ダーク・ファンタジー小説
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- kako telos
- 日時: 2018/02/27 05:37
- 名前: Laicy (ID: Panba53C)
天よ。主よ。
私たち、"オウラーノ"が地に堕ちる日がくるとは。
私たちはどうして気付けなかったのでしょう。
憎悪に。 悲しみに。
そして裏切りに。
あの子が笑ってこちらを見ている。
いい眺めだと。
******************
どうも初めまして。
Laicyと申します!
始めたばかりのど素人です…
誤字脱字などのミスがありましたら、
コメント頂けると嬉しい限りです!
感想などのコメント大歓迎です!
更新ペースは決まってはいません(汗
スケジュール未定なので
気ままにのんびり待って頂けると幸いです…
この作品は少々長めになる予定です!
ゆっくりお付き合いおけ!な方々、
お付き合い頂けると嬉しいです〜
この作品の内容は暗めなものです
死んじゃう系やグロいのダメ…
な方はお控えください
これから、よろしくお願いいたしますm(__)m
...................................................
登場人物やこの世界感が先に知りたい、
読んでて登場人物が
よくわからなくなってしまったという方は
>>11 *Detail
をお読みください!
登場人物の過去の物語は
kako telos ... The Memories
の方で書かせていただいています。
詳しいことが知りたいという方はよろしければ!
-----------------------
コメント 質問 などはこのスレッドで受け答えします!
↓↓
コメント
☆忌業 禍穢 (イミカリ カイエ)さん
>>5
私のミスに気付いてくださり&励ましのコメント、ありがとうございました!!
コメントしてもらえるなんて嬉しい限りです。これからも何卒よろしくお願いします!
- *Details ( No.11 )
- 日時: 2018/02/27 05:53
- 名前: Laicy (ID: Panba53C)
今回は細かい舞台設定や人物紹介です。
個人的にやりたかっただけなので…
長くなります…w
本編だけ読みたい、という方はスキップしてください〜
...........
舞台
空の住人たちが暮らす
大きな空飛ぶ島
天使の住まう島、通称 天島
その天島には4つの国がある。
島の半分以上を占める
島最強であり、島最大の国
この国の近くにあった数多くの小国は領地拡大のため、レフコー国によって跡形も無く滅ぼされた。
自国愛とプライドが高く、白く大きな翼を持っているかどうかでその民の価値は決まる。自分たち、白に近い色の翼を持つ民をオウラーノ、黒の翼の民をカッターラと呼び差別している。
黒翼の存在自体を殺し消し、外には白翼輝く光の楽園だと信じられている国。
光白の楽園に闇を隠す国、レフコー国
レフコー国民
主な髪色:金髪、茶髪
目色:空色、緑茶色、橙色
翼:白、薄い茶色、黒
戦いを好む傾向がある
翼色差別が激しい
国内の全ての人を愛する精神を持っている(黒を除く
魔術を恐れる
レフコー国の次に大きい
魔術を操れる民族を有すが、平和を願い、戦争はしない温厚で知的な国。
この国の少数民族だけが魔術を操れるため、重宝されている一面、恐れられている。このことから、魔術の使用は”戦闘時のみ”という法を定め、少数民族の理解を得て、彼らと国は協定を結んだ。
この国では翼の色ではなく、家柄と賢さが重視される。賢さは得に100段階評価で表され、職も恋も全てこの数字が関わってくる。
平和と知恵の国、エピシーモ国
エピシーモ国民
主な髪色:薄い群青色、茶色、琥珀色
目色:薄い青色、薄い茶色、青緑
翼:水色、小麦色、灰色
お家柄と賢さが全て
数字に強い
計算高く、策略など巧妙
魔術に理解がある
エピシーモ国の半分くらいの大きさ
小国ながらも他国との繋がりや外交を大切にし、目覚ましい発展を遂げた、人の心も経済も豊かな国。
この国では個性というものが大切にされている。
その一方で急激な発展についていけず、切り捨てられた街は、結果スラム街になってしまった街が数箇所存在している。
様々な色の翼が飛び交う個性豊かな国、グラフィコス国
グラフィコス国民
移民が非常に多く、
色様々
閃きや想像力に優れている
友好的で親しみやすいが、
要らない、と一度でも
思われれば切り捨てられる
最も小さい国
たった一人の巫女が代々治め続ける、神聖なる信仰の国
信仰の深さが役職に直結する国。
外交は友好的だが、その国の代表者など以外、異国民は国に絶対に入れない。その上、自国からの出入りを禁じているため、情報も少なく、非常に謎が多い。謎に包まれた神秘の園、イエレイア国
イエレイア国民
主な髪色:栗色、白銀、黒
目色:桃色、紫色、銀色
翼:巫女の翼は七色と言われる
国民の翼:灰色、薄い緑色、薄い青色
巫女と神は絶対
信仰は揺るがない
外に対して、恐怖心を抱く
ここからは読んでる途中で
キャラがわからなくなってしまった!
なんて時にも参考にしてください〜!
レフコー国
Era of Agnoia
---story of an angel who wanted to believe herself as a justice
X レフコー国 国王 光王レピーダ
(男)
妻:プラオティータ
娘:アグノイア
たくましく勇ましい、現国王。
妻と出会うまでは冷酷で残酷な性格だった。
妻がアグノイアを産んで、すぐ亡くなってしまったため、娘に寂しい思いをさせないように頑張る父親に。
そのため、娘を溺愛しており、とても甘く育ててしまった。
だが、だからといって公務をさぼるような事は一切しなかった。
自分が働き続けるのは、自分を苦しめることで
今まで命を奪ってきた黒き翼の民たちへの償いだと考えている。
髪色:うすい茶色
目色:橙色
翼:美しく大きい白
X 賢明な左大臣:アンティーオ
ディナミィの婚約者。
元は冴えない兵士だった。
非常に頭の回転が早く、勘の良さと頭の良さなら、
この国で右に出るものはいないと言われている。
だが、彼の剣さばきは兵士見習いくらいに弱く、
お世辞でも強いとは言えない。
彼は戦術や戦略を考えることに長け、アグノイアが生まれる少し前からレピーダ王の頭脳として働いていた。
子供が大好きで、アグノイアをレピーダ王とともに甘やかしては召使いたちに怒られていた。
アグノイアからはアンティーオ兄さん、と呼ばれ慕われていた。
髪色:薄い緑色
目色:紺碧色
翼:薄い緑茶色
寛大なる右大臣:アプロティタ
(男)
レピーダ王が王子だった頃から従者をしており、レピーダの唯一信頼出来る他人。誠実で真面目な性格だが、時として残酷な一面を見せる。口がすごく硬いので、相談事や秘密を絶対にばらさないので、自然とみんなの相談役に。実は腕の立つ剣豪だが、あまり知られていない。 歳はレピーダ王よりも上。レピーダ王にとても従順だが、レピーダ王も彼に従順。レピーダ王とは何も言わずとも長年の付き合いのおかげで、顔色だけで何となく言いたいことがわかる。
髪色:淡い朽葉色
目色:柑子色
翼:薄い土色
第一王女アグノイア
(女)
フルネーム:アグノイア レフコー エイナイ アポリトス ソストオ
(ラストネームを持ち、代々受け継ぐことが出来るのは王族のみ)
父:レピーダ
母:プラオティータ
この国の王女で、父から王の即位は生まれる前から決められていた。
かなりの美人で大きな白い翼も持つ。
明るく何事にもポジティブに生きている。よくエクスラと一緒にイタズラしてはプセフティスに怒られているお転婆お姫様。頭の良さは彼女のイタズラのクオリティの高さが物語っている
ただ何事にも一生懸命で、冷静な時であれば、しっかりと状況を判断できる、強い芯を持った女性である。
翼の色なんか関係無く、みんな平等であると思っているが、幼い頃から黒は良くない色として教えられてきたため、黒翼に対しては同情の意は示さない。
尊敬している人は父上のレピーダ王と親友であり、召使いであるプセフティス。常に無表情で自分に冷たい従姉妹の召使いのエカイキーシが苦手。
左大臣のアンティーオをアンティーオ兄さんと呼び慕っている。
プセフティスがいないと自分は何もできないんじゃないか、と思うほどにプセフティス依存症。
髪色:金髪
目色:橙色
翼:美しい白
王族貴族の姫:トラゴディア
(女)
レピーダ王の二つ上の兄の娘。アグノイアの従姉妹。アグノイアより数年歳上。アグノイアと従姉妹同士なので少し似ている。
彼女の父は王の座を奪ったレピーダ王のこと、娘のアグノイアに王の座を継がせることを決定したせいで自分や自分の娘の即位の可能性をゼロにされたことで、レピーダ王もアグノイアも憎んでいる。その影響を受けて、トラゴディア自身もアグノイアを嫌うようになった。小さな時からアグノイアをいじめてきた。はじめは、父が嫌いなレピーダ王の娘をいじめることで、父が少しでも喜んでくれればと思ってやっていた。しかし、歳を重ねるにつれ、自分たちの王位争いのことなどを理解するにつれ、本当にアグノイアが憎くなってしまった。
本当はとても単純で優しい、父親を特別慕っている少女。
気高い貴族のらしく振舞わねばならないと過剰なほどに意識してしまった結果、
偉そうな態度になってしまっている。
お付きの召使いのエカイキーシを常に連れている。
髪色:金髪
目色:栗色
翼:美しい白
第一王女召使い長:プセフティス
(女)
第一王女、アグノイア王女に仕える召使いたちの長。普段は大人しく物静かだが、頼まれたことはきちんとこなす上に他の召使いのフォローまでする。そのため、他の(歳上も含む)召使いたちから、「プセフティス姉さん」と呼ばれる。
怒るとむっちゃ怖い。説教も長い。アグノイアのことを常に心配している。
童顔で、街へ買い出しへ行くと「お嬢ちゃんはお使いかな?」と言われる事が悩み。実は小さいころに、片翼であったことと賢さがアグノイアに気に入られ、召使いになった。(王族の命令は絶対)
この国では片翼は致命的な病気のように扱われ、職を持つことが難しいので、アグノイアにはとても感謝している。もし、片翼でなかったら、アグノイアやトラゴディアに負けないほどの美しい翼を持っていたのではと密かに言われている。
アグノイアが自分に依存してしまっていることを気づかないほど過保護。
髪色:黒
目色:黄色(金)
翼:美しい白(片翼)
召使い:リィピ(兄)&エクスラ(妹)
兄妹で召使いをしている。
兄リィピはきっちりしており、かなりストイックな性格。机まっすぐ、時間ぴったりじゃないと嫌なタイプで、絶対に敬語を使う。物事を客観的に見ることに優れているが、すぐに感情的になってしまうのが玉に瑕である。
妹エクスラは、基本自由である。時間やルールに縛られたくない、自由なのんびり屋さん。みんなで楽しく過ごせればそれでいい。他人の感情に入り込みやすい。
この兄妹はすごく仲が良く、ケンカなんてほぼしない。
兄妹想いな兄妹。何も言わなくても、兄妹二人とも何となくわかるらしい。
髪色、目の色、翼の色まで全て同じ色であり、
二人ともそっくりで入れ替わっても分からないくらいである。
職場の上司であり、尊敬しているプセフティスのことは
歳下だがプセフティス姉さんやプセフティスさんと呼ぶ。
髪色:茶色
目色:鶯色
翼:白に近い薄い茶色
召使い:ピスティーヴ
(女)
愛称ピスもしくはピスティ
アグノイアとエクスラのイタズラの被害者。
極度の人見知りですぐ焦って赤くなる。よくカップなどを落としそうになったり、何もないところで一人こけていたりしている。みんなから愛されるドジっ子。
アグノイアにもそこが気に入られている。が、本人は失敗するたびにかなり凹んでいて、
改善しようと努力している。実はピスティーヴは召使いたちの中で一番歳が下。
よくプセフティスに指導(説教)をしてもらっている。
髪色:薄くて明るい茶色
目色:空色
翼:白に近い桃色
X 召使い・看護婦:ディナミィ
(女)
アンティーオの婚約者。
元は王宮ではなく戦場で傷ついた戦士たちの手当に当たっていた看護婦。
心優しく、人が傷つくところを見るのが苦手。焦ってしまうと何の対応もできなくなってしまうのが玉にキズ。ただ彼女は看護婦としては大変優秀で、的確な処置や知識の豊富さは国でも1、2位を争うほど。その能力を使い、存分に兵士を助け、癒してきた。
王宮に仕えるようになったのはつい数年ほど前からで、まだ召使いの階級では下の方である。
彼女は召使いというよりは、
手当など専門だったため、どちらかというと看護婦として王宮にいた。
プセフティスは相談相手でとても親しかった。
髪色:薄い桃色
目色:茶色
翼:薄いみかん色
- Ready? ( No.12 )
- 日時: 2016/06/07 19:28
- 名前: Laicy (ID: icsx9rvy)
プセフティスがスープを取りに行く間、私は今日を振り返っていた。
悲しいが受け入れなければ…
それに私は誓った。
父上を…
殺した犯人を
捕まえる。
「父上…私が仇を…!」
(ガシャァン
!!!
部屋の外から…?
「プセフティス…?」
嫌な予感しかしない。
ゆっくりドアへ近づき、そっと開けて外を確認する。
誰もいない…?
雲が晴れ、暗い廊下を
月明かりが照らす。
誰かいる… 男性…?
!!
頭から血を流し、倒れていた…
私は急いで駆けよる。
彼は…
アンティーオ…
まだ若いのにも関わらず、
頭の回転の良さから父上の左大臣に抜擢された。
彼は子供が大好きで、幼い頃から私と遊んでくれていた。
私にとっては兄同然であった。
頭が真っ白になる。
私は自分自身に言い聞かせる。
「もう父上のような犠牲者は
絶対に出したくない…!!
絶対助ける!!」
「誰か…! 誰か!! 早く来て…!怪我人がいるの!!」
まだ息はある…
誰か…!
(バサッ
「アグノイア様!!
どういたしまし……
血だらけではないですか!
何があったんですか!!
誰が怪我をしたと………
アンティーオ?
アン…ティーオ…?…
いやぁぁぁああ!!! 」
「ディナミィ!落ち着いて!!」
ディナミィはアンティーオの婚約者であり、私の召使いでもある。
「しっかりしてディナミィ!貴方は医学に詳しかったはず!アンティーオを助けるんでしょう! 」
パニックに陥っているディナミィの背中を摩る。
「ディナミィ?」
過呼吸だったディナミィはハッしたように落ち着きを取り戻しはじめた。
「……ハィ!アグノイア様…ありがとうございます… !」
-----
その後、プセフティスが来て、すぐさま大きな医療機関に治療をお願いした。
そして次の日早朝、ディナミィの迅速な処置のお陰でアンティーオは助かったと連絡を貰った。
私はとても浮足立っていた。
"アンティーオは助かった"この知らせを聞けば…!
昨日からずっと暗い顔をしているディナミィも喜んでくれるだろう
プセフティスに
「アグノイア様がその知らせを言いに行ってあげてください!ディナミィはアグノイア様に昨日のお礼を言いたいって言っていたので、丁度いいですね!」
と言われ、ディナミィの部屋に早朝から伺う事にした。
(コンコン
「ディナミィ!アグノイアです」
寝ている?
…物音ひとつもしない部屋
それに扉が少しだけ開いている。
明らかに不自然だ。
使用人たちはすぐそこでも、部屋から出る場合は鍵掛けなければならないはず。
「…ディナミィ?」
部屋の中を少しだけ覗いて行こう。
そう思い、ドアの隙間から部屋を覗き込む。
すると…
彼女ベッドの上に赤く血染めされたワンピースを着た、真っ青な顔のディナミィの姿を見つけてしまった。
「ディナミィィィィイイ!!」
もう歯車は止められない。
- Immoral ( No.13 )
- 日時: 2016/06/15 22:31
- 名前: Laicy (ID: icsx9rvy)
私はきっと神の怒りを買ってしまったのだろう。
私と親しかった者たちが
次々と狙われ、命尽きていく。
私はこの二日間で学んだ。
残った者は去った者を追うことは出来ない。
そして、彼らの残像と冷たくなった亡骸を見て後悔の念を募らせるだけ。
残った者。
まさに今の私のことだ。
脳裏から離れない…
冷たて青白い、悲しそうな顔をしたディナミィ…
"何があったのか"
何も知りたくない
でも知らねばならない
一国の王女として
父上の仇を吊るし上げる為に。
私は誓おう。
私は自分の正義を信じ、
貫き通すことを。
-----
私がディナミィを発見してから、
すぐにプセフティスを連れ、
アンティーオの所へ向かった。
彼だけが唯一生存者で
犯人を見た可能性が高いはず。
ただ…
相手に先手を打たれていた。
…すでにアンティーオは
無残な姿に変わり果てていた。
鋭い剣で切りつけられたと思われる複数切り傷、それに同じ剣で何回か刺された後も見つかった。
少し前に病室に訪れた看護婦が朝食持って来る際に発見したという。
「大丈夫ですか…?」
私は青ざめ、震えている看護婦にそっと声をかけた
「アグノイア様…そんな…その…少し気が参ってしまっただけですので…それと、この紙をアグノイア様に。」
看護婦は大事そうに封筒を取り出し、私に手渡す。
差出人はアンティーオだった。
「それは今日の朝、朝食のメニューの希望を聴くときに"自分が死んだらアグノイア様に手渡してほしい"と言われたのです…」
私はさっそく封筒を開ける。
二枚の記事
私があの青年を見た日に持っていたものと同じもの
そして、彼があの日見たものが書き記されている
封筒の中小さく
「真実は闇と共に」
と書いてあった。
アンティーオ兄さん…
あなたは何を見てしまったのか
- Starting to show up ( No.14 )
- 日時: 2016/07/01 00:14
- 名前: Laicy (ID: icsx9rvy)
「全てが真実とは限らない
姫様
??????にお気をつけください
影はすぐそこに…
どうか??に気をつけてください
すべては闇の中を探してください
嘘こそが??
惨劇が再び。」
所々黒く塗りつぶされて読めない。
アンティーオ…
何を伝えたかったのだろうか
闇の中……
影はすぐそこに……
嘘…?
そして惨劇……
そして何かに
"気をつけろ" と
繰り返し繰り返し言っている。
きっとこの「影」が彼を襲ったもので、「影」に気をつけろと言っているに違いない…
「プセフティス…これ…あなたにも 読んでおいて欲しいの」
「これは…?」
「アンティーオ兄さんが…最後に残した私への手紙…みたいなの」
「少し失礼致します」
「……。」
アンティーオは犯人を知っていた
きっとこの手紙は私への警告…
私が危ないということなの…?
それとも、私に近い人たちがまた消えてしまうと言うことを知らせるため…?
「あの…アグノイア様、この手紙は一体…?」
「私もよく分からない…
もうどうすればいいの…?」
考えれば、考えるほど
謎は深まるばかり…
「アグノイア様…
宮殿に一旦戻って、
落ち着きませんか?
お顔色も優れませんし…
お願いします アグノイア様…
心配なんです。一回お休みになられてください…」
プセフティス…
彼女の泣きそうな潰れそうな声を聞いてやっと気付いた。
私は今どういう顔をしてしまっているのだろうか
「プセフティス…ありがとう。
そうね。私も色々ありすぎて…
…… 宮殿に戻りましょう。」
いつも私を心配してくれて、
寂しさも埋めてくれて。
感謝しきれない…
--------
???(白い翼の青年)
「準備はできてる?」
???(フードを深く被った青年)
「もちろんですとも。」
???(白い翼の青年)
「もうすぐ帰ってくるんじゃない?アグノイア姫様はどんな反応をするかな〜ぁ?」
???(白い翼の青年)
「…さぁ、黒の舞台の幕開けだ」
- Knife and sword ( No.15 )
- 日時: 2017/05/06 20:53
- 名前: Laicy (ID: icsx9rvy)
私たちは早足で医療施設を出た。
プセフティスはわかっていたのだろう…
私が無理をしてこの場に立って、手紙を読んでいたことに。
"今すぐ…早く宮殿へ戻りたい。"
そんな私の小さな願いも神様は叶えてくれなかった。
医療機関を出てすぐに、私より少し年上の見覚えのある美しい少女が、私の前に立ちふさがる。
綺麗な金髪と白い翼が眩しいが、とても不機嫌そうで、どこか満足そうな…複雑な表情している。
私の従姉妹のトラゴディアだ。
彼女は私の父上の二つ上のお兄様(私にとっては叔父様)の娘で、もちろん私のことも父上のことも…昔から憎んでいる…
理由は…叔父様に聞かされているであろう昔話と私の立場。
父上は私が次の王冠を受け継ぐ者として
すでに指名してしまっていて、
叔父様たちが王になれる可能性はなくなってしまった。
そんな叔父様がトラゴディアの父上様である。
昨年急病で倒れ、お亡くなりになられた。
幼い頃からトラゴディアから陰湿ないじめに遭い、
酷い言葉を受け続けてきた。
弱い私は彼女が恐ろしい…
怖くて、抗えない何かがあった。
「ト…ラゴディア…あの…っ」
「馴れ馴れしく呼ばないで。
アンティーオ兄様のいらっしゃる
医療施設はここで合ってるわよね?」
「えぇ…でも…」
「そう。」
トラゴディアはそれだけ冷たく言い放つと
私からすぐに立ち去ろうと早足で入口へ向かう。
そしてその後を彼女の専属の召使いのエカイキーシが
音も立てずについていく…
また私はなにも言えなかった……
私は弱い……
「私たちも行きましょう?」
プセフティスが優しく囁いた。
「そうね…」
そう言って歩き出そうとすると、
入口付近まで行ったトラゴディアが
満足そうな笑顔で振り返り、言った。
「あなたのお父上…
レピーダ国王様はお亡くなりになられたんですってね…!
まだお若いのに…
可哀想なアグノイア姫様…
お悔やみ申し上げるわ…!」
私は無意識に拳を握りしめ、唇を噛み締めてしまっていた。
そして涙が目から溢れ出して止まらなかった。
悔しい。ただただ悔しい。
私のことはどうだっていい。
だが、父上を…
故人を悪く言う彼女が
彼女に言い返せない自分が
すぐ泣いてしまう自分が
全て、
許せない…
トラゴディアは美しく鋭い剣だとすれば
私はそれには遠く及ばない
お飾りの小さな脇差だろう。
そんな私でも、強くなると誓った。
仇を取ってやるって決めたじゃない…!
しっかりしなくては…
こんな私でも磨けば、鍛えれば
どんな大剣にも負けない剣にだってなれる。
プセフティスが無言で私にハンカチを手渡し、ギュッと抱きしめた。
「アグノイア様…帰りましょう?
ゆっくりで良いので涙を拭いてくださいね」
プセフティスは追及することなく、
彼女穏やかな口調で、私を慰めてくれた。
城下町の賑わいと
明るい人々の笑顔は私にとって
眩しすぎた。
まだなにも知らない民達は
笑顔で、温かな時間を過ごしている。
そして私も、アンティーオ兄様のことを
誰一人、守れていなかった。
何かつかめていれば、
何か知っていれば。
何一つ知らない……
知らない…
無知とはこんなにも無力なのか。