二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ポケスペ ALL COLOR‘z
- 日時: 2010/01/19 16:29
- 名前: 妃女癒 ◆Z6wPqy6LAk (ID: bL5odoON)
- 参照: あれ…なんか戻ってきてる…
なんか戻ってきてる\(^o^)/ やった!!
とりあえず続きはこれで書いてみる!!
カラーの絵↓
1、http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?300596
2、http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?300759
3、http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?301316
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
- Re: ポケスペ ALL COLOR‘z ( No.35 )
- 日時: 2009/12/26 16:35
- 名前: 妃女癒 ◆Z6wPqy6LAk (ID: bL5odoON)
- 参照: 只今修正中…
「ん、ぁ…ここ… !!! シルバー!!」
今で気を失っていたカラーが目覚めたのは、燃え盛る炎の外だった。
「…ぃ持ってい……呼んでくれ…ルバーという名…」
中から話し声が聞こえる。その声は、かすかだけどあのとき聞いた—
「サカキさんの声…!!」
「……あってよか……おきくなったなぁ、シルバー……。」
はっきりと聞こえた、サカキの声。その声は父親としての声だった。
「このままじゃ…二人とも…!!」
【カラー!!】
どこからか、青と緑の影が目の前に出てくる。
「シア!! フィア!!」
【心配したのよ…大丈夫なの?】
「わたしは平気だから!! お願い、シルバーを助けてぇ!!」
遠い向こうに二つの人影があった。
「戦闘艇から落ちた破片で火災が…!! 被害状況は?」
「!!? シルバー!? どうしてシルバーが!?」
男女と思われし二人は、シルバ−の名を呼んでいた。
男の方、がモンスターボールからポケモンを出す。たちまちそれは地中を移動し、シルバーを救い出した。
「う…、ここは? どこだ…さっきまで寒かったのに…!? 炎!?」
目を覚ましたシルバーは、自分が置かれている状況が分からなかった。
「シルバー!!」
「ブルー姉さん!!」
先ほどシルバーの名を呼んだ女性。それはブルーであった。
「炎の中を平然と歩いていた、こいつは!」
「オレのサイドンだ。全身、鎧のような皮膚で守られていて2000度のマグマの中でも移動できる。」
淡々と説明するのは、グリーンだった。
「シルバー…この人…。 ロケット団首領サカキ…!! どうして一緒に!?」
サイドンが片手に支えている、ボロボロの男。シルバーは、振り返りもせず震えながら言った。
「……、それは……、この男が…、 俺の父だからだ。」
『……!!!』
二人は驚愕した。この男が、シルバーの父だということに
、息をのんでいた。
「驚き、そして笑うがいい、俺はロケット団の首領の息子だ。 だが…俺はこの男を父と認めない!!」
サイドンがサカキを地に下ろす。
「こんなはずすべき悪党など…!! 助けてくれたことに礼は言うが、こんな男まで救うことはなかったな。」
シルバーはそう、言い放った。
- Re: ポケスペ ALL COLOR‘z ( No.36 )
- 日時: 2009/12/26 16:36
- 名前: 妃女癒 ◆Z6wPqy6LAk (ID: bL5odoON)
- 参照: 只今修正中…
「シルバー…違うよ…サカキさんは…」
「!! カラーお前今までっ…!」
後ろから聞こえた少女の声。振り向いた先にいたのは、衣服が所々焼け焦げたカラーだった。
「お前、今まで何を…」
「…シルバー、サカキさんは、っサカキさんは…!」
フラッと崩れ落ちるカラー。抱きとめたシルバーがまず思ったのは、その髪の冷たさだった。
「カラー!! しっかりしろ、いったい何を…!」
「…その女が何者か知らないが、その女も、おまえに家族のことを非難させたくないようだな。」
「…サカキのことなど…」
「家族に誇りを持てないのだな。かつてのオレがそうだったように。」
グリーンはスッと目を閉じる。
「ガラにもなく見えすいたことを言うんだな。」
「まぁ聞け。常に『オーキド博士の孫』として見られ、たとえ自力で何かを、成し遂げたとしても
『オーキドの孫だからできた』としか言われない。そんな家族だからこそ誇れなくなることもある。」
グリーンは、過去に自分の抱いたことのある劣等感を話し始める。
「だが、シジマ先生との修行で故郷や家族から離れたオレは、『オーキドの孫』ではなく
一人のトレーナーとして扱われた。そこからはじめて自分の家族を見つめ直すことができた。
今では、『オーキドナリユキという優れた研究者の孫だ』と胸を張って言える。」
うつむき始めていたシルバーの眼を確かにとらえながら、グリーンは言った。
「おまえはすでに自らの手で過去を断ち切り、ジョウト地方を脅かした脅威を打ち破った。
たとえR団の首領の息子であっても! おまえ自身は誇るに値する人間だ。」
それは、誰の目にも明らかな事実だった。
「それに…、サカキとおまえのおったダメージを比べて見ろ。
あの炎の中で、身を挺してお前を守っていたんじゃないか?」
「…!」
「あと少し遅ければニューラも、おまえもろとも命を落としていた。
助けられたのはサイドンがいたからだが… うぉ!?」
ストン! とグリーンの足元で降り立った二つの影。
「な、何このポケモン、図鑑が反応しないなんて…」
「…シア…フィア…」
何か分からないことを叫ぶ二匹。まるでなにかを訴えているようだった。
「ご、ごほん。何か邪魔が入ったが…サイドンがここまでの力を身につけたのは、
この書から得た戦いの極意のおかげ!」
グリーンが、一冊の本を取り出す。
「『大地の奥義』。≪地≫のエキスパート…お前の父が書き記した本だ。
R団は巨悪だ。サカキのした悪事は決して許されることじゃない。」
またもやその眉間にしわを寄せるグリーン。シルバーは黙って聞いていた。
鈴の音が、鳴り響く
- Re: ポケスペ ALL COLOR‘z ( No.37 )
- 日時: 2009/12/26 16:38
- 名前: 妃女癒 ◆Z6wPqy6LAk (ID: bL5odoON)
- 参照: 只今修正中…
「だが、おそらく並ではない修行の末身につけたであろう強さ、さらにはその極意を惜しげもなく
後進に伝える心の広さ…、深さは本物だ。いや…、何にも増して…、」
シルバーがようやく、サカキのことを見る。戸惑いを隠せない表情で。
「おまえを10年以上探し求め続け、猛火に身を焼かれてもなお守ろうとした。
十分に胸を張って誇れる父親だ。」
震える手足。崩れ落ちる体。 支えてくれたのは虹色の髪ー
「シルバー…サカキさんは…ずっと…シルバーのことを探してたよ…大きくなったって…言ってた…」
息も切れ入れに話すカラー。それは、サカキとニューラだけしか知らない会話の内容だった。
「この人は、サカキ…さんは…シルバーの…」
「…お、お…お、」
銀色の瞳から零れる、涙。 何にもかえがたいその涙は、全てを物語っていた。
「お…父…さん…。」
どちらにも握りしめられた、刺繍の入ったハンカチ。それは確かに 親子としての絆だった。
ブルーやニューラも泣き、グリーンの表情は窺えないがきっと苦い顔をしている。
「そ…だよ…この人は…シルバーの……父さん…だよ。」
優しく回された少女の腕。シルバーには、その声だけが届いていた。
ブルーたちが何かを話していると、空に黒い穴が開いた。その中から、ある者たちが落ちてくる。
「ミュウツーと…、」
「イエロー!?」
ミュウツーと呼ばれたポケモンは、地に足がつくと同時に揺らぐ。
「レッドはどうした!?」
その名を聞いたミュウツーが、顎をしゃくる。その先には戦闘艇があった。
「まだ……」
グリーンたちが状況を解析している時、ミュウツーは2匹のポケモンに向かって叫んでいた。
【フィア!! 早くカラーを!!】
【わかってるわよぉ!! “癒しの鈴”!!】
もう一度鈴の音が鳴り響く。その音は少し、カラーに気力を戻させる。
「(ミツちゃん…久しぶりだね…)」
【どうしてお前がここに…】
「(やらなきゃいけないことがあるの…)」
カラーがミュウツーと意識を交わしている間にも、戦闘飛空挺は落ちてくる。
「…図鑑所有者としての、最後の仕事だ!!」
グリーンの叫ぶ声に、シルバーは立ち上がり、ボールからリングマを出しサカキを運ぶように命じる。
「…カラー、おまえも行って…」
「わたしはいいよ…代わりにフィアを一緒に連れて行って…リングマ。」
リングマはコクンとうなずくと、フィアを連れて道路へと向かう。
「オーダイル!! ギャラドス!! キングドラ!!」
シルバーが、自分の水ポケモンを出す。
「シルバー、何を!?」
「決まっているじゃないか、ブルー姉さん。俺も落下を食い止める。
お父さんがこれからロケット団をどうするつもりなのか、俺に何をさせる気なのかは分からない。」
シルバーは、胸のベルトをはずしながら言う。
「しかし、どういうことになろうと俺の心は決まった。サカキが父であるという事実から逃げずに生きていく。
これ以上お父さんに罪を犯させない。これまで犯してきた罪は俺もともに背負う。
ともに罪を償って生きていく。…そして…」
その身にまとっていた衣服を脱ぎ去り、シルバーは言い放つ。
「この場で俺の役目を果たしたい。 俺も図鑑所有者の1人なんだ!!」
「…カラーも手伝っていい…?」
不安げにカラーが聞く。
「いいだろう?グリーン…先輩。」
「もちろん。 全てのエネルギーで…戦闘艇を下から押し上げるんだ!!」
こうして またひとつはりがうごく けつだんをしてしまったら つぎはもう
もどれないから
- Re: ポケスペ ALL COLOR‘z ( No.38 )
- 日時: 2009/12/26 16:39
- 名前: 妃女癒 ◆Z6wPqy6LAk (ID: bL5odoON)
- 参照: 只今修正中…
「サイドン“メガホーン”!!」
サイドンの角が激しく回る。すると、竜巻が発生した。
「ゴルダック!」「カメちゃん!」「オーダイル、ギャラドス、キングドラ!」「シア!」
『“ハイドロポンプ”!!!』
「“ふぶき”!!」
五匹の“ハイドロポンプ”が、シアの“ふぶき”によって凍る。風の力も加わり、氷は硬い雪となっていた。
「よし、これなら…」
だが、それは長くは持たなかった。急に機体が大きく傾く。
「機体のバランスが崩れた!! もう支えきれない!! 落ちる!!」
誰もがそう思った。あとほんの少しで、戦闘艇はビルにぶつかってしまうと思われたから。
けれど、叫び声は届いた。
「ミュゥちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」
ピタッと一瞬機体が止まる。そして、そのままビルにはぶつからず、ゆっくりと地に着陸した。
「う。」
砂埃の中から男の声がした。
「レッド!!」
グリーンが、レッドに駆け寄り手を貸す。
「グリーン…! サンキュ。おまえたちが支えてくれたから、…被害を出さずに着陸できた…。」
「え! …いや。俺たちは支えきれなかった! おまえが自力でやったんじゃないのか?」
「あれ? えーと…、わかんないや。」
曖昧に言いながら、グリーンに起こしてもらうレッド。そして、仲間の下へと歩きだした。
戦闘艇の中から、レッドが使役していたポケモンたちも出てくる。その中からは、デオキシスも出てきた。
グリーンたちは怪訝そうな顔をしたが、レッドが心を開いているので、自然と顔がゆるんでいた。
そのなかで、ミュウツーとカラーだけは空を見る。
【(カラー。私は貴方の大切なものを助けました。もちろん、ミュウツーもです。)】
「…うん、ありがとミュゥちゃん!」
【おまえが助けてくれたんだな。この場で戦うオレの存在を感じてくれたのか?】
【(それもありますし、カラーに呼ばれたからでもあります。…そろそろ行かなくては…)】
空に輝く一匹のポケモン。全てのポケモンの母なる存在、ミュウは去っていった。
【オレにも、ルーツと呼べる存在がいたな。】
「当たり前だよ。私もミュゥちゃんも、ミツちゃんのママなんだから!」
ミュウツーは少し呆気にとられたが、フフっと笑みをこぼした。
【そうだな…。 デオキシスよ…同じ思いを共有しているお前と、戦えてよかったよ。】
話しかけられたデオキシスはコクン、とうなずいた。
「よかったね…デオちゃん。」
「レッド、無事で何よりだったな。」
「いや、みんなのおかげだよ、下から押し上げてくれて!」
レッドが手持ちをボールにしまいながら言う。
「グリーンとブルーと…えっと…。」
「ああ、シルバーもだ、同じく力を尽くしてくれた。」
グリーンがシルバーの肩をつかんで、レッドに見せる。シルバーは少し緊張していた。
「で、そっちのお穣ちゃんは…」
- Re: ポケスペ ALL COLOR‘z ( No.39 )
- 日時: 2009/12/26 16:41
- 名前: 妃女癒 ◆Z6wPqy6LAk (ID: bL5odoON)
- 参照: 只今修正中…
「こいつはカラー。オレの旅についてきているんだ。」
「あら、シルバーが女の子と一緒に旅をするなんて…うふっ。」
ブルーが怪しい笑みを浮かべる。シルバーは全力で否定した。
「ち、ちがっ!! こいつの親に頼まれて…」
「パパ達がなぁにー?」
ひょこん、とカラーが首を突っ込む。
「い、いや…なんでも…」
【カラー、エンテイとライコウとスイクンは元気か?】
「もちろん!! パパ達とっても元気だよー」
ミュウツーの一言で、シルバー以外の図鑑所有者は眼を見開き、叫んだ。
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
「んと、そのせつはパパ達がおせわになって、デオちゃんとミツチャンも…えと、えと」
「無理に社交辞令を言わなくていい。」
シルバーが呆れ顔でカラーの頭をつかんだ。
「まぁ、まあ、いいか。よろしくな、カラー!」
「あたしのことは、お姉ちゃんって呼んで♪」
「煩い女だ…。」
「はーい♪ レッドさん、ブルーお姉ちゃん、グリーンさん!」
一通りの自己紹介が終わったところで、グリーンは少しシルバーと話しをしようと、本を手渡した。
その様子を見て、ブルーは微笑んだ。 レッドはしゃがみ込み、イエローを覗く。
「で、イエローは…、ハハハ、まだ寝てるのか。」
「ねぇレッド、一つ提案があって…。これなんだけど…、」
ブルーが、ある物を取り出す。
「ポケモン図鑑…、しかもバージョンアップ前の?」
「うん、新しい図鑑にデータを移して空っぽになった図鑑…、タワーの戦いでこれだけは
無事に残ったんだけど、オーキド博士がこれをイエローのものにすればいいって。あなたから渡してあげて。」
「そうか、わかった。」
ブルーから図鑑を受け取り、イエローの手に持たせる。
「イエロー、ご苦労さん。おまえの図鑑だ。」
「うふふ、なんて言うかこれで本当に 図鑑所有者が再集合した。って感じがするね。」
「そうだな。おじいちゃんは、ホウエン地方用にも三つの図鑑を作ったと言っていた。
そのうち、二つはすでに二人のトレーナーが使っているらしい。」
グリーンが自分の図鑑を見ながら言う。
「カイオーガ・グラードン騒動で活躍したっていう二人でしょ?
しばらく会ってないジョウトの二人も含めて、いつか九人で集まってみたいね!」
ブルーの提案に、シルバーもうなずく。 その間に、デオキシスは動こうとした。
「どこ行っちゃうの? デオちゃん。」
【ナカマサガシニイク。アト、フォルムチェンジノクルシミノノガレカタオサガシニ。】
デオキシスの体が変形し、アタックフォルムになる。
【アリガトウレッド。カラーモゲンキデ。】
「ありがとう、デオキシス。」
「またね! デオちゃん!」
デオキシスは空へと飛び立った。 と、突然カラーの意識が飛びそうになる。
「(な…んなの…痛い…!!)」
どこからかサキが現れ、何かを話しているようだが、カラーの耳には届いていなかった。
「(痛いっ…痛い…!)」
「……ブラでは…げぬ。」
サキが何かを仕出かそうとしたその時、とっさに体が反応した。
「やめてぇぇぇ!!」
カラーがサキにぶつかる。その拍子に、ボールから放たれていた光線がそれ、「レッド」たちに当たる。
「…こ………」
サキが何かを言っているが、カラーは別のことに注目していた。眼が逸らせなかった。
サキが消えて、ようやく、蚊の泣いたような声が聞こえた。
「…ど、うして…動いてくれないの…? レッド…さん…ブルーお姉ちゃ…、グリーンさん…」
ふらめきながら、その者たちに触れる。その体は、とても「硬く冷たかった」。
「ねぇ…動いてよ…シルバー…動いて…声をきかせて…!」
カラーが地にへたり込む。そしてその目から大粒の涙を流しながら、叫んだ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
2章 fin→ 3章 我は汝らの…
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
この掲示板は過去ログ化されています。