二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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夢色パティシエールwithハリーポッター
日時: 2011/02/12 10:55
名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)

「父さんなんて大嫌い!」
ハリーは家を飛び出すと聖マリー学園に来ていました。
「あれ?もしかして転入生?」
1人の女の子が話しかけてくれました。ハリーは言いました。
「そうなんだ。ケーキが食べたいって思ってさ」
「それじゃあ学園のサロンに案内してあげるよ。実は私も授業をさぼってきたから隠れる場所を探していたの」
そして2人はサロンに向かって歩き始めました。ハリーはいろいろと話しかけていました。
「自己紹介がまだだったね。私は天野いちご。よろしくね」
「僕はハリー・ジェームズ・ポッター。こちらこそよろしく」

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Re: 夢色パティシエールwithハリーポッター ( No.236 )
日時: 2011/03/31 17:08
名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)

宮殿に到着するとリーマスは執事に言われて応接間へ行き、ハリーは外に停車していた車に乗ってドラマの撮影現場に行き、スイーツ王子は自室へ行ってからいちごの居る部屋へ行きました。いちごの部屋のドアは開いていたので3人は中に入りました。いちごは部屋にあるベッドに座っていました。座っているというより膝を抱えてうずくまっているというのが正しいのかもしれません。3人は声を掛けました。
「天野」
「天野さん」
「いちごちゃん」
3人の声に気がついたのかいちごは顔を上げました。いちごの顔は普段とは違う表情をしていました。3人の声を聞いても表情を明るくせず、目には光が宿っていないようでした。
「・・・あっ・・・皆・・・来てくれたんだ・・・」
いちごは言いました。しかし言葉に抑揚がついていないので単調になっていました。今のいちごは何か言ったら壊れてしまいそうなくらい弱くなっていました。
「心配だったんだ。今日は大丈夫だった?」
五月が聞きました。
「・・・・・・」
いちごは何も言いませんでした。しかし此処で声を荒げてしまってはさらに弱くさせてしまうだけです。
「何かあったら言って欲しいな」
千乃介は言いました。いちごは千乃介の言葉にも反応を示しません。でも1つだけ違うことがありました。それは千乃介にだけは手を握られても振り払わないということです。相変わらず目に光は宿っていませんが少しは気持ちが変わってきたのでしょう。
「1人で悩むなんて止めろよな!」
真は気付かぬうちに激しい言葉遣いになっていました。2人は気がついて言いましたが時すでに遅しだったのです。いちごは立ち上がって3人に言いました。
「皆には関係ないでしょ!出てってよ!1人にさせて!」
そしていちごは3人を部屋の外に追い出すと鍵をかけて1人こもってしまいました。3人は心配になりました。

Re: 夢色パティシエールwithハリーポッター ( No.237 )
日時: 2011/03/31 17:34
名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)

3人はいちごが心配になりました。あそこまで弱々しく見えたのは初めてです。明日は休日で実習もありませんしそのときになんとかしてでもいちごを元気にさせようと決めていました。3人は自室には戻らずに話をしながらリーマスの部屋に行きました。リーマスは今までの事件などを整理していました。そこに3人が訪ねてきました。リーマスは仕事の道具を片付けると3人のために紅茶を淹れました。ふんわりとしているリーマスの部屋からはチョコレートと紅茶の香りがしています。3人はリーマスに思い切って相談してみることにしました。
「さっきいちごちゃんに会って来たんですけど・・・やっぱり元気が無いって言うか目に光が宿ってなかったんです」
五月は言いました。
「今日の出来事がきつかったんだね。此処に居てもいちごちゃんの部屋での事は見えていたよ。なんか喧嘩してしまったようだね」
リーマスは言いました。
「それは俺が悪いんです。弱っている天野にまたきつく当たったから。それよりも先生、どうしたら天野は元気になるんですか?」
真は聞きました。
「そうだね・・・。やっぱり弱くなっている時は信頼出来る人が側に居てくれるのが一番だね。だから3人が側に居てあげれば元気になるんじゃないのかな?」
リーマスは言いました。
「あの・・・。1つ聞きたいんですけどいちごちゃんと先生の関係って何なんですか?いちごちゃんは先生の事になると頬を赤らめて僕らに話してくれたんです」
五月は言いました。
「そうか・・・。そろそろ君たちにその事を話さなくてはならなくなったのかな。じゃあ話すよ」
リーマスはそう言うと机の引き出しから1枚の写真を取り出しました。それはいちごに見せたものと同じ写真です。3人は写真を見つめます。
「それは僕が学生時代に撮った写真なんだ。卒業式の後にね。僕は前の右から2番目だよ。僕の後ろに居るのはハリーの本当の両親である2人だよ。ジェームズとリリーなんだ。その隣が名付け親のシリウス。そして僕の隣に居る女の子がなんといちごって言うんだ」
リーマスは言いました。
「「「えっ!!」」」
3人は意外すぎるカミングアウトにビックリです。
「いちごちゃんと僕は同級生だったんだ。だからね。それから僕は学生の頃はいちごちゃんと付き合っていたんだ。それで今でも覚えているのかもしれないよ」
リーマスは言いました。
「「「・・・・・・・・・」」」
3人は放心状態でした。まさかリーマスがいちごの初恋の相手だったなんて・・・。一方のいちごは部屋で丸くなっていました。

Re: 夢色パティシエールwithハリーポッター ( No.238 )
日時: 2011/03/31 18:25
名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)

そして夕食の時間になりました。撮影が終わって帰ってきたハリーも含めて大広間で夕食をしていました。いちごは部屋から出てきません。不安になった執事の俊とメイドの麻美がカートにいっぱいスイーツを乗せて部屋まで持って行きました。2人が大広間に戻るといちごは1人部屋で運ばれてきたスイーツを食べていました。けれど食べたのははちみつレモンゼリーだけ。スイーツを作ったのはリーマスでしたが1つしか食べていませんでした。リーマスは心配になりました。自分も同じようなことがあったからです。あの時はまだハリーも幼かったですしリーマスはシリウスやアーサーに相談をして乗り越えてきました。けれどいちごは皆に対して心を閉ざしてしまいました。そんないちごを救えるのは同じような体験をしたリーマスだけです。しかし魔法界でトップと呼ばれる魔法省大臣であるのでなかなか話を聞いてあげることが出来ません。けれど明日はパティスリーも定休日なので話をすることが出来ます。その前にいちごの信頼をもっていないと話してくれません。そこでリーマスは夕食後にいちごと話すことにしたのです。2人きりになれば弱気にだってなれるはずです。
「ちょっといちごちゃんと話してみるよ。3人は談話室かハリーと此処で楽器の練習をしていて」
3人にそう言い残すとリーマスはいちごの部屋に行きました。

Re: 夢色パティシエールwithハリーポッター ( No.239 )
日時: 2011/03/31 18:36
名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)

いちごの部屋のドアは開いていました。リーマスは中に入っていちごを見つめました。3人が言っていたように弱々しく見えます。リーマスはいちごが座っているベッドに座りました。いちごは顔を膝で隠しているので顔が見えません。
「いちごちゃん・・・少しで良いから顔を見せてくれないかな?」
リーマスは声をかけましたがいちごは全く反応を示しません。リーマスは溜め息を吐きました。
(今日はこのままで何も話してくれないかな?)
するといちごは顔を上げてリーマスを見つめました。
「・・・リーマス・・・来てくれたんだ・・・」
いちごは言いました。いちごはリーマスの顔ではないところを見つめていますが反応はしてくれました。
「今日の事を見ていたよ。ごめんね、側に居てあげられなくて。1人で怖かったろう。不安な気持ちにさせてしまったね」
リーマスは言いました。
「・・・リーマスは・・・悪くない・・・悪いのは・・・私・・・」
いちごは必死の言葉を振り絞っていました。それを聞いたリーマスは隣に居るいちごが変わってしまったことに気がつきました。
「いちごちゃんは悪くないよ。そんなに自分のことを責めちゃ駄目だよ。つらかったのは分かるけどさ」
リーマスはいちごに言いました。

Re: 夢色パティシエールwithハリーポッター ( No.240 )
日時: 2011/03/31 18:47
名前: ゆりかストロベリー (ID: nUPupIAw)

「・・・皆に・・・迷惑・・・かけちゃった・・・私・・・なんか・・・皆と・・・一緒に・・・居たら・・・邪魔に・・・なるだけだから・・・」
いちごは言いました。リーマスはそんないちごを自分の膝の上に乗せると優しく抱き締めました。そして背中をあやすようにポンポンと叩いてあげました。
「そんなこと無いよ。迷惑をかけあうのだって仲間だからこそだよ。皆その事でいちごちゃんを責めないよ。真君には千乃介君と五月君がきつく言い聞かせていたから」
リーマスは言いました。いちごはその言葉を聞いて少しずつではあったのですがすすり泣き始めました。
「リー・・・マス・・・」
いちごは言いました。その言葉が涙声になってきていたのでリーマスはいちごを普段と同じようにきつく抱き締めてあげました。
「ううっ・・・うあっ・・・うわーーーーー!」
いちごはついに泣き出しました。涙が堰を切ってあふれて来ます。でもリーマスはいちごを抱き締めていました。いちごはリーマスの胸に顔を押し付けて泣いていました。その時にいちごは学生時代にトリップした時のことを思い出しました。


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