二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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鎖の少女 (ボーカロイド)
日時: 2010/11/03 13:15
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
参照: モハヤ私ハ、完全二人間デハ無クナリマシタ。

 いい歌なので小説にします。
 皆さんも(クリックしてくれた人)是非聴いてみてください。(知ってる方も)
 駄文ですが、そこはご了承して。
 こんな私ですが、暖かい目で見守ってください。

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Re: 三話 留まるカケラ このカラダ ( No.30 )
日時: 2010/11/10 18:41
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
参照: もう学校いきたくないな。気が重い。はぁ…

 外に出ると秋、秋の肌寒い風が頬を掠めた。
 今日は一段と寒い。
 そう感じるのは感覚の所為か。
 気持ちの所為か。
 ティファニーはそっと歩き出した。
 寄り道などしない。
 決められた時間に帰らなくてはならないからだ。
 彼女は数歩歩いたところでふと、あることに気付きカバンのチャックを開け、中を探った。
 指先に硬いものが当たると、それを摘んで取り出した。
 中から出てきたのはジュエリーだった。
 ルネ・ラリックの有名な作品のひとつ、『ツバメのネックレス』
 宝飾品とも呼ばれるそれをティファニーは首に巻いた。
 日暮らしの夕日がネックレスに当たりキラリと光る。
 これは母の形見で、父との唯一の繋がりでもあった。
 捨てたくても捨てられない。母の形見ということが彼女の決心を鈍らせる。
 だからいつまでもウェントワースとの主従関係が絶ち切れないでいたいた。
 母は言っていた。
 何かあったらこれをもって身一つで逃げなさいと。
 売りさえすれば一人で生活するには充分なお金になると。
 だけど要領の悪い彼女はそれを出来ないでいた。
 どんなに殺したいほど憎い相手でも、ティファニーにとってはただ一人の身内なのだ。
 見捨てることなどできようか。
 あんなやつでも母がいた頃は三人一緒に旅行とか行っていた。
 笑っていたんだ。幸せそうに。あの父が。
 今では考えられないあの時は日常だった日々。
 ティファニーは下口唇を咬んだ。
 振り返ると捨ててきた友達と夢。
 もう取り戻すことはできないと、どこかであきらめている自分がいる。
 そんな臆病な自分を彼女は自分自身で戒めていた。
 それがウェントワースの命令であっても、結局は最後に決まるのは自分なんだ。
 これまで自分に接しようとしてきた人を、無理矢理遠ざけた。
 自分のアイデンティティーが崩壊するのではないかと怯えて。
 もうやり直せないんだ。
 後悔したときこそが終盤。
 終わりと、彼女が声帯を震わせて青白くなった口唇に乗せようとしたとき。
 その人たちは現れた。

 
 

Re: 鎖の少女 (ボーカロイド) ( No.31 )
日時: 2010/11/10 18:45
名前: 達也  ◆Jb70cOv9yg (ID: .ys/4ZzH)

ついに・・・ついに現れるのか・・・
楽しみです!!

Re: 鎖の少女 (ボーカロイド) ( No.32 )
日時: 2010/11/10 18:47
名前: リラックマ (ID: KrNEmkft)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

切る所が上手いです・・・。
ものすごく楽しみです!
続き頑張って下さい!

Re: 鎖の少女 (ボーカロイド) ( No.33 )
日時: 2010/11/10 22:08
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
参照: 涙で目が痛い。これは忌日と認めていいのか…

 <達也さん
 わぁあい!
 きてくれたんですね!
 そうですよ、ついにあの人たちが登場します。
 ですが焦らしが発動。
 この続きは明日ということで。

 <リラックマさん
 ありがとうございます。
 丁度いいタイミングで親が帰ってきたので切っちゃいました。
 自分も親にナイスタイミング!って言いましたっすよ。
 あのまま帰ってこなかったらそのまま続きを更新してた。
 と、私は今こうして返信してる間にも思ってます。
 頑張りますよ!
 続きを更新できるように。
 でわっ。
 

Re: 三話 留まるカケラ このカラダ ( No.34 )
日時: 2010/11/11 23:47
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: qrnJbgt/)
参照: 中耳炎ってこんなに痛いんだね。てか聞こえない。

 その人たちは現れた。

 「うおっ!オトナシ見ろ!87点だってよ!」

 後方から男のはしゃぐ声が聞こえた。
 ティファニーの心臓が跳ね上がる。
 恐る恐る振り返るとそこにいたのは4人の男女。
 ぐしゃぐしゃの紙面を顔を寄せ合って見ていた。

 「すげぇなぁ————って、これ他人のモノじゃないか。ヒナタ、何処で拾ってきた。正直に言え」

 「道端」

 「よし戻して来い」

 「嫌だ」

 「お前———ッ」
 
 「でもまぁ、すごい点数よね。私なんか取った事無いわ」

 「そうだな…ってユリ、お前の高得点って何だっけ?」

 「56点よ。流石私ね」

 「そこ、胸を張るとこか?」
 
 「ユヅル…これ、置いてきた方が————」

 「返してください!!!」
 
 ティファニーはテストを見て話し合う4人から用紙を奪い取った。
 驚きが彼らの吸う息の短さで手に取るように判る。
 何時落としたのか。
 そして彼らは誰なのか。
 彼女は気にも留めなかった。
 別にこんなテストなんて捨てておけばいい。
 そのまま落としたことも忘れて家に帰ればいい。
 そのはずだった。
 カラダが、勝手の動いたのだ。
 自分自身よくわからない。
 何故なのだろうか。
 用紙を握り締めても頭の中はそればかり。
 しかしそれも彼らたちの反応で霧散する。

 「それ、君にとっては大事なものなのか?」

 その質問に対してティファニーは首を横に振った。
 こんな忌々しいモノ、誰も大事なモノだと思わない。
 これが最高得点だったのなら、家に飾ることはするだろう。
 しなくても、親にみせることはするずだ。
 だがティファニーとってはこの用紙を破る捨てたい気持ちなのだ。
 大事なはずが無い。では何故————。

 「…なにそれ。じゃあ別に返せ何て言わなくてもいいじゃない。私が記念に貰おうと思ったのに」

 「嘘だろ」
 
 「な——ッ!何処に嘘があるのよ!」

 「嘘じゃないのか?」
 
 「当たり前よッ!名前を変えて親に見せればお小遣いが値上がりになのよ?こんなチャンス滅多に無いわ!取り逃がして溜まるもんですか!」

 闘志を燃やして叫ぶ少女。
 本当らしい。
 少しバカだ。いや、相当バカだ。
 容姿端麗なのに。勿体無い。
 そんな彼女にティファニーは半ば信じられなかった。
 この点数で蔑む人間は居ても、こうも喜ぶ人間は居ない。
 うろたえるティファニーに気付いたのか白髪の少女が茶髪の少年の袖を引っ張った。

 「ん?なんだ、カナデ」

 「…あれ…」

 「あれって…テストのことか?」

 「(コク)」

 「あれがどうした」
 
 「…この娘は捨てたかったんじゃないかしら…」

 「そうらしいな」


 言葉少ななにカナデは言った。
 それに対しユヅルは同意する。
 ぐしゃぐしゃになったテスト用紙。
 見れば判断はつく。
 ティファニーの心境がわからない彼らにもそれは判った。
 だがまたもや疑問が浮上する。
 何故捨てたかったのか。
 しかしユヅルが考えたのは其処までだ。
 深入りするつもりはもっとう無かった。
 そんな彼には気づかず、ティファニーはユリという少女に疑問を問うた。

 「これ…本当に、欲しいと思ってるんですか?」

 「え?…え、ええ。思ってるわ」

 「だったら…貰ってください」

 「「!!!!」」

 ティファニーの申し出に、ユリだけではなく、他の三人も驚いた。


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