ダーク・ファンタジー小説

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kako telos
日時: 2018/02/27 05:37
名前: Laicy (ID: Panba53C)

天よ。主よ。

私たち、"オウラーノ"が地に堕ちる日がくるとは。

私たちはどうして気付けなかったのでしょう。

憎悪に。 悲しみに。

そして裏切りに。


あの子が笑ってこちらを見ている。


いい眺めだと。





******************



どうも初めまして。
Laicyと申します!

始めたばかりのど素人です…
誤字脱字などのミスがありましたら、
コメント頂けると嬉しい限りです!
感想などのコメント大歓迎です!

更新ペースは決まってはいません(汗
スケジュール未定なので
気ままにのんびり待って頂けると幸いです…


この作品は少々長めになる予定です!
ゆっくりお付き合いおけ!な方々、
お付き合い頂けると嬉しいです〜


この作品の内容は暗めなものです
死んじゃう系やグロいのダメ…
な方はお控えください

これから、よろしくお願いいたしますm(__)m

...................................................



登場人物やこの世界感が先に知りたい、
読んでて登場人物が
よくわからなくなってしまったという方は

>>11 *Detail

をお読みください!


登場人物の過去の物語は

kako telos ... The Memories

の方で書かせていただいています。

詳しいことが知りたいという方はよろしければ!

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コメント
☆忌業 禍穢 (イミカリ カイエ)さん
>>5
私のミスに気付いてくださり&励ましのコメント、ありがとうございました!!
コメントしてもらえるなんて嬉しい限りです。これからも何卒よろしくお願いします!

Right or not ( No.6 )
日時: 2016/05/17 18:20
名前: Laicy (ID: mJV9X4jr)

空は夜のようにどんどん暗くなる。

周りにはたくさん召使いはいるのに…
プセフティスも父上も来ない。

ちょうど前を通る召使い、ピスティーヴに聞く。

「ピス!その…プセフティスと父上を見なかったかしら。」
「……ぁ…その……」
「…ピス?」
「っ…。見ていません…。急いでますゆえ、失礼します!」
(タタタッ
「…?」

皆が気まずそうに私を見て、悲しそうな顔をする。

「何かあったの?」

誰に聞いても、
「いいえ。なんでもありませんよ。」と悲しく微笑む。

いてもたってもいられず、私はプセフティスを探そうと廊下に出た。

召使いたちの長を務めている彼女なら私に言ってくれるかもしれない…

そんなことを考えながら廊下をまっすぐ進んでいると、後ろから聞き慣れた声が優しく私を呼んだ。

「アグノイア様…遅くなりました。」
「プセフティス!聞きたいことがあ…」
「アグノイア様…私から申し上げなければいけない事があります。」

私の言葉を暗い苦しそうなプセフティスの声が遮った。

嫌な予感がする。
言って欲しくない。

「アグノイア様…申し上げにくいのですが…
お父上様…レピーダ王が…
お亡くなりになりました。」

「………」


嘘だ。嘘だよ。嘘なんだって。

嘘だよね。嘘に決まっているじゃない。

悪い冗談だよ。きっと。

プセフティス?
冗談です、って言って。

そんな暗い顔しないで。
お願い…お願いだよ…


「…私は信じない…!…私は信じない!!!」

「アグノイア様…!今、お一人になるのは危険なんですよ!」

プセフティスを振り切り、
私は部屋へ走った。

誰か…これはサプライズだったとか、
夢だよ、とか言って欲しい。


もう涙が視界を塞ぎ、ぼやけてよく見えない。

その上、泣きながら走った為か
すぐに息が荒くなった。

苦しい。ただただ苦しい。

やっと部屋に着くと、部屋に急いで入り、
乱暴に鍵を閉める。
少し一人にして欲しかった…


が、私の部屋には先客がいた。

私の召使いではない。

白い大きな翼を少し緋色に濡らした青年が優雅に窓に座っている。
「誰…?」

「こんにちは、アグノイア姫様。プセフティスは一緒じゃないんだ?」

紅い瞳で笑いかけるその姿は、人当たり良さそうで優しそうな印象を受けるが、彼の衣服や翼から滴る真っ赤な液体がそうでは無いと告げている。

どうして名前を知っているのか、なぜここに居るのか、そしてその血はもしかして…

聞きたいことはたくさんある。

ただ、疑問を聞く前に私の本能が五月蝿く"逃げろ"と警報を鳴らす。

逃げたい。

すぐさまこの場を逃げたいのに、体が固まってしまったように動かない。

殺されたくない。

死にたく…ない!

絶対生きてやる。


そう思った瞬間、少し体が軽くなった。そして自然と声が出た。


「あなたは誰ですか…!」


Article of the past ( No.7 )
日時: 2016/05/20 00:31
名前: Laicy (ID: icsx9rvy)




「あっはっはっはっは…! アグノイア姫様は面白いね…!」

私の質問を聴くなり、彼が突然笑い出した。

それが逆に不気味で、冷や汗がどっと出る。

「てっきり…その翼を引っぺがして、巻いて逃げると思ったんだけどなぁ…あはははっ! うん! 面白い!」

彼の狂気染みた笑みはこちらに向けられる。

「逃げるのを我慢したのは素晴らしいですね!さすが一国のお姫様だ!」

うんうん、とうなづいて彼は独り言を続ける。

ずっと独り言を聞いているうちに私はこの声が聞いたことあるものだと気づいた。

さて…
どこか…

うーん、さっき…?

…!

…「これはね、逆襲なんかじゃないんだ。君たちへの呪いなんだよ。」

そうだ!

この声は私は宮殿へ入る直前に聞こえた声…

「お姫様? 考え事?」

気づくと彼は私に少し近づいていた。

「ひぃっ…」

驚いて声が裏返る。

「あ!もしかして!
ぼくの名前当てようとしてるー?いやぁーぼくの名前そんなに知りたい?」

焦り、汗ばむ私を置いて、
独りでトントンと話しを進めていく。

「ぼくの名前はね…」

(コンコン


「アグノイアさま〜?落ち着きになられましたか〜?」

エクスラ…

「今はそれどころじゃ…」

そう言って彼を見ようとふと視線を窓辺に移すと、

「あれ…!?」

いない?…いない!

私のすぐ目の前に立って話しをしていた彼が居ない!

居た痕跡すら無い…

私は何を見ていたのか…

「アグノイアさま〜?どうかなさいましたかっ??ドア!開けてください…!」

(ガチャ…

「エクスラ…私は幻を見ていたみたいなの…」

「アグノイアさま…きっとお疲れなんですよ…突然すぎたんですもの…ご無理しないでくださいっ!」

そう…私の頭も状況についていけていないようだ。

そう思うと急に頭がズキズキと痛み始める。

「アグノイアさま?あの、…その手にもっている紙はなんですか?」


「へ…?」


その紙はあの有名な
カッターラの夜と
その前の晩に起きた、一人の宮殿の召使い処刑の記事だった。


いつの間に…?


Insidious effect ( No.8 )
日時: 2016/11/10 00:10
名前: Laicy (ID: icsx9rvy)

-----
光王 レピーダ王

私の父上。

父上の背中は
私にとっても、民にとっても
とても偉大で、勇ましいものであった。


私が生まれてすぐに母上が謎の病で倒れ、この世を去った…
それからというもの、父上は私を人一倍過保護に、愛情深く育てた。

私は「女性らしく、マナーを守りなさい」と怒られつつも、優しく甘やかしてくれる父上が大好きだった。


そんな私の父上、"レピーダ王" は勇ましい、"光王"として知られる。

それは父上が王になる前…

父上がこの国の端に位置する工場町へ視察に訪れた時に、偶然にも黒い翼を持つ者たちが地下通路へ入って行くのを見つけた。
少し後を追ってみると地下通路へ拠点を移し、「先代の王を暗殺し、この国を潰す」という計画を進めていたことを突き止めた。
しかし、父上はこの国の第3王子であったため、彼が要請できる戦力は彼の従者だけだった。
父上はこの国を守る為、計画実行の前の晩に、その数人の従者と共に拠点へ乗り込み、黒き翼の住人を根絶やしにすることに成功した。


その勇気のある行動を讃え、先王様は父上の兄弟たちを押しのけ、父上に王の座へ即位する権利を与えた。

国民も、おじい様も
父上の即位を心から待っていた。

もちろん父上は即位し、
勇ましい光王と呼ばれ、
国民にも愛され、尊敬され

私の自慢の父。


のはずだった…
-----


いつの間に…?

私の知らぬ間に自分の手がなにか紙切れを握りしめていた。

紙切れはその一つではなく、足元にもう一枚…

やはりこれも新聞記事の切り抜きか…

これはなんの記事だろうか


私は気になり、反射的に紙切れを素早く足元から取る。


拾った紙を裏返すと、父上が王即位した時の様子の記事であった。

記事は全面的に父上の功績や行動すべてを讃えている、なんとも華やかで、伝説や物語のような内容になっていた。

紙切れの中で、若い父上がこちらに手を振り微笑んでいた。




急に涙が溢れ出す


色々ありすぎて忘れていたのだ。

いや。
むしろ忘れていたかっただけかもしれない。


この笑顔がもう思い出の中でしか会えない人のものであり、

その人は…
私の一番尊敬し、愛していた人であり、

私の大好きな人、

この世でたった一人の…

家族だった。


今すぐ会って抱きしめてほしい。


「ぅ….ぐすっ……ぅ …」


見ていたエクスラは
黙って私を抱きしめてくれた。


「辛いのは私たち、宮殿に支えている者共も同じ気持ちです…」

そういって彼女も泣いていた。




絶望はここから始まった。

Taking back ( No.9 )
日時: 2016/05/28 01:18
名前: Laicy (ID: icsx9rvy)

もう歯車は壊れて欠けていた。


でも誰も気付かなかった。


それでいいの。



だからね、


私が全て壊しておくからね。

あなたの大切なものも一緒に。


From the story of Epanastatis

-----

私がたくさん泣いて
落ち着き始めた頃を見計らって、

エクスラは優しく、少し遠慮がちに
私にレピーダ王さまの死因は聞かれましたか、と言った。


私は静かに首を横に振る。


「プセフティス姉さんが言うべきか言わないべきか、悩んでいました。でも…私は……
アグノイアさまにレピーダ王さまのこと、"真実" を知って頂きたいです。」

「私も父上に何があったのか、きちんと知りたい。 エクスラ、聞かせて。」

エクスラは私の答えにホッとした顔をしてから、"全て私が見た訳ではなく、聞いた話なのですが"と前置きをしてから、ゆっくり語り始めた。

「初めに、お兄ちゃん…リィピが宮殿裏の倉庫近くで倒れているレピーダ王さまを見つけたそうです。駆け寄ってみると王さまは…その……大きな切り傷や刺し傷が多数あり、…血だらけだったそうです… 驚いた兄はさっき別れたばかりで、まだ近くにいるはずのプセフティス姉さんを大声で呼びました。 」

そうか…

リィピがあんな大声でプセフティスを呼んだのはそんな理由があったなんて…

「プセフティス姉さんが確認した時にはもう…レピーダ王さまはすでに……。」

そう言って、エクスラは俯向く。

「アグノイアさま…ごめんなさい…私たちがあんなに近くに居ながら、レピーダ王さまを…救うことができませんでした…」

「エクスラ…あなたが悪いわけじゃないわ…他のみんなも…。
悪いのは…父上を暗殺した犯人だけよ…!」


父上がもし、こんな場に居合わせたら、こういうだろう。
自ら問題を解決しようと努力するだろう。


私は父上の無念を晴らすべく、無理にでも立ち上がり、ぶつかっていく決心を固める。



「私が犯人を見つける…!」



絶対に。


私が仇を討つ。

Overnight ( No.10 )
日時: 2016/05/30 01:37
名前: Laicy (ID: icsx9rvy)

...
この国の悲惨大事件を
静かに観ていた太陽がもう落ちる
カウントダウンを始めると共に、
深い朱色に輝き始めた。


もうこんな時間なのか…


エクスラから話を聴かせてもらってから、まだ一時間も経っていないのに。


今日は私の250歳の誕生日。

そして…
私の一番大切な父上を失った日。


もうすぐこの悪夢が起こった日は夜を迎え、そして次の日になる。


夜になれば…
思い出してしまう。


私の今いる現実…
父上の死… 絶望…


夜が怖い。
あの黒い空が私を
不安にさせる。


プセフティスに
寝るまで横にいて貰いたい。

そんなこと言ったら馬鹿にされてしまうだろうな…


そんなことを考えていたのにも関わらず、手が無意識にテーブルの上の小さなベルに伸びる。

(チリリン…

私の部屋には二種類の呼び出しベルがテーブルの上に設置されている。


召使いを呼ぶ時は低い音がするベルを使用する。

ただ、親友であり、召使いの長であるプセフティスを呼びたい場合だけこの小さな高い音のベルを鳴らす。


プセフティスは片翼のため、
他の召使いに比べたら
ここに着くには少し時間がかかってしまう。
プセフティスに急用がある場合は考えるよりも先にベルをすぐ鳴らす、というのは暗黙のルールだ。

そのお陰で頭で考えるよりも手の方が速く動いた。


(コンコン…


「アグノイア様。プセフティスです。」


「どうぞ…入って」

(ガチャ

数時間見なかった間にプセフティスの顔には疲労の色が色濃く出ていた。

「アグノイア様…お顔の色がとっても悪いですよ。」


「…そう…かしら…プセフティスだって疲れているのは顔にでているわ。」


「私は召使いたちの長です。忙しくて常に疲れた顔になってしまのなんて当たり前ですよ。お気になさらなくて大丈夫です。そういえば…アグノイア様…エクスラに "夕食はいらない"、と言ったそうですね?」


エクスラの話を聞いた後、実は私はエクスラに伝言を頼んでいた。

「今日は夕飯は要らない」、と。

そんな気分にはなれなかった。



父上のいない大きくて豪華な円卓にただ一人で座る。


そんなの…
耐えられない。


「お気持ちはわかっておりますよ。何か、少し温かいスープなどを持って参りますね。 私は姫様が夜ご就寝されるまで、横を離れませんので。」

私は驚いた顔で固まってしまった。

スープを取りに行こうとしていたプセフティスは私に優しく笑いかける。

「私は姫様が言わなくても、わかりますよ。何年の付き合いですか?ね?」


嬉しさのあまり
無言になる。

「…ふふっ。 そうね。いつも…ありがとう」

何か温かいものが私の中で
広がっていく…



こんなやりとりをしている間にも時間は休むことなく続いている。





一刻…一刻...とあの時は
足音を消して近づいて来ていた。


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