ダーク・ファンタジー小説

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本の世界のワンダーランド【序章】
日時: 2022/01/23 09:34
名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)

 2022 1/22〜 start

 2022 1/23 20話達成


 第1章
 
 第1話 >>01 >>02 >>03 >>04

 第2話 >>05 >>06 >>07 >>08

 第3話 >>09 >>010 >>011 >>012

 第4話 >>013 >>014 >>016

 登場人物設定 >>015

 第5話 >>017 >>019 >>020

 wonder rand の専門語 >>018

 第6話 >>021 >>022

Re: wonder land  ( No.3 )
日時: 2022/01/22 13:12
名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)




家に帰ると、すぐに自分の部屋に戻り本棚を漁ってみた

小さい頃に読んでいた童話は1番下に入っている

『シンデレラ』

『白雪姫と7人の小人』

『赤い靴』

色々な童話があるが、『不思議の国のアリス』の本は何処にもない

母に聞けばわかると思い、階段を降りた

「お母さん、昔読んでた“不思議の国のアリス”の絵本知らない?」

「ええ、知らないわよ?」

「本棚を探したんだけど、何処にもないの」

「え〜… あ!」

「知ってるの?」

「前の家の引っ越す時に失くしちゃったんじゃない?」

「ええ、違うよ! その時はまだあったもん!」

「じゃあ知らないわ〜」

母は無理矢理会話を終わらせ、キッチンに戻った

(う〜ん、不思議の国のアリス…最近読んでなくて内容があやふやだから、久々に読んでみたいんだけど…。また探せばいいか…って今日は宿題が多いから早めにしないと!)

部屋に戻り、机に座って宿題をやろうとした。机に宿題をおこうとすると本が一冊置きっぱなしになっていた

(あ、この本返さなきゃ。)

図書室で借りた本をバックにしまおうとするといい考えが思いついた

(そうだ! 図書館にはきっと不思議の国のアリスがあるはず!借りてみよーっと)

私は、携帯を取り出してW.Rさんに返事を送った

「 不思議の国のアリスを明日図書室で借りてみます
   家に絵本があったはずなんですが、失くしてしまったようです…
  読み終わったら、感想お伝えしますね!おやすみなさい     」


Re: wonder land  ( No.4 )
日時: 2022/01/22 13:15
名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)



次の日の放課後、私は図書委員の仕事を早めに終わらせて、童話コーナーに向かった

(今思ったけど、高校生の図書室に童話コーナーがあるって中々シュールだな…)

今日の当番も池田の筈だが、昼休みに「ごめん!今日も用事があって」と言われた
(どうせ、遊ぶだけなくせに)と思ったが、そんな言葉は言えず「全然大丈夫」と言った。池田の「サンキュー!」言いながらと友達と走っていく後ろ姿に心の中で「バーカ」と言ってやった

「あ」

少し分かりにくいが英語で「Alice in Wonderland」と書かれた本があった
私が思っていた絵本とは違い、緑のカバーで一見、聖書にもみえる
そしてページ数が軽く200は超えてそうな程分厚い。
(読み終わるかな…)と思ってしまうほどだ

(もしかしたらこの本って英語版なのかな?)

作者が英語の名前だったことから少し心配になった

もう一冊ほど簡潔的な不思議の国のアリスはないのかなと探したけれど、どうやらこの一冊だけらしい。

「しょうがない…読んでみるか…」

固めな表紙を開くと「え?」と声が出た

謎の光が本から出ているのだ

「え、なにこれ… 照明が当たってるわけでもないよね…?何でこんな光ってるの…?
 え…えええええ!!!」

いかにも不思議の国にでてきそうなドアが本の中からはえてきた

「うわああああああああああ!!!???」

私はドアの中に吸い込まれた

Re: wonder land  ( No.5 )
日時: 2022/01/22 13:17
名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)

ドテン!!

10メートルぐらいから私は落とされた
何が起こったのか訳がわからない

ただ視界に広がるのは大きな王国で…私は今、芝生の上に尻もちをついている
よくゲームに出てきそうな世界観…だけど凄い不気味な雰囲気……なんて呑気なこと言ってる場合じゃない!

ここはどこ!!!!って叫びたい!!!!

キョロキョロあたりを見回してもここがどこかわからない

放心状態で、もう怖いという感情すら出ない

そんな時

「僕のアリス。こんにちは」

「え。」

突然、兎の耳がついている銀髪の少年が現れた

(僕のアリスって何…?)

「誰……?」

怖くて手が震えた。一体誰なの

「僕はテラと言います。地球界の物語では“白ウサギ”だね。
 そして君を導く案内人でもあるかな」

(地球界……?白ウサギ…?)

よくわからない言葉を言われて頭で整理するが、怖さで震えて回らない

「まあ、いきなりだから驚くのも無理はないか…。えっとアリスちゃん。この世界は
”ワンダーランド“。本の中のお話で描かれている世界さ。まあ俗に言う異世界っていう認識でいいよ」

「……あっ………」

だめだ。言っていることの意味がわからないし、怖さで声が出ない

ただこんなところから出たい、何が起こってるのか知りたい、非現実すぎて夢なのかもしれない。頭がパンクするほど考えた

「アリスちゃん、僕は君に危害を加えない、寧ろ君を守る役割だからさ安心して」

テラ…という人?兎?は優しい目をしていて…どこか安心できる……だけど、急に話しかけて不審すぎる……もしかしたら殺人犯とか誘拐犯?

「あ……い、ここ……帰りたい………」

変なことしたら殺される…そんな言葉が脳内によぎった
私は、とにかく小さな声で訴えた。こんな場所いたくない、家に帰らせて。精一杯の思いは小さな声にしか届かないのか

「アリスちゃん…悪いけど”ワンダーランド“に入った以上、ここから出ることは不可能だよ。まあアリス様なら可能だけどね…」

(…ここから……出ることは不可能……)

絶望の言葉が私を襲った。そんな…って、ここが現実な訳がないだろう…。きっと夢だ。不思議の国のアリスを読んでいて夢が物語とごちゃごちゃになっているだけ。
私は勢いよく手で頬を叩いた(こんな夢は覚めろ!!)
痛い……現実の鮮やかな痛みが私の頬を刺激する。 これは紛れもなく現実だとそう無理矢理、理解させられたみたいだ

「アリスちゃん…!?大丈夫? 急にほっぺ叩いて…痛くない?」

テラ…は、心配するように私の顔を覗き込んだ
私は何も答えず…いや、答えることができずに黙ってしまった
テラは困ったように慌てる。
きっと私が何かをしなくては進まないのだろう。覚悟を決めるしかなさそうだ。
(これ以上、考えても混乱するだけ…)
私は絡まった糸を一本の糸にするため、この状況を理解するため、勇気を振り絞って、テラに聞いてみた

「ここは……地球……?」

「ここはワンダーランドで、地球とは別の世界なんだ」

科学的にこんなことがあっていいのか、”別の世界“があまりにも非現実的すぎて、理解すべきなのだろうか。薄れた痛みが残る頬を触り、なんとか自分を冷静にさせた。”非現実“というのは一回おくべきだ。じゃないと話が進まない。そもそも”別の世界線“という存在が完全否定できるのは私の狭い価値観ではできないし……ああああ!!だめだだめ。これ以上考えるな。この世には“別世界線”というものがあって、地球人には理解できないことがいっぱいあるのだ。そうなんだ。

「あ……何で私が……ここに……」

当てはまる言葉が思いつかず、カタコトになってしまった

「それは君がアリスの素質にぴったりだからさ。 あ、アリスの素質というのは……
ん〜〜〜、この説明をするためにはまずワンダーランドの現状を知ってもらわなくてはいけないんだよね。」

テラは暫く悩んでいると“そうだ!”という風に手を叩き、ポケットの中から2つの時計を出し、もう1つ大きい時計を鞄から出した

「これが風景の時計でこれが音の時計、そしてこれが記憶の時計
記憶の時計の下に風景の時計と音の時計をはめる場所があって、はめれたら…。記憶の時計の針を回す」

グルグル時計の針は回って、10回を超えてしばらくしたら時計の針は止まった

Re: wonder land  ( No.6 )
日時: 2022/01/22 13:28
名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)



グググググーーー

(時空が……曲がってる!!??)

別世界線では魔法も使えるのか……。とは言え、時空が曲がるなんてあっていいことなのか

心配と困惑…少しの安心が混ざった気持ちで待っていたらテラの声が聞こえた

「今から映像と一緒に説明をするから、映画みたいに気楽にみてね」

テラはウインクをしながら消えた

__________


「ワンダーランドは創成神“アリス様から作られた不思議な異世界」

歪んでいた時空が止まり、美しい自然の風景に金髪の女の人が現れた

「ワンダーランドの創成神アリス様はワンダーランドの象徴として祀られていたんだ
 皆はアリス様の癒しの歌を聞き“歌姫”とも読んでいたんだ。特にアリス様が作った天使の 
 詩がとても有名になっていて教会に行ったら必ず聖歌となっているだよ」

「そして」

時空が一気に回るように歪む、すると綺麗な自然が立派な王国に変わった
(この王国は…雰囲気は少し違うけれど、1番初めに見た王国に似ている)

「ここはワンダーランドの第4王国の1つである“ワンダーメロディー“
 歌の国と呼ばれている。アリス様の歌のご加護が1番詰められた王国さ」

( 歌…の加護?とことんファンタジー系統のものを詰め込んだ世界だな…)

「そこから第4王国はアリス様のバランスで共存していき、仲もそこまで悪くはなかった。けど…」

テルは不穏な言い方をしたことで私もどこかで予想がついた。時空が歪み、一気に風景が崩れる、今まであった綺麗な自然、楽しそうな雰囲気とは打って変わって空が赤くなり、大地はボロボロになっている。

(近くに見える1人の女の人は悪魔みたいに笑ってる……)

「悪魔の女王……第4王国“ワンダーハート”の女王。以前まではハートの女王として、第4王国の象徴の1人だった。だけど、今は悪魔の女王として皆の悪魔だよ…」

時空が変わると、アリス様と悪魔の女王が戦っている
どちらも強力な魔法を使っているが悪魔の女王の方が優勢に見えた

「アリス様と悪魔の女王が戦うことを“ワンダーデビル戦争“と言った。この戦争でアリス様は負けてワンダーランドは悪魔の支配下に置かれた」

(戦争……どの世界にも戦争はあるのか……)

一見ファンタジーな世界かと思ったが、こんな背景があったことを知り驚く。

Re: wonder land  ( No.7 )
日時: 2022/01/22 13:57
名前: ねむねむ (ID: lmEZUI7z)



(ん?今までの話を要約して推理すると…)

テラの要件……もしかしてワンダー……ランドを救うとか勇者がやるようなことを………

「そう!ここまで話したら勘づいたかもしれないけど、悪魔の支配下に置かれたワンダーランドを救ってほしいんだ!」

時空が歪みながらテラが現れた

「………えっと………」

(何言ってるんだろう…私はただの女子高校生だし……世界を救う……?アホなんじゃないかな…せめてガタイのいい男の人にすればいいのに……)

到底私には理解が追いつけない話で、どこから飲み込めばいいのかわからない

「あ、!そうだそうだ。君が選ばれた理由が知りたいんだよね。それはズバリ!アリス様の力を受け継ぐにアリスちゃんの体が適正だったって訳!」

テラは人差し指で犯人を当てるみたいに私を指した

「……………何で私が………」

「うーん。要領としては、宝くじを買ったら3億当たったっていう感じで受け取ってくれればいいよ。宝くじを買う→生きる 3億当たる→適正だったという感じかな。」

「不思議の国のアリスの本がなかったのも…必然的?」

「不思議の国のアリスの本は僕があらかじめ取っておいて、特別な方の本を図書館に置く。後は“コレ”で君を誘導すれば良かっただけなんだ」

テラはスマホを私に見せた。スマホにはTwitterのDMが載っており、W.Rさんがテラのアカウントとされていた。

「しくまれていたんですね………。」

そこまで手が入っていたことに驚きとなんとも言えない感情、怖さが抜けないまま。手をぎゅうと握った

「私…死ぬんですか………」

テラに縋るような気持ちで言う。死ぬのかな。悪魔なんて知らないし、非力な私では何もできない。“アリス様の力”とかも理解不能だ

「まさか、ワンダーランドに入った君は“死ぬことが不可能“なんだ。」

(信じて……いいのか?……いや、時空を歪ませるということがこの世界ではどのような基準かは知らないけれど、きっとかなりの実力者には違いない……はず。だから信じても………いいのかな……)

「死ぬことが不可能………」

「地球界でいう死の条件を満たした場合、ここに戻ることになっているだ。だから“死ぬ”と言う概念はないんだよ。まあそれはアリスちゃんが例外なだけで、ワンダーランドの住民達は死んでしまうんだけどね。」

「まあ、これはアリス様の適性者だけが……」

たとえ、死ぬことがなくてもここから帰らなくては……家族も………あれ……ここに来て何時間が経ったのだろう……1時間は経っている……は!!

「!………戻らないといけないんです……!家族が………」

私は必死に訴える。警察沙汰になったら取り返しがつかないだろう。それに私が戻らないと、家族は悲しむ。不安にさせる。戻らないといけない

「大丈夫だよ。アリスちゃん。さっきの僕の力見たでしょ。地球の時間は止まってるんだ。勿論、ワンダーランドの時間は進んでいる。信じれないだろうけど事実だよ」

なんて都合のいいことだろうか。ただ時空を歪まさせる力があるの事実。きっと本当なんだろう……。私は息を飲んだ。


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