二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】
- 日時: 2011/08/19 13:43
- 名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)
こんにちは!「細玲雄」と書いて、ガリレオと読みます!(うわっ無理やり・・・・・
相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】をクリックしていただき、本当にありがとうございます。
この作品の舞台は、神様のメモ帳となっています。そこに、転校してきた夏目がinするので、妖怪はあんまでてきません・・・・orz
ちなみに、細玲雄は基本アニメしか見ていないので、原作無視で(というか原作知らない)「ん?」ってなることが多少あると思いますが、気にしないで読んでくれるとありがたいです。
オリキャラも出てきます!よろしくお願いします。
≪P.S.≫
細玲雄は、コメントをもらうとメチャメチャ喜んで泣き叫びます。特にオリキャラに関してコメントをいただくと、喜んで泣き叫びながら踊りだします。ΣΣ(゜д゜lll)
コメント、お願いします!(*`・ω・´)ノ゛
- Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.34 )
- 日時: 2011/08/22 00:11
- 名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)
朝。
今日は学校が休みだ。だからアリスのもとに行かなくては。
いや、その前に的場さんにカンナギの雫を渡さなきゃ。カンナギの雫を見る。日光に当てられてまぶしい光が反射し、一層綺麗に見えた。
今日は朝から天気がいいな。
朝食を済まし、私服に着替える。カンナギの雫を紙袋に入れて外に出かけた。
的場さんに電話をかける。
ピピピピピ・・・・・ピ
『はい、もしもし』
「あ、的場さんですか?藤島です」
『ああ、おはようございます』
「カンナギの雫は手に入りました。えっと、どこで待ち合わせをすればいいでしょうか?」
『おお、流石ですね。そうですね・・・・・今、どこにいますか?』
あたりを見渡す。ここからだと学校が一番近い目印だろう。
「高校の近くです」
『わかりました。私も今からそちらへ向かいます。学校で待ち合わせしましょう』
「分かりました」
ピ
携帯を切る。
カンナギの雫を見る。
本当に、これで夏目は救えるのだろうか?いや、救わなくては。四代目にもそう言ったのに。今更弱気になってどうするんだ。
と、その時。
「うらぁっ!!」
後ろから何か固いもので思い切り殴られる。バットだ。痛い。地面にひれ伏す。地面の冷たさが皮膚を通して体全体に広がる。
「ヒヒ・・・・・これはもらってくぜぇ。倉科会がな」
数人の男が僕を囲む。その一人が持っていたのは、カンナギの雫の入った紙袋だった。
「な・・・・・ま、待って・・・・ぐふっ・・・」
「てめぇ、うぜんだよ。これがどういうものかも知らねェくせに。これはな、倉科会が持っていたほうが良いって淳也さんが言ってたんだよ!」
淳也?誰だ?と、そんなことを想ったところでもう一発殴られる。
「てめぇはそこで死んでろ。あばよ」
待て・・・・・・それは・・・・・
「ぐっ・・・・・・」
立ち上がろうとすると後頭部の痛みが増す。変なところを打たれたか?
よたよたとやっと立ち上がった時には倉科会と名乗る者たちはいなかった。
しまった。カンナギの雫が・・・・・・。
急いで携帯電話を取る。
ピ・・・・
『もしもし?どうかしましたか?』
「すみません、的場さん・・・・・。いきなり倉科会と名乗る者たちに暴行を受けてカンナギの雫を奪われてしまいました・・・・・」
『なんですって?倉科会?』
「はい、そう名乗っていました・・・・・」
『・・・・しろ。・・・・・だ。・・・・・科会を・・・・。』
「え?」
『・・・・ああ、いえ、すみません、こちらも少しあわただしくて。それで、藤島さんは無事なんですか?』
「ええと、後頭部をバットで殴られたりしましたけど、なんとか」
『それはいけない。すぐにそちらへ向かいますよ』
「い、いいんですか?僕、カンナギの雫を持っていないのに・・・・」
『困っている人をそうたやすく見捨てられませんよ。まあ、待っていてくださいね』
- Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.35 )
- 日時: 2011/08/22 00:28
- 名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)
「やれやれ、お前も懲りないやつだな。また平坂組とやらに行くのか?」
「しょうがないだろ。カンナギの雫はあそこにあるんだから」
「だけど、ウチと関ったら、その時は容赦しねぇってあの銀髪男は言っていたぞ?」
「それは・・・・・なんとかする・・・・と思う」
正直、不安でいっぱいだった。
次は殺されてもおかしくなかった。
だけど、このまま黙っているわけにもいかない。
「夏目様・・・・・そこまでしなくても、私はいいのですよ?あの人の顔を見れただけで・・・・・」
「約束したじゃないか。今更引き下がれない。それに、スミレだけが責める必要はないんだ。これは、俺の我がままでやっているんだから」
「我がまま・・・・・」
「そう、わがままだ。妖怪と関るのも、こうして動くのも、全部俺の我がままだ。だから、スミレが自分を責めることなんて何一つないんだ」
「夏目様・・・・・・」
「ボコボコニされに行くのかい?まったくレイコの孫だというのに物好きだねェ」
「ただボコボコにされに行くんじゃないよ。ちゃんと、話をする。昨日は唐突だったから。今回はしっかりと話がしたい」
とはいっても、あの人が話をしてくれるような感じではなかった。
いくら俺の話を言ってもまるで信じてはくれなった。
妖怪の話は伏せて、何とか言いくるめられないだろうか?
と、そんなことを考えているうちに、平坂組の前まで来てしまった。
「で、どうするんだ、夏目。入るのか?」
「・・・・・・まだ、言葉を考えてなかった。どうしよう」
「レイコみたいにバットを振り回していけばいいじゃないか」
「それじゃあ、昨日みたいに拷問されるだけだ」
拷問のことを思い出すと、昨日の傷がうずく。まだ痛みは引いてない。
「言ったよな。次ウチと関ったら、その時は容赦しねぇって」
殺気立った声が正面から聞こえた。
見ると、あの銀髪の男が目の前にいた。
「っ!!え、ええと、その・・・・・・」
「なーにビビってんだか」
「なっさけないねェ。とてもレイコの孫とは思えないよ」
「う、うるさいな、ちょっと黙っててくれよ!」
「ぁあ?」
「あっ・・・・・・ええと、その、ちがうんです!これはその・・・」
ニャンコ先生たちのせいでもっと状況が悪化してしまったではないか!
俺は二人を睨みつけるが二人は知らんぷりといったように顔をそむけた。
「てめぇ、警告してやったのにうるせぇだと?覚悟はできてんのか?」
「ち、違います!そうじゃありません!」
「何が違うん・・・・・・・っ・・・・・・」
突然、銀髪の男が右手で目頭を押さえる。眩暈でも起こしたのだろうか?
「・・・・・あ、あの・・・・・大丈夫ですか?」
「チッ・・・・・・昨日からおかしいな・・・・・・」
「昨日から?」
「・・・・・うちの組員が、立て続けに眩暈やら頭痛で倒れてる。原因は不明なんだが・・・・・・って、てめぇには関係ねぇだろ」
「・・・・・・祟られてるね、ここ」
「えっ!?」
驚いてヒノエを見る。
ヒノエは平坂組の建物に目を光らせていた。
- Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.36 )
- 日時: 2011/08/22 00:45
- 名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)
「ま、おそらくカリメが入り込んできたのだろう。昨日からということは・・・・・・」
「考えられるとしたら、カンナギの雫だねぇ。あれに何か、強力な魔よけの術が貼ってあったんだろう。昨日の騒動で、誰かが動かしたりして術が解かれたんじゃないかぃ?」
「もしかして、それで術がなくなったところでカリメが入り込んできたのか?」
「カリメ・・・・・・なんだ、それは?」
銀髪の男が目頭を押さえながら尋ねてくる。
「あの・・・・昨日、カンナギの雫を動かしたりしませんでしたか?」
「カンナギ・・・・・・お前の所にまだ渡ってないのか?」
「え?」
銀髪の男は辛そうに話を続ける。
「昨日、園芸部がお前を助けたいって言ってあれを持ち出した。お前に渡すって言ってたが、まだ渡っていないのか?」
「藤島が・・・・・・・俺に?」
藤島・・・・・。ありがとう。でも・・・・・・。
「この建物は祟られています。だから、みんなが次々に倒れていくんです」
「・・・・・お前、相当イッてるな・・・・・・」
「信じてください!!!」
飛び切り大声を上げた。
短期間でここまで人間を弱らせるということは、今回はかなり凶悪化したカリメだろう。早く追い払わなければ、ここにいる人たちはきっと死んでしまう。
「カリメと言って、気に入った家に住む人々に嫌がらせをして追い出し、自分がその家に住もうとする妖怪がいるんです。今回の奴は、すごく凶悪化している・・・・・。ヘタすれば、全員死んでしまいます。」
「・・・・・・じゃあ、お前は一体何をしたいんだ?」
よかった。話を呑んでくれた。
「俺が、カリメを追い払います。協力してください」
「おい、夏目!こいつらはお前を昨日、さんざん痛みつけたやつらなんだぞ!そんなやつら、カリメの餌食になってしまえばいいだろう!」
「まったく、本当にお人好しだねェ。人嫌いだったレイコとは大違いだ」
「夏目様・・・・・・・」
妖怪たちが何かを言っている。けれど、何も耳に入ってこなかった。
「・・・・・・じゃあ、次々と倒れていく原因はそのカリメとかいう妖怪のせいで、それをお前は追い払うって言ってだな」
「はい。」
「・・・・・お断りだ。そんなごっこに付き合っている暇はねぇ」
「ッ!ごっこじゃないんです!お願いです、信じてください!」
「夏目ー帰るぞー。こいつらも断っているんだ。だったら追い払う必要もない」
ニャンコ先生は悠長に言うが、俺はまったくそんな気はない。
「・・・・・・・もし、これで追い払っても倒れる人がいるんだったら・・・・・・」
「・・・・・・どうする気だ?」
「俺を殺して、結構です」
- Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.37 )
- 日時: 2011/08/22 01:03
- 名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)
「・・・・・・その言葉に、二言はねぇな」
「はい」
「おい、夏目ェ!」
「バカかいィアンタ!こんなことしてどうするのさ!」
「夏目様!!」
妖怪たちは、俺を責める。だけど、ここまで来たら引き下がれない。
「・・・・・・いいだろう。勝手にしろ」
「ありがとうございます」
「おい夏目!今回のカリメはかなりでかいぞ!お前ごときの力じゃ追い払うことはできないかもしれないんだぞ!」
「それでもやる。ここの人たちが死んでしまうのを、黙って見過ごすなんてできるわけないじゃないか」
銀髪の男が俺をちらりと見た気がした。
しかし、何も言ってこなかったので気のせいだと思った。
室内に入る。
どんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどん
上の方で、何かが駆け回る音がした。きっと、カリメだ。
「チッ・・・・・またか」
「こういうこと、前にもあったんですか?」
「昨日からだ。見に行ったが、何もいなかった。そういや、見に行った奴から倒れているかもしれねぇな・・・・・・っ・・・・」
「大丈夫ですか!?」
いきなりよろめいたのでびっくりする。
「こやつ、かなりやられているな。立てているのがやっとだ。ま、常人でまだ立てるほうが、化け物だが」
そこまでひどい状態なのか。
俺は、銀髪の男の肩を支えながら椅子に下した。
顔色が悪い。息が荒い。辛そうだ。
俺はもう一度天井を見た。
「カリメだね。おそらく上にいるよ。多分、あたしたちにも気づいている。」
「一度、会ったことがあるんだ。それで、レイコさんの記憶を頼りに追い払ったんだ」
「レイコの?なるほど・・・・。それなら、かなり強力だろうね。まあ、まだ五分五分だけど」
五分五分か。いや、自分を信じてやるしかない。
「・・・・・すみません、この部屋、かなりぼろぼろになると思いますが、俺が弁償します。だから、今だけは許してください」
「・・・・何を・・・・・・するつもりだ・・・・・?」
「追い払います」
- Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.38 )
- 日時: 2011/08/22 01:26
- 名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)
ニャンコ先生やヒノエ、スミレに手伝ってもらって追い払う陣は完成した。
あとはカリメを待つだけ。
どんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどん
足音がだんだんこちらへ近づいてきている。
来た。
「夏目ぇ・・・・・・・夏目ぇぇぇレイコぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
バッとドアが開かれる。
このまえよりもでかい!
「夏目、いまだ!!」
ニャンコ先生の合図で、力をこめる。
「ここを荒らすことは許さない・・・・・出ていけ!!」
フゥゥゥ・・・・・・
「ゥウウウ・・・・・・ゥァアアアアアアア!!!」
ドガァァァッ
「————————————・・・・・・!!」
「ふぅ・・・・・・やったね、夏目。どうやら、カリメは追い払われたみたいだ」
ヒノエの言葉で、一気に緊張の糸が切れる。
「な・・・・・んだ、これは?」
「・・・・・・・・あ」
銀髪の男の声で、部屋のありさまに気付く。
部屋中、窓ガラスは割れるは床はぼろぼろになるは壁紙はズダズタに破れるは、それはひどい有様だった。
「!・・・・・頭痛が・・・・・消えて・・・・」
「ごめんなさい!俺が、弁償します!」
夏目はすぐに頭を下げる。
しばらく沈黙が続いた。
「・・・・・・頭痛が消えた。・・・・カリメは追い払えたのか?」
「!・・・・・はい。よかった、治ったみたいで・・・・・・」
「・・・・・・弁償しなくていい」
「・・・・・・え?」
「金は、俺らで何とかする。追い払ってくれた借りがあるからな。組を代表して、礼を言う。——————助かった」
「・・・・・・・!!・・・・はい」
心が、満たされた気がした。
妖怪に関係したことで、見えない人にお礼を言われたのは初めてだった。多分、すごく、嬉しかったんだ。
「それから・・・・・・お前の言う妖怪、信じることにしたから」
「・・・・・・え!」
「まだ、信じられねェ部分はあるけど・・・・・・あの約束とかいうのは本当だって信じる。昨日は、悪かった。治療代もウチがだす」
「そ、そんな、悪いですよ。これは、俺が勝手にやったことだし・・・・・」
「俺はそうは思っていねぇ」
「え・・・・・・」
「たとえお前が勝手にやったことだとしてもだ。それが誰かのためにつながるっていうのなら、一人の責任にするんじゃねぇ。そうだろ?」
「・・・・・・・はい」
そうか。
もう、俺は一人じゃないんだ。
だから、周りにいるニャンコ先生や、ヒノエ、そしてスミレ。一人で背負いこむなとか言ってた割に、自分が一番背負っていた。
だから、頼っていいんだ。
俺には、みんながいるから。
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