二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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FAIRYTAIL
日時: 2010/03/07 19:32
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

新しく入らせてもらいました、紅です。
まだまだ未熟ですが、暖かい目で見てもらえると嬉しいです。
コメントも書いてもらえるとなお良し。

注意
1・荒らしや、人を傷つけるコメントなどは書き込まないで下さい。
2・訳の解らない事やアドバイス等、何かあったら書いてください。
3・主人公は一応ナツ。
4・この小説は、別サイトFAIRYTAILの短編集、おまけ小説のようなものです。気軽に読んでください。
5・よかったらサイトの方も来て下さい。

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Re: FAIRYTAIL ( No.3 )
日時: 2010/04/11 14:46
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

思い出Ⅰ

それは、何気なく呟いたナツの言葉から始まった。

「イグニールは俺のこと、すっげえ大切にしてくれたんだ!!」

昼のギルド。ちょうどいつものメンバーが共に昼食をとっていた時、突然ナツが語りだした。

「い、いきなりどうしたのよナツ」

耳元で叫ばれたルーシィは顔をしかめ、ナツを睨みつける。そんな事も気にせずに、ナツは語り続けた。

「俺、色々教えてもらったんだけどさ、みんなは小っさい頃、どんな事教えてもらった?」

興味本位で本人は聞いているようだが、他の者達はそれぞれ息を飲んだ。
ここにいる者は全員、様々な事情があってこのギルドに集まってきたのだ。笑いながら話せる事ではない。

しかし、ナツもそんな事は心得ているのか、毅然とした態度で皆が話し出すのを待っていた。
好奇心、という物からナツが動いたのかは不明だが、ナツもナツなりに皆の事を知ろうとしている。

長い間共に生活してきただけか、それともナツの性格が人の心を動かすのか、皆、張り詰めた空気を消し去り、一人ずつ口を開いていった。

「そうだな……私の小さい頃はよく、ミリアーナ達と共に外の世界について語り合った」

まず口を開いたのはエルザ。
デザートであるショートケーキを食べていた手を止め、少しぎこちなく話し始めた。

「辛い事がほとんどの毎日だったが、昔外の世界にいた者から話を聞くのは、とても楽しかったな」

辛い事。
最近その仲間達、ミリアーナ達とは再会を果たし、問題を解決しあった後、それぞれ別れた。
今話せるのは、ここにいるメンバー達の協力があったからだ。

「今はもう、そんな思いもせず、毎日楽しいがな」

笑いかけるエルザに、皆も表情を和らげた。
そんなエルザに乗り、隣に座っていたグレイも話し出す。

「俺は、お前らも知っているように、師匠と一緒に修行してた」

「どこで修行してたの?」

ティアからの問いに、グレイは自信満々に答える。

「雪山だ。服脱いで、冷気と一緒になってたんだよ。どうだナツ、真似できねぇだろ」

突然話を振られたナツは、キッとグレイを睨みつけた。そして堂々とした態度で断言する。

「俺が雪なんかに負けるわけねぇだろ氷クズ!そんくらいで自慢するとかだっせぇな!!」

フンッと鼻で笑うナツ。

「だからグレイ、そんな脱ぎ癖ついたんだね」

ナツの言葉に反抗しようとしたグレイの言葉を遮るように、ハッピーが横から割り込む。
ハテナマークを浮かべるグレイを哀れむようにルーシィが見つめ、自分が今服を着ていないことを教えた。

「うぜえ」

赤面するグレイをうっとおしそうに見つめ、今度はルーシィに話を振った。

「私は………」

と言いかけた言葉を遮り、ティアがふざけた口調で話す。

「毎日豪華な生活?」
「そんなわけないでしょ!!」

ふぅ、と息を付き、話始める。

「私は今と変わらず、小説とか書いてたわよ。あと……そうね、魔法の勉強とかもしてたわ」

「関心だな、さすがルーシィ」

エルザの言葉に淡く頬を染め、今度は近くを浮遊しているハッピーに話を振る。

「あんたはナツと生活してたわよね」
「あい、おいらずっとナツと一緒でした」

ちょこんとナツの頭に乗り、右手を上げた。
頭に乗ったハッピーのヒゲを軽くひっぱりながら、ナツもそれに頷く。

「おう、俺とハッピーはずっと一緒だったもんな!!」
「なんか間違った事教えられてそうだね」

ティアの素直な言葉に軽くムッとするが、すぐに笑顔へと戻る。

「じゃあ、ティアは小っちゃい頃どうだった?」

先程までのティアの笑顔が、硬く凍りついた。

「私は………」

皆の視線が集まるなか、ティアの額に、一筋の汗が流れた。

Re: FAIRYTAIL ( No.4 )
日時: 2010/04/11 14:49
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

思い出Ⅱ

「私は………」

どうしよう、と内心でそんな事を考える。
皆、勇気を出し自分の事を教えた。今更、自分だけ言わないなんて、仲間だと思っている皆に失礼だ。

戸惑っているティアに、グレイが言う。

「おい、ティア。別に嫌だったら話さなくてもいいんだぞ」
「そうだ、人にはそれぞれ、話したくないことだってある」

優しく言う二人に、動揺が深まる。
私だけ言わないなんてずるい。

言わなくちゃ。
言わなくちゃ。
言わなくちゃ。

頭では解っているのに、開いたままの口は、一向に言葉を発さない。

その動作を言いたくないと捕らえたのか、ナツが少し残念そうに止めた。

「悪りぃ、言いたくなかったか」
「え、あ……私は……」

違う、言わなくちゃだめだ。
ナツ、私は言えるよ。

そう伝えようと口を開いたとたん、ルーシィの手が肩に置かれた。

「無理しないで、ほら、もう食器片付けよ!!」

元気よく言うルーシィに、開いたままの口が、分かった、と動く。
言わないまま、終わってしまった。

ぞろぞろと席を立ち、ミラの元へ食器を運ぶ。
そんな四人の背中を虚ろな瞳で見ながら、ティアは自分の唇を強く噛んだ。

言えなかった。

心に残ったのは、自分だけ心を開かなかったという罪悪感。
なんだかとても、自分が一人に感じた。

「よっしゃ、飯も食ったし、仕事行くか!」

笑顔で言うナツに、ルーシィとハッピーが付いていく。
「ティアも早く!!」
「あ、うん………」

ぎこちなく頷き、食器を片付ける。
ごちそうさま、とあいさつをすると、ミラが小声で話しかけてきた。
「焦らないで。みんなアナタのこと、ちゃんと認めてるから」

勢い良く顔を上げると、優しく微笑むミラが。
「うん、ありがと」

そう言って、ティアも笑顔でミラに返した。

大丈夫。
心の中で何度も唱え、出口で待つナツ達の元へ駆け寄る。

『みんなあなたのこと、ちゃんと認めてるから』

「ナツ!!」
「なんだよ、早く行こうぜ」

大丈夫。

「私、まだ色々言えたり出来ないけど」

今はまだ、何も教えられないけど。

「いつかきっと、みんなに全部話すから」

それまで、待ってて。

「……おう、ずっとティアのこと、待っててやるからな!!」

目の前で輝く笑顔の太陽。
後もう少しだけ、時間を下さい。
まだ壊したくないから。
まだ捨てたくないから。

いつか、その時まで。

思い出の中の私を閉じ込めて。


END

Re: FAIRYTAIL ( No.5 )
日時: 2010/03/07 21:50
名前: ルイ ◆F7pBvmwOE2 (ID: CwXyXkbt)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

はじめまして♪
小説読ませていただきました。文章から文才があふれでてる(?)そんな感じで読めば読むほど文章に引き込まれていく感じでした。
サイトの方も見たいんですが、どうやったら見れるんでしょうか?
あ、いきなり長文失礼しました。
これからも小説、頑張ってください。

Re: FAIRYTAIL ( No.6 )
日時: 2010/03/08 00:29
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

は、はじめまして!!
初めてのお客様、とっても嬉しいです!!
なんだかとても小説の方を褒めてもらって……。ありがとうございます。
サイトの方ですが、まだまだインターネットもパソコンも初心者なので……すいません。
『FAIRYTAIL小説』、と入力すれば出てくると思うんですが……。
ここと同じで、紅でやってます。
もし出てこなかったら、ちょっと見てきます……。
すいません。
また見に来てください!!

Re: FAIRYTAIL ( No.7 )
日時: 2010/04/11 14:51
名前: 紅 (ID: 7jEq.0Qb)

2・擬似恋愛Ⅰ

夢を見た。
はっきりとは覚えていないけれど、たしか、小さい頃の夢だった気がする。

まだイグニールもいて、毎日楽しかった頃の夢。
そこに、小さな女の子が出てきた。

小さい頃なんて、イグニール以外に誰かと会うことなんて無かったから、たぶんこれは、夢の中の幻。

どこか懐かしくて、それでいて今すごく近くにいる人物。
その子を俺は、知っている気がする。


「聞いてよ二人共ー!!」
朝、ギルド内でルーシィとティアが楽しそうに語り合っていた時、いきなり青い物体が、ティアの後頭部に激突した。

「きゃーっっ!ティアー!!!」

机にうつ伏せになって倒れるティアに悲鳴を上げる。
後頭部からは、ブシューっと不気味な音が漏れていた。

頭にタンコブを作った青い物体、ハッピーは、倒れているティアを気にすることも無く、突然泣き出した。

「もうおいらダメだー!!」
「ホン、と……ダメかも……」

泣き叫ぶハッピーの後ろで、ぐったりしながらティアも呟く。
何度か揺すると、目尻に涙を浮かべ、ゆっくりと起き上がった。

「で、どうしたのハッピー」

若干怒りながら、机の上にいるハッピーに問う。

「それが……」

ハッピーが口を開いたとたん、ギイィィィとギルドの扉が開いた。
ゆっくりと開かれる扉には、ナツが立っている。

「あ、ナツおはよー」

ルーシィが手を振ってあいさつをするが、肝心のナツは床を見つめたままボーッとしている。

「聞こえなかったのか?」

首を傾げるティアをそれは無いでしょ、とルーシィは笑った。
動物並みに耳の良いナツに、この声が聞こえないわけ無い。

しかし一向に返事を返す気配は無い。
不思議に思ったティアは席を立ち、ナツの前へ歩み寄った。

「おーい、ナツー、おはよー」

目の前で掌を振るが、ナツの視界に映っていない。
ただずっと、床を見ている。

「おいこらナツ!!」

ごん、と鈍い音がし、ナツの体がギルドの壁まで吹っ飛んだ。
ルーシィの悲鳴が聞こえたが、そんなのはまったく気にしない。

吹っ飛んだナツは口元を拭い、ふらりと立ち上がる。

「よしナツ、いつもの元気で来い!!」

いつでも攻撃態勢に入れるよう構えをするが、立ち上がったままナツは動かない。
さすがにこれはおかしい。

「やっぱナツ変だよーっっ!!!」

ルーシィの胸で泣くハッピーをきょとんと見て、二人して目を瞬かせる。

ハッピーが泣いていたのは、ナツの様子がおかしいからか。

ナツを見ると、ダランと手は垂れ下がり、瞳もうつろだ。そしてティアに殴られた場所をずっと押さえて俯いている。

「なんか、気味が悪いわね……」

冷や汗を浮かべるルーシィに同感だとティアも頷く。

はっきり言って、怖い。

いつも元気で煩くておかしいくらい暴れまわるナツはどこにもいない。
まるで借りてきた猫のようなナツが、そこにいた。


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