二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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誰か「 心 」を教えてください—REBORN—
日時: 2010/08/04 20:03
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

がんばりたいと思います!
美術の作品に手をかけているこのごろですが…、失敗したぁぁぁぁぁぁぁ!(涙)紙が無駄になっただけじゃん!(涙)


・キャラクター
神埼終夜  並盛高校二年の主人公。感情欠落者。人を好きになると言う事がわからない。少し鈍感な所がある。
沢田綱吉  並盛高校二年、生徒会長。冷血で冷淡で冷酷な性格だが、自分も知らないうちに終夜に興味を引かれる。
獄寺隼人  並盛高校二年 生徒会会計。
山本武   波盛高校二年 生徒会書記。
雲雀恭弥  並盛高校生…(年齢不詳)風紀委員長。
六道骸   並盛高校三年 生徒会裏会長。裏で何かをしているらしい噂が流れている。
黒崎裕也  並盛高校のカウンセラー。謎が多い。
笹川雄途  数少ない親友。実は。

:お知らせ:
第一期完結。
第二期始動。(第二期メンバーは原作どおりです。違うとすればツナの性格がスレてるだけで)
100クリック有難うございます!感謝です!





・進行状況
第一期
—Data,00— 感情零
—Data,01— 感情欠落
—Data,02— 心療医療
—Data,03— 殺人考察
—Data,04— 狂信狂愛
—Data,05— 人種嫌悪
—Data,06— 記憶回路
—Data,07— 現実偽善
—Data,08— 希望世界 「愛してます」
第二期
—Data,00— 記憶の声
—Data,01— 運命の歯車
—Data,02— 邂逅輪廻
—Data,03— 戯言輪廻

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Re: 誰か「 心 」を教えてください—REBORN— ( No.12 )
日時: 2010/07/30 14:03
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

「・・・ッ」

目を覚ます。

視界がまだぼやけていて、頭痛がする。
俺は前を向いた。

「眼が覚めたんだぁ」

女子生徒が数名、目の前に立っていた。
香水の匂いが当たり一面に漂っていた。
吐き気がする。
匂いに、ではなく、人種に。
俺は吐きたい衝動を押さえ、女子生徒の一人に目を向けた。
「あの時の・・・」
「そうよぉ。・・・アンタさえいなければ、綱吉様は私のものだったのに・・・」
女子生徒は、屋上で使ったナイフを取り出した。
俺の両手足首は鎖でつながられて動けない。
いらだたしく感じた。

「私達の為に・・・死んでよ」

カッターやナイフ、鎖で傷をつけられる。
痛いとは思わない、不愉快とは思わない。

只——俺が嫌われてるだけだ。

「何でアンタッ・・・喚かないのよ!」
「———痛いとは思わない」
「ッこのッ・・・」

—ザンッ

鮮血が舞う。
俺の服が破られる。
ナイフで、胸の前を切りつけられた。


—ザザ、ザ………ッ


記憶にノイズが掛かる。

「アンタなんか死ねばいいのよッ!」



—気色の悪い子ね!



「あ、が、ァぁあぁぁぁあぁあぁあぁぁ!」

「な、何よコイツ!」

俺は手錠でつながれた両手で暴れる。
体中を使って暴れる。

訳がわからなかった。

あの女子の言葉を聴いたとき、頭の中がノイズだらけになって、頭の中の回路がおかしくなりそうになった。


—バキィッ


「ッ!」

「         !」

自分でも、何を言って、何を叫んでいるのか、判らなかった。

再び、脳内がシャットダウンする事になる。





「・・・」
「終夜!」
「神埼」
「・・・笹川、に。会長」
目を覚ませば、目の前に生徒会長と笹川がいた。
俺は体を起こす。

「俺、何、して・・・」

「俺達が救助したんだ。お前、半狂乱で全然声なんて聞こえてなかったんだよ」

「・・・あぁ」

少しずつ、思い出した。
だけど、後半部分が全然思い出せない。

記憶回路があいまいすぎて——わからない。





あの後、俺は嫌な予感がして灰工場へ向かった。

そこにいたのは、おびえる女子生徒と、黒い炎を額に灯した、神埼終夜。

現状なんてどうでもよかった。
彼女を——止めることだけを、考える。
だけど、彼女は全然聞く耳を持たなかった。
「クッ・・・」
にしても、何故死ぬ気の炎が?

死ぬ気弾は——撃たれていないはずだ。


「だめだよ、終夜ちゃん」


「!?」


後ろを振り向けば——ソコにたっていたのは、カウンセラーだった。
黒崎先生は、彼女の頭を掴んで、何かを呟いた。
死ぬ気の炎が収まり、彼女の体から力が抜ける。

「神埼!」

俺は彼女を抱えた。
カウンセラーはしゃがみ込んでいた体を起き上がらせて、微笑む。


「沢田君。彼女の力はまだ「 不完全 」で「 不安定 」な物だ。彼女が「 覚醒 」するまで——守っていてあげなさい」


「・・・?」

—覚醒?

訳のわからない。

黒崎先生は微笑んだまま、灰工場を後にした。


(その事実は、)(誰にも言わなかった)

Re: 誰か「 心 」を教えてください—REBORN— ( No.13 )
日時: 2010/07/30 16:28
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

—知っている。記憶に無いけれども、俺は、彼を。

記憶の中に佇む彼は、泣きじゃくっていた。
それは、終わりの始まり。



—Data,06— 記憶回路

『終夜。好きだよ』

「・・・」

目を覚ます。

記憶の中の端に居る、彼は一体誰なのだろうか。
此処最近、何時もそんな夢を見る。
憂鬱だ。

一度でいいから、会って見たい。

「終夜?どうしたんだ?」

「あ、いや、なんでもないよ」

そうか。今は休み時間で——。
「・・・」
俺は席を立って、教室を出た。

やはり——あの笑顔が頭から消えない。

だけど、一体何処の誰なのだろうか。

「・・・」
「おや、貴方が神崎終夜ですか?」
「・・・貴方は?」
紫色の髪にオッドアイ。
外国人らしいが——。

「クフフ、僕は生徒会裏会長の六道骸です。始めまして」

「・・・始めまして」

俺は素っ気無く答えた。
この人は何か——ヤバイ。
「待ってくださいよ。貴方の事を沢田綱吉から聞いていたんですよ」
「・・・」
俺は腕を引っ張られ、静止する。
そして骸と言う人を振り返って、無言で睨んだ。
「そんな睨まないでくださいよ・・・」
「生徒会長に何を吹き込まれたかは知りませんが、セクハラで訴えますよ」
バッと腕を振り払い、俺は歩き始めた。
歩き始めて数歩、嫌な感じが俺を襲う。
「・・・!?」
俺は後ろを振り向いた。

ソコにたっていたのは、六道骸では無かった。


「・・・キミ、は・・・」


ずっと、俺の記憶の中で、微笑みかけてくれた——。

手を伸ばして、その存在を掴もうとする。


—バシィッ


「ッ!?(空間が弾かれた・・・?彼女、一体何を掴もうとして———)」


—ホラ、手を伸ばして。


「     」

「ッ終夜!」


—バキィッ


笹川が俺を押し倒した。
存在は消える。
「・・・なかなかやりますね、笹川雄途」
「ハ!?・・・あ・・・」
「・・・やっと現状がわかったか馬鹿」
バッと俺から退く雄図に俺は溜息を吐いた。


「そんな事より・・・今の気配、何ですか?」


雄途に、骸が尋ねた。
雄途は真剣な顔になって、俺の事を何故か後ろから抱きしめた。
実は雄途の方が身長が高かったりするので人形のようになってしまう。
「終夜、お前は昔から幽霊とかに「絶対嘘だ」・・・わりぃ・・・」
やっぱり嘘だったか。

「実は俺もしらねぇんだ——」


—ガシャァァァンッ


「「「!?」」」

窓ガラスが割れた。
俺達は一斉にその割れた場所を見た。


「・・・会長・・・?」


「え、うぇ!?此処何処!?」



—沢田綱吉だった。



(異世界からの贈り者)

Re: 誰か「 心 」を教えてください—REBORN— ( No.14 )
日時: 2010/07/30 16:54
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

「え、えっと・・・終夜?」

「・・・ツナ、だな」

「沢田綱吉そっくりですが・・・。違いますね。貴方は誰です?」

骸が、慎重に聞いた。
沢田綱吉そっくりの青年は、あわあわしながら笑った。
「えっと、俺。沢田綱吉って言うんだけど・・・」
「オイツナ。どうやら此処は異世界らしいぞ」
「え、異世界!?」
「と言う事はアルコバレーノ・・・貴方も異世界から?」
「そういうことになるな」

俺は、そんな話に耳を傾けずに、沢田綱吉を見ていた。

異世界の彼も、俺を見ていた。

「終夜、だよね」
「・・・うん」
「・・・知っているのか?」
笹川はあれから一切口を開かない。
と言うか、既に去っていった。

「あぁ、そうだよ。知っている。昔に一度、ね」

「何をしている、むく、ろ・・・」

向こう側の廊下から歩いて来た、この世界の生徒会長が異世界の自分の姿を見て呆然とした。
「あぁ、沢田綱吉。この方は異世界の貴方ですよ」
「・・・異世界の」
「あ、えっと、始めまして」
彼は頭を下げた。
俺は会長を見た。
会長は未だ放心状態だったがやっと立ち直って、俺を見た。
「・・・神崎。お前、異世界の俺と何故知り合っている」

「・・・昔に一度だけ、この世界と異世界がつながった事があるのですよ。それで、空間が捻じ曲がって一度だけ繋がったのでしょう。そして、神崎終夜は彼とであった」

「・・・」

「そして、現在も、また。繋がった」

すると骸はクフフ、と一度だけ笑った。
「沢田綱吉、羨ましいんじゃないですか?」
「へ?」
「・・・」

会長は何故かムスッとした機嫌の悪い顔になっていた。

俺は不思議がる。

「(そー言う事か)オイ、ツナ。早くしやがれ。じゃねぇと戻っちまうぞ」
「え、あ、そ、そうだね」
異世界の彼は、俺に微笑みかけた。
十年前と、同じ笑顔で。
「————」
「大好きだよ、終夜」

—ギュッと、抱きしめられた。

「おや?」
「・・・(プイッ)」
「空間が・・・」
空間が捻じ曲がる。
その渦に、彼は手を入れた。
「終夜。また、出会えたら会おうね!」
「・・・うん」

俺は、感情の無い笑顔で、笑った。

無感情だったけども、笑顔を。

精一杯の笑顔を。





「狂は不思議な事が一杯起こったなァ、終夜」

「・・・そうだな」

俺は素っ気無く。
そう答えた。

空を見上げれば、虹が広がっていた。





(もう一つの奇跡が起こるまで、)(もう少し)

Re: 誰か「 心 」を教えてください—REBORN— ( No.15 )
日時: 2010/07/30 18:27
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

何時も、現実は残酷だ。
残酷すぎて——美しい。


—Data,07— 現実偽善

「・・・」

あぁ、むかむかする。
あの異世界の俺が来てから、何かがおかしい。
俺は額に手を当てる。
俺は、この感情の正体を知らない。
空を見上げれば、もう夕暮れだった。

「・・・ったく・・・」

「悩んでるようだね、青少年」

「!」

後ろを振り向いた。
木に登っていたのは、カウンセラー、黒崎先生だった。
相変わらず道化師のような笑顔を作り出している。
「で、沢田君。キミは何に悩んでるんだい?」
「———別に、なんでもないですよ」
「ふふっ。じゃあ僕が変わりに答えてあげよう。キミのその悩みの原因は、彼女についてだね?」
「!」


—言い当てられた。


俺はつばを飲み込んだ。


「彼女は本当に凄い存在だ。「 表社会 」にとっても——また、「 裏社会 」にとっても」


クスクス、と笑う黒崎担当に、俺は冷たい視線を送る。
何なんだ、コイツは。
一体———。

「何者なんだ」

「!」

「あたったね」

そういって、黒崎担当は、俺の頭を掴んで、耳元に囁くように言う。
「彼女は、キミが手をつけていいような存在じゃない」
「・・・神崎は、一体何者なんですか」
「それは、後に判る事だよ」
スッと、声が冷たくなる。
そして、その道化師の様な表情も——。
無表情になった。
「だけどコレだけはいえるかな。彼女は——キミ以上の強力な力を受け継いでいる」
「・・・」

「クスクスッ・・・じゃあね。「 ボンゴレ十代目 」」

「!何故、」

俺は振り向いた。

ソコには、既に黒埼は居なかった。





帰り道は既に真っ暗になっていた。

俺はその帰り道を毎日のように通る。

「神崎、終夜」
「!?」
俺は振り向いたと同時に、口元にハンカチを押し付けられた。
視界が歪む。

「睡眠、薬・・・」

体から力が抜けて、俺の意識は闇に沈んだ。

「・・・」


男は神崎終夜を抱えて、歩き出した。

Re: 誰か「 心 」を教えてください—REBORN— ( No.16 )
日時: 2010/07/30 18:26
名前: 保持者 (ID: uT5MQLCg)

「う・・・」

目を開ける。
まだ、視界が霞んで見えた。
痛い頭を抑えながら、前を見据える。

「・・・だ、れ」

「おぉっと。早々に起きちまったか・・・」

見知らぬ、男の人だった。
気が付けば、手錠で両手両足拘束されていた。
「(また、このパターン・・・)」
「ククッ・・・にしても、本当に茶髪橙色の目とはな・・・」

俺の眼を見て、男はそういった。

何故、俺の事を知っているんだこの男は。
周りを見渡せば、何処かの廃工場跡地らしい。

「だが、まさかこんなガキがノッテFの十代目とはな」

「・・・ノッテF・・・?」

「何だ、しらされてねぇのか?お前の父は、マフィアなんだぜ?それも・・・あのボンゴレに並ぶほどの強大さ」


・・・マフィア、か。


そんな事実を聞いても、俺は動揺なんてしない程、欠落しているのだろう。

「コレで俺は裏社会の王者だ」
気色が、悪い。
俺は少し、顔を歪ませた。
目を閉じる。


—父さん。俺、何時か———。


「・・・!」

—ドクッ

「や、だ」

何に俺はおびえているんだ。


—判らない。

             いや、本当は判っているんだろう?

—知らない!

             嘘だ、本当は、キミは——。

—止めろ!言うな!


「    だ     」

「あ?」

「嫌だァぁァぁァぁァぁァぁァぁ!!!」


—体中の力が、何倍にも膨れ上がる。


脳内のスイッチが、シャットダウンする。
真っ白になった。
何が何か、判らない。
あの時と同じだ。

俺は———。





「オイ!何処までつれてくんだよ!」

「・・・神崎が、」

俺は、嫌な予感を感じ取っていた。
神崎の友人である笹川雄途の腕を引っ張って歩き始めた。
場所は、只の勘で見つけ出す。

—彼女を、守ってあげなさい。

「・・・」

「ば、化け物ォォォォォォォ!」
「「!?」」
ある廃工場跡地から、悲鳴が聞こえた。
俺と笹川雄途は走り出して廃工場跡地を見た。

「終夜!?」

「神崎!」

俺と終夜は、男よりも先に、神崎を元に戻すために走り出した。
神崎の目は酷く虚ろで、何も映していなかった。
虚空だけを見つめ、
孤独だけを見ていた。

「神崎ッ!」

「終夜!抑えろ!」

笹川は、力を込めて神崎を抑えるが、全く足りないと言う感じだった。
俺はハイパー化して、押さえ込む。

神崎の額には——漆黒の炎が宿っていた。

あの時と、同じ。

「       ッ!」

「ッ神崎ッ!」

俺は力限りに叫んだ。
「へ、ヘヘ・・・。まさか、ボンゴレまで出てくるとはな・・・」


—カチャッ・・・


「ッ!」


—バァンッ



銃の引き金は——そのまま、引かれた。


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