ダーク・ファンタジー小説
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- 七色が紡ぐ物語
- 日時: 2019/01/05 16:00
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
語られていた話がある。七色のリングが揃ったとき大きな虹が
空に現れ世界に新たな平和が訪れるという。
現在、そのリングはあちこちに飛び散り宝として大切に保管され
ている。それを狙う魔族たちが現れ始めていた。
【序章】 >>01-02
【第一章】純潔のエルフ >>03-07
【第二章】忍耐の奴隷 >>08-13
【第三章】慈愛のアンドロイド >>14-18
【第四章】誠実の武士 >>19-22
ミルフィの予感 >>23
【第五章】勇気の武闘家 >>24-28
【第六章】節制と怠惰王 >>29-31
私たちのチャンス >>32
- Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.14 )
- 日時: 2018/12/31 21:40
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ミルフィはゼロの首輪を見ていた。
レオ「取れそうか?」
ミルフィ「うーん取れないことは無さそうだけど、ダメね。取れたら
たちまちドカン!となるよう設定されてるみたい。それに他にも
幾つも契約されてる。とりあえず主人の命令は絶対っていうのは
消しておいたから。相当辛い思いをしたのねゼロ」
ミルフィは一着ゼロに渡した。
ミルフィ「よかったら着て頂戴、その服ボロボロだから」
ゼロ「…そのありがと…」
ミルフィ「どういたしまして」
****
機械仕掛けの島ギアル島にレオたちはやってきた。
ツバキのリングが橙色の光を放っている。
ツバキ「ここにもリングがあるみたいだね」
レオ「じゃあ行きますか」
今回は二人だけではないゼロも一緒に来ている。
???「あーそこの嬢ちゃんたち、ちょっと時間あったら手ぇ貸してくれ。
ちと手伝ってほしいことがあるんだ」
白衣を着た青年が三人に声を掛けた。
???「僕はハルビオ、科学者だ。少し荷物があってな運ぶのを
手伝ってくれないか?」
ツバキ「分かりました。手伝いますね」
ハルビオ「助かるよ、こっちだ」
ハルビオの後を三人は追った。辿り着いたのは大きな研究所だ。
- Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.15 )
- 日時: 2018/12/31 22:01
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ツバキ「…凄い量ですね」
ハルビオ「あぁ、アンドロイドっているだろ?それを大量に
作ってるんだ。彼らがいれば不自由な生活を手伝ったりもできるしな。
さて、運ぶぞ」
レオ「じゃあやるか、せーの!」
箱が数センチだけ動いた。数人だけで運べるような量じゃない。
ハルビオ「ってなわけさ」
ゼロ「…何処に運べばいいの」
ハルビオ「あー…倉庫があるからそこまで運べばいいんだが…って
待て待て一人で運ぶ気か!?」
レオ「ゼロ、流石にこの重さは」
ゼロ「力には自信があるから」
ゼロはゆっくりと力を入れ箱を動かす。倉庫は少し直進したところに
ある。ゼロの顔には疲れが見えず余裕そうだ。
メイ「ゼロって怪力ね」
ツバキ「奴隷にも色々あるみたい、その中でもゼロは戦闘奴隷って
言って戦闘に特化しているみたいだよ。結構高値がつけられてた
みたいだから」
レオ「そんだけ強いってことか…」
倉庫に鍵をかけ終わったハルビオは鍵をポケットにしまった。
ハルビオ「いやぁ助かったよ、今日は結構たくさん材料を
受け取っちゃってさぁ。ゼロ、だっけ?ホントに助かったよ。
ありがとう」
ゼロ「いや…これぐらいなら…」
ハルビオ「お礼として、この島のことを色々教えてあげるよ」
レオ「じゃあ少し良いか?俺たちは七色のリングを探してるんだ。
何か心当たりはないか?」
ハルビオ「在処は知ってるんだが…うーん少しな」
- Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.16 )
- 日時: 2018/12/31 22:27
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
暗い緑髪の青年がそこにはいた。
ハルビオ「僕の傑作アンドロイド、ルビウムだ」
ルビウム「始め、まして…」
ハルビオ「彼の中に君たちの望むリング、慈愛のリングがある。
だがそう簡単に渡すことはできない」
ツバキ「そうですか…」
ハルビオ「すまないな…」
ルビウムが静かに立ち上がった。ハルビオが時計を見た。
ハルビオ「あーもうこんな時間か」
ルビウム「はい…偵察の時間なので」
ハルビオ「最近、ヤバそうな奴がうろついてるらしいからな。
気を付けてくれ」
ルビウムは頷き外に出かけて行った。
****
ルビウムは街を見回り研究所へ戻る途中だった。
???「お前が持ってるんだな慈愛のリング…」
緑色の目をした青年がルビウムを見据え不気味な笑みを浮かべた。
ルビウム「リング…譲渡はマスターの許可がない限りできません」
???「気にしなくていいよ、その代わりメモリーに刻んでおいてよ。
嫉妬王、べリアの名前をさ」
べリアの手には茨が巻き付きその手はルビウムの右胸部を
貫通しリングを握っていた。
べリア「慈愛のリング、も〜らい」
- Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.17 )
- 日時: 2018/12/31 23:07
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ハルビオ「ルビウム!!ルビウムしっかりしてくれ!」
ルビウム「…嫉妬王…べリア…慈愛のリング…喪失…」
淡々とルビウムは単語を伝えていく。
ゼロ「俺は何をすればいい」
ハルビオ「ルビウムを研究所へ運んでくれないか?暫くルビウムは
まともに動けないんだ」
ゼロ「了解した」
ゼロはルビウムを持ち上げ走って研究所へ戻った。
ハルビオ「材料的なあれで結構な重量なんだけど…ゼロくんは
ホントに力持ちだね。女子として力仕事が出来る人がいると
結構楽じゃないか?」
ハルビオはツバキの耳元でそう囁いた。
べリア「わぁ…王が言ってたレオとツバキって君たちなんだぁ」
レオ「誰だ、お前…!」
レオが剣の柄に手を置く。
べリア「あれ?あの機械に伝えておいたんだけどなぁ…嫉妬王べリア、
丁寧に慈愛のリングは奪ったって伝えに来てあげたのさ」
笑みを浮かべながらべリアは慈愛のリングをちらつかせる。
べリア「血塗れにしたいな〜…特に寛容のリングの所持者は
串刺しにしてやりたいよ、でも残念なことに戦闘は許可されてない。
またね!」
不気味な笑みを浮かべたままべリアは姿を消した。
ツバキ「そ、そうだ!早く帰ってルビウムを直そうよ!」
レオ「そうだな、急ごうぜハルビオ!」
三人は駆け足で研究所へ帰った。
- Re: 七色が紡ぐ物語 ( No.18 )
- 日時: 2018/12/31 23:24
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ハルビオ「いやぁゼロくん何度もこんな力仕事ばかり頼んで
悪いね。少し重かっただろ」
ハルビオはルビウムを直しながらそう話す。ゼロは首を横に
振っている。
ゼロ「…これ」
ゼロは黄緑のリングをハルビオに見せた。ハルビオはゴーグルを
上げ目を見開く。
ハルビオ「これは!よかった…見つかって」
レオ「それって…」
ハルビオ「少し力は劣るけど親切のリングさ」
ツバキ「親切のリング!?」
ハルビオはそのリングを溝に嵌め蓋を閉じネジを締めた。
ハルビオ「よし、終わり。だけどルビウム、暫くは大人しく
してるんだぞ」
****
大空島に着くとミルフィが一人の青年と話していた。
ミルフィ「お帰り、私も少し歩き回ってね。大罪の七王は
本格的に動き出している、戦力は多い方が良いだろう?
ってことで紹介、アリムだ」
アリム「あーミルフィが言ってたツバキとレオたちって
お前らなのか…」
メイ「あらミルフィ、私たちが自己紹介しなくていいように
話しといてくれたのね」
アリム「うわ、なんだこの白毛玉」
メイ「誰が白毛玉よ!!」
ツバキ「アリムの武器ってその大剣?」
アリムの背負っているくろい大剣を指差す。
アリム「あぁ、これが俺の相棒だ」