ダーク・ファンタジー小説
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- 白黒と虹色
- 日時: 2019/01/14 10:26
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
大昔、白の国と黒の国のバランスが崩れ大戦が起こった。白の姫、黒の王、黒の王子、
そして虹の守護者…。
虹の守護者「姫様、貴方が犠牲になるというのなら俺も共に犠牲になりましょう。いつか
必ず黒の王を倒しましょう。その時、これは—」
白の姫「ごめんなさい…」
これから彼らの過去が絡み合う。
【一章】エルフの島で >>01-06
ルナエラ会話 >>07-08
【第二章】謙遜の騎士 >>09-12
ジュード会話 >>13
【第三章】救恤の人形師 >>14-18
メーデル会話 >>19
【第四章】節制の獣人たち >>20-22
【第五章】純潔の剣士 >>23-26
【第六章】忍耐と慈愛、そして前世 >>27-32
- Re: 白黒と虹色 ( No.23 )
- 日時: 2019/01/12 17:32
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
サクラジ島、そこはアイセの故郷だという。
???「アイセ、アイセか!?」
白髪の男がアイセに駆け寄って来た。
アイセ「ランマルさん久しぶりです」
ランマル「美女になったなぁアイセ、俺ぁ嬉しいぜぇ」
アイセ「あ、そうだそんなことより私たち虹のリングを探してここまで来たんだよ!」
アイセは早口でそれを伝え更にイリスたちの紹介もした。話を察しランマルは手を叩いた。
ランマル「そう言う話ならもっと顔が広い奴に聞いた方がいいだろーよ!俺の知ってる奴に
コタローってのがいる、案内するからついてきな」
イリス「ありがとうございますランマルさん」
イリスたちはランマルについていきある店にやってきた。万事屋、という場所だ。
ランマル「コタロー!コタローいるか?」
コタロー「うるせえぞランマル!ってなんでぇコイツらお前さんの子かィ?」
ランマル「一人は俺の従妹で残りはその友人だ阿呆、お前は顔が広いから何か分かるかと
思って来たんだよ」
アイセ「虹のリングって奴を知りませんか?」
アイセは寛容のリングを見せながら聞いた。コタローは首を横に振る。
コタロー「聞いたことぁねえな」
その直後、戸が勢いよく開き一人の少女が中に入って来た。赤い和服を着た少女だ。
庶民ではないだろう。
コタロー「もう少し丁寧に開けねぇか、ホノカ!」
ホノカ「そんなんはどうでもいいんや!コタローはん、ランマルはん、聞いてくれや!うちの
お父が黒ノ王とかいう奴に宝を渡すって聞かないんよ!!純潔のリングやで、国宝級やで!?って
ランマルはんの従妹ってこっちの人?」
ホノカはアイセのほうを見て聞いた。
ランマル「あぁ、そうだホノカちゃん。彼女たちはそのリングのことを探してたんだ、どうだい?
ここはそのリングをお礼として黒ノ王を追っ払ってもらうってぇのは」
- Re: 白黒と虹色 ( No.24 )
- 日時: 2019/01/12 18:32
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
城ではホノカの父親ミカドが黒王と向かい合っていた。
ミカド「貴方が欲しているのはこのリングでしょう」
彼は黒王に黄色の純潔のリングを渡した。黒王はリングを手に取り笑みを浮かべた。
黒王「分かってるじゃないか。この世にも我の思想に賛同する者がいたことには驚いたが」
****
ホノカ「今日やで今日!娘のうちがきっちりとお父のことを叱ったる!!」
ランマル「張り切ってるねホノカちゃん、でも無理だけはしないようにね。君に何かあれば
お父さんはもっと悲しむからね」
ホノカ「大丈夫やって、ランマルはんたちも来てくれるんやろ?心強いやないか!」
ホノカは嬉しそうに言う。
コタロー「だがよぉ城の周りは魔獣共がうじゃうじゃいると思うぜぇ?」
アイセ「その辺は任せてください!」
アイセは胸を張ってそう宣言した。
メル「心強いわねアイセ、いつにもまして気合入ってるじゃないの!」
アイセ「当ったり前だよ、故郷でコソコソコソコソ許すことはできないっしょ」
ランマル「…じゃあそろそろ反撃に出るとしようか」
- Re: 白黒と虹色 ( No.25 )
- 日時: 2019/01/12 18:51
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
城の前まで来ると早速魔獣たちが集まって来た。ランマルはアイセのほうを見る。
ランマル「アイセ、大丈夫かい?」
アイセ「うん、じゃあ行くよ!…太古に君臨する太陽神、天照大御神よ!穢れた大地を
照らし邪悪なモノを浄化しろ!」
アイセの周りに輝く勾玉が現れる。その光に魔獣たちが次々と浄化されていく。
神降ろし、神託を得るために神霊を身に憑かせることだがアイセは神の力を借りることが
できる。
イリス「こんなことができるの!?」
ランマル「休んでる暇はない、城に乗り込むぞ!」
****
城に辿り着くと全員が息を呑む。倒れているミカドと純潔のリングを握る黒王。
その情景はホノカにとってはとても深い心の傷となることは間違いない。
ミカド「ホノカ…ごめん、な…こんな、親父で…」
涙を流すホノカをランマルはそっと抱きしめる。ホノカもランマルの服の裾をギュッと
握る。
アイセ「とんだド畜生ですね、黒の王様?」
ランマル「アンタの狙いはリングのみ。ミカドを殺す必要はなかっただろうよ、王様ってのは
気に入らない奴は殺すってのが決まりなのか…?」
黒王「コイツが歯向かわなければよかっただけだろう。我に罪はない」
エゼル「ッ!!」
黒王「そんなに我が憎いか?貴様にとっては赤の他人だろ」
黒王はゆっくりと歩み寄りエゼルの首に手を伸ばす。
アイセ「須佐之男命よ!荒ぶる大海の如しその力で罪にまみれた者を倒せ!」
数千の水の刀がエゼルの目前を通り過ぎる。その力に黒王も驚いた。
黒王「転生した後、しかも人間の体だと言うのに前世と変わらない力か虹の守護者。
まぁいい目的は果たした…この器が反抗していてな、ここは引こう。エゼル、貴様が
黒に染まるのをじっくり見といてやろう」
- Re: 白黒と虹色 ( No.26 )
- 日時: 2019/01/12 18:58
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ホノカ「ホンマに迷惑かけてごめんなランマルはん…」
ランマル「服のことかい?服なんて洗えばどうにでもなるさ」
コタロー「じゃあランマル、ホノカのことは頼んだぜ」
ランマル「お前もだらけ癖を直して帰って来いよ」
コタロー「う、うるせぇやい!」
怒りながらコタローはドスドスと歩いていく。そんな彼をランマルが呼び止めた。
ランマル「…コタロー、俺の従妹を頼むよ」
コタロー「お前の従妹なら心配いらねえだろ、お前はアイツの母ちゃんかよ」
****
天空島でコタローはランマルにアイセのことを頼まれたことを彼女に話した。
コタロー「お前、母親と父親は?ランマルの心配ようは」
アイセ「いないわけではないんですけど…ランマルさんは私にとって兄みたいな存在だから」
- Re: 白黒と虹色 ( No.27 )
- 日時: 2019/01/13 11:04
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
敵側が持つリングは救恤と純潔、二つのリングを持っている。アイセ側は寛容、謙遜、節制の
三つで一歩リードしているが敵側もそう黙ってはいないだろう。
ルナエラ「残りは慈愛と忍耐か」
メル「ってアイセ、そのリングって」
アイセの手には小さな袋に入れられた救恤のリングがあった。
エゼル「救恤のリング!?」
アイセ「うん、誰がくれたのか分からないけどなんか宅配の如く届いた」
ルナエラ「‥‥きっと次の島にそれをくれた奴はいると思う。俺も行く」
****
サンザイル島、そこは昔から竜を祀っていた。なのでここは人間と竜人が共に
暮らしている。