ダーク・ファンタジー小説

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白黒と虹色
日時: 2019/01/14 10:26
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

大昔、白の国と黒の国のバランスが崩れ大戦が起こった。白の姫、黒の王、黒の王子、
そして虹の守護者…。
虹の守護者「姫様、貴方が犠牲になるというのなら俺も共に犠牲になりましょう。いつか
必ず黒の王を倒しましょう。その時、これは—」
白の姫「ごめんなさい…」

これから彼らの過去が絡み合う。

【一章】エルフの島で >>01-06
ルナエラ会話 >>07-08
【第二章】謙遜の騎士 >>09-12
ジュード会話 >>13
【第三章】救恤の人形師 >>14-18
メーデル会話 >>19
【第四章】節制の獣人たち >>20-22
【第五章】純潔の剣士 >>23-26
【第六章】忍耐と慈愛、そして前世 >>27-32

Re: 白黒と虹色 ( No.18 )
日時: 2019/01/12 11:50
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

フィードはリングを奪ったまま逃走した。メーデルたちは肩を落としていた。
メーデル「ごめんなさい私の不注意だったわ」
アイセ「いいのいいの、仕方ないことだし」
メーデル「…よかったら貴方たちと一緒に旅をさせてくれないかしら?やられたまま引くのは
性に合わないから」

メーデルは髪を掻き分けながら少し微笑んでそう言った。それを断る理由はアイセたちには
ない。
イリス「じゃあこれからよろしくお願いしますメーデルさん」
メーデル「こちらこそお世話になるわ、出来ることは何でもするわね」
メル「じゃあ天空島に帰りましょう!」

****
クロニア島の海岸へ向かうとき、アイセは一人の男に声を掛けられた。
白髪に緑の瞳をした青年で白いマフラーをしていた。
アイセ「あのどうしたんですか?私に何か御用ですか?」
???「救恤のリングは…俺が取り返す」
アイセ「え?あ、ちょっと—」
青年がそう言い残し消えてしまった。アイセもメルたちに呼ばれ仕方なく戻った。

全く別の場所でその青年はマフラーを一旦取った。首には禍々しい黒い鱗が、首以外にも
肩や脚にも鱗がある。
フィード「で?竜人が何の用?俺、今回の報告で忙し—」
フィードの胸部を青年の手が貫いた。フィードの手から救恤のリングが転がる。そのリングを
青年は拾い上げ倒れたフィードを見下ろす。
フィード「オイ…テメェの、今の…飼い主は、王だろうが…!!」
???「本来の主が戻って来た。俺がここに居る必要はなくなった」

Re: 白黒と虹色 ( No.19 )
日時: 2019/01/12 12:13
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

メーデル「…アイセ?どうしたの」
アイセ「え、あ、メーデル。ううん、別に」
メーデル「そう。まぁいいんだけどあんまり難しい顔していてはダメよ?」

メーデルはそう言ってポンポンと肩を叩いた。次にルナエラがアイセに声を掛けた。
ルナエラ「…白髪の男と会ったの?」
アイセ「うん…ルナエラは誰か知ってるの?」
ルナエラは小さく頷いた。
ルナエラ「あの男も俺と同じ、虹の守護者に仕えていた竜人」
アイセ「竜人…」
ルナエラ「黒と繋がっているけど…きっとまた戻ってくる、と思う」

****
メーデルは空を見ていた。
メーデル「ホントに凄い絶景ね、ここの景色は」
メル「空を飛んでるんだから、当ったり前よ♪」
メルが自慢げにそう言った。メーデルは「そうだわ」と呟く。
メーデル「メルみたいな猫の人形を今度作ってみようかしら」
メル「ホントに!?」
メーデル「勿論、とはいっても時間はかかるけどね」
メル「楽しみにしてるねメーデル」

Re: 白黒と虹色 ( No.20 )
日時: 2019/01/12 13:25
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

獣人たちが住む島ボーデルベ島にアイセたちはやってきた。
イリス「結構暑いね」
???「あれ〜観光しに来たの?」
猫の獣人と思われる少女が声を掛けてきた。
イリス「いいえ私たちは…」
???「私はレビィだよ、よろしくね!!」
イリス「イリスよ、こっちはメルとアイセそしてエゼル」

お互いの紹介が終わりレビィに島を案内してもらうことにした。
エゼル「…レビィは虹のリングって知ってるか?」
レビィ「あ、聞いたことあるよ!持ってる人も知ってるよ」
エゼル「ホントか!?」
レビィは大きく頷いた。
レビィ「その人のことを知ってる人がいるから紹介してあげるよ」
エゼルたちはレビィについていきある一軒家にやってきた。レビィは扉を叩く。
少しして扉が開いて群青色の髪をした男が姿を現した。狼の耳に尻尾が生えている。
???「レビィか…まぁ入れ」
レビィ「ありがとうファルルさん!」
ファルルと呼ばれた男の部屋に入りイリスたちは目的を話した。
ファルル「虹のリング…アイツが持ってるのは節制のリングのはずだ」
イリア「あの持ってる人って…」
ファルルは面倒くさそうに頭を掻いた。
ファルル「まぁ一応、この地域を治めてるんだが…まぁその、なんだ。少し頭は
回らなくてな。まぁでも力はこの辺りじゃ一番強いさ名前はガント、虎族だ。暫く
ゆっくりしてくれ、俺から連絡してみる」
アイセ「ありがとうございます」

Re: 白黒と虹色 ( No.21 )
日時: 2019/01/12 14:20
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

翌日の午前中、ファルルが話していたガントがやってきた。赤みがかった橙色の髪が
特徴的だ。そして彼の指には藍色のリングがはめられている。
ガント「お前らかファルルの言ってた奴らは!俺はガントだ、よろしくな!」
ファルル「ガント、彼らはそのリングを欲しがっている」
ファルルはガントにそう説明した。ガントは少し黙ってから「よし…」と呟いた。
ガント「じゃあ俺と勝負だ!」
イリス「し、勝負?」
メル「ど、どういうこと?何をするの?」

全員が首を傾げる。勝負と言っても何をさせるのか。
ガント「普通の戦いでもいいんだがな…ちょっとしたお遊びも、な?」
アイセ「…で、ルールは?」
アイセはそう聞いた。
ガント「俺を捕まえてみろ時間内にな、レビィやファルルに手伝ってもらうのも構わないぜ。
森で今から移動も含め一時間後に始めるからな」
****

ファルル「ガントは体力、攻撃力、そして物理攻撃に対しての防御力がとても高い」
メル「物理攻撃に対して…じゃあ魔法は有効だったりして」
ファルルが指をパチンと鳴らし「正解」と言う。
ファルル「それとアイツはあまり頭は回らない、まぁ勘は働くかもしれないが」

Re: 白黒と虹色 ( No.22 )
日時: 2019/01/12 14:47
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

メル「ねぇ…向こうから足音がするわ」
じっと耳を澄ませると確かに草を掻き分けてくる音がしている。近くの木に身を隠し
様子を見る。歩いてきたのはガントだ。エゼルとアイセ、イリス、メルは頷き合い動く。
ガントの背後からエゼルはそっと近付き剣を抜いて斬りかかったがガントはエゼルの剣を
握っている手を掴み防いでいた。
ガント「俺たち獣人は人間と動物の特徴を合わせ持つ種族だ。嗅覚も聴覚も俺はお前らよりも
良い、後数人ここに隠れてるだろ」

木の裏でイリスたちは息を呑む。
レビィ「ガントお兄さん覚悟ォォォォォ!!」
レビィは木の枝から飛び降りガントを殴ろうとする。ガントはエゼルの腕を掴み
エゼルとレビィを吹き飛ばした。
ガント「そこだな」
ガントは木の後ろに回り手を伸ばすがそこにイリスたちの姿はなかった。カチャリという音と
共にガントは檻に閉じ込められていることに気付いた。
アイセとイリスはハイタッチして喜んだ。
アイセ「カモフラージュ成功!!」
イリス「これで私たちの勝ちですよね、ガントさん」
檻が消えガントはリングを手に持つ。
ガント「完敗だ」
レビィ「やった!初めて勝ったよ!!」
ガント「賞品はこのリングだったな、受け取れ」
ガントはアイセに節制のリングを手渡した。
ファルル「…黒ノ種族の王、黒王と呼ばれている。彼の強さは桁違い、気を付けろよお前ら」
レビィ「私ついていってもいい?」
イリス「勿論よろしくねレビィ」

ガント「ってことはレビィとは暫くお別れか」
ファルル「別にアイツはもう子供じゃねえだろ」


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