二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

【ボカロ】夢に惑わされて、【人柱アリス】  
日時: 2011/11/17 22:22
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21031

 夢は一時の願いを膨らませるのでした。


.

@ ご挨拶、

どうも、知ってる方は知ってるでしょう蟻です。
今回は私のスレッド、[ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた]からのリクエストで人柱アリスがあったのでこうして作らせていただきました。
長くなりますが、できるだけ詰め込みますので、宜しくお願いします。
この解釈が気にいった方は、上記のスレッドも見ていただけると嬉しいです。
ちなみに、更新は参照を優先させるので、こちらの更新は遅めになりますがご了承ください。

では、ルールを守ってゆっくりしていってね!

@ お客様、
ウォーカーさん

@ 目次、
#00 - 願望 ( 初めの少女と全ての原因 )
>>1 >>2
#01 - 正義 ( 正しいモノは案外脆い )
>>7 >>8 >>9 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16



.

( 人柱にされたアリスは今頃何を想う? )

Page:1 2 3 4 5



Re: 【ボカロ】夢に惑わされて、【人柱アリス】   ( No.1 )
日時: 2011/08/09 15:03
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

#00 - 願望



 真っ暗。目は役に立たない。僕は今どこに居るんだろう。死んでないけど死にかけの僕は、今何をしているんだろう。意識も何も分からない。微かに息をしているちっぽけな僕は、色々ぐちゃぐちゃに混ざり合って何が何だか分からない。だけど、小さい僕だからこそ、死にかけの僕だからこそ、願い事が沢山ある。
 その夢は、叶わない。けれど、本当に? 
 ちっぽけすぎて誰が見たのか分からない、夢は。小さな人が見た小さな夢は。叶わないのだろうか。でも僕は思う。このままじゃ、嫌なんだ。こうして死ぬのは、嫌なんだ。
 誰の目にも映らないまま消えていくのは嫌なんだ。でも、どうしたら。どうしたら人の目に映る。どうしたら人に見てもらえる。
 ——もういっそ、消えてしまおうか?
 『僕』は消してしまおうか。その方が、傷つかない。寂しい時間も人生も、過ごさなくていい。
 ああ……今まで逃げてきた銃声の音が鬱陶しい。大砲も、火炎放射も逃げる事なんて馬鹿馬鹿しい。けれど。そんな人を傷つける物を生み出した人に注目して欲しいと思っている僕もまた。馬鹿なのかもしれない。
 
 真っ暗だけれど、目を閉じる。僕は僕を消して。僕を終わらせて。僕を殺して。そうして、存在しないけれどそこに存在する夢と言う位置に立って、人を夢に惑わせて迷い込ませて。
 そうして——新しい僕を作ろう。神と言われる僕に。人の中で素晴らしい存在になれる様な。そんな僕に、僕はなりたい。

 素敵な招待状を、ばら撒いて。
 僕がキミ達の『世界』になれる様。そんな素晴らしい時を夢に見て。

 そうして僕は、眠りについた。



 

Re: 【ボカロ】夢に惑わされて、【人柱アリス】   ( No.2 )
日時: 2011/08/09 15:22
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

 世界は私を見下す。そんな世界は死ねばいい。いっそ夢に依存できればいいのに。夢は好き。私の好きにできるそんな世界。
 そう思っていた昼の一日。
 私は窓の外を見ながら世界に罵声を吐き出していた。私が楽で居られない様な世界は、私は嫌い。
 この世界はどこも息苦しくて、生きづらい。友達なんて面倒な物も今は嫌い。大人なんて偉い人も嫌い。誰かに縛られて抗えない私も嫌い。もっと嫌いなのは、誰にでも正しくて世界に抗っている奴が嫌い。
 私が好きなのは、夢と眠る私だけだった。考え事ばっかで根暗で、嫌だ。
 
 「やあどうも、お嬢さん」

どこからか声した。誰の声だろう。自分の顔が怪訝な表情になるのは、自分でもちゃんと気付いていた。私は辺りを見回すが、その声の主は居ない。

 「居ると思えば、ちゃんと見えるよ」

声は、優しい口調で私を導く。声の通りにして私は落ち着くと、見えた。と言うより、浮かんできた。黒い、人のシルエットの様な。だけど人と言うにはあまりにも小さい。まあその人っぽいものが脳に浮かんで、私に語る。

 「ハローハロー。初めまして。僕はキミが望んでいるモノだよ」
 
——私が、望んでいる。
 睡眠だろうか。それとも世界を滅亡する力を持っている何かだろうか。私は考えるが、思い浮かぶものはない。さっき私が考えていた事も思い出そうと頑張ってみるが、どうやら私はそこまで記憶力がよくなかった。
 夢の様な出来事に、頭が混乱するのも仕方ない。……夢。私が望んでいるもの。

 「大正解。ぴんぽーん。キミが望む通り、僕は夢。キミが望んだ通りになった。キミは僕に依存していいんだ。いいんだよ」

何だか、ふわふわな気持ちになる。やはり、睡眠とか夢とか、そう言う意識がないのは幸せだ。眠くなって私は目を閉じる。
 
 「キミがそれをクリアしてくれたら——の話なんだけど」
 


next ⇒ #01
  

Re: 【ボカロ】夢に惑わされて、【人柱アリス】   ( No.3 )
日時: 2011/08/09 15:47
名前: ウォーカー ◆eY6C676Zvw (ID: Dscjh0AU)

はじめまして
#00からいきなりおもしろそうですね
以後お見知りおきを(笑)


Page:1 2 3 4 5



この掲示板は過去ログ化されています。