっと部屋で一人だったから笑ってなかったしな…。
「でさぁ、奏音さん?これは一体何なんですか?」
「人間の血。あ、私の血じゃないからね」
いきなり敬語になるのは和音が怒っている証拠。怒りを必死に抑えている。
「じゃあ誰の血ですか?」
「……最低最悪な男の血」
先輩、というのも嫌だしかといってあの男の名前も知らない。
「まさか…その男の人、殺しちゃったの?」
もう敬語は外れている。
驚きのあまり怒り何て吹っ飛んだのかな。
「そう。今私の部屋にいるよ。死体となって」
ふふ、と笑いを浮かべ 見る?と冗談で言ってみる。
予想は頷くのかと思っていたけど首を横に振っていた。
ニンゲンを食べてるくせに、死体は見たくないらしい。
「…奏音。部屋にいるってことは…自分で持ってったの?」
「そう。ここで殺しちゃってスッゴク綺麗で欲しかったから持ってった。
…どうせ思ったんでしょ?死体性愛になったか、って」
そう言うと、コクリと頷く和音。
「奏音も、異常性癖者になったんだな、って思って」