ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

七色が紡ぐ物語
日時: 2019/01/05 16:00
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

語られていた話がある。七色のリングが揃ったとき大きな虹が
空に現れ世界に新たな平和が訪れるという。

現在、そのリングはあちこちに飛び散り宝として大切に保管され
ている。それを狙う魔族たちが現れ始めていた。

【序章】 >>01-02
【第一章】純潔のエルフ >>03-07
【第二章】忍耐の奴隷 >>08-13
【第三章】慈愛のアンドロイド >>14-18
【第四章】誠実の武士 >>19-22
ミルフィの予感 >>23
【第五章】勇気の武闘家 >>24-28
【第六章】節制と怠惰王 >>29-31
私たちのチャンス >>32

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.19 )
日時: 2019/01/01 18:27
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

レオ、ツバキ、メイ、そしてアリムはテンドウの島へやってきた。
ツバキ「久し振りに帰って来たかも」
メイ「あれ、ツバキはこの島出身なの?」
ツバキ「うん」
???「おぉ!帰って来たかヨザキの嬢ちゃん」

亜麻色の髪をした青年と黒髪の男がツバキに手を振っていた。
特にメイは亜麻色の髪の青年に一目惚れしているようだ。

ツバキ「コタローさん、シチローさん!久しぶり!」
黒髪の男がコタロー、亜麻色の髪の青年がシチロー、二人とも
ツバキの友人だという。
シチロー「元気そうで何よりだツバキ。レオくんたちもいつも
彼女が世話になってる」
メイ「ねぇねぇあたしたち、ツバキのリングを頼りにここに
来たんだけど七色のリングの在処、知らない?」
コタロー「なんでぇこの猫、世界ってのぁ広いねェしゃべる猫
なんざ俺ぁ見たことも無かったぜぃ」
シチロー「リングか…この島にはてっきりツバキちゃんの
持つリングだけかと思ったんだけどね」
コタロー「お前は幕府に関わった仕事してんだろ、調べてきやがれ!」
シチロー「そういうコタローこそ顔が広いんだから情報を
集めてくれ、アッ!!」

シチローが何かを思い出した。
アリム「なんだ?何かあったのか?」
シチロー「いやぁもしかするとあるかもしれない…ただ…」
ツバキたちが首を傾げる。
シチロー「君たちをいらない戦に巻き込んでしまうかもしれない」

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.20 )
日時: 2019/01/01 18:51
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ツバキの元々住んでいた家にはシチローが今は住んでいる。
メイ「なんだかシチローに声を掛ける人が多いわね」
レオ「さっきから視線が痛い」
コタロー「シチローは剣に長けた一人の武士だ、あんな色白で正直
みんなアイツが武士になれるわけがないって思ってたんだぜィ。
アイツぁ文学をやってたが剣術を習い始めてすぐ腕を上げたんだ」

シチロー「ミクネ様!どうしたんですか?」
ミクネと呼ばれた少女が不機嫌そうに話す。
ミクネ「お兄と喧嘩したんや、お兄が誠実のリングを傲慢王とか
いう奴に渡す言うて聞かないんや!!」
全員が誠実のリング、傲慢王という名前に耳を立てる。
ツバキ「今、誠実のリングって!!」
ミクネ「お…おぉ!!お姉さんか?シチローはんの言うてたツバキって!!
お願いや、一生のお願いや!お兄を一緒に止めてくれへんか!?
その分の報酬はちゃんと渡すから!!」
ツバキ「落ち着いて」
シチロー「レオくんたちはすまないが先にミクネ様とコタローと
城に行っててくれないかな?僕は少し用がある」
コタロー「仕方ねえや、急ぐぞ」

家にはツバキとシチローだけが残された。
ツバキ「シチローどうしたの?」
シチロー「…ツバキちゃん、陰陽術を使ってみないか?」
ツバキ「え?」

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.21 )
日時: 2019/01/01 19:11
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ミクネは目を見開いたまま呆然としていた。駆け付けるのが
一足遅かった。
兄「ミクネ…ごめんな…」
ミクネ「お兄…お兄…!嫌だよぉ!!まだごめんなさい言えてないのに!!」

レオ「ミクネのお兄さんを殺したのは…お前か」
レオは銀髪の男をギロリと睨む。傲慢王ギルディア。
コタロー「こりゃあヤベェな…」
ギルディア「コイツの家族か。それは失敬、でも騙された方が
悪いんだぜ?」
メイ「人の心に漬け込んで…他人を傷つけて楽しいわけ!!?」
ギルディア「他人を傷つける?それは心外だ、知らぬうちにお前らも
俺と同じことをしているかもしれない、そう考えたことはないか?」

ギルディアの赤い瞳がレオを捕らえた。全員の体にゾッとする
何かが走る。黒い霧から黒いマントを翻しゆっくりと歩いてくる
男が現れた。
ギルディア「これはこれは…王、自ら来ていましたか。ですが
向こうは?王がいなくては奴らを…」
王「ギルディア…俺がいなくても七王をまとめられる奴はいるだろ」
ギルディア「そうでしたね色欲王なら」
王、と呼ばれた男はレオのほうを向きニヤリと笑った。
王「我が後継者、まだお前はこんなところにいるのか…失念したぞ」

アリム「レオ!逃げろォォぉ!!」
レオを後ろに下げようとしたアリムを後ろから拘束する人物がいた。
赤みがかった茶髪の男だ。
???「ズルいぜぇギルディアばっかり、憤怒王である俺も
加わって良いだろ?影王様」
ギルディア「ジルド…」
影王「あぁ、構わないさ。そろそろ来るだろう」

遠くから二人の足音が聞こえる。影王の頭部を狙った光の矢が
空を切る。

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.22 )
日時: 2019/01/01 19:27
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

シチロー「すまない!遅れた!」
ツバキ「さぁちゃっちゃと体を本来の所有者に渡してくれない!?
その体を早くエルさんに返して!」
影王「また俺の邪魔をするか…虹の王。さて、味を確かめさせて
もらおう、レオ」

レオの首筋に影王が噛みつく。ツバキは弓矢を放つ。
それに気づき影王は身体を少し反らし躱した。
影王「薄いな…まぁ記憶がないのだから仕方ないか。忌々しいな
その力…!!」
ギルディア「王、無茶はよろしくありません」
ジルド「そうだぜぇ影王、その器が抵抗してる」

影王は少し苦しそうな声を上げる。
影王「ここまで落ちているのか…しぶとい人間だ」
ギルディア「引きましょう。リングは手に入りました」
黒い霧が辺りを包んだ。すぐに霧が消える。

アリム「…ッ〜…こりゃあヤバそうだぞ」
レオ「…ッあぁ、それは分かってる」
レオは首を抑えながら答えた。
ミクネ「…シチローはん、これからやでこれから!シチローはんには
たくさん働いてもらうから覚悟しときぃ!」
シチロー「ッ!いや、僕はツバキちゃんと一緒に行こうと思うよ。
働くのはコタローさ。僕がちゃんとミクネ様のお兄さんの仇を
討つ!」
ミクネ「…そ、そうか。ツバキはん短い間やけどありがとう。
怖そうな奴らやったけどツバキはんならきっと勝てるで!その
リングがあるんやからな」
ツバキ「うん、ありがとう!頑張るね!」

Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.23 )
日時: 2019/01/02 21:42
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ミルフィは今までのツバキたちの行動を見ていて一つ気になる
ことがあった。エルの体を乗っ取った影王がレオに噛み付いた時
微かにレオの髪は焦げ茶から黒に変わり瘴気を放っていた。
ツバキの黒髪は元々だ。だがレオの場合は影王や大罪の七王と
似たような瘴気も放っていた。

ミルフィ「(まさか…彼がそうだっていうの?じゃあツバキもこんな
重い宿命を背負っているというの?)」
ゼロ「あの…」
ミルフィ「ッ!どうしたの?」
ゼロ「レモンティー?っていうの…あげます」
ミルフィ「ごめんなさいね、ここまでしてもらって…」
ゼロからカップを受け取り一口飲んだ。
ミルフィ「貴方は、もし仲間が敵対する相手ならどうする?」
ゼロ「…頼まれれば倒す、でもレオたちとイリアナは友だちだから
傷付けない…」

****
ツバキ「武芸の島?」
ミルフィ「えぇ、武芸の島は武芸を嗜む者の島よ。レオは剣士、
剣術も武芸の一つなの。武芸の島ゲイル島には勇気のリングがある」
ツバキ「勇気の反対…リングを狙って強欲王が…」
ミルフィ「気を付けるのよ二人とも」


Page:1 2 3 4 5 6 7



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。