二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-無事完結
- 日時: 2011/06/02 18:32
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
初めましてー、ここでは本当に初めましてです。
ダメ作者の、山下愁です。
今回はですね。私の好きな銀魂と戦国BASARA3をごっちゃにした小説を書きたいと思います。
ハイ、注意!!
その1→キャラが完全崩壊。
その2→銀魂のストーリーを選び抜いてやりますから、ストーリーも崩壊。
その3→オリキャラが大暴走。
その4→何か……くそい。
その5→山下愁無理、神文読みたいな人は今すぐUターンをして、原作を読んでいてください。
その6→荒らし、誹謗中傷なコメは、強制的に無視します☆
……残った? 残りました?
では、残った人だけ、読んでください!!
ご訪問者 ありがとうございました!!
かにゅ様 野宮詩織様 ロン様 如月葵様 柚莉様 ああ様 ★ジャスタウェイ★様
お知らせ系列
オリキャラ募集>>24 募集終了!!
何のお話が好きですか? >>39
目次
登場人物>>01
プロローグ『何やかんやで、降ってきちゃったんだよなこれが』>>02
第1話『とりあえず、郷に入っては郷に従っとけ。大丈夫だから』
>>05 >>07 >>12 >>14 >>15
第2話『薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね、街で海が見えるから』
>>16 >>17 >>18 >>19
第3話『機械? あれだろ、何か……うん。あれだよ』
>>20 >>21 >>22 >>23
第4話『ほくろに毛があると幸せになれるって本当ですか?』
>>27 >>31 >>32
第5話『下着泥棒って居るじゃん。あれって、何が楽しいの?』
>>33 >>38 >>44
第5.5話『怖い話って案外怖くないんだよ』
>>55 >>58 >>60 >>61
第6話『海の家に売っている焼きそばは、大体もっさりしている』
>>62 >>63 >>64
第6,5話『恋っていいよね』
>>68 >>71 >>72 >>73 >>74
第7話『記憶喪失に負けず、叩けば直る』
>>78 >>81 >>82 >>84
第8話『お花見は大体理性を飛ばしやすい』
>>100 >>101 >>108
第9話『忍者? うちにも居るでしょーが!』
>>111 >>112 >>113 >>114
第10話『紅桜ってさ、ある意味怖い桜だよね。だって赤いもん』
>>115 >>116 >>117 >>118 >>119 >>120 >>121 >>122
第11話『動物は最期まで大切にしてあげなさい』
>>125 >>126 >>127 >>128
第12話『ロボットは怖い、バグが怖い』
>>131 >>132 >>137 >>139 >>141 >>142 >>145 >>146 >>147
第13話『雨は必ず上がる』
>>148 >>149 >>150 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155
第14話『鎖で縛られて喜ぶのはただのM』
>>157 >>158 >>159 >>160 >>161 >>163
第15話『夢の中が自分で彩れたら最高じゃね?』
>>164 >>165 >>166
第16話『空を見上げて歩こうか』
>>167 >>168 >>169 >>170
エピローグ『炎神暴君☆リシタニア』
>>171 >>172 >>173
あとがき>>174
質問大会
東翔>>51
椎名昴>>54
山本雫>>59
篠宮優奈>>65
月読怜悟>>95
王良空華>>156
スカイ・エルクラシス>>162
作者の裏設定情報ー☆
その1>>75
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.15 )
- 日時: 2011/03/04 17:40
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第1話 とりあえず、郷に入っては郷に従っとけ。大丈夫だから。
口直しにともらった一万円札の1割を駄菓子に変え、もぐもぐと食べながら歩く翔。ちなみに、んまい棒(コーンポタージュ)とふ菓子オンリー。
「いやー、収穫収穫。これでまともな飯を食えるぜ」
お釣りを数えながら、銀時は現実的な事を言った。
実際、今の万事屋はジリ貧で、最近は水で生活している程だった。
よく生きてこれたな、と思ったそこのあなた。実は翔達は、野草をてんぷらしにしたり、おひたしにしたりなどしていたので、どの野草が食べれるのか分かったりする。
そんな言葉を不思議に思った政宗は、新八に訊いた。
「おい、こいつら普段は何を食ってるんだ?」
「えーと……最近は水と塩と砂糖とつつじの花の蜜らしいですけど?」
姉の給料で何とか生きていける新八は、ジリ貧生活に実害はない。
その凄さを知らない(お金持ちな)武将共は、首を傾げていた。
安心しなよ、皆。そのうち体験するから。
「おーい、翔ちゃーん」
公園に差しかかった時、翔は誰かに名前を呼ばれた。
ふと視線を公園の中に投げてみると、ジャングルジムのてっぺんに、銀髪少女が居た。大きくブンブンと手を振っている。
その銀髪少女はジャングルジムから飛び降りて、翔の元まで走ってやってきた。
「よっす。お久しぶり」
「シノか……。お前、また天下統一ごっこでもしてたのか?」
翔は手に持っていた食べかけのんまい棒を口に放り込み、呆れたように少女に訊いた。
シノと呼ばれた少女は、大きくうなずいた。
天下統一と言う言葉に反応し、武将共がシノに質問の雨嵐!!
「天下統一?! お前、どこの武将だ!!」「まさかお館様も倒されたのか?!」「早くこの地を明け渡せ」「おい、どこまで攻め込んだんだ?」
流石武将。天下統一には過剰なまでに反応。
すると、シノは笑いながら説明をした。
「ただの遊びだよ。本気にしちゃってるけど、マジで天下統一なんてしないよ」
怖いしね、と付け足した直後、後ろから子供がシノに野次を飛ばす。
「ここの公園は、歌舞伎町の帝王よっちゃんが統一したー!!」
「そこの銀髪女は出て行け——がふっ」
傍に居た悪ガキの1人を右ストレートだけで5メートル程ふっ飛ばし、自らをよっちゃんと名乗った少年に、赤い瞳を向ける。
にっこりと笑っているようだが、内心怒っている様子だ。
「江戸の全ての公園は、江戸の支配者篠宮優奈のものだ。誰の許可を得てそこに居る? さっさと出て行け、さもなくば——全ての記憶を失う事になるが?」
グラマーな腰にひっかけていたベルトに手を伸ばす。そこに収まっていたのは銃でもなく、はたまた刀でもない。バラバラにされた鉄の棒だった。
それを4本全てを手に持ち、ゆっくりと組み立てて1つのフープを作った。
「痛いよね痛いよねこれで殴ったら痛いよね記憶が飛ぶかな飛ぶかなそれとも——」
「ひ、ひぃぃぃ!!」
悪ガキは仲間を連れて早くも逃走。途中で翔にぶち当たったが、睨まれてもいないのに怯えたように逃走。
シノはけらけらと笑い、ガッツポーズを作った。
「お前、子供を脅すのは大概にしろよ」
「フン。弱い奴は一生弱いままなんだよ。心の辞書にそう記しとけ」
「家なしの宇宙人が。何をほざくんだか」
「は・あ・あ!?! 何が家なしだよ家なし!! アタシは好んで浮浪天人をやってるだけで——」
「あら、シノちゃんに翔君。皆さんお揃いで」
優しい声がした。とてもとても、心に心地よい優しい声。
だが、翔達(神楽、戦国BASARA除く)にとっては、地獄から誘われるような声だった。
ギギギ、と振り向いてみると、そこに居たのは——志村妙。
「姉御!!」
「あら、神楽ちゃん。元気?」
神楽だけが勇気あるハグを、妙にした。流石女の子。
「ちょうど良かったわ。皆さんに食べてもらおうと、私卵焼きを作って来たんですー」
タッパーを取り出し、妙は皆の前に差し出す。
中身に至っては、訳の分からない暗黒物質だったが……。まぁ、そこはコメントには出さない皆。
だが、まだ江戸に来て(つか銀魂の世界に来て)日が浅い武将共は、ストレートな感想を述べた。
「「「「「黒焦げじゃん(でござる)」」」」」
「卵焼きですー。皆さん、食べてくださいー」
笑顔。綺麗な笑顔で、妙は言う。その言葉は、銀時、新八、神楽、翔、シノに重くのしかかった。
すると、シノが大胆な行動に出た!!
「自分、義姉さんの手料理は、豪華過ぎて口に合いません!! 自分みたいな奴は野草が1番です!! 代わりといってはなんですが、指詰めますんで!!」
佐助の腰にあった手裏剣をかっぱらい、シノは小指を切り落そうとする。
妙はそんなシノを止め、代わりに男子に目を向けた。
お前らが食え。
瞳がそう語っていた。怖いほどに。
「よし……。分かった」
翔がタッパーから卵焼き(らしきもの)を取り出すと、銀時に目配せをした。
素早く銀時は動き、官衛兵をはがいじめにする。
「お前が食え、黒田!!」
「何故小生が——!! ぐぉおおおお!!」
そのまま官衛兵は、三途の川まで行ってしまったらしい。戻ってきたけど。
さぁ、ここからが侍と武将、そして銀魂と戦国BASARAの共同生活が始まった。
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.16 )
- 日時: 2011/03/05 22:01
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
ピンポーン、という万事屋のインターホンが鳴った。
扉の前に居るのは、長髪の男。狂乱の貴公子、桂小太郎である。
先刻からインタホーンを押し続けているのだが、誰も出てこない。一体どうしたのだろうか。
「留守か。事態は一刻を争うと言うのに」
桂は舌打ちをした瞬間、がらりと扉が開いた。
現れたのは、ヘルメットをいつものようにかぶった風魔である。
風魔は、後ろからした「追い返せ」という言葉で、忍者刀を抜いた。
そして1秒後——桂は気絶した。
第2話 薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね。街で海が見えるから。
「ハァ? 人を探せだぁ?」
翔は首を傾げた。依頼とか言って出掛けて、帰ってきたら言われたのだ。
そうなんだ、と言って新八はうなずいた。
「そー言われても、ハイそうですかとかうなずいて探せる代物じゃないんだよ」
「翔君は死神でしょ? 人を探すのぐらい、簡単でしょ?」
「まぁ簡単だけど。正直言うと超面倒」
小指で耳をほじくりながら、翔は吐き捨てた。銀時の机に足を乗せ、面倒くさそうに欠伸をしていた。
神楽が1枚の写真を翔に見せ、説明をする。
「その写真に写ってるのが、探す奴ネ。情報を集めるアル」
写真に写っていたのは、綺麗な女性ではなくガングロの金髪少女である。どこか老けたような感じもした。
あーとか、うーとか唸った後、翔は答えを出した。
「ハムを作るベルトコンベアに挟まれてるんじゃねぇ?」
「おい、お前は仕事をなんだと思っているんだ!! ちゃんと良く見ろ、人だろうが!!」
新八の電光石火のツッコミ。
翔は呆れたようにため息をつき、奥に居る戦国武将の1人の名を呼んだ。
「佐助ー、仕事だー」
「ロクに給料も払えないのに、仕事ばかり押しつけるってどういう事だよ」
何かブツブツ言いながら、佐助が仏頂面で出てきた。無茶苦茶不機嫌そうだ。
翔は佐助に写真を投げ渡し、神楽から聞いた説明をする。
「その女の情報を集めてこい。名前は——ハム子だ」
「絶対違うでしょ。親はそんな名前をつけないよ」
「とりあえず探せ。ベルトコンベアに挟まれていたりしたらビンゴだ」
すると、佐助は「報酬は?」と訊いてきた。流石忍び。そこは要求するんだ。
翔はだるそうに指を2本立てる。
だが、佐助は怪訝そうに眉をひそめると、首を横に振った。これでは納得しないらしい。
ガシガシと翔は頭を掻きまわし、
「じゃぁ雑賀もつけて6本出す。びた一文まからないからな」
「それで手を打つわ」
「チッ。でかい出費だな」
奥の部屋から孫市を呼び、用件を手短に説明する。報酬の事を話すと、即答で了承してくれた。
2人が出て行ったあと、銀時は翔に報酬の事について訊いてみた。
「六万円なら出さねぇぞ。てめぇが出すんだな」
「ンな訳あるかよ、ロクに給料も出してくれない銀髪天パが」
掛け声と同時に翔は跳ね起きると、大きく伸びをした。そして傍に立てかけてあった炎神をつかみ背負うと、玄関へ向かう。
だから、何なんだよと銀時が問い詰めると、翔は気だるげに答えた。
「ゴリゴリ君」
ゴリゴリ君→1本68円と言う超お買い得なアイス。現代で言えば、ゴをガに変えたアイス。
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.17 )
- 日時: 2011/03/06 15:17
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第2話 薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね。街で海が見えるから。
とりあえず、佐助と孫市が帰ってくるのを待っている間、翔は机に突っ伏して寝ていた。
銀時達も情報収集に出掛けてしまった。自分も行けばよかったと今更後悔。
「おい、翔はいるか?」
「あ〜? 誰だよ何だよ起こすなよ……」
翔は面倒くさそうにつぶやき、机から身を起こす。
自分の目の前に現れたのは、人を抱えた家康だった。またどこかで拾ってきやがって。
目をこすり、欠伸をして、翔は家康にたった一言だけ告げる。
「捨ててこい」
人を完全に物扱い。これは酷過ぎる。
家康は冗談だと思ったらしく、笑って翔の言葉を流す。いや、本気なんだけどね。
「こいつ、面白いんだ。馬鹿にしか触れない刀を持っているんだ」
「……馬鹿にしか触れない刀だと?」
翔は怪訝そうに眉をひそめ、とりあえず家康にソファへ下ろせと命令を下す。
長身で、身の丈を超すか越さないか程の長い刀を背負っていた。黒髪は短く、そしてボサボサである。どうやら、旅人の様だ。
見覚えがある。完全に見覚えがある旅人だ。
確かめる為、翔は旅人の耳にささやいた。
「今現在、うちには水しかないけど」
「……水で良い、くれ」
ビンゴ——。
翔は炎神を引き抜き、旅人に向かって振り上げた。家康が悲鳴を上げたが、そんなのはどうだっていい。
すると、旅人も跳ね起きて刀で炎神を受け止める。反応はまぁまぁのようだ。
鋭い紫色の瞳——どこか妖艶で、儚い感じがした。
「流石だな、怜悟。破壊神の二つ名は健在しているようだな」
「……翔も相変わらず。理不尽」
怜悟と呼ばれた旅人は、翔を振り払い刀を収めた。
翔はため息をつき、炎神をホルダーに収めた。そのまま出しておくと、後で新八がうるさいからだ。
騒ぎを聞きつけて、奥から武将共がぞろぞろと出てきた。
「何があったんだー?」
元親は、ものすごい眠そうに目をこする。どうやら、今まで寝ていたらしい。
怜悟は翔の前に座ると、1つの袋を見せた。白い粉末みたいなのが入っていて、何かの薬の様だ。
「何だこの小麦粉。料理に使っていいの?」
「……麻薬だ」
その言葉を聞いた翔は、首を傾げた。
麻薬。その言葉自体は知っている。でも、何故怜悟が持っているのだろうか。
「……昴から、1つもらってきた。これを資料に、翔に協力してもらいたい」
「へぇ。この麻薬、効果はどんなもんだ?」
「おい、さっきから言っている麻薬だの何だのは一体何なんだ」
元就が当たり前発言をした。
そうだよねー、あんたら戦国自体から来たもんねー、麻薬なんて知らないよねー。阿片とかだって中国だもんねー。
そんな質問を受けたのに、怜悟はまったく答えない。こいつ、口下手なんだ。
代わりに翔が、馬鹿でも分かりやすいように説明する。
「幸せの白い粉だ」
「大まか過ぎて分からん。もう少し分かりやすく、詳しく」
「吸ったら死んじゃう幸せの白い粉だ」
「死ぬのが幸せなのか、この時代は」
ボケとツッコミの合戦。翔はボケるのにも疲れたのか、真面目に説明し始めた。
最初から説明してやれよ。
「依存性——まぁ、こいつを使うとだな、こいつばかりを求めたくなっちまう。いつ、いかなる時でも求め続け、最終的に死ぬ」
「なっ——、そんな怖いものなのか!! その、小麦粉は!!」
マジボケなのか、本気なのかどっちかにしろ。前田慶次。
後ろでシクシクと泣き始めるお市。「全部、全部市の性……、ふふ」とか笑ってる。さらに、官衛兵が魔の手に引きずり込まれていた。
怜悟が、付け足しで説明する。
「……これ、やってるトコ。ある」
「? どこだ、そこは」
「行く時、オレンジ頭のコンビを見かけた。そこに行った。店の名前は、クラブ空風」
ふと、オレンジ頭のコンビが脳裏に浮かんだ。
佐助と孫市である。2人がやられる心配はないが、薬を嗅がせられたらお終いだ!!
「行くぞお前ら!! 佐助と孫市を探すのを手伝え!!」
「「「「「合点!!!」」」」」
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.18 )
- 日時: 2011/03/08 17:28
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第2話 薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね。街で海が見えるから。
クラブ空風は、今日も賑わっていた。天人の若者や、侍。ガングロの女の子が手を取って踊っている。
そんな中、2つのオレンジ頭が見えた。
フェイスペイントをした男——猿飛佐助は、辺りに視線を巡らせる。忍びらしい、観察眼だ。
隣には気だるげに居る女——雑賀孫市は、佐助に問う。
「居たのか?」
「いや、まだだね。まったく、人を探せなんて粗い仕事だ」
佐助は苦笑を浮かべ、そしてまた辺りに視線を投げた。孫市も佐助の後に続く。
情報はつかんだのだ。このクラブに入り浸っている事を、佐助達は知ったのである。だから探しているのだ。
「ま、報酬ももらえるしね。頑張りますか」
「ゴリゴリ様は神だ。あの味はまさに、神に等しいとも言えよう」
「ちょ、雑賀さん?! キャラが変わってるよ!!」
その時だ。
店の奥の方、誰かが倒れる音がした。直後、「ハム男おぉぉぉ!!」という悲鳴が起きる。
まさかと思い、2人はその方向に目を向けた。
赤い髪。まさしく、神楽だ。隣に居てツッコんでいるのは新八だろう。
佐助は孫市と共に、神楽と新八の元へ駆けつけた。
「どうした?!」
「あ、佐助さん! この人、倒れちゃって……」
アフロでデブ。まるであのガングロ少女と似ているが、どこか違う。
よだれ、鼻水をたらし、酔っぱらったように目は据わっている。どこ遠くを見ているような瞳をしていた。ちなみに、目は隈だらけ。
こいつ——酔っぱらっているんじゃない!!
すると、店員が「あー、お客さんは向こう行ってて」と言いながら、男を回収した。その際、新八は男について訊いた。
「何があったんです?」
「最近ね、この辺りに麻薬が出回っているらしいんだ。お客さんも気をつけな、かなりヤバいから」
鳥頭の天人店員は、男を店の奥へ引きずって行った。
佐助は顎に手を当てて考え込む。
麻薬。毒か何かの一種ならば、佐助は忍びなので慣れているだろう。だが、他の皆はどうだろうか。
不幸な事に、佐助と孫市は武装はしていない。軽装の着物を着ている。逮捕されないように。
「こりゃ、何かヤバいなー」
「てめーらか? 俺らを探しているのは」
背中に冷たいものが当たり、佐助は振り返った。
視界の先に居た者——武装をした連中だった。明らかに他の奴らとは違う。
「誰だ、お前ら」
いつもの声より、かなり低くして佐助は問う。
銃を突きつけてきた男達は、笑ってこう答えた。
「宇宙海賊、春雨だ。俺らの恐ろしさ——思い知らせてやる」
そこで、意識が途切れた——。
***** ***** *****
翔達はクラブに滑りこんだ。
天人だらけ。どこもかしこも。だが、オレンジ頭の男女なんて見当たらなかった。
「くそっ……。どこ行ったんだ!!」
元親は、碇槍を床に叩きつける。地響きがした。
落ちつけ、と翔が一言だけ告げると、鳥頭の店員に話を訊く。
「この辺でオレンジ頭の奴らを見なかったか? 男女のペアだ」
「あー? そう言えば、さっき誰か連れて行かれたな。連れションじゃないの?」
翔は駆けだした。猛スピードで、天人なんかを蹴散らして。
扉を開けた先に居たのは、たくさんの天人に囲まれた銀時とガングロ少女である。
瞬時にして炎神を抜き、翔は天人をなぎ倒した。
「お前……ッ!!」
「佐助と孫市が消えた。神楽と新八もおそらくいねぇ!!」
襲ってくる天人を丁寧に1人ずつ叩き潰していき、翔は銀時に現状を告げる。
刹那、幸村のどなり声と慶次の悲鳴がした。
その方向に目を向けると、新八と神楽、佐助と孫市が虚ろな目で天人について行く。
ヤバイ。麻薬を嗅がされたか——!!
「この野郎!!」
翔は駆けだし、天人をなぎ倒そうと炎神を振ったが、それよりが先に、眼鏡の天人に蹴りを入れられる。
霞む視界を上に向け、天人の姿を捕らえた。
あー、何か汚い物を見るような目で止めてほしいな。そんな事を思いながらも、死神の目で何とか名前を見つけた。
宇宙海賊春雨幹部、陀絡——。
「てめぇ……あいつらにッ!!」
立ち上がろうとしたが、手を踏みつけられる。
陀絡は、黒い笑みを浮かべて翔を見下ろしていた。どういう気分何だろうね、いい気分なんだろうね。
「これはこれは……炎の死神じゃないか。高く売れそうだな」
「翔殿を、放せ!!」
幸村が拳で向かおうとするのを、翔は「止めろ」と止めた。
何か、ヤバい気がする。こいつだけは。
炎神を神の様な早さで拾い、銀時の様子をうかがう。だが、そこに居るはずの銀時が、既に居なかった。
舌打ちをして、翔は炎神を振り上げて陀絡の足を殴りつける。そして跳ね起きて、すぐさま炎神を構えた。
「地獄業火、獄炎乱舞!!」
炎を生み出し、全員を引き連れて窓から飛び出す。
1度、体勢を立て直さなければ。こいつらの武器も、使わせる。そして、馬鹿達に連絡を——。
「お前ら、最後まで行けるな?」
「「「「「おう!!」」」」」
ここからが、万事屋銀ちゃんの反撃である。
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.19 )
- 日時: 2011/03/08 18:09
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第2話 薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね。街で海が見えるから。
銀時が目を覚ましたところは、桂の隠れ家だった。
家の布団と明らかに違う布団で寝かされているので、何かおかしいと思ったのだが。
「ヅラ、何で俺はこんなところで寝かされているんだ?」
「それより銀時。お前はこのような物を知っているか?」
桂は着物の袖から、白い粉を取り出す。
怜悟が持っていた麻薬である。桂が言うには、この麻薬は転生郷という快楽を得られる麻薬らしいが、同時に強い依存性も得る天人達が使用している薬らしい。
桂達はこの麻薬を根絶やしにする為に情報を集めていたところ、空から落ちてきた銀時達を救ったらしい。
銀時は記憶を巡らせ、あの光景が脳裏に蘇った。
「新八、神楽……ッ……」
「無駄だ。左手が使えぬ上に、肋骨が2本も逝っている。その体で、どう助けると言うのだ」
桂の言葉を無視して、銀時は自分の着物に手を伸ばした。
助けなければ。仲間を、助けなければ——。
「無駄だって言ってだろうが」
空を向く銀時の視界に現れたのは、黒い炎の死神、翔である。
あの場に居ながらも、仲間を救えなかった自分と同じような死神。
「また死にたいのか? 生死の境を彷徨っていたいんなら地獄へ行け」
「行けねぇよ。お前も見ただろ? 佐助と孫市も連れて行かれたんだ」
武将の中でも結構強いあの2人が、あんなのになる程だ。きっと強い薬だろう。
翔は諦めたようにため息をつき、手を差し出した。
「流石銀時。俺の主だ」
「当たり前だ」
「俺も行こう。春雨は目に余っていたんだ」
***** ***** *****
春雨が商いをする港——不審な影が、1……2、3……あーもう。多数って事で。
そのうち2人は海賊の様な格好をしていた。もちろん、銀時と桂である。
でかい船を見て、翔は——吐いた。
「うぉえ」
「ちょ、おぃぃ!! 何してんの、何してんの?!」
「ごめ、船弱い……」
連絡をしてついてきてもらった怜悟に、背中をさすってもらう翔。実は船にトラウマがあるのだ。
そんな事を知らない他の皆は、スタスタとどこかに行ってしまった。
涙目になって咳き込みながらも、翔は怜悟と共に後ろからついて行った。 ら、迷った。
「「あれ、ここどこ?」」
一方、新八達の方は——。
「うわっ!!」
新八は水を掛けられて、目を覚ました。
隣にはまだ気絶している佐助と孫市。そして遥か向こうには、海に落とされようとしている神楽の姿が。
「なっ、神楽ちゃんを放せ!!」
「こいつを海に落とされたくなければ、桂の居場所を吐きやがれ」
陀絡は剣の先にひっかけられた神楽をゆすりながら言う。
何が何だか分からない新八は、ただぼーとしていた。だが、天人の1人に髪の毛を引っ張られる。
「僕らは攘夷志士じゃないし、桂さんの居場所も分からない!! 神楽ちゃんを放せ!!」
その言葉で起きたのか、神楽は陀絡に飛び蹴りをかます。
反動で海へと身を投げ出した神楽は、新八に笑顔を見せた。
「足手まといになるのは御免ヨ。バイバイ」
刹那——横から銀閃が飛び出す。
それは日の光に輝いた、銀時の銀髪である。
銀時は神楽の体をキャッチして、そして甲板へと飛び乗った。
「痛てて……。傷が開いちまったよ」
苦しそうに傷をさすり、銀時はぼりぼりと頭を掻く。
「どぉも。坂田銀時です」
直後に爆発。もちろんこれは、桂が爆弾で転生郷のある倉庫を爆破させたのだが。
天人達が一斉にそっちに行っている間に、銀時は佐助と孫市に繋がれた縄を解き、叩き起こす。
「あ、え? 俺様、一体——」
「おい、ここはどこだ。一体何をしているんだお前は」
自分達が捕まっていたという事を何も知らない佐助達。
後から武将達も続々登場してきた。幸村に至っては、薬を嗅がされた佐助に飛びついていた。
「あれ、翔は?」
「いねぇぞ」
居るはずの翔と怜悟。だが、そのスペースが空白だった。
その時、船全体が炎で包まれたのだ。
まさかと思い、銀時は甲板から身を乗り出して外をうかがうと、翔が炎神を担いでいるのが見えた。
「ふぁいやいんざほー!!」
炎を一刀両断して、甲板に飛び乗る怜悟。
愛刀「斬鉄」を鞘から抜き、天人を斬る斬る斬る!! あ、斬った途端海に投げ出されて沈んで行った。
「貴様は、破壊神——月読怜悟!!」
「うん。でも、あんた斬らない」
怜悟は他の天人をなぎ倒しながら、陀絡に向かって言った。
嫌な予感がして、背後を向く。
そこに居たのは——刀を構えた銀時の姿。
「お、まえ——」
「うおらぁぁぁぁぁああああ!!!」
ガキンッと音がして、交差する2人。
ゆっくりと倒れたのは、陀絡の方だった。
***** ***** *****
「はぁあ、転生郷爆破。成功だね」
昴は新聞を読みながら、感心したように言う。ちなみに場所は万事屋。
一方の翔は、爪を切りながら「そーだねー」と返した。
奥の方がうるさいのは、一応頑張った佐助と孫市にゴリゴリ君を買ったからだろう。見せた途端、まるで神のように崇め始めたのだ(孫市の方が)
戦国時代ではアイスがないので、余程嬉しかったのだろう。
「ま、結果オーライって奴じゃないの?」
投げやりに答えた翔は、何故か楽しそうだった。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35