二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】
日時: 2011/08/19 13:43
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 こんにちは!「細玲雄」と書いて、ガリレオと読みます!(うわっ無理やり・・・・・

 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】をクリックしていただき、本当にありがとうございます。

 この作品の舞台は、神様のメモ帳となっています。そこに、転校してきた夏目がinするので、妖怪はあんまでてきません・・・・orz

 ちなみに、細玲雄は基本アニメしか見ていないので、原作無視で(というか原作知らない)「ん?」ってなることが多少あると思いますが、気にしないで読んでくれるとありがたいです。

 オリキャラも出てきます!よろしくお願いします。



≪P.S.≫

 細玲雄は、コメントをもらうとメチャメチャ喜んで泣き叫びます。特にオリキャラに関してコメントをいただくと、喜んで泣き叫びながら踊りだします。ΣΣ(゜д゜lll)

 コメント、お願いします!(*`・ω・´)ノ゛

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.29 )
日時: 2011/08/20 23:24
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「知り合いか?園芸部」

 僕は夏目の顔を見た。一言でいえば、ひどかった。今日、不良にボコボコにされた上に、今度はヤクザにボコボコにされるのだから。

「・・・・・・僕の、クラスメイトです。昨日転校してきたばかりで・・・・・」

「・・・・・藤島・・・?」

 夏目がうっすらと目を開ける。それすらもきつそうだった。

「こいつはカンナギの雫を狙っていた。理由は知っているか?」

「・・・・・いえ」

「こいつが何者か知ってるか?」

「・・・・・何者っていうのは・・・・」

「どこかの組のモンかって聞いてんだ」

 ヤクザじゃない。それだけは分かるけれど、どうして平坂組の宝物を狙ったのかわからない。

「なんで狙ったか聞いても「約束だから」としか答えねぇ。その約束ってのは何か知っているか?」

「約束・・・・・・・」

『約束したんだ。スミレと』

 夏目の言葉を思い出す。不良のもとに行こうとしていた夏目。僕が止めたときに言った言葉だ。

 もしかして、その約束とやらはスミレという人と関係しているのだろうか。

「そのスミレってのは誰だ?」

「え?」

「いま、スミレという人と関係しているのだろうかって言っただろ」

 うわっ、また想ったことを口に出してしまった。

「い、いえ、あの・・・・・夏目は、幻覚が見えるみたいで」

「幻覚?」

 あの行動は、そうとしか言いようがない。

 あの不自然な動き。花としゃべりだしたり。幻覚が見えている。だから、スミレというのも幻覚なんだ。

 しかし、引っかかるのが本庄だった。

 本庄も幻覚を見ていたのか?

 いや、本庄ははっきりとスミレのことは言っていなかったし、第一スミレのことは知らないといっていたじゃないか。

「学校でも、見えないものを見えていたり、そういう発言がすごく多くて・・・・・。とにかく、不思議なんです。昨日も、花としゃべったりいるはずのない女子高生を見たり・・・・・・・」

「・・・・・・・。」

「壮さん、もしかしてこいつ、きめてんじゃ・・・・」

「いや。薬は飲んでねぇだろうな。だが、幻覚が見えるってのは本当か?」

 四代目は夏目を見る。

 夏目は何も言わない。

「・・・・・・・分かった。今回は見逃す」

「そっ壮さん・・・・」

「その代り、次ウチと関ったら、その時は容赦しねぇ。生憎、俺もてめぇみてーなガキと付き合ってるほど暇じゃねぇんだよ」

「・・・・・・・・。」

「園芸部。後は頼んだぞ」

「・・・・・・はい」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.30 )
日時: 2011/08/20 23:32
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 僕は、夏目を椅子から解放する。それから、肩を貸して外に出た。

「・・・・・・ごめん・・・・・藤島・・・・・」

 夏目はすっかり弱り果てていた。

 そんな夏目が見てられなかった。

 どうして、ここまでするのだろう。所詮、幻覚なのに。

 このまま幻覚に振り回されていたら、きっと夏目は死んでしまう。

「・・・・・・なんで、平坂組の宝物なんて狙ったんだ?」

「・・・・・約束、なんだ・・・・・。スミレとの・・・・・・」

 やっぱりだ。

 夏目は幻覚のためならなんだってやってしまうんだ。

 そんなの———————————ダメだ。



「もう、やめようよ」



「え・・・・・・?」



「幻覚なんかのために、そんなことしてたら、迷惑だよ」



「・・・・・違う、幻覚じゃない、違うんだ、藤島!ちゃんと、いるんだよ!」

「いないよ!どこにも・・・・。もう、やめようよ。夏目がここまで傷つく必要なんてないじゃないか・・・・・」

「藤島・・・・・」

「いい加減、目を覚ませよ・・・・・。こんなことやって、何のためになるんだよ」

「・・・・・・・・」

 夏目は、やりきれないような表情だった。

「・・・・・・今日は、バイト行けないかな・・・・」

「・・・・・・ごめん・・・・・」

「ミンさんには、僕が電話で伝えておく。家まで、送るよ」

「・・・・・・いや、いい。一人で大丈夫だから」

 夏目は、僕から離れるとよたよたと歩いて行った。

「・・・・夏目・・・・」

 何もいないよ、夏目。

 幽霊なんていないんだ。だから、目を覚ませ。

 幽霊なんかいなくても、僕らがいるから。

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.31 )
日時: 2011/08/20 23:48
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

「もう、やめようよ」



「え・・・・・・?」



「幻覚なんかのために、そんなことしてたら、迷惑だよ」


 一瞬、何を言っているのかわからなかった。

 それでも、藤島は妖怪のことを言っているんだと分かると、どうしようもなく辛くなった。

「なっ・・・・このガキ、あたしらを幻想だってぇ!?見えてもいないのに生意気な!!」

「まったくだ。このガキ食ってやろうか」

 ニャンコ先生たちが怒るのも無理もない。

 勝手にいない存在にされて、怒らないはずがない。

 そして俺も、同じ気持ちに駆られた。

 今まで俺が相手にしていたものはすべて、幻想だとでもいうのか?

 幻想なんかじゃない。ちゃんと、触れ合った。妖怪たちと一緒にいた思い出は、幻想なんかじゃない。

「・・・・・違う、幻覚じゃない、違うんだ、藤島!ちゃんと、いるんだよ!」

「いないよ!どこにも・・・・。もう、やめようよ。夏目がここまで傷つく必要なんてないじゃないか・・・・・」

「藤島・・・・・」

「いい加減、目を覚ませよ・・・・・。こんなことやって、何のためになるんだよ」

「・・・・・・・・」

 やはり、見えないと分かり合うことはできないのだろうか。

 俺は、見えない人とは相いれない存在なのだろうか。

『いい加減、妖怪か人か、大切な方を選んだ方がいい』

 名取さんの言葉がよみがえる。

 そんなの、選べない。選べるわけ、無いじゃないか。

「・・・・・・今日は、バイト行けないかな・・・・」

「・・・・・・ごめん・・・・・」

「ミンさんには、僕が電話で伝えておく。家まで、送るよ」

「・・・・・・いや、いい。一人で大丈夫だから」

 とぼとぼと歩いていく。

 悲しかった。辛かった。痛みより、そっちの方がつらいんだ。

「まったく、今日はエライ目にあったなぁ、夏目」

「夏目様・・・・・申し訳ございませんでした・・・・」

「・・・・・いいんだ、スミレ。俺が勝手にやったことだから」

「それにしても、カンナギの雫はどうするんだい?あの銀髪男、絶対に譲ってくれそうもなかったし・・・・・・」

「何か方法はあるはずだ・・・・。だから、大丈夫」

「何かって、まったくお前は・・・・」

 妖怪たちにあきれられる。

 妖怪のほうが、俺のことをわかっているのかもしれない。

 そんな気がした。

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.32 )
日時: 2011/08/21 00:02
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 どうして、夏目は分かってくれないんだろう。

 夏目が去った後、そんな思いだけが自分の中で渦巻いていた。

「夏目・・・・どうして・・・・・」

「夏目貴志。それがあの少年の名前ですね」

「!!」

 背後から声をかけられる。

 見ると、いかにも怪しそうな人が立っていた。

 右目は変な紙で隠されていて、髪が長くて後ろで一つに縛ってある。背中には長い筒のようなものをしょっていた。

「だっ誰ですか・・・・・・・?」

「幻覚が見えている、と言いましたね?」

「!!・・・・夏目は・・・・変なんです。何もないのに、あるって言い出して・・・・・」

「・・・・・・・完全に幻覚が見えていますな」

 その言葉を聞いて、やはり、と思った。

 どうすれば、夏目を救えるのだろう。

「カンナギの雫を狙っているといっていましたね?」

 この人、どこまで盗み聞きしていたんだ?

「・・・・ええ。なんだか、スミレっていう人との約束だといってました」

「スミレ・・・・・」

「髪がとても綺麗な女の人だとか・・・・ああ、多分それも幻覚の類だと思いますけど」

「なるほど・・・・・・つまり、その人のためにカンナギの雫を狙っていると。そして、それを持つヤクザにボコボコにされた。」

「はい・・・・・・」

「では、いっそカンナギの雫を夏目君にあげてしまえばどうでしょうか?」

「え?」

「それで気が済むのなら、その方がいい。なんなら、私が夏目さんに渡してあげましょうか?私、少々カウンセリングをかじっていたもので」

「本当ですか!?」

 なるほど、だからこれほどまでに夏目にこだわっていたのか。

 目つきは悪いが、口調もやわらかく、この人なら任せられそうだ。うまくいけば、夏目の幻覚も消えるかもしれない。

「じゃあ、お願いします。カンナギの雫のほうは、僕が何とかしますから」

「分かりました。かならず、夏目君に届けますよ」

「ええと、あなたのお名前は・・・・・」

 男がにやりと笑った。





「失礼、申し遅れました———————————的場静司と申します」

Re: 相身互いのネクローシス【神様のメモ帳×夏目友人帳】 ( No.33 )
日時: 2011/08/21 23:54
名前: 細玲雄 (ID: Uvcwa5h/)

 的場さんに連絡先を教えてもらい別れた後、僕はもう一度平坂組へと戻って行った。

「四代目・・・・。話があります」

 僕はほかの組員がいる中で四代目と相対する。ただならぬ空気を感じてくれたのか、四代目は拷問の跡を片づけていた手を止めた。

「・・・・・カンナギの雫を・・・・僕に譲ってください」

「・・・・・・・・・・何?」

「大事な宝物だっていうのは分かっています!だけど・・・・・このままじゃあ、夏目が壊れてしまう・・・・。夏目がどんどん遠のいていく気がしてたまらないんです」

「・・・・さっきの奴、お前のダチだったのか。悪いことしたな」

 四代目はほかの組員に合図して片づけを任せる。緊迫した空気はぬぐえないままだった。

「少しだけ、譲ってもらえればいいんです。それで、夏目の気が済むのなら、僕はそうしたい。それで、夏目が救えるのであれば・・・・」

「そんなんであのガキの幻覚が治るんだったら、医者はいらねぇな」

「でも、何かきっかけとか・・・・・・きっかけがあれば、夏目は普通の高校生に戻れると思うんです」

「・・・・・・転校生って言ったよな。しかも昨日来たばっかりの。そんな奴のためになんでそんなことするんだ?」

 僕はうつむく。僕だって、まだ夏目を信用したわけじゃない。だけど夏目は————————。

「優しいんだなって、言ってくれたんです。僕は今まで引っ込み思案で友達も少なかったから、ああいう同い年の人にそういわれるのは初めてだったんです。あの言葉だけは、幻覚なんかにしてほしくない。そのためにも、僕は夏目を救いたい」

 優しいんだな。

 あの言葉は、信じれたんだ。

 どんなに夏目がうそつきであろうと、今の僕はあの言葉だけは嘘ではないと確信している。



「・・・・・・おい、お前ら」

「はい!」

「カンナギの雫を持ってこい」

「は・・・・はい!男、磨かせてもらいます!」

「・・・・・四代目!」

 四代目は呆れたようにため息をついた。

「勝手にしろ・・・・・。その代り、貸すだけだ。必ず返せ。利子つきでな」

「えッ・・・・う・・・・は、はい」

 そしてカンナギの雫が渡された。

 中身を見ると、きれいな水晶体で、よく占い師が占いに使う感じのものを連想させた。

「ありがとうございます!」

 今日は遅い。

 明日、的場さんに渡そう。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



この掲示板は過去ログ化されています。