ダーク・ファンタジー小説

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何故、弟は死んだのか。
日時: 2012/08/18 11:32
名前: バチカ (ID: LuHX0g2z)
参照: ネーミングセンスがない。

 すみません、変なタイトルで。『』いいのが思いつかなかったんで。だれか、もっといいの頂戴…。

 こんにちは、バチカといいます。そしてもう一つの名は篠恋です。なりスレによく出没します。バチカもなりスレで作ったキャラの名前ですw。
 イチカとバチカで一か八かー((((殴

 ごめんなさい…。では、注意書きを


☆gdgdとした小説。
☆架空の町、出てくる学校、地区等は実際には存在しません。
☆血が少々吹き出る。(こういうのってファジーのがいいのかな?でも、曖昧ではない…ど、どうすれば!?)
☆笑えない話。
☆何度でもいうがgdgdしている。
☆書いているのが、篠恋。キライな人速やかに逃げて!
☆うわぁっヘタ!!ダメだコイツ!と思った方も速やかに逃げて!
☆亀更新。(下書きを書いて修正してから投稿しているので、溜めてから投稿しています。←無駄な作業だと言わないで。)


 ま、要はヘタでもいいよー。な人のみ。アドバイスとかくれたりするとなおいいな〜。それでは。



>>6 プロローグ+一生のまとめ+二章のまとめ
>>18 白河夜舟様・作←小説にも関わってくる予定。
>>17 俳優とライター
>>26 番外編(冬休み)

Re: 何故、弟は死んだのか。 ( No.11 )
日時: 2012/08/08 22:01
名前: バチカ (ID: LuHX0g2z)
参照: 自分の人生から逃げること。過去から未来から、げること。

ちゃらけた口調で、軽く挨拶をする。さっきの笑顔は君が悪いのに、この声にはなぜか親しみがこもっていて、暖かい。どうしてそう感じるのだろうか?もしかして、騙されるのだろうか。今から利用でもされるのだろうか。…この人、悪い人なんだろうか?そう思ったのは、昔小学校で教わったことを思い出したから。
 (皆さん?このことをよく覚えておいてください。子供を誘拐する怖ーい人は、最初は優しく、感じのいい人を装ってきます!)
 (そういうことを言う人は、子供の心をつかむのが上手で、うまいこと言ってくるから、気をつけなさい。)

 最初、誘拐犯は優しい人に見えるんだって。
 (まあ、全員がそうだなんて俺、思ってないけどね。)

 優しくふわりと、差しだされたその手を、少年は無視した。そのかわり、じっとそいつの顔を睨みつけてやった。
なんだか怪しいし、本性はもしかしたら自分を誘拐した変質者かもしれない。そうしたら、こいつは仮面をはずすのだろうか、本性を現すのかな。
 「…怖いのはどっちなのかな?他人?それとも、こんな怪しい場所に暮らす、俺?」
 そう言いながらも握手を求める手は引き下がらない。
 …たにん?
 なぜかはわからない、少年はその言葉に身震いした。ぞわぞわと、肌がひきつる。
 「…。」
 「他人が怖いんか。ハハハッ」
 他人は、怖い。



 僕、他人が怖いんだ———
 何故だかわからない。何故、他人が怖いのかは分からない。何も身に覚えもないし、つい最近までは他人だなんてどうってこともなかったのに。今さらなんなのだろう。この不自然な感情は。

Re: 何故、弟は死んだのか。 ( No.12 )
日時: 2012/08/09 07:51
名前: バチカ (ID: LuHX0g2z)
参照: 本当に澄んだ目をしていますね。あなたは…

 (いや、違う。僕は他人が怖いから握手しないんじゃない。誘拐するような人と干渉なんてしたら、どうなるかわからないからだ)
 ふっと、男から自然に顔を伏せた。頭の上から男の「ふ…」とかすかに笑う声が聞こえる。何がおかしいというのだろう。
 「まあ、わかるよ?俺もこう見えても人見知りの構ってクンだからさぁ。フハハッ」
 そのまま姿勢を崩し、楽に座り込むとそのまま少年に話しかけつづけた。
 「まー、そんなムキにならないでさぁ、楽になれよ。」 
 …白衣の袖口からたばことライターをだし、火をつけて咥える。
 …楽になれと、自分が言ったからって、この男は楽になりすぎじゃないだろうか。緊張感全くなし。何だかこっちの力が抜けてしまう。力が入らないというのにこの男のせいで更に。
 いったいこの男は、何者なのだろう。チャラチャラした見かけに中身も軽い。それなのにこんなところに居座っているようで、で、なぜか自分はその男のところにいる。この、なぜ自分はこの男と、この実験室にいるのかというところが一番の謎。怖いわけではないけれど、気味が悪くて仕方ないから、正直言って帰りたい。…そうだ、自分の両親はどうしているだろう。もしかしたら今頃自分を探しているに違いない。自分が失踪したというのならニュースになったり、新聞に載ったりしているに違いないだろうし。
 だとしたらなおさら帰らなくちゃ。少年は自分の手首に巻き付けられた縄を解こうと、手首を動かす。そう簡単に外れるモノじゃないとは思っているけれど。
 目の前から、くくっと笑い声が聞こえる。それはだんだん憎たらしいものへの嫌悪を示すような不気味な声に変わってくる。ほら、頭のクレイジーな悪役とかが映画でしているような。だらりと汗が額を伝う。
 「逃げる気満々にならないでくれる?」
 じゅわり、熱いものが自分の腕に当たった。それは痛みに代わって当たったケ所に大きく響く。男が咥えていた煙草を自分の腕に押し付けてきたせいだ。「うっ」と思わず呻くと男は満足そうに鼻で嘲笑い、「しゃべれるんじゃん。」と言い加えた。
 「その縄を解くかとかないかは、boy次第にしとくわー。」
 …ほんの少し間があいた。
 「どういうこと。」
 もう、これ以上無視をしたって悲しいだけってわかっている。そう思ったのか少年は口を開いた。「しゃべれるんじゃん。」なんてまで言われて、もうどうあがいても自分は救われないだろうし、この腕に着いた火傷みたいに、痛い思いをするのは嫌だ。
 「んふ、用はねぇ、俺と契約して嫌いな奴ブッ倒してみませんかーってこと。」
 …ああ、駄目だ。完全にこの男は頭がおかしいらしい。アニメの悪役気取りだろうか?嫌いな奴をぶっ倒すだなんて…。
 (そんな非常識なこと誰が…)
 「あ、で、そのうえで質問。」
 「…なに?」
 「お前さぁ…。」



  名前、無いだろ。

Re: 何故、弟は死んだのか。 ( No.13 )
日時: 2012/08/09 08:02
名前: バチカ (ID: LuHX0g2z)
参照: 今回でアク禁かからないか若干ドキドキしているバチカ。

「え…?」
 「やっぱり、無いのか。」
 男の言葉は少年の頭の中を真っ白にしてしまった。さっきまでは誘拐だの帰りたいだの、そのような目の前にあることにしか頭が行かなかったのに。無理やり思い出そうとしても名前がないことに頭の中が混とんとして、思い出せない。その事実にまた汗を流す。焦った。名前のない人間だなんて——。
 男は肩をすくめ、ため込んでいた息を吐き出した。まるで何かに呆れているみたいで腹立たしいけど、この男を倒すことなんてできないのだから、悔しいことだ。
 「無いんだな。りょーかい。」
 男が納得しても、もう少年の心の中は、真っ白だった。
 「ま、とりあえず、名前なんて考えたってそうそう思い出せないわけでー、だっかるぁ、お前の名前は後で適当なのを選ぼうか。」
 適当に名前を決められたくないが。まぁ、そうせざる負えない。
 「…まー、名前は忘れても嫌な奴の顔は絶対に忘れられないと思うわけ。」
 「だからなんだよ。」
 「お前、嫌いな奴いるっしょ。」
 ——そんなのわんさといるさ。頭の中に教室の風景が浮かぶ。そこには、自分を嘲笑っているクラスメイトの姿がある。先生なんてその光景に背を向けて。
 「思い出したく、なかったのに…。」
 「あれ、これまで忘れてたわけ?」
 思い出は、言われたり何か連想づけられるものを見たりするとよみがえってしまう。すると、「そういえばさぁ」なんて、会話が出てくるように。それは、名前がないことに混乱していたように、今はこの状況に混乱していて忘れていたことなのかもしれないが。
 彼は思い出してしまう。これまでの嫌な記憶。牛乳を掛けられたあの日、筆箱を隠されたあの日、クラスメイトの教科書が無くなった時、泥棒だと言われたあの日、皆に無視されたあの日、信頼できる友達がいなくなったあの日、無理やり首を絞められかけた時。

 「殺されかけたんだ。」
 ああ、もう憎しみしか出てこないよ————
 

Re: 何故、弟は死んだのか。 ( No.14 )
日時: 2012/08/09 17:20
名前: バチカ (ID: LuHX0g2z)
参照: 何故、弟は死んだのか。 2章完  1章と比べて短い。

『そうそう』と、男は首を縦に振った。
 まだ未熟な彼の心には妙な感情の目が噴き出た。これまで感じたどんな想いよりも大きく、そして重たく冷たく刺々しい憎しみ。
(僕は何も悪いことしてないのに…何でこんなところ毎日来なくちゃいけないんだ…!)
そう、ぼこぼこにされた帰り道にそう思った。
(明日になったらあいつらに絶対仕返ししてやる。絶対!)
 そう、思っていたのに結局できなかった。奴らの目の前に立つと、どうしても足がすくんでしまう様にすらなった。今となってはそんな自分にすら腹が立つ。あの時、怯えながらでも何か言ってやればよかったのに。
 …あいつらのこと、今度こそブッ倒さなきゃ気が済まない。
 「俺と手を組めばブッ倒せるわけよ。お前を殺しかけた同級生らを。」
 ああ、こいつのいうことを聞けば、奴らを倒せるのか。
 (そんなわけないじゃん、何しようとしてんのかわかってんのか?)
 そんな自制の声すらもいまは聞き入れることなんてできない。
 「名前、なんて言うの?」
 「え?俺の?」
 「あいつらのこと、シバかなきゃ気がすまねぇぇよ!!!」
 なぜか、憎しみが増すと体に力が入る。勢い余って立ち上がりながらなんと少年は縄を自力で説いた。めりめりと音を立てて縄ははらりと下に落ちる。
 「手を組む気になったんだ。嬉しいね。」
 にこりとまた、不自然に笑うと、男は真顔になった。
 「———刀山玲人。一応そう呼んでくれよ。」

 

 ——銃声の音が響く、そのたびに倒れる誰かと、悲鳴と、それから凄惨な紅。
 ナイフを突き刺す音がこだまする。そのたびに倒れる誰かと、泣き声と、その誰かの体に刻まれる見にくい傷跡。
 ああ、楽しいよ————
そしてまた、命を消し去る音を発する。
 「すっげぇなぁ。血の出てる死体は。最初はグロいと思ったけど、2回目以降は堪らないんだよねぇ。美しいなぁ…アハハッ」
 「…お前、何なんだよッ!お、お前なんか人じゃねーや!!」
 そんな風に抗う声すらも、彼の耳に届かず。それはむなしく流れ落ちる砂のようなもの。
 「人じゃないのは君も一緒だよ。非道なのは僕だけじゃないのさ。」
 傷つけ続けるこの狂人は人ではなかった。しかし、傷つけられている被害者たちもこの狂人より前から人でなかったは。ここにはまともな人間なんてただの一人もいない。決して。

Re: 何故、弟は死んだのか。 ( No.15 )
日時: 2012/08/11 18:03
名前: バチカ (ID: LuHX0g2z)
参照: えらい狂ってきた。三章の始まり、終章へと物語は進む——

 暗闇の実験室、二人の人物が対話している。
 「…どういう事?」
 一人が、信じられないと言った顔色でもう1人に問い掛ける。
 「つまりさ、お前すでに死んで灰になってんのよ。それを俺がパソコンイジッてこう…具現化っていうの?なんてゆっかそんなことを…」
 「なんで!?だって、こんなに自然に痛みを感じるんだ!俺が……だっていうのかよ!!」
 もう1人はこくこくと頷く。
「だから、最先端の非化学式プログラム導入の末にまぁ…ちょっこし闘争心が掻き立つようなドリンクを発注したって言ってんの…カナ?あ、なんだっけ?なんていう名前だっけ?アド…ごめん、忘れた。」
 クス、と笑う。それまで不自然に無理して微笑んでいた彼とは対照的な、大人びた微笑み。そんな不敵なほほえみはまた不気味で、目があった瞬間に、ぞわりと鳥肌が立つ。
 「もう、お前には用がないからココで契約は破棄っつーか?ま、勝手にしちゃって悪いけど終わりな。」
 契約は季とはまた勝手なことを—。
 そう言って出て行こうとして背中を向ける一人に、もう1人は殴りかかろうとした。
 「行動パターン幼稚すぎ。そういうところがあめーんだよ。」
 しかし、行動を読まれたのか素早くかわされ、あげくにはその拳を蹴り上げられた。
 「った…っつぅ…。」
 蹴り上げられた痛みでしゃがみ込み、何とか痛みを和らげようとその手を擦る。
「最初に見た時も思ったが良くできたホログラムだなァ。相手に攻撃を与えることもできれば痛みを買うこともあり、それが普通の人間と同じように体中に響いちまう。」
 また不敵に男は笑う。「さすが俺の__だぜ。」と、言い加え、しゃがみ込んだ少年が回復しない今のうちにと、実験室を後にした。もちろん、彼が抜け出せないように鍵をかけて。
 「ま…て…。」
 よろよろと立ちあがり、扉へ向かう少年。部屋の外に、まだ男はいるようで、、鍵をかけた扉によりかかり、余裕の表情を浮かべる。扉の向こうの少年の今の姿を想像し、クククッと笑う。きっと今頃、よたよたとこっちに向かってきているに違いない。後に、ドンドンとあらぶった音と、振動が扉を通して伝わってきた。
 「開けろ…!開けろ!」
 「ハハハハッじゃあなー?」
 「ふざけんなよ閉じ込めやがって!お前、どうにかしてんだろ!?」
 少年は繰り返し繰り返し、扉をたたき続ける。男は足早に実験室を離れた。まだ、あの子の声が聞こえている。実験室のある森には響かず、空気に吸い取られるように消えていく。遠ざかるほどにどんどん。
 「じゃあ、な。俺の実験台。」
 なぜかそのようなことを口にした。男はまた笑い。また、言葉を発する。
 「じゃあな、刀山誠司クン——。」
 子供を監禁する、狂気じみた男。それなのに彼の頬には涙が伝っていた。
 涙の意味、それは分からない。
 涙を流す本人にしか、涙の意味は解らない。


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