二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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東方project 東方幻旅伝
日時: 2010/08/31 17:49
名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)

東方projectを題材にした小説です。
・オリキャラ登場
・原作との矛盾
・キャラの性格の改変
などに目をつむっていただける方のみよろしくお願いします。

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第八話「ミッシングパワー」 ( No.10 )
日時: 2010/09/14 10:01
名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)

 しかし、黙ってやられる新門薙じゃない。俺は一歩踏み出し、奴らをにらみつけた。
「ほう。お前が俺たちと戦うってのか?」
「そうさ。やってやるぜ」
「おい、無理するな。あたしが・・・」
鬼が言い終わらないうちに俺は奴らに向かって走り出した。そこで俺は幸か不幸か石につまずき、転倒した。
「俺は頭をいただくぜぇ!」
「俺は腕だ」
「俺は足だ」
万事休すと思った次の瞬間、何か巨大なものが妖怪どもを吹き飛ばした。
「ぐおぉぉぁ!」
「うがぁぁぁ!」
「だあぁぁぁ!」
まるでヒーローに敗れて空の彼方に飛んでいく悪役みたいだった。
「まったく、無茶しやがって」
俺は自分の目を疑いたくなった。なにせそこにはチビ鬼が巨大化した姿があったのだから。妖怪どもを吹き飛ばしたのはこいつの巨大化した拳だった。
「・・お前、なんでデカくなってんだよ・・」
俺の声は驚きを隠せない感じの声だった。
「ん?能力だよ。それよりお前、気にいったぞ。あたしと戦おうとしたりさっきの奴らに突っ込んでいったり。最近はそういう度胸のある人間は少ないんだ」
「へえ、そうかい。そりゃどうも」
「改めて自己紹介するぞ。あたしは伊吹萃香。鬼だ」
「へっ、俺は新門薙だ」

鬼に気にいられた。俺も珍しい人間だな。

第九話「人間の里での出会い」 ( No.11 )
日時: 2010/09/18 22:49
名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)

 ようやく不気味な獣道を抜けられそうだ。道が明るくなってきた。
「見えたぞ。あそこが人間の里だ」
「あれが人間の里か」
ひっそりとした雰囲気の場所だ。あんなところに妖怪退治のプロが本当にいるのか。
町に入ってみると割と賑やかな所だった。商売人が売り込みをしたり、子どもが走り回っている。
「じゃ、あたしは戻るからな。しっかりやれよ」
「ありがとよ」
「今度会ったら一緒に酒を飲もう」
「ああ、楽しみにしとくぜ」
鬼は足早に去って行った。さて、この広い里のどこを訪ねりゃいいのかさっぱり分からない。とりあえず聞き込みを開始することにした。それにしても学ラン姿だからかなり目立っている。
町娘に聞いてみたところ、腕利きの妖怪退治屋の家がわかったので向かってみることにした。芝牧一徹(しばまき いってつ)という名前らしい。
「ここだな。すまねえ、弟子入り志願者なんだが」
返事がないからもう一度呼んでみたら門が開いた。
「聞こえとるわい。せかすな」
出てきたのは俺の身長の半分くらいの小さなじいさんだった。
「あんたが芝牧一徹か?」
「そうじゃ」
「大丈夫かよ、こんな弱々しいじいさん」
「ほっほ。失礼な小僧じゃ。霊夢ちゃんに言われて修行に来たんじゃろ?まあ入れ入れ」
「なんでそのことを!?」

第十話「坐禅を組め」 ( No.12 )
日時: 2010/09/17 17:12
名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)

 「ほっほ。わしくらいになるとそのくらいのことはお見通しじゃ」
家の中には他に誰もおらず、ひっそりとしていた。俺は道場のようなだだっ広い部屋に連れてこられた。
「お前さん、能力はもっておるのか?」
「能力?」
「時間を操るとか、魔法を使うとか」
「あるわけねえじゃん」
「ならまずは能力を開花させることが先決じゃ。さっそく修行を始めるぞ。もっとも、開花しない人間もいるがな」
かなりの急展開で俺はついていけなかった。なんで知り合ってわずか数分でここまで世話をしようとするんだ。何か企んでいるのか。不安になってきた。
「心配いらんお前さんに危害を加えるつもりはない」
「ちょ・・、俺何も言ってないんだけど」
「わしが親切すぎるから怪しいと思ってるじゃろ?安心せい、久々の弟子で嬉しくて浮かれてるだけじゃから」
どうも悪いじいさんじゃないみたいだ。しかし、こっちの思っていることを見透かされているみたいで多少気味が悪かった。

「まずは坐禅じゃ」
「何ぃ!そんな地味なことすんのか!?」
「何事も集中力は大事じゃぞ、薙」
なんだかインチキ臭い師匠を持ってしまった。こんなことなら別のところに行けばよかった。本当に腕利きの妖怪退治屋なのか。

第十一話「夕食」 ( No.13 )
日時: 2010/09/19 08:51
名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)

 俺は部屋を与えられ、そこでひとまず休むことになった。神社からここまで相当な距離を歩いたし、なによりもう日が暮れかけていた。
「おい、薙。夕飯の支度手伝ってくれ」
じいさんが呼んでいる。これから世話になるわけだし嫌だとも言えないからすぐに向かった。台所ではじいさんが野菜を切っていた。背が低いもんだから踏み台なんか使っている。
「お前さん、外の世界から来たんじゃろ?」
じいさんがニコニコした顔で聞いてきた。
「ああ、そうだ。変な妖怪に連れてこられた」
調理の手伝いをしながら俺は答えた。
「帰りたいとは思わんのか?」
「いや、日常生活に嫌気がさしていたからな。ありがたいね」
「ほっほ。面白いやつじゃ」
食事の準備が整った。メニューは、ご飯、味噌汁、焼き魚、野菜炒めだ。
「こりゃあ!!いきなり食うやつがあるか!!」
「なんだよ!!」
「『いただきます』を忘れとるじゃろうが!」
「はぁ・・・?」
けっこう口うるさいじいさんだ。俺は坊主の修行に来たんじゃないんだぞ。
「わかったよ言えばいいんだろ。いただきます。」
「なかなか素直じゃの。修行も素直に取り組めば必ず強くなれる」

夕食が終わり、俺は部屋へ戻った。「能力」か。俺はどんな能力を身につけるんだろう。そもそも能力の開花はできるのだろうか。そんなことを考えつつ、いつの間にか眠ってしまった。

第十二話「修行をサボろう」 ( No.14 )
日時: 2010/09/19 08:44
名前: チキンカレー ◆u8da6hjvyw (ID: t18iQb5n)

 「こりゃぁ!!集中性せい!!」
「ああ、もううるせえな!!」
予告通り、修行は坐禅を組むことから始まった。だから、坊主の修行じゃないってんだよ。
「ほれ、あと500回じゃぞ」
「まじかよ・・・。多すぎんぞ・・・」
そのあとは腕立てふせ、腹筋、背筋などの筋トレだ。空手道場とは比べ物にならないくらいキツい。

修業とはいってもこんなことばかりで、実践的なことはほとんど教えてくれない。ますます不安になってきた。
 そんなこんなでだいたい3か月くらいたった。ある日俺は修行に耐えかねてじいさんの目を盗んでひそかに家を抜けだした。
「やってられるか!こんなこと!」
町で遊ぶことにした。じいさんに少し金をもらったしうまい飯でも食ってこよう。

「らっしゃい!!そこ、空いてるから座ってくんな」
板前が威勢のいい声でそう言った。
「お兄ちゃん見かけない顔だね」
「ああ。最近幻想郷に来たからな」
「そうか。妖怪がうようよしてて物騒なとこだがここは安心さ。なんたって腕利きの妖怪退治屋がたくさん住んでるからな」

そのなかであのじいさんを選んでしまったのかと思うとむなしい気分になってきた。

そのとき、店の外で悲鳴がした。慌てて外に出てみると、酔っ払い妖怪が暴れていた。
「逃げろー!!」
「早く妖怪退治屋を呼べ!!」
町人たちは慌てふためいていた。


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