二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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雲はただ孤高に自由気ままに。【REBORN】 無理矢理完結←
日時: 2010/08/22 14:38
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

人間不信です。
今回の小説は、雲雀さんとの切ないを目指します。(いや、実際悲痛な恋とかになりそうですけど(涙))
駄目作者なので、途切れ途切れに更新したりします(涙)


・キャラ
終崎刹那  終崎家という名家の時期後継者。ボンゴレと深い関わりを持っているが、本人は明かさない。雲雀とは実は幼馴染だが・・・。


・お知らせ・
十年後編、開始いたします!
100クリック有難うございます!
文才能力最悪でスイマセン←
無理矢理完結したも同然で、下手文です←




・目次
—プロローグ— >>1
—Maind,01— 再会の雲 >>2-3
—Maind,02— 終崎家党首時期後継者 >>4-5
—Maind,03— 見知らぬ感情 >>6-8
—Maind,04— 血統組織の掟 >>9-11
〜ヴァリアー編〜
—Maind,05— 異常感情 >>12-13
—Maind,06— 未知数 >>14-15
—Maind,07— 制御不能 >>16-17
—Maind,08— 「 零と壱 」 >>18-19
〜十年後編〜 (未来編とは違います)
—Maind,09— 近未来×過去未来 >>20-21
—Maind,10— 夜空の虹 >>22-23
—Maind,11— 夜空の使命 >>24-25
—Maind,12— 血族と炎 >>26-27
—ワールド・エンド— >>28

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Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.14 )
日時: 2010/08/20 15:35
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

考えてみる、自分の気持ちを。



—Maind,06— 未知数


学校に通い続けて三日。
雲雀は登校していなかった。
俺は首をかしげながらも、骸と言う青年の言葉を思い出しながら廊下を歩いていた。

「あ、終崎さん」
「沢田君。・・・傷、増えてるね」
「え、あ、まぁ・・・(今日が大空戦なのに・・・)」
「そういえば、笹川から聞いたんだけど、今日が相撲の試合なんでしょ?」
「え、あ、まぁ・・・」

沢田は苦笑いになりながら俺を見ていた。


(何か隠し事をしているにはしているんだが、ソレが何なのか判らないな・・・)


「なら、傷を治さないと駄目だろう?」
「え、」

グイッと俺は沢田の腕を掴んで引っ張り寄せた。
沢田の体に手をかざして、炎を灯す。

「え、死ぬ気の炎!?」


(死ぬ気・・・?)


俺はそんな沢田の言葉に疑問を持ちながら、炎を灯し続けた。
傷は癒えて行く。

「あ、傷が・・・」
「治った。じゃあな」
「あ、うん・・・」

スッと、俺は廊下を歩き続けた。

「なぁ、リボーン」
「何だ?」
「さっきの炎って、死ぬ気の炎じゃないか?」
「・・・近い物ではあるが、アレは別物だな。未知数の炎だ」
「・・・」

俺は終崎さんの背中を見ながら、歩き続けた。





やはり、歩くたびに違和感を感じた。
俺は気が付けば放課後になっていて、気が付けば何処かの病院に居た。


(ッて言うか、何語で話してるんだ・・・?)


全く判らない言葉を見聞きした。
何処か外国語の様な気がするが——。
そして、俺は一つの病室の前に居た。

「・・・ブルーベル・・・?」

その病室の扉をノックした。
そして、病室に一歩踏み入る。

「・・・にゅ?アンタ誰?」
「・・・ソレはこっちが聞きたいことだけど・・・」

俺は、目の前に居る水色の髪をした少女に、顔を向ける。
この子がブルーベルと言う子なのだろうか。

「君がブルーベル?」
「そうだけど、何?」
「いや、病室の名刹が気になったから」

そういって近くにあった椅子に座る。

「・・・君、足が動かないの?」
「・・・そうよ。だから、何?」
「・・・」


(聞いちゃいけないことだったのか)


俺はそう思いながらも彼女を見ていた。
俺の力じゃまだまだ足りない。
だから、足を治療してあげる事は出来ない。

「ねぇ、君は、歩けるようになったら何がしたい?」
「・・・水泳」
「水泳?」
「ブルーベルは、水泳選手だった。だけど、事故で・・・ッ」

体が震えだす。
俺は少女の体を抱きしめる。

「にゅ・・・!」
「大丈夫だよ。きっと君の足はよくなる。俺が保障しよう」
「本当に・・・?」
「あぁ。きっと」


(そんな感じが、するから)


俺はそういって彼女の手を握った。

「(暖かい・・・)ねぇ、お姉さんの名前は?」
「俺の名前?俺の名前は、終崎刹那」
「終崎・・・?日本人なの?」
「あぁ、君は」
「・・・ブルーベル。イタリア人、だよ」


(イタリア・・・?ちょっと待て。ここは———)


瞬間、周りにフラッシュの様な物が走る。
俺は深く目を閉じた。


———ザザァァァ・・・


「・・・にゅ?(居ない・・・)」
「どうしたの?ブルーベル」

目の前には白蘭が座っていた。

「(気のせい、じゃないよね)あのね、さっきね」





(夢じゃない)(まだ手に残る暖かさを感じながら)

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.15 )
日時: 2010/08/20 16:41
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

周りが真っ白になった後、目をゆっくりと開けば学校の校庭に佇んでいた。
空を見上げれば夜空が広がっている。

「って終崎さん!?何で此処に!?」
「ッて言うか何処から来たんだ?」
「誰だ、コラ!」
「何、アイツ?」
「・・・ドカスが」

何か怖い人達も勢揃いしている。
俺は何がなんだか判らない。
すると仮面をつけた女達が言葉を発した。

「夜空のリング保持者も現れたので、大空のリング戦を開幕いたします」
「ちょっと待ってよ!終崎さんが何時リングをッ・・・」
「コレの、事か?」

俺は指に嵌めているリングを見せる。
全員が一斉に俺を見た。

「ハイ、ソレが夜空のリングです」
「何で終崎さんがッ・・・」
「コレ、家の家宝なんだよ。時期党首になると決まったときから肌身離さず持ってるんだけど」

すると雲雀が近づいてきて、俺を凄い剣幕で見てきた。

「雲雀、コレって何がどうなって———」
「・・・ッ君が戦わなくてもいいのに」
「え?」
「では、各フィールドに付いて下さい」

皆がどこかへ向かった。
俺はいまだ整理の付かない頭で考えるのは、戦わなければいけない事。
俺はそんな曖昧な覚悟を宿しながら、仮面の女を見た。

「俺はどうすればいいの?」
「終崎様は、特にフィールドはございません」
「・・・それじゃあ困るような気もするけど・・・」

俺はそんな事を考えていると、女の人が開始を告げた。
爆発がグラウンドで起きたりしていると、何故かティアラをつけた少年が俺の前に立った。

「シシッ弱そうな奴。こんな奴が夜空の守護者だなんて信じらんねぇ」


(夜空の守護者・・・?)


俺は首をかしげた。
するとナイフが飛んできたので避けてみた。


——バシュッ


「!」
「シシッ」

頬に赤い血が流れる。
ナイフで切られていないのに、血が出た。
俺は少年を見る。


(ナイフが空中に浮いている・・・?)


マジックのように操るナイフに、俺は違和感を覚える。

「刹那!」
「雲雀・・・?」

俺の前に雲雀が立つ。
トンファーを構えて戦い始める雲雀に、俺はソレを見ているしかなかった。


——バシュッ


「!?」

雲雀の頬に、赤い血が伝う。



——ドクンッ



「沢田殿!」
「・・・」

俺は視線をグラウンドに変える。
沢田がボロボロの姿で立っていた。


(訳が、判らない)


——ドクン。





「!?」

クローム髑髏が頭を抱える。
毒の所為ではなかった。
それは——骸の危険命令。

「骸、様・・・?早く、抑えろ・・・?」

微かに聞こえる骸の意思を辿るクローム髑髏だったが、次の瞬間に聞こえた悲鳴にも似た絶叫に、意識を移した。





「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「刹那!?」

突如刹那が叫びだした。
悲鳴にも似た絶叫は、学校全体に響き渡る。

———僕は、先程助けた山本武を思い出す。

即座に手首に装着された小型モニターを見た。
そこまで響き渡っているのか、目を呆然としていた。



「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!」



最早何を言っているか判らなかった。
人の死のような言葉を発する刹那に、僕は抱きしめることしか出来なかった。

「ぐっ・・・」

何かの力の様な物の熱風が起こり、僕は後ろへ飛ばされる。


———ボァァァァァァッ


「刹那・・・?」

刹那はまるで何も見えていないような目で、虚空を見ていた。
力が抜けたように腕がだらんとぶら下がる。


「刹那?」

「            」


何かを言った気がするけど、言葉は聞こえなかった。
拳と額に炎を灯した刹那は、ユラリとティアラの草食動物を見ていた。





(僕の知らない、刹那)

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.16 )
日時: 2010/08/20 17:02
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

制御不能、全ての警戒レベルが急上昇致します。
制御不能。緊急システムを作動いたします。



—Maind,07— 制御不能


頭の中が真っ白になる。
体の自由が利かない。
まるで自分の意思とは反対に、自分の本能が相手を殺せと言わんばかりの。

思い出すのは——殺した人間の言葉。


                                 「    」


何度、言われた事か。
俺は、目をゆっくりと瞑った。





「刹那!」

狂ったように戦い続ける刹那に、僕は何度も叫んで止めようとする。
だけど声は聞こえないらしく、ナイフを振るう。
ナイフはティアラの天才から奪ったものだ。
無理矢理ワイヤーを引き千切って、そのナイフを使用している。
額にはどす黒い炎が灯っている。

「刹那!」
「シシッ・・・冗談じゃねぇ、コイツ・・・」





「刹那!?」

俺はモニターを見て叫んだ。
額に死ぬ気の炎らしき物が灯っている。

「ドカス。アイツは終崎と言ったか」
「・・・ッソレがどうした」
「終崎と言えばボンゴレの分家の様な家柄じゃねぇか・・・あのカス、炎を制御できずに暴走してやがる!」

目の前でザンザスはあざ笑った。





「制御が出来ない、ですか?」
「あぁ・・・突発的に、いや、偶然に起きた「 覚醒 」だからな。暴走しても可笑しくはねぇ」

傍観席でリボーンは説明をする。
自我を忘れた刹那は、いまだ戦っていた。

「ですが、死ぬ気化ならこの拙者にも出来ました」
「違う、そういうことじゃねぇ。刹那には、初代ボンゴレの血が色濃く受け継がれているんだ。無理矢理覚醒すれば暴走しても可笑しくはねぇ」
「・・・強すぎる力ゆえに、か」
「あぁ・・・」
「だ、だとすれば大変ですよ!このままじゃ味方さえも殺しかねません!」

バジルはあせりながらそう言った。

「(だが、逆にその炎を操れるとすれば、凶器になりうる)」


——ボンゴレに不可欠な、な。





目の前が真っ暗になって行く。
白から黒へと移り変わる世界に、俺は目を細めた。
微かに聞こえる声に、俺は耳を貸す。


                                『——だが、——には』


「・・・あぁ」

だんだんと景色が固まっていく。
そして、見えたのは———。





                                  「葬式の、時だ」

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.17 )
日時: 2010/08/20 17:32
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「まだ、あの子には早いのでは?」

「それにあの子は血が通っていても、子供だ」


そんな大人たちの声が聞こえる。
葬式の泣き声が聞こえる声と混じったその声に、俺はギュッと持っていた熊の人形を抱きしめた。

「それに、あの子は一体誰が引き取るんだ?」
「私はゴメンよ。あんな「   」な子供の世話なんて」


「   」。


同じ言葉が繰り返される。
耳を防ぎたくなって、俺は顔を俯かせた。
そのときだった。

「俺が引き取ろう」
「・・・終夜様のお兄様・・・」
「ですが一体お家はどうするのです?」
「終崎家の本家にしよう。もともとあの子は終崎家の血筋を引き継ぐ者。それに今まであそこで育ってきた。あそこのほうが安心するだろう」

そういってその人は俺の頭を撫でてきた。

「これから俺がお前の父親だ」
「・・・俺、「   」だよ?いいの?」
「自分で自分を否定するような言葉は吐くな。それはお前の父親を愚弄しているのと同じ事だ」
「・・・」

俺は、ギュッと、熊のぬいぐるみを抱きしめた。
幼いながらも、俺は感づいていた。
終崎家次期党首になるということは———。
命を狙われて、自分が頂点に立つという事。
だから、

「俺に障るな」

君を避けたんだ。





真っ暗な世界。
だんだんと白が薄れてゆく。
段々目を瞑りたくなってきた。


                                 ——目を瞑るな。


「・・・」

薄っすらと、目を明ける。


                             ——君を待ってる人間が居るでしょ?


「・・・」
『刹那!』

雲雀の声が聞こえた。


                            ——さぁ、君は戻らなければいけない。


「・・・貴方の名前は?」


                                ——「     」


そこで、景色がいっぺんに壊れだした。





「刹那!」

刹那が急にボォッとした目つきになった。

「刹那!」
「・・・雲雀」

刹那が言葉を発した。
僕は目を見開いて言葉に耳を貸す。

「雲雀、俺、戦うよ」
「え?」



——ボォォッ



無駄に燃えていた炎が、優しい炎へと変わる。
どす黒く濁った色の炎は、純度の高い炎へと変わっていく。

「・・・守りたいんだ」
「・・・」

グッと刹那が拳を握り締めた。


「戦うよ」


僕に表情を向けた時の刹那の顔は、優しい表情だった。





「・・・!レオンが・・・」

レオンが光りだす。
球体になったレオンの中から、光があふれ出し、遂に何かが飛び出して終崎の居るところへ光は向かっていった。
一斉に俺達は巨大モニターを見上げる。


「・・・グローブ・・・!」


そこには、終崎がボンゴレの紋章のロゴが入ったグローブを装着された右手を握り締めて、淡い黒い炎を両手に宿した姿があった。

Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.18 )
日時: 2010/08/20 20:54
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

俺の覚悟の炎は、心の闇が作り出している。



—Maind,08— 「 零と壱 」


「燃え上がれ、俺の心の闇」
静かにそう呟いて拳に炎を燃やす。
心の闇という炎。

俺の炎は心境の変化で変わる炎。

ソレが———俺の炎だった。

癒す為の炎は、優しき心になれば簡単な事だった。
怒りを込めればザンザスという沢田と戦っている相手の憤怒の炎にだってなれるだろう。
そして、俺のこの黒き炎は。

「心の闇の炎・・・最もコノ世界では、灯せる人間は俺しか居ないだろうが・・・」

俺は、拳に炎を再び灯して、空に飛ぶ。
雲雀とは先程分かれて別行動だ。
グラウンドに降り立つと二つの炎がぶつかるのが見えた。
淡い色のオレンジと、真っ赤な怒りが篭った炎。
俺は顔を歪める。
昔の俺と同じ・・・一度だけだった。
怒りを込めた炎を使ったのは。
それは凄く醜いもので——悲しい物だった。
俺は、歩き始める。





「刹那・・・来るな!」

俺は力いっぱいに叫んだ。

「ハハァ!」


——ズドドドドッ


遠慮の無いザンザスの放った炎の弾丸が刹那に向かっていった。
俺は目を見開く。

「刹那!」


——ゴアッ


刹那は拳に灯した炎で土煙を払った。
無傷で平然と経っている刹那。
感情は無感情だった。

「憤怒の炎、お前が憤怒の炎なら俺は「 零の炎 」だな」
「零の、炎だと?」

地面に降り立ったザンザスが顔を歪めた。

「俺の心は今、無だ。零になっている。零だからこそこの炎は生まれる。だから「 零の炎 」とでも言うだろう」
「刹那!逃げろ!」

俺はザンザスが銃口を向けると同時に叫んだ。

「カスが!灰になれ!」

炎の篭った弾丸は、当たらなかった。
刹那は全てを避けて、空中に浮かんでいた。

「何!?」
「俺は手出しはしない。コレは沢田綱吉の戦いだからな」

そういって刹那はトッと、地面に降り立ってザンザスを見据えていた。

「それに、この炎を無事に操れるか未だに不安だしな・・・」

そういって拳から炎を消して、死ぬ気化を解いた刹那に、俺はうめいた。





その後は、良く覚えていない。
あの炎は体力よりも精神力を必要とする炎のようだった。
頭がクラクラして、最後に見たのはザンザスが喚き叫ぶところだった。
過去の事を話し出すザンザスに、俺は無意識的に抱きしめていた。
判らなかったけども。

俺は、目をゆっくりと閉じた。





俺は悲痛のように叫んだ。
老いぼれの事、過去の事、全てを。
怒り狂った言葉に、終崎と言う女が歩み寄った。

ゆっくりと、優しく俺の体を抱きしめたアイツは、ゆっくりと目を閉じ、気を失った。

沢田綱吉も同時に倒れこんだ。
その後、だったか。
沢田綱吉側の雲の守護者が、終崎を抱きとめて、背中に負ぶって運んでいった。


(終崎刹那、か。覚えておくか)


俺は、老いぼれと似た、あの暖かさを感じながら、目を閉じた。





刹那は僕の背中で目を覚ました。

「・・・ザンザスは」
「もう全て終わったよ。あのボス猿ならボンゴレの組織の人間に連れて行かれたらしいよ」
「・・・そう」
「刹那」
「何?」

僕は少し口ごもる。

「いや、何でもないよ」

僕はソレだけを言うと、終崎家の——刹那の家まで来て、刹那を運んであげた。





「・・・クフフ、雲雀恭弥、お久し振りですね・・・」
「・・・六道骸。その姿でしゃべらないでくれる?気色悪い」

家に戻った僕は、クローム髑髏の体でしゃべる骸に顔を歪めた。

「仕方が無いじゃありませんか。僕は今、力をフルに使えないんですから」
「・・・で、何」
「そう警戒しないでくださいよ。いえ、只、キューピットになってみようと思いましてね」
「ハァ?」

六道骸の口からキューピットなんて言葉が出るなんて・・・僕は吐き気がした。
六道骸は「失礼ですね」、と変わらない顔で言った。

「雲雀恭弥。貴方本当に判らないんですか?ハッキリ言いますけど君、終崎の事がすきなんでしょう?」
「・・・」

僕は無言で答えた。

「・・・ハッキリ言いなさい」
「・・・好きだよ。多分・・・」
「多分って何ですか。本当、貴方は恋愛にはうといんですから・・・」
「君は恋愛ってした事あるの?」
「無いですよ。ですけど一応そんな感情は持った事くらいあります。貴方は無いんですか?」

僕はそんな六道骸の言葉に、無言で答える。

「・・・本当、貴方達ハッキリしなさい。好きなら好きとハッキリ彼女に言いなさい。早くしないと他の男に取られたりしますよ?」
「・・・判ったよ。好きだよ。愛してるかは判らないけど、大事だし、好きだし、将来的には———」


・・・って僕は何を言っているんだ。


「コレも愛のお陰ですかねぇ・・・。クフフ。ならその気持ちを早く言いなさい。雲雀恭弥」
「・・・ハァ・・・」

クローム髑髏・・・否、六道骸は霧になって消えていった。
僕は明かりを消して、目を閉じることにした。


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