二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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†キノの旅†_______世界をまたぐ旅人
日時: 2011/10/31 00:28
名前: 二千六百年 (ID: hKAKjiZ3)

 こんにちは、二千六百年ふじむねといいます!
 『キノの旅________世界をまたぐ旅人』をクリックしていただき誠にありがとうございます!

 ええとですね・・・・・・。
 キノの旅の話が好きなので衝動で書かせてもらってます!←
 でもほかのアニメも大好きなので「ええーい!だったらキノとほかのアニメを一緒に妄想しちゃえー!」的なノリで生まれたのがこの作品です。

 どういうことかといいますとね・・・・・・・。
 キノがほかのアニメにトリップ(?)してしまうという話です。なのでシズ様や師匠はでない・・・・か・・・・・も・・・・・(すみません)

 とりあえず今考えているキノをトリップさせるアニメ様は・・・・
○神様のメモ帳
○バッカーノ!
○夏目友人帳
○No.6
○とある魔術の禁書目録orとある科学の超電磁砲

 という感じです・・・・・・。もしかしたら変更があるかもしれません。もし、「このアニメを書いて!」という要望があれば書かせていただきます!


それでは注意書き
☆荒らしはやめてください。へこみます。

☆駄文・誤字脱字のオンパレード。

☆コメントくださいぃぃぃぃぃぃぃ!!

☆更新スピードめっちゃ遅いです。



 それではよろしくお願いします!!

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Re: †キノの旅†_______世界をまたぐ旅人 ( No.19 )
日時: 2011/11/02 19:33
名前: 二千六百年 (ID: hKAKjiZ3)

「いいかい、ナルミ。作戦はさっき話した通りだ」
 アリスは、ナルミに言い聞かせるように強く念を押した。

「タイミングと、それから君の話術だ。それにかかっている」
「分かってる」
「無理に殴ろうと意気込むもんじゃない。君は人命を第一に考えるんだ。いいね?」
「うん、心配してくれてありがとう。大丈夫だから」
「なっ・・・・・・・!べっ別に僕はっ君のことなんて心配してないっ!君のその短絡的な思考回路にあきれているだけだっ!」
「えっああ、うん、でも、怒らなくても——————」
「怒ってないっ!」

 アリスに憤慨されて鳴海は肩をすぼめる。
「俺はヒロやテツと一緒にそっちへいけねぇ。なんかあったら、遠慮なくソレ使え」
 四代目が鋭く言い放った。
 ソレ—————————できれば使いたくない。

「まぁ、ナルミなら大丈夫だ。心配なのはキノの方だよな」
「キノこそ心配いらないよ」
 エルメスは、当たり前と言わんばかりの発言だった。

「それじゃあ、ナルミ。気を付けて」





「あの、どこに行くんですか?」
 キノは手足を縛られたまま男に尋ねる。

「××河原だ。そこで本物の人質藤島鳴海とお前を交換する」
「ああ、やっと、僕が人違いって・・・・・・アレ?ナルミ?ナルミを人質にするんですか?」
「なんだ、知り合いか?まぁ、いい。お前が人質だと厄介なことが発生した。だから、急遽変えることにしたんだ。」
 キノはあ、あの気の弱そうな少年、藤島鳴海を思い出す。
 絶対に精神的に持たないような気がした。

「あの、なんで藤島鳴海なんですか?」
「そりゃ、まぁ、雛村の義兄弟だしなぁ」
「え?ナルミが?やくざだったんですか?」
「なんだ、そんなことも知らなかったのか?ここらじゃ有名な奴だ。中国マフィアを退散させたりあの平坂さんをぶん殴って追い返したり」
「そうだったんですか?」
 流石の気のも驚きを隠せなかった。あのひ弱さそうなナルミのどこからそんなパワーがあるのだろう?

「ってなわけで、お前はもう用ずみだ。ほら、降りろ」
 男の合図で後ろのドアが開く。男に押されながら下りると、そこには川があった。河原だ。そして———————。


「よく、逃げずに来れたな、藤島鳴海」


 十数メートル離れたところに立っていたのはナルミ。どこか凛々しく、頼もしそうな雰囲気を漂わ褪せていた。
 キノはナルミを見る。ナルミはキノを見ると安心したように表情を緩めた。しかしキノは、無表情だった。いつものナルミのはずなのに、違う気がして。別人のような気がした。

「よし、人質交換だ。周りにはサツもいねェようだし、さっさと始めるぞ」
「その前に一つお願いがあります。キノと話をさせてください」
「ああん?ふざけんな、そんなこと言える立場かよ」
「謝りたいんです・・・・・・・こんなことに、巻き込んでしまったこと」

 そう言って、ナルミはうつむいた。
「・・・・・・僕なんかに関わらなければ、こんな思いしなくて済んだのに。それを、謝らせてください」
「・・・・・・へっ、いいだろう。俺もそこまで鬼じゃねェ。人徳者だからな。よし、てめぇ、藤島鳴海のところへ行け」
「あの、これ外してくださいよ」
 キノは手を突き出す。男はめんどくさそうにナイフでロープを切る。

「おら、行け。ちゃっちゃと話を済ませてこい」

 男の言葉でキノは軽く会釈をしてナルミのもとへ歩いて行った。
「ごめん、キノ。こんなことに巻き込んじゃって」
「いえ、大丈夫です。でも、どうしてここまでしてくれるんですか?ナルミが人質になっても——————————!」
 キノは口を閉じた。そしてナルミを見る。ナルミは目で、キノに話した。

「おい、早くしろ!まさかこのまま逃げるんじゃあ・・・・・」

 ダッ・・・・・・・
 ナルミは走った。思わず男たちは身構える。
 しかし、ナルミは不自然すぎた。


 犯人たちに向かって走っていた———————————————。

「てってめぇ、何のつも——————」

 ぱん

 これは。銃が火を噴く音。弾丸が、発射された音。
 続いて

「ぎゃああああああっ!」

 男の悲鳴。
 男は太ももを押さえて倒れこんだ。
 太ももからは血が出ていた。

 ナルミは銃が火を噴く寸前に、屈んだ。なぜなら—————。

「・・・・・・。」
 キノの持つ「カノン」から、煙が出ていた。
 キノは無言で、そして無表情で男に近づく。

「てってめぇ、なにしてんだぁ!!」
 周りにいた男たちも銃を取り出す。キノは素早く

 ぱん ぱん ぱん ぱん

「あぎゃっ」
「ぐわぁっ」
「おげっ」
「うぐぁっ」

 それぞれ声を出しながら次々に倒れていく。ある者は手首、ある者は肩、ある者は脇腹、ある者は太もも。

「あ・・・・・・た、助けて・・・・・・す、すみませんでした・・・・・・」
 男は顔を涙と鼻水でぐしゃぐしゃにしながらキノに向かって懇願した。
 しかし、キノの言葉は冷たかった。

「あなたは、僕を殺そうとしましたね?」
「・・・・・・・」
「そんな人を生かすと思いますか?」
 キノはカノンを男の頭に向ける。その眼は非情そのものだった。

「やめて・・・・・しに、死にたくない・・・・・・まだ・・・・」
「予期せぬ死が訪れたとき、人は皆そう思うんですよ」

 そして力をこめる。




「そうして天使が天国へ連れて行ってくれるんでしょうね」 

Re: †キノの旅†_______世界をまたぐ旅人 ( No.20 )
日時: 2011/11/02 21:28
名前: 二千六百年 (ID: hKAKjiZ3)

 ぱん

 カノンが火を噴いた。
 しかし—————————————。



「・・・・・・・・・・あふぇ?」
 男は間抜けな声を出した。

 キノは男の頭すれすれを撃った。
 キノは無表情で男を見つめた。呆れたような、見下したような目で。

「キノ・・・・・・」
 ナルミは心底驚いたような表情をしていた。撃つかと思った、と胸をなでおろしている。キノはナルミに面と向かった。

「助けに来てくれてありがとうございました」
「・・・・・・・僕は、何もできなかったよ」
「でも、カノンを持ってきてくれた」

 キノの言うとおり、カノンはナルミがすれ違う様にキノに手渡していた。
 アリスは入国審査課に連絡し、どのような手を使ったのは分からないが、キノの持ち物を手に入れた。
 間に合うかどうかは分からなかったが、ものの一時間でブツは届いた。そう、カノンだ。

「・・・・・・キノ、どうして殺さなかったの?」
「殺してほしかったんですか」
 ナルミは首を横にぶんぶんと振った。勘違いされては困る、といったような感じだ。

「敵意のない人を殺しても、意味がないからです」
「どういうこと?」
「カノンは、私欲のために人を殺す道具ではないからです」
 キノはカノンを握りしめた。

「生き残る秘訣を、ナルミは知っていますか?」
 と、その時。
 男は自分のチャカに手を伸ばして、キノに向けた。
 ナルミは驚いて何かを言おうとしたその瞬間————————。




「殺される前に、殺すことです」

 ずどん

 一発音がした。
 キノが、撃ったのだ。
 何事もなかったかのような済ました顔で、冷淡に、ただそれが当たり前のことだというように。

 ナルミは、目の前の死体を見た。
 男の額のど真ん中に見事命中している。男は目玉をグルンと白目に変えて、息を引き取った。額からは血が流れている。

「・・・・・・・どうして」
「何がですか?」
「どうして、殺したんだ。殺さなくても、よかったんじゃないのか!?」
 ナルミは語調を荒くしてキノに飛びついた。
 キノは、やはり無表情で、今度はナルミに憐れむような目を向けた。

「殺すことは、正しいことじゃないかもしれない。正しいかもしれない」
「何を」
「何が正しいのか?誰が正しいのか?」

 キノが突然そんなことを言い出した。
「こんな言葉があったらしい。確か、僕の師匠の故郷には。自分の罪に向き合うにはうってつけの言葉だと思う。でもね、師匠はこう言い返したんだ」



「何か正しいのか?誰か正しいのか?」



 その言葉は、自分の罪を正当化するのにうってつけだった。
 でも、それは。

 その問いに、何も反論できなかった。

「結局、正しいかどうかなんて、自分で見極めるんだ。僕らは弱い生き物だから、苦しくて法律で正しいことを制定していかなくちゃ生きていけない。それにね」

 キノは、カノンをホルスターにしまった。

「人は悪いことはしないよ。何が悪いことか、自分で分かっているから」

Re: †キノの旅†_______世界をまたぐ旅人 ( No.21 )
日時: 2011/11/04 16:16
名前: 二千六百年 (ID: hKAKjiZ3)

 それから、ヒロの車が迎えに来てキノとナルミを乗せた。

「おつかれ、キノ」
「ただいま、エルメス」
 キノとエルメスは互いに言葉を交わした。ここはNEET探偵事務所の中だ。

「あんなにも君は、簡単に人を殺せるのかい?」

 最初に口を開いたのはアリスだった。他の皆は、固く口を閉ざしてキノを遠目に見た。警戒しているようにも取れた。

「あんなにも、と言うのがよく分かりませんが、そうですね。じゃないと殺されますから」
「相手が殺すとは限らない」
「殺さないとも限りません」

 アリスは大きな瞳を閉じた。
 そして少しだけ安堵の表情を浮かべた。

「・・・・・・なんだかね、少しほっとしている自分がいるのだよ。なんでだろうね。でも、君と僕とは住む世界が違う。それだけは今日はっきりと理解することができた。君と僕とは分かり合えない。」
「完全には分かりあえないんだと思います。でも————————1個でも通ずるところはあると思いたいですね」

 その言葉にナルミは顔を上げた。
 
「それでは、僕は疲れたので休ませていただきます」

Re: †キノの旅†_______世界をまたぐ旅人 ( No.22 )
日時: 2011/11/04 17:36
名前: 二千六百年 (ID: hKAKjiZ3)

「ねぇ、キノ。明日は出国だね」
「そうだね。結局動物園は見ている暇がなかった」
「あーあ。ま、別にいいんだけどね」
「・・・・・・・けど?」
「いや、別に。ただ、ナルミとキノがラブラブだったからどうなるのかなぁって。残る気はないの?」
「はぁ?何言ってるんだい、エルメス。それに、残る気はないよ。僕らは旅を続けなくちゃ」
「そだね。それに、キノがここに住む!なーんて言ったら走れなくなっちゃうもん」
「うん。明日は早く起きよう。おやすみ、エルメス」
「優しく起こしてよね。おやすみ、キノ」

 そんな二人の会話を

「・・・・・・」

 ナルミはそっと聞いたいた。複雑な表情を浮かべながら、ほんのりと顔を赤く染めて。




 朝。
 キノはいつも通り軽い運動をし䵷シャワーを浴びた。そしてエルメスをたたいて起こすと、ミンさんに声をかけた。

「もう、行っちまうのか」
「はい。お世話になりました。本当にありがとうございました」
「いいよ、そんなの。それより、ナルミとかには会って行かねぇのか?」

 と、その時。

「キノ!」

 声が、した。

「おお、あれってナルミじゃない?キノ。会いに来てくれたんだよ、お熱いねぇ、ヒュー」
 エルメスがからかって来たのでキノはボスン、と叩く。

「・・・・・・・本当に、もう行っちゃうんだね」
「うん。本当にありがとう。いろいろと」
「いや、僕は何もしてないよ。何も・・・・・・できなかったよ。あの時は、ごめん。キノを罵るようなことを言っちゃって」
「え?」
 キノは眉をひそめた。

「ほら、キノが・・・・・撃ったとき。キノの世界では普通のことなのに、僕は自分の常識をキノに押しあてはめようとして。キノにはキノの世界があって、僕には僕の世界がある。その世界に、他人がとやかく言う資格はないと、昨日分かったんだ」
「・・・・・・。」
「だから、ゴメン。キノはキノの世界で、頑張って」

 ナルミはニコリとほほ笑んだ。その笑顔はどこか寂しげだったのが今でも思い出せる。

「・・・・・・この国の人はすてきだね」
「え?」
「人を撃ったことにそこまで感じることができる人を見たのは初めて」
「そう・・・・・かな」

「世界は違うけれど、僕たちは分かり合うことも少しはできると思うんだ。全ては無理だけど」

 キノは旅人。旅人だからこそ、重みのあるような言葉だった。

「じゃあ・・・・・・僕の気持ちも分かってくれるかな?」
「?」
「おっ、告白?キノ、どうするの?」


「キノは、僕の一生の友達だ」


 すると、ナルミは盃を二つ出して、ミネラルウォーターをくんだ。
 とくとくとく、と透明な水はどんどん盃に汲まれていく。

「ハイ」
「・・・・・・・これは?」
「兄弟杯。これで僕らは離れていても、強い絆で結ばれる。この先どんなことがあっても、ずっと」

 ナルミは盃を前に出す。キノもつられてだすと、互いに腕を組んだ。


 そして、くいっと一気にミネラルウォーターを呑んだ。


「・・・・・・キノ、僕らのこと、忘れないでね」
「うん。ナルミも。」

 そしてキノはエルメスの上に乗っかる。ゴーグルをかけてそしてナルミに微笑みかけた。

「じゃあ、行くよ。ナルミ、本当にありがとう。みんなにもよろしく」
「うん。キノ、元気でね。頑張って」

 エンジンを踏んだ。
 そして———————————。

 キノの背中はどんどん小さくなって——————小さくなって———————取り残されたナルミの頬には———————一筋の涙。




「また、会えるよね・・・・・・?————————キノ」

Re: †キノの旅†_______世界をまたぐ旅人 ( No.23 )
日時: 2011/11/05 09:23
名前: 二千六百年 (ID: hKAKjiZ3)

第二話  「妖怪の国———a ghastly apparition————

 どこまでも緑が続く森の中を、一台のモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけをさす)が走っている。モトラドの運転手は、茶色いコートを羽織り、その下からは黒くて裾の長いベストを着ていた。腰を太いベルトで締めている。
 運転手の黒くて短い髪が、風になびいている。

「森だね、キノ」
「そうだね、エルメス。ここなら野宿でもなんとかなりそうだ」
「でも、普通に人は住んでいるみたいだったよ」
「じゃあホテルがあるといいな」

 キノと呼ばれたモトラドの運転手はゴーグルを取って木々の隙間から見える家々を眺める。

「ちょっとキノォ。よそ見しないでよね」
 エルメスと呼ばれたモトラドが文句を垂れる。

 と、その時。

「ッ!!」
「あ」

 エルメスの前にいきなり人が現れた。
 避けようとして無理にブレーキをかけた。

 どすん

 転倒した。
 しかも、転倒した落下地点が運悪く水たまりだったので、キノとエルメスは見事に泥まみれになってしまった。

「ごっ、ごめんなさいっ!!あの、大丈夫ですか!?」

 現れた人は少年だった。金髪に白くて細い体はまるで女の子のようでもあった。

「ああ・・・・・泥まみれだ」
「まったく!キノはともかくモトラドまで汚れちゃったじゃないか!」
「うわっ!二輪車がしゃべった!よ、妖怪か?」
「何さ!喋っちゃいけないのかい!って、妖怪?」
「妖怪ってあの、お化けみたいなやつですか?」

 キノの問いに少年はハッとしてあたりを見渡す。警戒を緩めず、慎重にあたりを睨みつけた。
「いない・・・・・・」
「妖怪、ですか?この辺りは妖怪が出るんですか?」
「キミも、妖怪を見たことがあるの?」

 少年は藁にもすがるよな勢いでキノに尋ねてきた。さすがのキノも唖然とする。
「見たことありませんけど・・・・・・もしかして、妖怪に追われていたんですか?」
「・・・・・・・信じてもらえないだろうけど、そうなんだ・・・・・」

 少年はうなだれたまま頷いた。
「妖怪かぁ・・・・・世の中にはそういうのもいるんだね」
「うん。見てみたいな」
「・・・・・・・信じてくれるの?」
 少年は驚いたように目を丸くする。

「ああ!そうだ、服汚しちゃってごめん・・・・・・・あの、よかったら家に来ないか?風呂とか入ってよ。着替えとかも出すから」
「いいんですか?」
「お。キノ、早速タダ宿発見だね」
 エルメスがからかって来たのでキノはボスンとたたく。

「宿・・・・・?もしかして、家がないの?」
「旅人ですから」
「旅人か・・・・・・なんだか、色々と現実味のない話だね」
「そうですね」


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