ダーク・ファンタジー小説

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七色が紡ぐ物語
日時: 2019/01/05 16:00
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

語られていた話がある。七色のリングが揃ったとき大きな虹が
空に現れ世界に新たな平和が訪れるという。

現在、そのリングはあちこちに飛び散り宝として大切に保管され
ている。それを狙う魔族たちが現れ始めていた。

【序章】 >>01-02
【第一章】純潔のエルフ >>03-07
【第二章】忍耐の奴隷 >>08-13
【第三章】慈愛のアンドロイド >>14-18
【第四章】誠実の武士 >>19-22
ミルフィの予感 >>23
【第五章】勇気の武闘家 >>24-28
【第六章】節制と怠惰王 >>29-31
私たちのチャンス >>32

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.24 )
日時: 2019/01/02 17:32
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

武芸の島、ゲイル島。
ツバキ「なんだろう…凄い何かを応援する声が」
レオ「あそこか?」
二人は人混みを掻き分けながら何をしているのか確かめる。
一人は2mはある屈強な男、もう一人は長身の中華服を着た青年だ。
オジサン「おやぁ?ここに初めて来たのかい?」
ツバキ「え?はい、ここは初めてで…これって」
オジサン「決闘さ」
レオ「け、決闘!?街中で?」
オバサン「この町には腕自慢が集まってきてね、アタシらみたいに
戦えない人は良いとして色々試合をしてるのさ。ゲイルの四天王って
呼ばれてる四人もいるしね」

前を向くとすでに勝負はついていた。勝ったのは青年のほうで
屈強な男は白目を剥いて倒れている。
オジサン「すごいじゃないか君!また見させてもらうよ」
???「ありがとうございます。君たちも見てくれてありがとう」
ツバキ「あ、いいえそんな…ここではさっきみたいなことが
あって普通って感じなんですか?」
???「うん、俺もこれで腕を上げてきたからね。そっちの人は
剣士か?」
青年はレオのほうを見た。
レオ「ん、あぁそうだけど…そういえばさっきのオジサン貴方のことを
知ってるみたいですけど」
???「あー色々鍛えてもらったからね。俺はジェイン、君たちは?」
レオ「俺はレオ、こっちはツバキだ。俺たちは今、七色のリングを
探してるんだけど…何か知らないか?」
ジェインは腕を組んだ。
ジェイン「その辺りのことはあまり…でも島には宝が眠っているとは
聞いたことあるよ。俺も探し物を手伝うよ」
ツバキ「心強いです!よろしくお願いしますジェインさん」

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.25 )
日時: 2019/01/02 18:07
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ジェインと共に行動しているツバキたちの後を追うように一人の
男が歩いていた。彼はゲイルの四天王の一人、【雷蹴】サイラだ。
サイラ「あの二人か…」

一方、ここから離れた闘技場の柱に四天王【炎拳】グレアが
縛り付けられていた。体中に殴られた痣が残っている。
グレア「強欲王カインだっけ、こりゃ手当てとは言えないけど…」
暗い赤髪の男、強欲王カインは舌打ちをする。
カイン「今すぐ殺されたいのか?折角生かしてやったのに…」
グレア「リングが欲しいならそのまま持ち去ればいいのに…ホントに
何がしたいんだ」
カイン「俺は強欲だからな、ここを俺の支配領域にする。でも
それだけじゃ楽しくねえだろ?ここは腕の立つ奴らが集まるって
聞いたから来てやったのに俺に喧嘩売って来た奴は雑魚しかいねえ。
お前も四天王って聞いたから来てやったのにがっかりだ」
グレア「それは申し訳ないな。だけど…ここにいる人たちは
雑魚ではない。立派な戦士さ、お前が負けるところ見ておいてやる」

楽しそうにカインは笑った。

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.26 )
日時: 2019/01/02 18:33
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ジェイン「サイラさん!どうしてここに…」
ツバキ「サイラ?って?」
ジェイン「さっき話した四天王さ。雷蹴の異名で知られている人だ」
サイラ「ジェインってのはお前か。少し手を借りていいかな?
緊急事態だ。グレアが強欲王カインと名乗る男に捕まった」
レオ「強欲王!?」

二人は息を呑む。
サイラ「奴が勇気のリングを持っている」
ツバキ「なら助けよう、なるべく早く!四天王ってこの島の
リーダーみたいなのでしょ?それに私たち、そのリングを
探してたんです!」
レオ「そうだな、覚悟してたからな」
ジェイン「何処にいるか分かるんですか?」
サイラ「すぐ近くの闘技場だ…って本気か?」
ツバキ「勿論、最初から本気です!」
****

【氷拳】レビン、【風蹴】チェンホー、その二人も捕まっていた。
カインの手下ジャイルが立って不気味な笑みを浮かべている。
ジャイル「カイン様も優しいなぁこんな弱者を殺すなと言ってたんだ。
にしても弱すぎるね、四天王ってハンデあげたのにさぁ」
レビン「(サイラ、頼むぞ)」

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.27 )
日時: 2019/01/02 18:48
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

カイン「お、来た来た来たぁぁぁ!!」
楽しそうにカインはそう叫んだ。彼の前にツバキ、レオ、ジェイン、
サイラが立つ。

カイン「やぁっと戦えるな?虹の王。だけどこれじゃまだ楽しくない。
本気になってくれねーと俺も楽しめないんだよなぁ…」
カインは拳を握りグレアの腹を殴り付けた。グレアの口から
血が流れる。
カイン「まだ本気になれねえか?じゃあもっと殴れば—ッ!!」
カインの背中に衝撃が走る。直後、前のめりに倒れるカインの
後頭部に踵落としが繰り出されカインが地面にめり込む。
サイラ「流石にしぶといな」
カイン「この程度で倒れるような俺じゃねえ。それとお前は
用済みだから」
カインがサイラの首を掴み持ち上げる。ギリギリと首を掴む手の
力が増していく。サイラの両腕がダランと垂れたのを見てカインは
乱暴に彼を投げ捨てた。
ジェイン「手加減はいらないな…」
ツバキ「じゃあ望み通り、ぶっ飛ばそう!!」

ツバキは銃を構える。ジェインとレオが同時に地面を蹴り
カインとの距離を詰めた。

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.28 )
日時: 2019/01/02 19:03
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

剣は確実にカインの胴を切り裂きジェインのラリアットも
カインに入った。だがカインは数歩後退するだけで倒れることは
無く余裕の笑みを浮かべている。
カイン「レオ、お前さ影王の後継者だろ。そろそろ本気で
怒ってみろよ!こんなへなちょこ攻撃で俺が倒れると思ったか!!?
…そうか…じゃあこうすればいいんだな」

カインが消え、ツバキの背後に回る。ツバキも振り返り発砲するも
彼は銃弾を簡単に避けツバキの首に腕を回し拘束する。
カイン「お前が守りたがってるのはコイツだろ?俺が欲しいモノの
一つは、女さ。それも虹の王の転生体なら嬉しいんだ!ほら…
早く俺を倒さねえと手遅れになるぜ?俺の瘴気がコイツを呑み込むまで
後何分だろうなぁ?」
レオの中で何かが渦巻く。ツバキを苦しめているカインへの
憎しみがどんどん強まっていく。ツバキが小さく何かを叫ぶ。
レオの髪が真っ黒になり瞳が紫に変わる。刹那、カインが笑みを
浮かべたまま硬直する。

カインの全身に切り傷が現れ大量の血液が流れだす。
カイン「スッゲェ、な〜…もっと、黒く染まれよ…」
カインが消えレオが膝をついた。元の髪色、目の色に戻る。

ツバキ「レオ、大丈夫?」
ジェイン「お前、大丈夫か?憎いのは分かるがそれを制御できるように
なれ。憎しみは何も生まねえぞ、悲しみを増やすだけだ、それと
ツバキ」

ジェインから一つのリングを受け取る。赤い光を放つ勇気のリングだ。
ジェイン「お前らが嫌だって言っても俺は行くからな」


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