二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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マギ ー寄り道の書ー
日時: 2012/10/29 19:15
名前: 栖樺 椋 (ID: 16/cv9YI)


栖樺 椋です。栖樺として書く小説にあきらめが付いてきました。
例によって例の如く。
栖樺のいつもの二次作です。
つまりは、オリキャラがしょっちゅう出てきます。
オリキャラとメインキャラのからみを主軸に回します。
栖樺の手元には現在原作全巻がないので、細かいことは考えません。
主には感情的な面で創作していきます。

最初の話は書きやすいモルジアナの過去の話にしようと思います。
過去といっても彼女自身まだ15歳なので記憶もあいまいですが。
栖樺個人としてのモルさんの姿です。
毎回ですが、栖樺は投稿がおっそいです。
特に今年はほとんど投稿できません。
それでも空いてる時間で何とかします。
それに、自分のキャラの設定をよく忘れます。

やや、難所もありますが、これが栖樺の小説です。
よろしければ、他の話もどうぞ微作ですが。
コメントをあまりもらったことが無いので、自分の小説の
評価はわかりません。参照数での判断は任せます。
栖樺としては、とっても面白いこの作品。
台無しにしてしまわないように、日々、精進します。

予告
【モルジアナ】と【鎖身少女】
名前は絶賛思案中です。

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Re: マギ ー寄り道の書ー ( No.6 )
日時: 2013/02/11 10:30
名前: 穂之 (ID: xyOqXR/L)
参照: モルさん命

めっちゃすごい……!
完全にマギの世界観を
作り出せてますね。

内容も面白いし……。

モルさん大好きなんで、
続き、超楽しみに待ってます!

頑張って下さい( ´艸`)←アラジンっ
ぽくないですか?

第四夜 −色ー ( No.7 )
日時: 2013/06/09 19:13
名前: 栖樺 椋 (ID: 0M.9FvYj)


「その子はモルさんと友達だったんだね?」
「はい、私は、そう思っていますし、
 今でも・・・・・、その約束を胸に誓っています。」
「(なにこのやりきれないシリアス感・・・。)」
アリババとしては、友達との接し方には
苦い気持ちがある身なので、気が重くなってきていた。
「その子はそれからどうしたんだい?」
「急かすなよ・・、モルジアナにとって進んで話したいことでも
 ないんだしよ・・。」
「いえ、私もお二人に友達の話、聞いてほしいです。」


リージナを見たとき、初めは今までの子と同じように、
『可哀想』と思った。
それでも、気丈に振る舞うリージナを見ていると
その気持ちは徐々に薄れていきました。
彼女は明るかったです。
「アナの髪は綺麗だね。」
「・・・そうでしょうか?」
「うん、芯の通った綺麗な真っ赤な髪。素敵だと思うな。」
自分の髪を指でつまみながら自嘲気味にリージナは
言っていました。
彼女は自分の外見が嫌いだったそうです。
その話を聞くたび私は首を振りました。
「そんなことありません。リージナの髪は素敵ですよ。」
「・・・そんなこと言うのアナだけだよ。」
リージナは明るく振る舞うことを忘れない子でした。
それでも、ときおりストレスがたまると
そんな風に自分を馬鹿にしたり、傷つけたりしようとしていました。
「こんな髪だから・・・。」
リージナはつらそうに顔を歪めました。
泣きそう、という感じでもなかったのですが・・。
とにかく私は放ってはおけませんでした。

「私の出身地であった暗黒大陸のとこを知っていますか?」
「いや、・・・ほとんど知らないよ。」
「そうですよね、私も覚えていません。
 教えてもらえるわけもないし、帰る場所もありません。」
「う、うん。」
リージナはうなづいていました。
でも私が話を進めるうちに少しずつ表情を暗くしました。
私の過去の話なんてその年の子供が聞いて楽しくはないですし。

「ここに売られてきた子供たちは、ときおり寝言で
 親の名前をうめいたり、親に助けを求めて泣いています、」
「そうだね・・、耳をふさぎたくなるよ。」
「そうですか。」
「違うの?」
「私からすればそれはうらやましいことです。
 私は両親のぬくもりどころか生きていたところまで覚えていません。」
「それは・・、私も同じだよ。」
「前にリージナはいいました。私は強い、と。絶望的な顔をしないと。
 でもそれは私が強いからじゃありません。」
「どうゆう意味?」

「私はー、

 『幸せ』

 
 という感情を知らないからです。」

「・・・・・・。」
「その感情を知らない私にとっては、これがもはや普通なんです。」
「なんで、そんなこと私にゆうの・・?」
リージナは困惑したように私の顔を見上げました。
私は一番言いたかったことを淡々と述べ続けます。
「それを知らない私にも覚えていることはあります。
 それが、暗黒大陸の『夕日』なんですよ。」

「え・・・・?」

「珍しい動植物よりも、戦闘民族よりも、それを覚えていました。」
「アナ・・・。」
「だから、私はリージナの髪が好きです。とっても。
 初めてあなたをみたときに懐かしさを覚えました。嬉しいです。」
「あの、その・・ごめんね。」
「謝らないでください。むしろありがとうございます。」
私はリージナに笑いかけました。
リージナも笑い返してくれました。
まさしく、夕日のように黄金色に輝く髪を揺らして。




「モルさん・・・。」
「懐かしいですね。」
「(どんな幼少期だよ・・・。)そうだな・・。」
「リージナさんとモルさんには絆があったんだね。」
「はい、私はそう信じています。」




それから長いこと経たない日のことだった。
リージナの処分が決まったのは。

そして、私の箍がはずれた日でもあった。

「私はリージナと一緒にいることで忘れてしまっていました。
 自分がファナリスであり、他とは違うことを。
 だから、私は思い出しました、その日。」
「な、なにをだい・・・。」


「戦闘民族ファナリスの戦い方をです。」

第四夜明け −ファナリスー ( No.8 )
日時: 2013/06/15 21:38
名前: 栖樺 椋 (ID: 0M.9FvYj)





蹴る

走る

歩く

飛ぶ

跳ぶ

蹴りだす

飛ばす

殴る

飛ばす



それを繰り返した。


私は


思い出せない


『あなたは思い出すべきです。あなたの力を。』

誰かが言う、

『怖くなんてありません、だから、あなたは力を振りかざしていいんです。』

誰かが笑う。

『大丈夫です、周りをみてください。』

誰かが手を差し出してくれる。
私はその手をとれない。

誰かは指差す。

『守るべきものがあるんじゃないんですか?』


≪私は≫言う。

『守ってください、今度こそ。』

≪私は≫消えた。



「私は守れる・・・?」


その力を持っている・・・。


力を、もてあます、馴れ合いにあきれた。
そんな猛獣が人間に牙をむける。人間のせいで。



「リージナ・・・?」

朝起きると



リージナは寝床から消えていた。


寝床から消えた、子供を追って。

第五夜 失った夜 ( No.9 )
日時: 2013/06/22 16:58
名前: 栖樺 椋 (ID: 0M.9FvYj)



「リージナ・・・。」

隣の寝床で寝ていたはずのリージナは
忽然と姿を消していた。
まるで初めからいなかったみたいに。
私は、急いで周囲の寝床にいた奴隷たちに聞きました。
しかし、彼らは当然他人のことなどおかまいなし、
リージナのことを覚えている方が珍しい具合なのだ。
当然見張りにばれないように静かに動いた。
焦っていた。
今日の奴隷商人がここにくるまであと時間はどれくらいあるだろうか。
焦っても、手がかりは見つかれない。

大人に聞くのをあきらめた。
そうなると、私よりかなり小さな子供に聞くしかない。
正直得意ではないが、致し方ない。


「あの・・・。」
「なぁに?」
つい先日リージナの言っていた子供の一人、
親の名前をうめきながら寝ている女の子と男の子二人に話しかける。
「リージナを見かけませんでしたか?」
「りぃじな?なにそれ。」
「知ってる?」
「知らなーい。」
「知りませんか?髪が金色みたいな、オレンジみたいな色の・・赤目の」
子供たち三人は首を振る。
結局子供に聞いてもおんなじか、
モルジアナはその場を去ろうとしたが、
女の子にとめられた。
「おねぇちゃん。」
「な、なんですか・・。」
「わたしたちもひとをさがしてるの。知らない?」
女の子がモルジアナの服の裾をひっぱる。
丈が長いので女の子の背の低さでも引っ張れる。
モルジアナは不思議に思った。
人を探している・・?
この子が人を?
「い、いったいどなたを・・。」
「俺たちの仲間のひとりだったんだけど・・。」
「仲間の?」
「うん。いっつも四人で一緒にいたんだけど。」
元気のよさそうな男の子が少しへこみながら言った。
どうやら事態は深刻らしかった。
「いつからいないんですか?」
「昨日の深夜・・かな?僕がちょっと起きてみたときにはいたんだ。」
「深夜・・ですか。」
深夜は確かに子供の方の管理は緩む。
それでも子供一人でぬけられるものなのか・・。
おとなしそうな男の子は泣きそうになりながら説明を続ける。
「僕が起きたとき、アームが、あ、名前なんだけど。
 アームが壁を見てて。何かあるの?って聞いてみたら・・。」
「・・・。」

『外が、ある。お父さんや、お母さん、みんなに・・会える。』

「そういって寝床についたんです。
 どうせこんなところじゃそんなこと思っても仕方ないって思ってて
 アームは賢い子だったし、明るくて・・まさか・・。」
三人は涙目ながらに体を震わせた。
モルジアナはどう声をかけていいものか迷った。
自分もリージナを探しているとはいえ、
彼らの探している『アーム』という子まで見つけられるかは
モルジアナもわからない。
自分がなにをできるがよくわからないのだ。

「リージナ・・。」




「大丈夫だから?帰ろう?ね?」
「でも、私は・・・・。」
「大丈夫だよ、だから、早く・・。」
「ほ、本当に助かるの?」
「う、うん・・だから、もういうこと聞いてよ・・。」






「え!?それはダメなことじゃないのかい?」
「はい、奴隷が商人からの逃れるような、行為や意志は処分に値します。」
「しょ、処分ってなんだよ。」
「・・・・・聞きたいですか?」
「い、いや・・やめとく。」
アラジンは深刻そうな面持ちでモルジアナの話を催促する。
話が盛り上がるがモルジアナとしては複雑そうだった。
ときおり顔を歪めては苦笑いをする。
「じゃ、じゃあそのリージナさんは逃げちゃったのかい?」
「いえ、いくら監視が手薄な時間とはいえ、商品をただで逃がすほど
 彼らも優しいものではありません。いくらか時間が経って
 リージナはアームと一緒に連れ戻されました。」
「そ、それは・・よかった・・のかな・・。」
「い、いいことではねーだろうな・・。」
「ここからは多少アラジンには聞き苦しいかもしれません。」
(いや・・けっこう前から僕には大分重い話だったよ、モルさん)

「連れ戻されたってことは・・リージナさんは・・。」
「連れ戻されたリージナにはもはや前の面影がなく、
 連れ戻しにいった奴隷商人の下っ端からいたぶられたようです。」



「髪の毛の根本が赤くなってました、血で。」


第六夜 処分 ( No.10 )
日時: 2013/06/22 17:33
名前: 栖樺 椋 (ID: 0M.9FvYj)



「リージナ!!」
私はすぐさまリージナに近寄ろうとしました。
「あ、アナ・・・・?」
リージナは奴隷商人の下っ端から首根っこをつかまれつつも
なんとか声を絞りだし返事をくれました。
私は安心と同時に絶望しました。
(リージナが戻ってきてくれたのは嬉しいけれど、彼女は・・。)
処分扱いになることを、小さいころから奴隷である私にはわかります。
リージナに近寄ろうとした私の足の鎖を看守が踏みつけ、
私は思い切り転びました。頭から若干の血が出ました。
「アナ!」
「うるせぇ!」
「っ・・・。」
リージナの頭を思い蹴り蹴ります。
「おい、主人が帰ってくる前に顔に傷つけんなよ。
 そいつが処分行きってきまったわけじゃねぇんだ。」
「えっ・・・・。」
驚いたのは私です。
ここからの逃亡、許される行為ではありません。
かつて許された人なんて、いない。
私は生まれた間もないから覚えてないけれど。
何人処分にあったか覚えていない。
「わかってるけどよぉ、こんなどこの出身かもわかんねぇ
 気持ち悪いガキをほしがる奴だっていねぇだろうしよ。」
「・・・・。」
私は今にも看守を殴りかかる体制にあったけれど、ここで
乱闘したところでなんの意味もない、
むしろ、リージナの命に係わる。
「こっちのファナリスのやつならわかるけどよ。」
「・・・・・。」
髪を一束つかまれる。
痛いわけではないが不快感がある。
「アナ・・・ごめんね。」
「な、なんでリージナは悪く、ないじゃないですか。」
「いや、私が、あの子を追っかけたりしなければ。」
「あの子・・・。」
そういえば、アームの姿はここにない。
「余計なことなにいってんだ、よっ。」
看守がまたリージナを殴りつける。
「ちょ、やめてください!リージナは悪いことしてないじゃないですかん!」
「うるせぇんだよ、奴隷のくせに!」
看守が私を殴ろうとした瞬間、

絶叫が響き渡った。


『いたいよ、やめてよ、怖いよ、お父さん、お母さん。』

「なっ・・・、」
そこにはアームがいた。処分確定したものが入る部屋に入れられるまさにそのとき。
アームが泣いているのに、女の子が必死に手をのばす。
当然、届かない。
男の子二人は別の看守につかまっている。
「おねぇちゃんが私なんてほっといてくれれば・・。」
アームがこちらをにらむ。
リージナをにらむ。
「だって、ほっとけなかった・・。」
リージナは涙目になる。
顔をふせる。
「アーム!アーム、アーム、連れてかないで!」
「うるせぇ、ガキ!てめぇも処分されてぇのか!」
「ひぃっ・・・。」
刀をつきつけられ、女の子は何も言えない。
男の子たちの必死の抵抗もむなしく、
アームは看守に連れられて行った。


「リージナ・・。」
「・・・・ごめん。違うの。こんなつもりじゃ。
 なんで、悪いのは、私なのに、どうして・・・。」
「リージナ、気をしっかり持ってください。」
「ごめんね・・。」
リージナは力なく笑う。
別の看守が現れ、看守の間で会話が始まる。
「おい、主人がつかまれねぇ。」
「は?じゃあ、こいつの処理どうすんだよ。」
「主人が来るまで待つしかねぇだろ。
 こんなガキ殺しちまってかまわねぇと思うんだがな。」
「あ?もしも貴重な民族のガキだったら、どうすんだよ。」
「その調査もかねて、主人が出てんだろ。」


リージナの判断は、数日先となった。
その間私は、リージナと話をしました。


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