二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜参照七百超感謝!
- 日時: 2013/02/02 17:27
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
開始日【2012.9.22.】
皆さん!こんにちはじめましてっ!!
暇人作者、桜舞姫です。
今回も薄桜鬼で行きたいと思います。掛け持ちが溜っていく…
まぁ、ここでは簡単な挨拶のみ。次回のスレッドから、色々詳しい
事情はどうぞ。
目次 >>5
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.10 )
- 日時: 2012/10/08 21:08
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
3話 闇夜に輝くは
大通りに飛び出した少年が見た色は総合して3色だ。
「あ、うあ…」
紅。銀白。そして、浅葱。
「ひ、ひひひ…」
「血を、啜って、る…?」
先程の悲鳴の主であろう男の体に、二人の男が圧し掛かっている。
そしてその男達は……男の傷口から血を啜っていた。
「足り、ない…!」
血が足りない。そういう意味だったに違いない。そして男達は
「お前の、血…!」
「寄越せぇ!!」
標的を、少年へと移した。
「うがぁぁぁっ!!」
「せ、静止!!」
少年が一言単語を発した途端、右目が微かに光る。
光が瞬いたのだ。そして同時に、少年に刀を振り
降ろそうとした男も、何故かそのままの体勢で、
ぴたりと止まっていた。
「ふぅ…」
ホッと胸をなでおろす少年に、スッと影が差す。
その時思い出した。
「あ……!」
男はもう一人いたと。
「うあァァァァッ!!!」
最後に感じたのは、右目部への熱。
そして微かに視界の端に見たのは、己のものであろう
闇夜に輝く鮮血と、自分の方にかけよってくる
浅黄色とだんだら模様の白だった。
大通りについた土方達が見たのは、右目部から血を
流して気を失いかけている少年。
そしてその少年を殺そうとしている
「ッ!総司、原田ッ!!」
その男達こそ、自分達の探している『羅刹』達に
違い無かった。
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.11 )
- 日時: 2012/10/08 21:09
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
続き更新おーけーです。
お楽しみ下さい!!
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.12 )
- 日時: 2012/10/13 11:13
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
4話 夜劇の終焉
駆けつけた土方達は、そこに広がる光景に目を丸くした。
原田と沖田が羅刹を狩り、事態は収束したかに思われた。
……そう。被害者、目撃者さえいなければ。
「で。どうします土方さん?」
「さすがにまずくねぇか?」
駆けよってきた沖田と原田。そして原田が抱きかかえているのは、
右目を負傷した例の少年だった。今その右目には、手拭いがおかれ
晒で固定されている。止血のためだ。
「傷はよく見てないけど、失明はなさそうですよ。」
肩をすくめながら報告する沖田の様子を見て、本当に大丈夫だろうと
感じた。沖田はそういう男だ。
「でも、かなり出血してたからな。ちゃんと手当てした方がいい。」
「今山崎はいねぇからな…千鶴に診てもらうか。」
屯所にいる医療に長ける少女の名前を出し、土方は指示を下した。
「原田はそいつを連れて屯所に戻ってくれ。後片付けは俺と総司で
やっておく。」
「おし、わかった!」
「えぇ?僕もやるんですかぁ?」
了解し走り去る原田を見送りながら、沖田が不満げに声を上げる。
「たりめぇだろうが!動け総司!!」
はいはい。と言いながら羅刹達の羽織を脱がせて回収する。これは、
この化け物たちが自分達の仲間だと知らせないためだ。
…そう、新選組の仲間でない事を。
「死体はその辺に放っておけ。」
「はーい。にしても、こんな大通りでやられちゃうなんて。クク」
「笑い事じゃねぇよ」
表向きには、血塗られた夜劇は幕を閉じたのであった。
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.13 )
- 日時: 2012/10/20 17:32
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
5話 保護された者
土方と沖田が屯所に帰ると、幹部連中が多少慌しく動いていた。
「あっ。土方さん!!」
声をかけてきたのは、幹部の中でも最年少の青年。藤堂平助である。
手には水の入った桶を持ち、桶の中の水は血に染まっている。
「事情は後で説明する。千鶴は?」
「あぁ、今治療が終わってさ。…そうだ!土方さんを捜してたぜ!」
口早に伝えると、井戸の方へ立ち去っていく。
「土方さん、僕着替えてきてもいい?」
「あぁ、着替えてこい。」
沖田の言葉に軽く返してから、ひときわ明るい部屋に目を向けた。
その時その部屋の障子が開き、中から出てきたのは
「千鶴。」
「あ、土方さん!」
新選組屯所に保護されているワケありの美少女——雪村千鶴だった。
「ご苦労だった。…相手の傷の具合はどうだ?」
「はい。斬られていたのは瞼で、失明はないと思います。」
「そうか…俺を捜していたらしいが?」
土方の台詞にスッと千鶴の視線が落ちる。少しの間俯いてから、とても
言いにくそうに報告した。
「実は…お着物がだいぶ汚れてしまっていたので、もしかしたら他にも
お怪我なさっているのかもと思って、脱がせて…もらったら…。」
「女だったってわけか。」
「はい…って、え!?」
「薄々そんな気はしてたが…ん?どうした?」
唖然としたのもつかの間。千鶴はすぐに表情を変え噛みついてきた。
「どうした、じゃありません!!私びっくりしたんですよ!?わかって
いたなら、原田さんに言っておいてくれればっ…!!」
「確信がなかったんでな。すまなかった。」
土方に頭を下げられては、これ以上言う気はしない。大体千鶴自身、
女性ながら此処に保護された身なのだ。
…己が目的を果たすために。
その後二人で、少年の休んでいる部屋に向かった。
「こちらです。」
部屋の真ん中に敷かれた布団の上に、少年は顔の右半分を包帯で覆い
眠っていた。
「……見られただろうな。」
ふと呟かれた土方の言葉に、千鶴が小首をかしげる。
「いや、何でもねぇ。」
今だ眠っている少年を一瞥すると、土方は何も言わず、静かに部屋を
出ていった。
- Re: 薄桜鬼〜言ノ葉ノ姫君〜 ( No.14 )
- 日時: 2012/10/28 13:53
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
七話 目覚めた少女
少年が保護されてから、2日が経過した。顔には今だに包帯が巻かれている。本当は包帯替えをするべきだが、傷の切口が綺麗であり、面積は
狭くても傷は深いため、わざわざ包帯を変えて傷に障る様な事はしない
ほうがいい、というのが、千鶴、幹部達のだした結論であった。
そして、少年保護から3日目の夜。
「……ここ、は……?」
目をあけるとまず視界に入ってきたのは…茜色の天井だった。
そして、顔の右半分が窮屈だった。巻かれている包帯にそっと触れな
がら、身体を起こした。特に痛み等は感じない。
「蝋燭……」
天井が茜色だったのは、この蝋燭が明る過ぎる所為だったのだろう。
布団から出て、部屋を出ると空に月は無く、満天の星空があった。
「もう、夜なのか…」
星空に、ほぅ、と見惚れていたが
「……ッ!!」
いきなり表情を強張らせると、少年は走りだした。とにかく灯りの
点いている、人の声がする方へ。そして
「うぁっ!?」
「きゃぁ!!?」
可愛らしい悲鳴と共に、誰かとぶつかってしまった。
「い、つつ…」
「いた…あ、貴方は…!!」
少年とぶつかった少女—雪村千鶴は、顔を上げて驚いた。それもそう
だろう。自分の手当てした少年…いや少女が走り回っているのだから。
「あの、お怪我は—」
「教えなさい!私はどれくらい眠っていたのです!?」
「え?あッ!!」
彼女の襟首をぎりぎりと締め上げ、質問どころか拷問状態だ。
「おい、今の音は何だ!?」
「ちょっと君!?その子に何してるわけ!」
ぶつかった時の音を聞き、幹部連中が集まってくる。当然、千鶴からも
引き離された。
「大丈夫か、千鶴!?」
「う、うん…」
「おいお前…傷はいいのか…?」
話しかけてきたのは土方だ。千鶴を襲われたためか、その眼には鋭い
光が宿っている。
「…私を助けたのは…?」
「発見したのは僕達。治療したのはこの子だよ」
「………そう」
「お前さぁ、礼くらい言えないわけ?」
「……頼んだつもりはない」
少女の失礼極まりない態度に、だんだんと雰囲気が険悪になっていく。
その中で一つ、冷静な声が響いた。
「…広間で説明してもらう。来い」
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