ダーク・ファンタジー小説

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フリージアが忘れられない
日時: 2021/08/14 15:10
名前: シノ (ID: Bf1VKmv9)

一面が黄色の花でいっぱいだ。花特有の香りが漂ってくる。ここの花は年中枯れないらしい。一輪たりとも。何故枯れないかは誰にもわからない。その黄色の花畑の中にポツンと小さな建物がある。こじんまりとしているが、しっかりと手入れがしてある。レンガのところどころには花畑と同じ黄色の花がついている。全体的に黄色の花で装飾されたその建物は人の気配をまったく感じられない。そんな場所に一人の青年が訪れる。

Re: フリージアが忘れられない ( No.2 )
日時: 2021/08/18 11:41
名前: シノ (ID: emG/erS8)

「ではどんな時計がお望みだね?」
「どんなですか...そうですね、壁に掛けられるものが良いですね。そして花の装飾をしてほしいですね。」
花ですか、青年の母君は花が好きなのだろうか。
「花ですか。ではどんな花を?病気を見舞う花言葉のある花かな?」
「病気を見舞うというか、母の好きな花を...」
「おぉ、母君のお好きな花ですか。それはどんな花です?」
「それがわからなくて...」
青年が申し訳なさそうに言った。
「いえ、大丈夫ですよ。誰にでもわからないことがありますからね。こう見えても私、花に
詳しいんですよ。さぁ、何なりとその花の特徴を仰って。」

Re: フリージアが忘れられない ( No.3 )
日時: 2021/08/28 14:18
名前: シノ (ID: uPup.zWa)

「花の色は紫色でした。真ん中は黒色でした。あと、それから花言葉は謙虚、純潔、小さな幸せ、真実の恋というものがあったような気がします。」
「ふむ...少し待っていてくれないかい?」
そう言って私は奥へ入っていく。たしか、あの花がちょうどあったはずだが...あった。これだ。青年が探していた花はこれだ。私はこの花を持って青年の元へ戻った。
「君の探していた花はこれかい?」
「はい...!僕が探していた花はこれです!」
そう言って青年は顔をほころばせた。
「この花はね、ビオラっていうのだよ。ちょうど今あってよかった。それで君の母君の為に贈る時計にはビオラの装飾をほどこしてほしいんだね?」
「はい。お願いします。」
内心青年の母君の好きな花を見つけることができてホッとしている。これでは世界一の時計屋なんて名乗れなくなってしまう。
「了解した。だが、時間がかかってしまうが大丈夫かい?」
いくら青年だからといって病気の母君がいるのだ。早く帰らないといけないだろう。

Re: フリージアが忘れられない ( No.4 )
日時: 2021/09/21 07:51
名前: シノ (ID: jV4BqHMK)

「大丈夫です。」
「では、早速とりかかろうとしよう。その...なんだ...作るのには時間がかかるからね...私の昔の話を聞いてはくれないか?」
あぁ、私はなんてことを言ってしまったのだろう。あんなことを決して人に言ってはいけないのに。自分自身で向き合わなきゃいけないのに。何故私は...なんてことを...
「時計屋さんの昔の話ですか...?」
あぁ、どうかこんなことに興味がないと言ってはくれないだろうか。早く作業をしてくれと言ってはくれないだろうか。

Re: フリージアが忘れられない ( No.5 )
日時: 2021/09/21 12:33
名前: シノ (ID: jV4BqHMK)

「気になります!!見たとこ時計屋さんは若く見えますが、何か大きな経験談でもあるのですか?是非今後に役立たせたいのでお聞かせください!」
青年が瞳をキラキラとさせている。あぁ、なんてことを言ってしまったのだろう。今更遅い。青年は虚しくも、聞く気まんまんだ。
「自分から言っておいてだが、あまり面白くないぞ。退屈してしまうだろう。それでもいいのか?」
「はい!僕、人の話を聞くのが好きなんです。なので!!是非!」
あぁ、もう戻れないぞ。これは話すしかなさそうだ。恨むなら数十秒前の自分を恨め。
「わかった。そこまで言うなら話そう。これは十五年前の話なんだが...」

Re: フリージアが忘れられない ( No.6 )
日時: 2021/09/22 07:50
名前: シノ (ID: W5lCT/7j)

十五年前、私は中央に位置する国にいた。その国の中央にある時計塔を直すために。まぁ、つまり修理をする人として雇われたんだよ。それが意外とお給金が良くて、柄にも合わず喜んでいた。その日もいつもどうりの時間でに時計塔に着き修理をしていた。このまま何もなければあと数日で終わる頃に私はある人と出会った。


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