二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 銀魂〜羽を折られた天使は飛べるのか。否、無様に地を這い回る〜
- 日時: 2010/04/28 16:53
- 名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)
どうも、紅です。
今回で二作目の作品です。
『FARIYTEIL』の短編集も書いているので、是非見に来てください。
注意事項
1・荒らしは止めてください。
2・コメント下さい。
3・コメント下さい。
です。2と3、重要です!!
この三つがOKな方は、このままお進みください。
- Re: 銀魂〜羽を折られた天使は飛べるのか。否、無様に地を這い回る〜 ( No.27 )
- 日時: 2010/04/25 17:58
- 名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)
真鶴さん>>つけたしありがとーございます!
がんばって入れられるように努力しますね。
紅さん>>おぉ、同じ紅さんですね!!
オリキャラ御馳走様です。
- Re: 銀魂〜羽を折られた天使は飛べるのか。否、無様に地を這い回る〜 ( No.28 )
- 日時: 2010/04/25 18:50
- 名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)
第六訓【だから私は】
じゃりが江戸の道を跳ねる。
血が空を染め。
咆哮が空気を切り。
汗が地に染み込んだ。
逃げなければ。
「待たせたな」
どんよりと曇ってきた夏の空に、その声が響く。
獣は足を止め、ゆっくりと後ろを振り返った。
血が、屋根に飛び散った。
「来いよ」
伸ばされた白い手。
血で濡れた赤い手で、獣はつかんだ。
「つまりお前等は、あの白衣の男達に頼まれて、あの獣追ってんだな」
土方達の後ろを追いかけながら、銀時が淡々と呟く。
それに友里亜は、後ろを振り返る事もせず頷いた。
「あぁ。面倒だが、前からあの研究員達がやってる事に目ぇつけてたんだ。ここで何かつかめば、すぐにあのクズ共を片付ける」
じりじりと夏の熱気に耐えていた屯所に連絡が入ったのが今から三十分前。
目をつけていた研究所で、モルモット(研究物)が逃げたらしい。
研究員五名死亡。三名重体。一名軽傷。
このままモルモットを野放しにするのは危険というのもあり始末を決行しようとするが、研究員達がそれを許さない。
やはりこの研究員達は何か幕府から隠していると考へ、その根源の獣を追っているのだ。
「つーか何でついて来てんだチャイナ。餓鬼はさっさと帰んな」
「テメーも餓鬼だろドSうううぅぅ!!」
前方で殴り合いを始める総悟と神楽に苦い顔をし、新八は不安そうに獣の行った方向を見つめた。
「あれがモルモットって……一体何やってんでしょう。明らかに僕達に殺意向けてきましたよね」
「モルモットはモルモットだ。どうせろくなモンじゃねえ。天人かもしれないし化け物かもしれねぇ」
「人も、有り得ます」
ポツリと呟かれた葵の言葉に、殴り合いをしていた二人まで息を飲む。
人が人で実験をする。
臓器売買は今まで何度もあったが、研究というケースは初めてだ。
「てか帰れよお前等」
「冗談。あんな殺意向けてきた奴の喧嘩買っといて、逃げるわきゃねえだろ」
冷静に言うが、やはりその顔にはうっすらと冷や汗が見える。
「とにかく追うぞ、なぁ。葵」
ふいに少し遅れてきている葵の名を土方が呼ぶ。
「………はい」
無表情の葵の顔に、どこか嬉しそうな気配が帯びる。
口が、ゆっくりと弧を描く。
それに気付いた者は、誰もいない。
「俺の使え」
暗い空の下。顔がよく見えない。
獣は『赤い』少女から渡された白い布を、やんわりと拒絶した。
首を、横に振る。
「すげえな……もう『再生』してる」
ゴポ、と肌が粟立ち、ゆっくりと開かれた傷口を塞いでいく。
それを見ながら、『赤い』少女は呟いた。
「一応これは仕事だ。俺はあんたの味方でもないし、あの真選組の仲間でもない。『あの方』が命令を出したからだ」
あの方。
記憶を失った獣に、それが誰なのかは知るよしもない。
しかし獣は静かに頷いた。
今は、助けになってもらおう。
「……神様」
『赤い』少女に聞こえない程小さな声で、先程まで呼んでいた神を呼ぶ。
果たして自分は神を呼んでどうしようというのだろうか。
教えてもらいたく呼び続けていたが、何故神を呼んだのかは定かではない。
神は答えなかった。
だから自分は先程「誰か」と呼んだ。
その誰かとは、一体。
獣は一匹、どんよりと曇った空を仰いだ。
- Re: 銀魂〜羽を折られた天使は飛べるのか。否、無様に地を這い回る〜 ( No.29 )
- 日時: 2010/04/25 18:57
- 名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)
さっそく赤姫ちゃん、葵ちゃん、友里亜ちゃんを使わせてもらいましたー。
オリキャラ入れるのって難しいね。
- Re: 銀魂〜羽を折られた天使は飛べるのか。否、無様に地を這い回る〜 ( No.30 )
- 日時: 2010/04/26 20:16
- 名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)
第七訓【あなたの血を】
「彼女は、見つかりましたか」
前面鏡の様な結晶が散りばめられた宇宙を連想させる藍色の空間に、一際目立つ金髪が、ふわりと翻った。
「はい、今『紅の十字架』と一緒に行動しています」
漆黒の髪の少年が頷くと、物憂げに金色の髪を持つ長身の者が溜息をついた。
「誤算でした……まさかこんな事になるとは……」
「彼女も馬鹿ではありません、このまま様子を見ましょう」
少年は近くにあった鏡の結晶に映る獣の姿を捉えると、その結晶を叩き割った。
「何してんだよ、お前は……」
もう片方の鏡には、獣が蹲る姿が、映っていた。
それは、永遠に続く無機色な日々。
その、成りの果て。
「あ、あれっ!!」
神楽が指差した先には、赤黒いマントを羽織った獣と、『赤い』少女。
どうやらこちらには気付いていないのか、獣は空を仰ぎ、少女はその獣を見つめていた。
「……どういう事だよ……」
赤黒いマントは土方によって斬られ、その肌は予想していた通り人の物だった。
しかし、彼等が驚いていたのはその事ではない。
破れたマントの下にある肌は、傷一つなく、真っ白だった。
「馬鹿な……さっき俺が斬ったはずじゃ……」
絶句する土方に頷き、総悟も赤い瞳を見開き見つめる。
「塞がっちまったんですかぃ」
「馬鹿。人がそんなに早く……」
「人じゃなかったら」
友里亜の言葉を遮り、葵が淡々とした口調で呟いた。
皆の視線が、彼女に集まる。
「人じゃなかったら…再生するかもしれません」
スッ、と細められた瞳は、獣ではなく隣にいる『赤い』少女へと向けられた。
それに気付いたかのように、『赤い』少女はニタリと笑った。
「なっ……!?」
銀時が反応するより早く、『赤い』少女は屋根から飛び降り身軽に地へ着地した。
「遅かったな」
「早い方だよ」
一瞬、『赤い』少女が葵の隣を通り過ぎる時、皆に聞こえない小さな声で会話する。
葵は隊士達には見せない無表情から微笑みへと表情を変えた。
しかしそれは一瞬の事。
すぐにその表情は元の無表情へと戻った。
「さぁ、始めようか」
『赤い』少女がそう呟いた途端、屋根の上にいた赤黒い獣が、ゆっくりと立ち上がった。
「…………………行かなくちゃ」
- Re: 銀魂〜羽を折られた天使は飛べるのか。否、無様に地を這い回る〜 ( No.31 )
- 日時: 2010/04/25 20:34
- 名前: Ive (ID: Rl.Tjeyz)
更新乙です^^
わー友里亜登場だー((
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