ダーク・ファンタジー小説
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- 本の世界のワンダーランド【序章】
- 日時: 2022/01/23 09:34
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
2022 1/22〜 start
2022 1/23 20話達成
第1章
第1話 >>01 >>02 >>03 >>04
第2話 >>05 >>06 >>07 >>08
第3話 >>09 >>010 >>011 >>012
第4話 >>013 >>014 >>016
登場人物設定 >>015
第5話 >>017 >>019 >>020
wonder rand の専門語 >>018
第6話 >>021 >>022
- Re: wonder land ( No.13 )
- 日時: 2022/01/22 19:05
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
チュンチュン
小鳥の囀りが聞こえて、気持ちよくカーテンの開いた
天気は晴天。この景色でこの国がまさか悪魔に支配されてるなんて誰も思わないだろう。
私は昨日までは地球にいて、平凡な1日を過ごしていた。今日も過ごすはずだった。だけど、何故かワンダーランドに来てしまった。そして、悪魔を倒す戦士にもなった。なんて非現実だろう。だけど納得するという選択肢しか私には残されていなかった。私のパートナー的存在(まだ24時間も一緒に過ごしてないけれど)のテラはいい人…いや兎?そうだったから助かった。
「はあ……」
溜息をついても、ほっぺを引っ張っても叩いても、変わらない。
私は、窓から離れて、クローゼットを開けた
(テラが用意してくれた洋服はよく見る異世界ものの洋服だった。この世界に制服なんて妙に思われる…あれ?でも、BARの人は驚いてなかった…。なんでだろう…まあいいか。考えてもしょうがない。)
沢山あった中で私は青いドレスに着替えた。着たことないドレスの着替えに苦戦はしたが、なんとか着替えることができた
「地球で着るには抵抗があったけど…」
鏡を見てみると、ドレスの真ん中には青い宝石がついていた
「凄い…可愛いドレス…」
少しポーズを取ったり見惚れていた
(って……!! こんなことしている場合じゃなかったんだ…!)
慌てて時計をみると針は9時ちょっと前を指していた
(集合時間は9時…もう行こう)
ドアを開けてテラの部屋に入った
「テラ、準備できたよ」
「おはよう!アリスちゃん! どっちも準備できたことだし、早めに行こうか」
「うん、わかった」
これから国王に挨拶をしにくいく…と考えたら緊張して胃が痛くなってきた
「大丈夫だよ。アリスちゃん。国王は病のせいで前ほど威厳がないし」
「すごいね。テラ。そんな緊張してなくて」
宿の外を出ると晴天の空が広がっていた
「まあ、大人ですから」
「ップ。 テラって大人なの?」
冗談で言ったのか、面白く笑ってしまった
「大人ですよ!!」
「ふふ、冗談だよ」
「アリスちゃんは…。でも冗談が言えるほど警戒心が溶けてくれてよかった」
「あれ?そういえば…テラと過ごしていく内に安心したのかな?」
「それならよかった!」
- Re: wonder land ( No.14 )
- 日時: 2022/01/22 19:09
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
「あ、……この階段を登るの…?」
商店街を抜けて、教会や噴水を抜けたところには先の見えない階段が待っていた
「あはは〜。流石にキツイかな?」
「移動魔法とかあったら楽そうだよね…」
「あ、じゃあ移動魔法で1番上まで行こうか。」
「え、テラって移動魔法まで使えるの!」
「子供の頃習ったんだ。もともと翡翠兎族が得意だった魔法で、僕は少ししか使えないけどね」
「でも、上まで行けるなら充分だと思うよ!」
「うん。じゃあ行こう」
テラが何かつぶやくと私とテラに魔法陣が現れた
「階段の上まで」
魔法陣はウニョウニョ、消えそうになったり大きくなったりして光った。
視界が白くなって(何も見えない!)と思った途端、景色が変わった
ビューと風が吹いた感じ…(階段の上に着いたんだ)
「……凄い……」
大きな門に沢山のメイドや執事、いかにも“国王”が住んでいそうな城だ。
すると、1人のメイドが歩いてきた。普通のメイドが着ている服とは違い、少し豪華な仕様になっている
「ようこそおいでくださいました。白銀兎族 ヴィンセント・テラ・シルヴィット様地球族 アリス様」
(ヴィンセント・テラ・シルヴィット…初めて聞いた名前…今までテラが本名かと思っていたけど、ちゃんと外国人みたいな名前なんだ…あれ?テラってミドリネームなの?なんでミドルネームで名乗っているのかな…)
「私はメイド長をしています。セスと申します。国王様まで案内をさせてもらいます。」
セスさんは深々とお辞儀をしたので私もぺこりと一礼をした
「ではこちらへ」
門を潜り、メイドと執事達の間を通る。(誰も喋らず動かないという状況で私とテラとセスさんだけ動く…緊張する……)
城内に入ると、見たことがない国旗が目に入った。きっとワンダーメロディーの国旗だろう。アリス様とハープのデザインになっている
「こちらが王室となっています。では」
セスさんはまた丁寧なお辞儀をしたのでもう一回深くお辞儀をした。顔を上げると。足音を出さずに去っていってしまった。
「アリスちゃん。この大きなドアの奥に国王がいるんだ。ここからは慎重にね」
「うん」
心の中で深呼吸をする。(テラと話を合わせるだけ!)
- Re: wonder land ( No.15 )
- 日時: 2022/01/22 19:18
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
【登場人物設定・現状のまとめ】
新しい更新があったら再度投稿します
*ヴィンセント・テラ・シルヴィット 21才 🚹
白銀兎族というワンダーメロディーの第2貴族の血を持つ
白銀兎族のことが嫌い
ミドルネームである『テラ』と呼ばれている
明るい性格で普段は冒険家として過ごしている
*天空 アリス 17才 🚺
突然異世界にやってきた高校生
読書が好きで図書委員会をしている
アリス様の力の適性者
- Re: wonder land ( No.16 )
- 日時: 2022/01/22 20:16
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
ギイ
大きく重そうなドアをテラが開けると、重圧な空気がドアから抜けた
ドアの奥に見たのは堂々と座っている王。その横には王妃がいた
「アリスちゃん行くよ」
テラが小声で合図をくれて、同じタイミングで歩き出した
あまりジロジロ見れなかったが、いかにも騎士団長みたいな人と魔法が使えそうな人がいた。他にも何人か人がいて、どの人も怪訝な目で私達を見ている。今すぐに逃げ出したいと思ったがなんとか国王の前まで歩き切った
よく見ると王はやつれきっていて威厳をなんとか保とうという表情だった。
「国王様のお目にかかれて光栄です」
「ああ。私も久々に会えて嬉しいよ。テラ。どうやらアリス様の後継者を連れてきたみたいだな」
「はい。この子は別世界である“地球”の女の子であり、アリス様の力の適性者でもあります。」
「ふむ、その証拠はあるのか?」
「はい。適正度確認の魔法を使ったところ、適正度度99%でした。」
王は顎に手を当て、端にいた魔法使いをよんだ。耳元に何かを言ったのか魔法使いをなにかの魔法を私に向けて放った。驚いたがテラに「大丈夫」と言われてじっとしていた。
「ほお…本当のようだな、適正者度が99%だ。 お前の名前はなんだ?」
「あ、えっと…空色有栖と申します。ワンダーランドを救うためにきました」
「ふむ。 偶然か、名前が重なっているな。それでアリスはもう力はもらったのか?」
「いえ、まだです。私とアリスはアリス様の力の許可とご挨拶をしにきました。」
「ああ、勿論許可をする。とにかく今は時間との勝負だからな。この話が終わった後、すぐに封印地に行った方がいいだろう。 ただ、1つ問題点がある。」
「問題点ですか?」
「それはワンダーメロディー分の力を貰うことにはいいが、他の2国の力を貰うには許可を得ないといけないな。わざわざ2国の許可をとっていると時間が足りないだろう。どうするんだ?」
(アリス様の力は分裂しているんだ…初耳…。テラからそのことは聞かなかったし、テラも知らなかったのかな…どうしよう!)
考えてなかったというべきかと迷っているとテラが先に言った。
「一国の力だけで充分です。その力でワンダーメロディーを救います」
(ええ!? 私…大丈夫かな……)
「自信ありげだな…。まあ私達もアリス様の力については未知だ。ここはテラの意見に任せよう」
「はい、お任せください」
「私達も悪魔討伐部隊を通し、全力で協力するよ」
「ありがとうございます」
「もう時間もないだろう、ポール。メロディーの封印場所まで飛ばしてやってくれ」
「はい。」
ポールと呼ばれた人は私達の前に立ち、大きな杖で何かを言った。
そのあと、テラがさっき出した同じ魔法陣が出てきた。ただ大きさはこちらの方が何倍も大きいし、色も禍々しい色になっている。魔法陣から出てくる光はとても眩しかった
光が一瞬で視界を囲み。その光が消えた頃には、城内から溢れるほどの自然に囲まれている大樹に移った
- Re: wonder land ( No.17 )
- 日時: 2022/01/22 20:19
- 名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)
「瞬間移動…したの…?」
「うん、ここがワンダーメロディー分の力が封印されている場所なんだ」
「ワンダーメロディー分って… 力が分けて封印されているなんて初耳だよ!」
「え、ごめん言い忘れてたか…! えっとワンダーメロディーと他の国とで力が分けられているんだ。理由は簡単。もし1国が攻められ、壊滅した場合、1箇所だけに力が封印されていたら完全にアリス様の力が奪われてしまう。だから分けて封印されているんだ。」
「でも…分けて封印することで、ワンダーメロディー分の力しか使えないんでしょ?本来の大体3/1の力しか使えないのって大丈夫かな…」
「そこは大丈夫! ワンダーメロディー分の力でも充分だよ! 少しの力不足も僕がカバーするからさ。 それにワンダーメロディーにいる悪魔もそんな強いって訳じゃあないしね」
「そ、そうなの?ならイイんだけど…」
「さ、早く力を貰おう!」
「うん。あ、どうやってもらうの?」
「大樹の中に宝石みたいなものがあるから、そこに触れるんだ。そうしたら力がもらえるよ。多分」
「多分…? テラは知らないの?」
「まあ、アリスちゃんが初めてだしね…でも命の危険はないから安心して!ここはワンダーメロディーの首都から外れているけど、悪魔は来ないし!僕はここから見ているからアリスちゃんは行っておいで」
「う、うん。わかった。 じゃあ行くね」
「頑張ってね」
ザッザッ
道らしい道もなく、地面からはみ出てる根っこを避けながら、なんとか大樹の近くまで行けた
( えーと…宝石はどこ? あ!)
大樹の真ん中に緑色に光っている宝石があった。宝石の近くまで行くと、宝石から静かな音色が聞こえた
(触れるだけでいいんだよね)
ゴクリと唾を呑みながら、私は宝石にソッと触れた