二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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少年陰陽師〜女陰陽師現る〜 9話更新
日時: 2010/07/29 16:48
名前: 愛花 (ID: PWqPGq9p)

初めまして、少年陰陽師が大好きな愛花です。
あまり知識が広くないため、でたらめな小説になってしまいますが、そういうときは優しく教えてください><

〜注意事項〜
1 荒らし、中傷分の書き込みはおやめください
2 チェーンメールは受け付けていません
3 コメントください
4 文章がはちゃめちゃです
5 一部平安時代の言葉ではなく、現代の言葉で書いているものがあります。作者は知識がないので、そういうときは 教えてくれると大変助かります

〜登場人物〜

名前【霧都 月夜(きりみやこの つきよ)】
:いきなり安倍の邸に来て、陰陽師だと告げる

名前【安倍 昌浩】
:14歳の半人前の陰陽師。嫌いな言葉は「あの安倍晴明の孫!?」

名前【もっくん(紅蓮)】
:昌浩の相棒。姿は物の怪だが、その正体は十二神将

名前【彰子(藤原 彰子)】
:左大臣道長の一の姫。ある理由で半永久的に、安倍の邸に滞在中

名前【じい様(安倍 晴明)】
:昌浩の祖父。昌浩いわく「狸じじい」。大陰陽師で、離魂術で二十代の姿をとることも

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Re: 少年陰陽師〜女陰陽師現る〜 6話更新 ( No.20 )
日時: 2010/07/27 18:32
名前: 愛花 ◆2q.Yl4xWoM (ID: PWqPGq9p)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

第6話 夜の妖怪退治

「じゃあ、行くかもっくん」
「だからもっくん言うな」
あたりは真っ暗闇に染まり、静かさが増す。
昌浩の部屋に、髪を背中で一つにくくった昌浩がいた。そしてその足下には物の怪。さらに、昌浩のことを心配そうに見つめているのが彰子だった。
「いつも言ってるけど、先に寝てるんだぞ」
「分かってるわ」
昌浩の言葉を受け止めて、彰子はにっこりとほほえんだ。
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
そう言うと、昌浩は塀を跳び越えて、夜の都に行った。
昌浩は夜警に出かけている。それは日課と言ってもいいほどに。
「さて……」
「今日は何をなさいますんですか?」
傍らに仕えていて、十二神将の天一が問いかけた。
しばらく考えていた彰子は、いたずらっぽい顔をして言った。
「今日は自分の部屋で、昌浩の着物を縫うわ」
彰子は自分の部屋に帰っていった。

時は同じくして、月夜の部屋。闇の中で、月夜は水干に着替えた。
「……どこに行く」
障子の向こうから、青龍の声がした。
「……夜警」
淡々として喋る月夜。青龍は何か言おうとしたが、やめておいた。晴明から、月夜が行くところには同行するようにと、言い使われていたからだ。
「それじゃあ、行きましょう」
月夜は、あたりを見回しながら外に出ると、昌浩と同じように、塀に上って夜の都に出た。


「こら!!もっくん邪魔!!」
「もっくんいうな!!晴明の孫!お前が俺の邪魔をしているんだ!!」
「孫言うな!!」
夜の町にとどろく二つの罵声。一つは物の怪のもので、もう一つは昌浩のものだ。目の前にいるのは、犬の形をした妖怪。見た目はとてもかわいらしいのだが、昌浩を見たとたんにいきなり逃げ出した。
「もっくん。こういう状況、俺思い当たるんだけど」
「……同感」
そう、二人はこういう状況に一度直面したことがある。昌浩が夜警に出かけた時に、牛車に出くわした。その牛車は昌浩を見たとたんにいきなり逃げ出したのだ。

保留

Re: 少年陰陽師〜女陰陽師現る〜 6話更新 ( No.21 )
日時: 2010/07/28 11:15
名前: 愛花 ◆2q.Yl4xWoM (ID: PWqPGq9p)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

その牛車は、臆病な牛車で昌浩を見たとたんに逃げ出したのは、陰陽師と知って怖くなったからだ。
そして今回もその状況……。
「ねえ、もっくん。どうしよっか」
「さあな。お前が決めろよ」
物の怪は、昌浩の隣を走りながら言った。
「どうしようって言っても………」
そのとき、後ろから足音がした。
「ん?なんだなんだ?」
物の怪が、首を後ろに回す。すると、いやな顔をした。
「もっくん?」
「ちっ。何であいつがいるんだ」
すると、物の怪は神気を強くしたかと思うと、瞬き一つで身長の高い神将に変化した。
物の怪の正体は、十二神将の騰蛇。十二神将一の最強にして最恐の闘将。そして騰蛇の二つ名は
「紅蓮?どうしたの?」
紅蓮——。かつて晴明が式にくだした時につけた名だ。
「青龍。なぜお前がそこにいる」
紅蓮は物の怪の時とは打って変わって、低い声で言った。
暗闇からは、何の返答もない。が、昌浩にも神気を感じていた。
「昌浩。私よ」
「え?」
暗闇から神気とともに出てきたのは……
「ええ?月夜?」
月夜であった。月夜は水干姿で、手には短刀を持っている。その短刀からは、少し妖気が出ている。
そしてその後ろからは
「青龍?何で?」
青龍が姿を現した。
「……月夜の許につけと晴明が」
重たい口を開いて、青龍は言った。
「…と、とにかく。私も夜警に来たの」
場の雰囲気が悪くなたのを悟ってか、月夜が明るい声を出して、昌浩に促した。
「それで、えっと………」
月夜は、昌浩の前方を見ながら言った。
目の先には、犬の妖怪。
「昌浩、これ追いかけてたの?」
「………そう」
「何を悪さしてたの?」
「………何だろう?」
「どうして追いかけているの?」
「………逃げたから」
「逃げたわけは知っているの?」
「………知らない」
月夜と昌浩が一問一答している。
隣でにらみ合っていた青龍が、月夜のそばに来た。
「どうするんだ」
「そうね……。ねえ、どうして逃げたの?」
月夜が妖怪に聞くと、妖怪はびくびくと震えながらようやく口を開いた。
『い、いきなり陰陽師が、お、追いかけてきたから……』
「昌浩、この陰陽師ってあなたのこと?」
「……そう」
「じゃああなたは何もしていないのね?」
『は、はい……』
妖怪がびくびくとしながら言うと、月夜は妖怪を拾い上げて、なでなでした。
「怖かったね。もう大丈夫だよ?」
『は、はい……』
妖怪は、月夜に抱きついて怖がった。
「その……ご、ごめんね?」
昌浩が妖怪に謝ると、妖怪は首をぶるんぶるん振って
『大丈夫です』
と答えた。
昌浩が安堵していると、いつのまにか紅蓮の姿から物の怪に変化した物の怪が昌浩の足下にやってきた。
「まあ月夜が来てくれてよかったわな」
「うん。ありがとう月夜」
「ううん。でも名前はどうしましょうね……」
しばらく思考に入っていた月夜は、急に顔を明るくすると、声を上げた。
「決めた!あなたの名前は犬鬼(いぬき)。犬鬼よ!」
「昌浩の車の助よりは言い名前だな」
物の怪が余計なことを言ったために、昌浩の機嫌は少々悪くなったが、月夜と犬鬼のほほえましい姿を見ると、心がほっとするのだった。
「じゃあ帰りましょう。犬鬼、あなたもねぐらに帰ってね」
『はい。今日はありがとうございました』
そう言うと、犬鬼は帰って行った。
「私たちも帰りましょう」
月夜と昌浩が邸に戻る中、二人の神将は不服な様子でにらみ合っていた。

Re: 少年陰陽師〜女陰陽師現る〜 6話更新 ( No.22 )
日時: 2010/07/28 17:15
名前: 愛花 ◆2q.Yl4xWoM (ID: PWqPGq9p)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

〜七〜    過去の償い

「じゃあ、昌浩。おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
邸に戻ると、月夜は自分の部屋に帰っていった。
「でも、どうして青龍が月夜についているんだろうね?」
「……だな」
青龍の名前を聞いて、少しいやな顔をした物の怪だったが、その疑問は自分も持っているらしかった。
「……ああ。そういえば」
「ん?なに、もっくん」
ふいに顔を昌浩の向けて、思い出したと手を打った。
「十年前に、月夜の母親に会ったんだっけ」
「ええ?それどういうこと?」
それから、物の怪はことのいきさつを話し出した。



内裏で病に倒れていた女性がいたと聞いて、すぐに祈祷に来て欲しいと、藤原道長からお願いされた。
その人は、道長の遠縁に当たる人の妻だから、とても心配されていた。
晴明がそこに行くと、一人の少女が庭で花を摘んでいた。
『どうかされましたか?』
晴明が声をかけると、少女は一瞬驚いた顔をしたものの、にっこりと笑った。年は3,4歳だろうか。
『おかあさまがね、びょうきだからおはなつんでるの』
幼げの残るしゃべり方で、晴明に言った。しかし、少女の目は晴明のやや後ろを見ている。
『さようですか』
『うん。ねえおじちゃま?おじちゃまはだれ?』
『私は阿倍晴明というものですよ』
『せいめいさま?じゃあうしろにいるひとは?』
晴明は目をむいた。後ろにいるのは、十二神将の青龍であったからだ。十二神将は見鬼の才がないと見えるものではない。ましてや、今は病人に影響がないようにと、神気をかなりおさえており穏形しているのだ。
『……姫。お名前をお伺いしてもよろしいですか?』
幸い、そばに乳母はいないようだ。
『わたし?わたしはつきよです。うしろのひとは?』
少女——月夜は、後ろの青龍が気になって仕方がないようだった。


「って、俺は晴明から聞いている」
「へ〜。あの青龍がね〜」
昌浩は、意外な話に終始うんうん唸っていた。



「それにしても、久しぶりの夜警で疲れたわね…」
月夜は自室で手足を伸ばして、茵に横になっていた。
「…ねえ青龍。覚えているかしら」
「……………」
月夜は、近くにいる青龍に話しかけた。
しかし返ってくるのは沈黙のみ。
かまわず月夜は話を続けた。
「いつも退屈している私に、青龍はいつも晴明様と一緒に私のところに来てくれた。……そうね。私が3つの時だったかしら」
月夜は、懐かしいというように目を細めた。
「晴明様が祈祷をしている間に、青龍や天后が私の相手をしてくれた…。もっとも、だいたいが天后だったけど。……でも時々私の相手をしてくれた青龍が私にとっては、とても嬉しかった」
そこで月夜は思い出したように笑う。
「晴明様は、そのことを覚えていて青龍を私に、付き添わせてくれたのかしら?」
「……知らん。晴明の考えは誰にも分かるまい」
「くすっ。晴明様ったら、ひどい言われようね」
そう言うと、月夜は深い眠りに落ちていった。

Re: 少年陰陽師〜女陰陽師現る〜 6話更新 ( No.23 )
日時: 2010/07/29 12:08
名前: 愛花 ◆2q.Yl4xWoM (ID: PWqPGq9p)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

〜八〜  少女と結ばれし運命

「そうなの。じゃあ大変ね」
「ううん。それほどでもないわ。晴明様や昌浩が居るもの」
ここは月夜の部屋。元々荷物が少ない月夜の部屋は、今彰子と月夜。十二神将の天一と朱雀が、顕現している。そして、どこかに穏行している青龍がいた。
「でも、月夜は邸を抜け出したというけど……」
「………父親に嫌気がさした。それだけよ」
なんとなく寂しそうな顔をしながら言う月夜の気持ちは、そばで穏行している青龍にだけ分かった。


—陰陽寮—
「うぅ…眠い……」
「しっかりしろ」
陰陽寮では、昌浩が一生懸命墨をすっていた。眠たい体をしっかりと気力でおさえながら。
その傍らでは、物の怪が周囲を見回しながら体を丸めている。
「また殿上人が襲われたんだって?」
「ああ。そうらしい」
「??」
陰陽生が渡殿を歩きながら喋っている。その一人は、藤原敏次だった。
「敏次殿だ」
「むむっ。敏次?あいつ、昌浩に何かと行ってくるくせに、あいつの方がサボってるじゃねーか?」
「まあまあ。もっくん、二人の話を聞いてきてよ」
「了解」
昌浩は墨をすりながら、物の怪に言った。





「じい様。失礼します」
「うむ」
陰陽寮から帰ったあと。昌浩は晴明に呼ばれた。
部屋には月夜と成親と昌親が居た。
「えっと……なんで兄上たちが?」
「俺たちもおじい様に呼ばれたんだ」
「月夜は?」
「同じく晴明様に。それに、昌親様にもご挨拶をと」
晴明はにこりと笑うと、話し出した。
「実はいま、ろくろ首が都を徘徊して、殿上人が被害に遭っているらしい」
「もっくん、それって……」
「ああ。陰陽寮でも今話題だぞ」
「おお、そうであったか」
晴明はほっほっほと笑ったが、その目は明らかに最初から知っている目だった。
「それで、おじい様。俺たちにどうしろと?」
「ふむ。成親と昌親と昌浩。それから月夜殿にろくろ首の退治を頼みたいのだ」
「俺と兄上と月夜に?」
「そうだ」
昌浩は、二人の兄を見て、そして月夜を見ると、なんで?という顔をした。
「まあよいではないか。成親と昌親と昌浩は、忙しいから、月夜殿にろくろ首のことなどを調べてもらうことにした」
「そのために、私を呼んだのですね晴明様」
「さよう。それじゃあ明日からよろしく頼むぞ」
そういうと、晴明は笑った。


「……明日はどうするんだ」
「市に行って、いろいろ見てくるの」
夕餉が終わり、自室で書物を読んでいる月夜の傍らに、青龍が柱に寄りかかって座っていた。
「それに、明日彰子と約束したの。一緒に市に行こうって」
そう言うと、月夜は楽しそうに笑った。おそらく、同い年の少女と市に行くのが楽しみなのだろう。
「お師匠様の邸にいるときなんて、周りには誰も居ないのよ。いるのはお師匠様の式だけ。たま〜に、お手伝いの人が来るけど、だいたいが男の人だもの」
ふふっと笑う月夜。
(……十年前と変わらないな……)
月夜の笑顔を見て、自分もほっとする青龍であった。

Re: 少年陰陽師〜女陰陽師現る〜 6話更新 ( No.24 )
日時: 2010/07/29 16:48
名前: 愛花 ◆2q.Yl4xWoM (ID: PWqPGq9p)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

〜九〜 初めての友

「へ〜、じゃあ、雲仙様のお屋敷にも式がいるの?」
「ええ。六人の式がいるの」
二人の少女——彰子と月夜は、市に向かいながら談笑を楽しんでいた。その一歩後ろには十二神将の朱雀、天一が穏形していた。青龍もついてきているはずだが、朱雀と天一にも分からない。しかし、月夜だけは感じ取っているようだった。
「今度お師匠様の邸に行ってみる?多分いろいろすごいから」
「??」
意味ありげな月夜の笑い方に、首をかしげるしかない彰子だった。



市からの帰り道。月夜の傍らに、神気が降り立った。
「…青龍?」
「え?あ、彰子知ってるのね?」
「ええ。でも……」
なんで?と言う言葉を遮るように、青龍は月夜に言い渡した。
「三条大路で一騒ぎあった」
「やっぱりね。風に乗って妖気がするわ」
「月夜様。どうなさいますか?」
後ろから、恐る恐る天一が訪ねてくる。
「天一と朱雀は、彰子を連れて邸に戻ってて。彰子を守ってね」
「かしこまりました」
「引き受けた。さあ、彰子姫」
「う、うん。気をつけてね?」
「大丈夫よ。青龍が居るもの」
月夜はにっこりと笑うと、三条王子に颯爽と走っていった。


—三条王子—
「ここら辺かしら」
「ああ、先ほど通行人が一人腕を怪我したらしい」
「そうなの?だったら気を引き締めて行かなくちゃ」
月夜が着物のすそをまくり上げた時

きゃーーー!!!

「!?」
「あっちだ!!」
三条大路にいた二人は、二条大路に向かった。

「……これは……」
月夜と青龍が見た光景は鬼女が、通行人の女性を脅かしていた。
「と、とにかく!」
月夜は素早く刀印を切った。
「臨める兵闘う者、皆陣破れて前に在り!」
そして大きく刀印を振りかぶった。霊力が刃となって鬼女を直撃する……はずだった。
「うそ……」
鬼女はそんなものもろともせず、消えていった。
「どういうこと……?」
「分からん。だが、お前の霊力は昌浩より上だと言っても過言ではないはずだ」
落ち込んでいる月夜の隣に来て、青龍が言った。
「……どうして……」
「落ち込むのは後だ。雲行きが怪しい」
青龍は空を見上げると、月夜の肩に手を置いた。
慰めるように……


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