二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜参照七百超感謝!
- 日時: 2013/02/02 17:27
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
開始日【2012.9.22.】
皆さん!こんにちはじめましてっ!!
暇人作者、桜舞姫です。
今回も薄桜鬼で行きたいと思います。掛け持ちが溜っていく…
まぁ、ここでは簡単な挨拶のみ。次回のスレッドから、色々詳しい
事情はどうぞ。
目次 >>5
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.15 )
- 日時: 2012/12/09 15:47
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
皆さんこんばんは!
この辺りから、悪キャラが新登場いたします。でわ、オリキャラ紹介
いってみよー!
名前 燐華/リンカ
性別 女性
年齢 20歳
容姿 燃えるような赤髪と赤眼をもつ女性。椿の花をあしらった
忍び装束を着ている。
性格 天霧以上に礼儀正しく、感情をあまり持たない。
能力 炎を操る
名前 凍真/トウマ
性別 男性
年齢 19歳
容姿 短い黒髪に灰色の瞳をもつ。黒一色の忍び装束。
性格 不知火さんイメージ
能力 氷を操る力を持つ
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.16 )
- 日時: 2012/11/25 09:38
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
八話 闇より出でし者
くるりと土方が背を向け、全員がそれに続こうとした時、一人の青年の
声が響いた。
「みーつっけたっ!」
声と同時に氷の飛礫が幹部達を襲った。全員でとっさに
かわす。
「何だ今のは!?」
「おい、全員無事か!!」
「っ…何とかね。」
今自分達がいた所を見ると、障子には大穴があき、襖はなぎ倒され、
廊下の木板は飛礫で抉られていた。避けなかったらと思うと、かなり
ぞっとする。
「いけませんよ、急襲など失礼ではありませんか。」
「はぁ…お堅い事で、燐華さん。」
「…何者だ、お前ら!?」
砂煙の中から姿を現したのは、若い一組の男女だった。二人とも、闇を
切り取ったかの様な漆黒の忍び装束を着ている。目印のつもりか否か、女性の方には裾に椿の花があしらってあった。
「失礼致しました、新選組の皆々様。私、蛇の目の隣華と申します。」
女性は見事なまでの無表情で一礼した。感情が全くない。
その美しい顔は、面なのではと思ってしまう。
「ども、蛇の目の凍真でーす。…ったく、やっと見つけたぜ、姫?」
「くっ………」
姫。凍真は今、確かに少女の事をそう呼んだ。怯えたように一歩下がると、少女は千鶴の腕にしがみ付く。
「参りましょう`千乃`様。兄上もお待ちして—」
「ふざけないでッ!誰がもう一度あんな所にッ!!」
「…しゃーねぇ。…なら力ずくだ!!」
「お赦しをッ!!」
幾つもの氷の塊とまばゆい光が一つとなって、千鶴と少女に向かって
くる。千鶴が目をつぶり諦めかけた時、自分の目の前に少女の背中が
見えた。
「西を守護セシ猛き獅子よ!!今我が身に宿り、力を与えたまえ!
その剛身は我が身と共になり、その遠吠えにより悪しき物を遙か彼方
へと退けよッ!!」
難しい一文を慣れた様に暗唱し、両手を前にかざす。すると、迫って
きていた氷と光は、何かに押し負けた様に消滅した。
「ひゅう。さすが姫さん。」
「やはりお戻りになりませんか…」
「私は戻らない!帰りなさい!」
「…………」
その様子を、幹部達は呆然と眺めていた。
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.17 )
- 日時: 2012/12/06 18:09
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
九話 言葉術
重く圧し掛かる様な沈黙と、身体を射抜くような鋭い殺気がその場を
支配していた。
「さぁ千乃様。参りましょう。」
「俺らも任務なんでね。わかってくれないかなー?」
じりじりと少女に手を差し伸べて迫って来る二人の姿は、良く言って
忠実な従者。悪く言えば、暗殺者に思えた。
「任務…?どうせ`あの人`からでしょ。…私を利用する為に!」
「あの人……?」
幹部達は何がなんだかさっぱりだ。只一つだけ言えるとしたら、急襲
してきた二人は、少なくとも少女が目的だという事。
「…はぁ。しゃーねぇ。……燐華さん!!」
「了解。」
凍真が呆れたようにため息をつき、燐華と声を掛け合う。そして
「全てを凍てつかせたる存在よ!今我の鋭き矛となりて、彼の者共を
打ち滅ぼせッ!!」
少女に向かって、槍の穂先の様に尖った氷の飛礫が無数に放たれた。
「何度来ても同じ!北を守護セシ二対の水生よ!今我の意思と共に…」
「犠牲は好みませんが!」
「なっ!?」
呪文の様な言葉は途中で止められた。燐華の標的が、千鶴だったから。
「赦せ、名も知らぬ娘!…全てを消しさる紅き光よ!今我が力となり、
全てを燃やしつくせッ!!」
少し幹部達から離れて交戦していた少女は、いくら走っても間に
合わない。千鶴に、幹部達に火柱が突進する。そして同時に、少女にも凍真の放った氷の矛が迫りくる。しかし、少女の眼中に氷の矛はない。あるのは、炎に飲まれそうになっている人間達だ。
…なん………様……い…………ああ……ぁぁ……ぁぁぁぁ
「ぁぁぁぁぁぁああッ!!!!!」
雄叫びと共に、彼女の包帯に覆われた右目が、淡青色に光った。少女が手を伸ばすと…
「…!」
氷も、火柱も、風も。…全てが、停止した。
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.18 )
- 日時: 2013/01/04 15:28
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
十話 過ぎ去りし悪意
全てが、停止していた。
井戸桶から落ちる水滴も、風に飛ばされた木の葉も、今まさに、新選組
の者達に降り注ぐ氷の飛礫も。動く者は、そこに立つ者たちだけ。
「…く……ぁっ……はぁっ…!!」
苦しそうに肩で息をしながらも、少女は、千乃はそこに立っていた。
淡青色の瞳を、爛々と輝かせて。
「……時術。…我らが姫は、健在のようですね。」
「どーすんの、燐華さん。」
全てが停止した中で、忍び装束の二人が軽く言葉を交わし合う。その光景が、今はひどく不気味だった。
「任務完了です。ここは引き上げ…っ!?」
背を向けて歩き出そうとした燐華の目が千鶴を捕らえ、驚きに変わる。
凍真もゆっくりと笑みを浮かべた。
「おいおい、凄い幸運だな…」
「これはこれは。まさかこんな所で……」
恐怖で固まってしまった千鶴の方に二人が一歩踏み出すと、すぐさま
土方が千鶴を庇った。もう一歩踏み出すと、幹部達が守りを固める。
しかし、そんな事は意に介さず、燐華は千鶴に声をかけた。
「何故こんな所に居られるのです?…東北の気高き女鬼よ。」
「っ!!?…わ、たし…?」
「そ。あんたのことだよ?」
じりじりと忍びよる黒い影。それはまさに、二人が千鶴の事をも狙っているということを、明確に表す行動だった。
「てめぇ等…何者だ…!!」
「明かす必要ない、土方歳三。」
「何っ!?」
「どうしても知りたいのなら、千乃様にお伺いしろ。私達は去る。……
今日の所はな。…行きますよ凍真!」
「へいへい!」
人間とは思えない跳躍で二人は飛び上がり…闇に溶けるように去った。
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜【「作者より」新更新】 ( No.19 )
- 日時: 2012/12/26 15:07
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
十一話 蒼い宝石
二つの悪意が消え去った、夜の新選組屯所。暫くの間、彼らはただ呆然
と立っているしかなかった。
「……………」
しばらく俯いていた少女が、意を決したように顔を上げる。そして、
新選組の面々、主に千鶴の方を向いて、深く、深く頭を下げた。
「ご迷惑をお掛けしました。…そして、ありがとう」
「………」
謝ったのは、今の二人が自分に関係があると分かっていたため。そして
最後の礼は、自分の怪我を治療してくれた事に対して。
長くも短くもある二秒間。頭を下げ終わると、目を軽く伏せたまま門に
向かって走り出した。
「っ!斎藤!!」
「待てっ!」
土方の指示で走りだした斎藤が、すぐに追いついた。当然、普段から
剣術で鍛えているかいないか以前に、足の長さで速さは決まる。
追いついた斎藤が華奢な肩を掴んで引き寄せようとすると
「っ!!!」
「く……!!」
手を乱暴に振り払い、ようやく少女がその顔を皆に晒した。
……美しかった。低い位置で纏められた黒髪は艶やかに輝いている。
横髪がその色白い小顔を縁取っていた。
そんなにも美しい顔なのに、どこか常人と外れた感じがある。それは、
左にある菫色の瞳に相対して、淡く水色に輝く瞳の所為だった。
不安と強い意志に満ち溢れ、涙で濡れたその瞳は、蒼い宝石だった。
「何故、ここから離れようとする?」
「…私が此処にいたら迷惑がかかる。それだけです」
斎藤の静かな問いかけに、彼女もまた静かに答えた。
「なるほどな。しかし俺達としては、お前を此処から出すわけには
いかない。」
「っ!!?」
彼女の腕を素早く掴むと、払う暇さえ与えず引っ張る。振りほどけないほどの握力がかかっているのは、彼女の白い腕を見れば分かった。
「言っただろう。お前には聞きたい事がある。…斎藤、引っ張って
きてくれ」
「御意…来い」
「な…離してっ…!!」
少女の願いもむなしく、斎藤は無表情に細い腕を強く握った。
この掲示板は過去ログ化されています。