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ダーク・ファンタジー小説
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- フリージアが忘れられない
- 日時: 2021/08/14 15:10
- 名前: シノ (ID: Bf1VKmv9)
一面が黄色の花でいっぱいだ。花特有の香りが漂ってくる。ここの花は年中枯れないらしい。一輪たりとも。何故枯れないかは誰にもわからない。その黄色の花畑の中にポツンと小さな建物がある。こじんまりとしているが、しっかりと手入れがしてある。レンガのところどころには花畑と同じ黄色の花がついている。全体的に黄色の花で装飾されたその建物は人の気配をまったく感じられない。そんな場所に一人の青年が訪れる。
- Re: フリージアが忘れられない ( No.1 )
- 日時: 2021/08/15 12:25
- 名前: シノ (ID: uPup.zWa)
カランコロン
店のベルが鳴ったようだ。ドアの方を見てみると小柄な青年が入ってきていた。
「あの、すみません。こちらは時計屋であっているでしょうか?」
「いかにも。私がこの時計屋の店主であります。何かご依頼ですか?」
「はい、実は母のために時計を贈りたくて...」
青年は少し照れたように言った。ふむ、母君に時計を贈るか...
「それは何故だい?もしかして誕生日が近いのかな?」
「いや、そうじゃなくて。今、病気なんです。だから...その...なんか元気づけたくて。」
なんと母君想いの青年なんだろうか。今時こんな優しい青年がいて良いものか。
「君は優しいのだね。きっと母君もお喜びになるよ。よし、私に任せなさい。素敵な時計を作ってあげよう。」
こんな優しい青年のために時計を作ることになるなんて。何だかやる気が出てきた。
「ありがとうございます!」
青年は嬉しそうに笑った。
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