ダーク・ファンタジー小説
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- 僕達の冬休み(コメントどうぞ!
- 日時: 2017/07/27 10:54
- 名前: 臨 (ID: sm7BxIMi)
ちょっと悪夢の方をお休みして....
冬と言えば冬休み!
さあ、皆さん冬休みは何をしますか?
デート?買い物?雪合戦?色々ありますよね?
これはそんな日常に飽きたある"少年少女"のお話です
どうぞ、お楽しみ下さいませ
(コメントもどうぞとは書きましたが要らない小説を書き置きするのは止めてください。とても迷惑です)
いやー、この頃なかなか投稿出来てませんでした!
なので、夏休みだし一週間に二、三回は投稿したいと考えています!
- Re: 僕達の冬休み(コメントもどうぞ! ( No.16 )
- 日時: 2017/01/19 13:20
- 名前: 臨 (ID: sm7BxIMi)
犠牲 その3 紫宛視点
「おい!....止まれって....なあ......おい、紫宛!」
掴まれている手を振り払うと彼は怒った様に叫んだ。
正直、五月蝿い......莢香なんてほおっておけばいいのに。あんな自己中なんか。
「五月蝿いなあ......そんなに怒んないでよ。幸太」
すると、更に声を荒げて怒鳴りだす。
「アイツは仲間だぞ!ましてや、一人なんて捕まるに決まってる!」
その声に孝明も入ってくる。
「いくら俺でも流石に怒るぞ。アイツは鬼ごっことかには優れた判断が出来る。それに、アイツが言ってたことは合ってる」
「はあ?全部ウチが悪いの?何?ウチが全部いけないの!?どうして、アイツの味方するのさ!」
怒りが沸々込み上げて来て、ヒステリック起こすと孝明はめんどくさそうに額に手を置き私を睨む。
「誰もそんなこと言ってないだろ!少しはその自己チュー治せよ!」
「自己チュー?ウチが?....はは....んな訳ないじゃんか。ウチはあんたらのことを思って....」
「何があんたらのことを思ってだよ!ふざけるな!」
三人がぶつかり合う中、ウチは等々泣き出してしまった。
「.....ヒグ......ウチだって.....ウチだってぇ.....グス」
すると、幸太と孝明はオロオロと焦りだした。
「あ.....悪い、強く言い過ぎた。謝るから....泣くな.....な?」
「そうだよ.....あああ、莢香には後で謝ればいいんだから....ね?」
「でも....きっと莢香は.....ウチのこと嫌って....う....うわああぁぁん!」
遂には泣き崩れてしまった。
そんな彼らを見ている者が四人.....
莢香視点
抵抗するのも疲れた私は、担がれるまま移動していた。
抵抗しないと分かった斗真も態勢を変えておぶる態勢にしてくれた。
さっきの担ぐのよりは大分楽だな。
「ようやく、落ち着いたか。これ以上は暴れたり騒いだりすんなよ」
澪はやれやれと言った口調で話す。
「.....もう、暴れない.....疲れたもん.....」
静かに小さい声で答えると欄斗はケタケタ笑いながら私の顔を覗き込んだ。
「あはははは~!さっきよりは大人しいねー。もしかして、疲れちゃった?」
「だからさっき言ったじゃんか......疲れたもんって....」
めんどくさそうに答えた私に斗真は優しく私の頭を撫でてくれた。
何故か今はそれが泣くくらい嬉しかった。
まあ、当たり前だろう。
腹殴られて、拘束されてって色々合ったし、この三人の中でも一番増しな相手だからね。
そう内心呟いていると、澪が更衣室の前の廊下を指差して唐突に言い出した。
「ん、彼処で男二人と女一人が何か言い合いしてるぞ。あ、女泣き出した。なんだ修羅場か?」
「あ~らら。泣き崩れちゃったよ。可哀想ー」
「......オロオロ.....してる」
自分も顔を上げてその光景を見ることにした。
「......え?」
その三人はとても見覚えがあり、今自分が最も会いたい相手がオロオロとしていたのだ。
「ん?なんだお前あいつらの知り合っ....」
相手が最後をゆうか言わないかの所で思わず叫んでしまう。
「こ.....幸太!」
「幸太?....ああ....そうゆうことね」
後ろで欄斗が何か呟いているが聞こえない。まあ、どうでもいいが
「....!?.....莢香!」
そう幸太が叫ぶと此方に走って来る。
安心して涙が溢れて来る。斗真から頑張って降りると幸太の変わりに紫宛が抱きついて来た。
「うえええっ......エッグ.....うう~......ごめん.....ごめんねえ~!」
泣きながら紫宛が謝って来る。
私はその相手の頭を撫でる。
「......此方も.....ごめんね?.....酷いこと言っちゃって。」
泣きたいのを我慢してまず相手を安心させる。
その光景を見て男子組は思った......
え!?どうなってんの.....俺達モブ?え......てか、二人だけの世界に入ってんじゃねえよーーーー!
- Re: 僕達の冬休み(コメントもどうぞ! ( No.17 )
- 日時: 2017/01/23 22:01
- 名前: 臨 (ID: sm7BxIMi)
犠牲 その4
「まあ、紫宛と莢香が仲直りしたのは良いとして.....こいつら誰?」
幸太が静かに喋るがその口調と声音からは微かに怒りの感情が入っていた。
私は特に気にする様子も見せずただ答える。
「えと、なんてゆうか.....私が捕まったのかな?」
「そうそう!いきなり蹴り掛かって来るから、捕まえたの。僕達は他校生徒だから、場所とか分かんないんだ~」
「そこでこいつに聞こうと思ったが、捕まっても尚殺そうとしてくるものだから、完全に封じた」
「暴れる......五月蝿い....」
三人のその言葉が胸にグサッと刺さる。
「スイマセンデシタネ....」
「何でカタコトー?」
そのやり取りを見ていた三人の内、一人は俯き、あと二人は何故かアワアワとしていた。
「さ....莢香.....ちょっと、黙ろうね?そこの三人もね?」
「そうだよ!お...お前が余計なことするから.....とにかく、黙ってろ....な?」
「はあ?意味分かんないんだけど。どうしてなの?」
その言い草に少しムッとするとついつい言い返してしまう。
「その.....ね?....ほら.....場の空気!分かんない?」
紫宛が私の口を押さえて辺りを見渡す。
「ちょっと、手には色んなバイ菌付いてるんだよ!そのバイ菌付いた手で相手の口触るのはどうかとおもうよ?」
欄斗が紫宛の腕を掴み、私の口から引き離す。
プチッと何かが切れた音と共に幸太がキレ出した。
「お前らうるせえんだよ!人が黙ってればごちゃごちゃごちゃごちゃ!」
その大声にビクリと体大きく震わす。自然と恐怖から涙が溢れて来る。紫宛と孝明に助けを求める様に視線を送るが二人は「ほら~。言わんこっちゃない」っといった感じに首を左右に振っている。
どうしようと涙目でオロオロとしている所にある殺気が近付いて来るのが分かる。
「おい.....」
「ああ、分かってるよ」
「.......鬼.....」
三人が顔を見合わせてそう呟く。
「紫宛、孝明、幸太.......戦闘準備.....」
『了解』
三人が声を合わせて答える。
腰のガンホルダーから二丁銃を取り出す。
カツンカツンと靴の踵が床に当たる音がする。
廊下の角から赤い鬼のお面が見えるのと同時に先頭の澪が鬼に斬りかかる。
その後に着こうと思い走ろうとすると
「来るな!逃げろ.....何してんだよ!早く逃げろって言ってんだよ!」
そう怒鳴られる。
澪がどんどん後ろに下がって来ると、相手が何に怯えているのかが分かった。
鬼が......沢山居たのだ。
十人.....いや、二十人其をも越える人数だ。
「なんなのさ.....あの人数!」
「チッ.....逃げるぞ!」
「.........に...逃げる!」
それぞれが非難の叫びを挙げる中、私はぼうっと突っ立っていた。
いや、考えていたのだ。
どうやってあんな人数を?
誰が此処まで連れてきた?
絶対に此処はバレない筈なのにどうして?
誰かが......"連れてきた"
なら"誰が"....
「危ない!」
その声で現実に戻るが遅かった。
鬼はもう私に噛み付こうと口を開けて此方に飛び掛かって来ていたのだ。
もう無理だな.....諦めよう。
此処で犠牲になろう.....僕一人が捕まれば他の鬼は全員僕の方へ来る。
そうすれば彼らは助かる。
もう少しで朝だ。
朝になれば鬼ごっこは終わる。
そうすれば.....幸太や紫宛は助かる......
《諦めちゃ.....駄目》
- Re: 僕達の冬休み(コメントもどうぞ! ( No.18 )
- 日時: 2017/02/17 20:49
- 名前: 臨 (ID: sm7BxIMi)
久々の投稿です!
色々とありましてね。
遅れてごめんなさいです!
第七章『朝・ゲーム終了』
全てがスローモーションに見える。
体がピクリと動かない。
目を瞑り全てを受け入れようとする。
すると....
「くっそがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁぁ!」
大声で澪が叫ぶ。
その声にはっ!と我に帰り目を開ける。
最初に目に写ったのは腕を鬼に噛まれている澪。
そして次に写ったのはその後ろから次々と鬼が飛びかかっろうとする所だったのだ。
「....っ!!.....ぅ....行け!早く此処から逃げろ!じゃないと......此処で皆死ぬぞ!?」
その声で一斉に動き出す。
尚も動いてないのは僕と欄斗だ。
欄斗は床に座り込み澪が噛まれる姿を呆然と見ている。
「.......糞....斗真!欄斗を抱えて先に逃げて!僕は後から行くから!」
斗真を此方を振り返りコクリと頷くと欄斗を肩に担ぎ走って行く。
その姿を見送ってから食われ続けている澪の方を向く。
「がっ......何で....逃げない......この馬鹿女が!....ぐ....さっさと行け!」
その声を無視して僕は鬼と澪に近付く。
幸い、鬼は澪を食らうのに夢中らしく、此方には気が付いていない。
「澪.......ありがと。僕の代わりになってくれて。最後に聞いても言いかな?」
血だらけの澪にしゃがみ込み千切られた手を握り聞く。
澪は皮膚を噛み千切られる痛さに耐えながらも頷いた。
「生きてて.....幸せだった?」
その問いにふっと微笑み
「.....ああ.......斗真と欄斗と居れて.....嬉しかっ.........た」
その言葉を最後に澪は力尽きた。
溢れ出てくる涙を堪えてその場から走り去る。
走りながら気が付いた。
窓を見るともう外は明るく、朝日が僕を照らしていたことに。
嗚呼、自分は生き残れたのだっと実感した。
ウゥ~~~ーーーーーーーー
サイレンが鳴る。
『以上で第一ゲーム死の鬼ごっこを終了します。お疲れ様でした』
そんなアナウンスが流れた。
そのアナウンスが切れると同時に僕の意識も途切れた。
フフッ.....今回は実に楽しかったよ。
まさかあの子が犠牲になるとはね。
まあ、いちをこれも計算通りなんだけど。
次は誰が犠牲になるのかな?
さあ、もっと楽しませてよ......莢香
- Re: 僕達の冬休み(コメントもどうぞ! ( No.19 )
- 日時: 2017/02/18 22:42
- 名前: 臨 (ID: sm7BxIMi)
第八章『準備』
このゲームが始まってから何度目の目覚めだろうか。
ゆっくりと重い目蓋を開ける。酷く眩しい。
腕を持ち上げて目の上に置き、光を遮る。
「莢香?......おはよう」
その柔らかい声に今まで堪えてきた物が爆発する。
目から涙が溢れ出てくる。いくら服で拭っても一向に止まらない。
「ひぐっ.....ご....さい.....」
「ん?」
声を振り絞りこう叫んだ。
「ごめんなさい!....私の.....私のせいで....ごめんなさい.....っ.....」
途中で紫宛に強く抱き締められる。
すがり付く様に抱き締め返す。
今は恥ずかしがってる場合じゃない。
そんな弱気な私をただ睨み付けていた青年、欄斗はついに怒りをぶつけた。
「そうだよ!澪が死んだのは全部お前のせいだ!全部.....お前のっ!」
後ろから斗真が欄斗を押さえつける。押さえつけるその顔も酷く悲しそうだった。
自分はそんな悲しそうな二人を見ながらただただ謝ることしか出来なかった。
あれから数時間経った。
食堂に移動する途中に澪が.....いや、死体が運ばれていくの見た。
その一瞬.......嗚呼、どうしてこんなにも人間は脆いのだろうっと思った。
自分は小さい頃から異常だった。
人との考え方が違い、それで苛められるのは毎回だった。
そのたびに紫宛が助けてくれていた。
自分もその紫宛の優しさに甘えていて、紫宛が裏で苛められてるなんて微塵も考えてなかった。
紫宛が苛められている事を同じクラスの女子がボソボソ喋っているのを聞いた。
「可哀想」だのなんだの言ってる女子に怒りが沸いた。
その刹那自然と手が机を掴み、喋っている女子に持っている机を投げ付ける。
案の定、机は女子達にぶつかる。
それでも気が済まず相手に殴り掛かる。
一人の顔をぐちゃぐちゃに殴ればまた違う人の顔を殴る。
自然と彼女等は逃げなかった。いや、逃げれなかったのだ。
逃げれば殺すと言わんばかりの殺気を私は出していたのだ。
話をしていた女子達では飽きたらずにクラスメイト全員を病院送りにした。
それでもなかなか怒りは治まらなかった。
「何で話してくれなかったの!?」
遂には紫宛にも当たってしまった。
その怒りの声にも紫宛は笑いながらこう言った。
「ごめんね?莢香に心配かけたくなかったの....」
その答えにようやく自分の治まらない怒りが分かった。
自分は紫宛を苛めてた奴に怒ってたんじゃない。
紫宛を噂話してるだけで助けなかった女子達に怒ってたんじゃない。
自分自身に.....苛めに気が付かずに甘え続けてた自分に怒ってたのだ。
それから私は紫宛に依存し続けた。
優しい紫宛を傷付け様とする奴を病院送りにし、二度と公共の場に出てこれないようにした。
でも、そんな依存する日々はそう長くは続かなかった。
紫宛に好きな奴が出来たのだ。
最初は怒り狂いソイツを"殺そう"と思った。
でも、幸せそうにソイツの話をする紫宛を見てれば自然と此方も頬が緩んだ。
そこで私は紫宛の恋を応援することにした。
「告白.....しちゃえば?」
口からそんなことがポロリと出る。
私の言葉に紫宛は顔を真っ赤にして俯き、数秒経ってから頷いた。
その仕草が今はとても可愛らしかった。
ソイツと紫宛は付き合った。
今でも紫宛はソイツと.....孝明と付き合い続けている。
そんな見守り続ける私には好きな人は出来た。
それが幸太なのだ。
告白はまだ出来ていない。
もし.....断られたらって思うと凄い怖い。
紫宛はその怖さに立ち向かったが私はそれが未だに出来ない。
何時だって私は弱虫だ。
あの時だって、生から逃げて死のうとした。
紫宛達の為だとか考えて、このめんどくさいゲームから逃れようとした。
それがこの結果だ。
欄斗が言っていることは全て正しい。
元澪であった死体と目が合う。
その瞳には光がなく、濁っていたが口元は幸せそうに歪んでいた。笑っていたのだ。
初めてカッコいいと思った。
死体をカッコいいなんて思うのは私だけだろう。
そんなことを考えながら歩く。
次の恐怖なんて考えずに。
- Re: 僕達の冬休み(コメントもどうぞ! ( No.20 )
- 日時: 2017/02/20 23:29
- 名前: 臨 (ID: sm7BxIMi)
第九章『最悪の事態』
一階 食堂
食堂に入ると中は意外と静かだった。
まあ、そうだろう。仲間を失ったのだから、その反応が当たり前なのだ。
だが、一人"当たり前じゃない"奴が目に入る。
ガツガツとカレー、オムライス、チャーハン色々な物を食べている少年。
自分と同じくらいの年だろうか。
その隣には、ひたすらゲームをしている少女。
そして床には寝ている青年。
皆、悲しみで食欲も睡眠も何もないのに、呑気な奴らだ。
ああゆう奴ほど早く死ぬのだ。精々名一杯楽しんで死ね。
心の中で毒つくとそれを察したのか紫宛が
「やりたいことをやるのは良いことだと思うよ?何時死ぬのか分かんないんだもん」
その通りだ。何時死んでも可笑しくない。今はそんな状況なのだ。それは誰にも変えられない。
パンパカパーン パパパ パンパカパーン~♪
効果音と共にあの"嫌な声"が聞こえてくる。
『生還おめでとう!いや~、君達は実に素晴らしい。自分の仲間を裏切って生きた者も居れば、助け合って死んでいった人もいる。人間とゆうものは実に素晴らしい!見ていて飽きないよ♪』
「手前......っざけんなよ!誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!」
「そ.....そうよ!さっさと家に帰してちょうだい!」
三人、四人と立ち上がり遂には僕ら六人と変人三人以外全員立ち上がり文句をいい始めた。
『.........はあ.....チッ.....うるせえなぁ!お前らに拒否権なんてねぇんだよ!今、自分が置かれている状況を分かれ!このゴミクズ共が....』
「.........」
皆が静まり返ると同時にまた嫌な音がする。
パァンッ! グシャァ! ドサドサッ
頭が弾けた。脳みそや眼球がそこらじゅうに飛び散る。
パタタッと僕の頬に跳ねた血が付く。
次々と弾ける。
一人、また一人と殺されていく。
だが、別に可哀想とかそんな感情はなかった。
だって、目障りだったのだから。
このゲームから逃れられないのにギャーギャー騒いで。
僕は(私は) 五月蝿いのが嫌いだ(五月蝿いのが嫌いだ)
不思議と五人も黙っていた。
ああ、これで残ったのはあの変人三人と僕達六人だけになってしまった。
『ふう、これで五月蝿い虫けらは居なくなった。さあ、次のゲームの説明をしよう』
ダダダダダダダダ ジャン!
『その名も........生死の人浪ゲーム』
人浪ゲームか.....
聞いたことあるな。村人の中から狼を探しだすんだっけ?
これで大体分かった。
『これは君らの信頼度が試されるゲームだよ?狼になった者は嫌いな奴を殺せばいい』
殺す......こいつは簡単にそんなこと言えるが僕らは1ゲームで色々な体験をしてきた。
だからこそ、殺すとかあまり言えないのだ。
『まあ、精々信頼できる仲間は選ぶ事だね。じゃ、バイバイビー』
プツンっと放送が切れると一気に脱力する。
崩れ落ちる体を幸太が支えてくれる。
今だけでも良いからこの温もりに触れていたい。
また視線を感じる。それは紫宛からの物ではなくて欄斗からのものだった。
「.....?」
僕が首を傾げると欄斗は俯き僕を引っ張る。
ああ、幸太が離れる。己欄斗っと思いながらも相手を見る。
「.........此方見んな人殺し」
その言葉に全身が強張る。
そうだ.....自分は澪を殺したんだ。いや、殺したも同然のことをした。
そう呼ばれても何も言い返せない。
「おい!それは言い過ぎだよ。こいつだって必死に俺らを守ろうとしたじゃんか!」
「でも、結局は助けられなかった。そうだろ!?」
幸太がどんだけフォローしてくれても、僕が人殺しだってことは変わらない。
「幸太......いいよ。本当のことだもん......僕は人殺しだ....」
幸太の胸に手を置きそう微笑みかけて言うと彼は悲しそうに顔を歪めた。
幸太はどんな顔をしてもカッコいい。
頬を赤くそめて幸太を見ていると欄斗に頬を引っ張られた。
「い....いひゃいいひゃい!やへよ....」
「ブス!」
その突然の悪口に思考が止まる。
後ろで紫宛が爆笑してるが、そんなの今の私には聞こえない。