二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 魔道戦士リリカルガンダムPhoenix
- 日時: 2011/04/13 20:30
- 名前: 泉 海斗 (ID: 1/l8DPvU)
魔道戦士リリカルガンダムPhoenix①目覚める不死鳥
前書き
勢いでもう一作リリなの×ガンダムシリーズ(種・運命・00)ネタで作ってしまいました。ご都合主義があったり、なるべくなくしたいですがキャラ崩壊などもあるかもしれません。そこのところはご了承願いつつ、楽しんでいただければ嬉しいです。それではよろしくお願いします。
登場人物紹介
・スザク・カンザキ・・・茶髪灼眼で容姿は上の上とかなりイケメン。性別は男で16歳の少年。魔力を持たないがMS(モビルスーツ)の『フェニックス』を持つ。管理局地上本部に所属するエリート。二つ名は『不死鳥』や『炎騎士』。
・レオーネ・フィルス・・・伝説の三提督の一人。
・ラルゴ・キール・・・伝説の三提督の一人。
・ミゼット・クローベル・・・伝説の三提督の一人。
・レジアス・ゲイズ・・・地上本部の総本部長。階級は少将。
・オーリス・ゲイズ・・・レジアスの娘で秘書。
・ゼスト・グランガイツ・・・地上本部都市防衛部隊『ゼスト隊』隊長。
・メガーヌ・アルピーノ・・・地上本部都市防衛部隊『ゼスト隊』隊員。
・ルーテシア・アルピーノ・・・メガーヌの娘。
・クイント・ナカジマ・・・地上本部都市防衛部隊『ゼスト隊』隊員。
・ゲンヤ・ナカジマ・・・地上本部第108部隊部隊長。
・ギンガ・ナカジマ・・・ゲンヤとクイントの娘。
・スバル・ナカジマ・・・ゲンヤとクイントの娘。
・ティーダ・ランスター・・・本局都市航空部隊所属。エリート。
・ティアナ・ランスター・・・ティーダの妹。
登場MS(モビルスーツ)*管理局
・フェニックス・・・スザクの義両親がスザクのために作りだした最新悦の機体。PS装甲が施されているために実弾による攻撃は向こうとなるなど、耐性が強化されている。全身が真紅に輝いていて、背中にはスラスターがあり、4つの噴出口からは魔力でできている紅い二対四枚の大小2枚ずつの羽を作り出せる。全身装甲で頭部には金色の2本のアンテナがあり、目は金色。魔力総量はSランク相当。リンカーコアの代わりのGNコアによって動いている。
武装 高魔力ビームライフル(アルテミス)・・・普段は右手に装備されているが、納装するときは腰にマウントされる。
高出力ビームサーベル(バルムンク)・・・両肩の突起と腰にマウントされた計4本あり、それぞれ刀身を長短させることでサーベル、ダガー、ブーメランに使うことができる。
対艦刀(フェニックスカリバー)・・・西洋風の両刃剣であり刀身は黄金、装飾は紅蓮のものが多い。
アンチマギナシールド(イージス)・・・左腕に装備された紅色の盾で、表面にアンチマギナフィールドが付加されているために大抵の魔法による攻撃は防ぐことができる。
あとがき
これからよろしくお願いします。
- Re: 魔道戦士リリカルガンダムPhoenix ( No.4 )
- 日時: 2011/04/15 07:20
- 名前: 泉 海斗 (ID: 1/l8DPvU)
模擬戦が終了したと同時に気を取り戻した4人が教導官の前に横に一列で並ぶ。それぞれに今日の反省点とよかったところをいうと、終了するということを伝える。
「「ありがとうございました」」
「お疲れ様でした」
彼らとは年齢が少しばかり離れているために少々やりずらいところもあるが、それでも彼にできることをやっていた。それにもビルスーツとの戦闘では普通の魔導師との戦いと同じくしていてもまったく通用しないということで時々本局の方に出向いてはこうして教導しているのだった。
機体を解除すると機会装甲のパーツが一つ一つ外れていき、最終的に鳥の羽のようなもののネックレスになった。そこに現れたのはまだ年相応の幼さが残るが、容姿はかなり整っているなどの茶髪灼眼の青年が現れた。
着ている服は教導隊のものである。訓練を受けていた魔導師たちもバリアジャケットを解除すると訓練用の服装になる。すると一人の女性が話しかけてくる。
「あの〜スザクさん??」
「どうしました??」
少し顔を赤らめながら話しかけてくる女性を見ながら返事をして、小首をかくんと傾げる。
「よ、よろしければ///一緒にお食事でもどうですか??そろそろお昼ですから」
どうやら女性魔導師はスザクという教導官の青年を食事に誘おうとしているらしい。
「せっかくだけどこれから用事があるんだ」
申し訳なさそうに手を合わせて謝る。
「ごめんさない。また今度誘ってください。いえ、今度は一緒に食事に行きましょう」
「そうですか。分かりました。///じゃあ今度は誘ってくださいね」
一瞬悲しそうな顔になった女性だが、すぐに今度はオッケイということで嬉しそうに走っていった。
「さてと・・・」
ふぅっと小さくため息をつくと、ゆっくりとした足取りで、次に向かう場所へと足を動かしていた。これから更に大きな戦いが待っている場所へと・・・。
茶髪の髪をなびかせ、赤いパイロットスーツを着込み、今は鉄色の状態でたたずんでいる機械装甲の隣に立つものがいた。その容姿はととのっているもので女性からは人気があると見える。彼とそしてやり方のデバイスを構え、騎士甲冑の姿のバリアジャケットを着込んだ男性が対峙している。
「今日のこの模擬戦を楽しみにしていたぞ」
槍を構える男性が言う。
彼の名前はゼスト・グランガイツ。この地上本部に所属している都市防衛部隊通称ゼスト部隊の隊長である。
「私も楽しみにしていましたよ、ゼストさん」
その言葉通り、スザクの瞳には闘志が燃えていた。その言葉を聞いた男性は思わず口がつりあがるように笑みを浮かべる。
「にーにぃがんばって〜」
「が、がんばってください」
「ほら、ルーテシアもがんばってって手を振りなさい」
強化ガラスの向こうでは同じく部隊に所属する女性隊員の娘たちが応援していた。思わずうれしくなって、笑みがこぼれる。
「ふふ、これは負けられませんね」
「ああ、そうだな。それにしても私に対する応援がないのも少しさびしい気がするな」
皮肉を言うようにいってくるゼスト。あははっと苦笑いのスザク。同じくして本部長のレジアスもまたこの戦いを見ていた。
地上における2つの大きな力を持った部隊の隊長であるゼストとスザクの一騎打ち。お互いに任務でほとんど最近は手合わせをしたことがないが、力は拮抗しているだろう。勝負を分けるのはおそらく経験だろうと思っていた。
「そろそろ始めるぞ」
「はい、分かりました」
そういってスザクは機体を着込む。
魔道師たちと同じくセットアップというと次々と機械装甲のパーツがスザクのパイロットスーツのようなボディースーツに装着されていく。
光に包まれると次々とパーツが体に装着され、最後に二本のアンテナのようなものがついた頭部を覆われる。
”Generation Unsubdued Nuclear Drive Assalut Module”・・・通称ガンダム。
魔力がなくともミッドチルダ・・・数多なる世界を守りたいというために生み出された最新機である。
「スザク・カンザキ、フェニックス、行きます!!」
- Re: 魔道戦士リリカルガンダムPhoenix ( No.5 )
- 日時: 2011/04/15 07:21
- 名前: 泉 海斗 (ID: 1/l8DPvU)
ディアクティブモードである鉄色から真っ白な純白の四肢、胸部が真紅色の騎士が目の前に現れる。
そして背中にはマウントされた黄金と紅蓮に輝く両刃剣・・・そしてなんといっても燃えるような炎を象徴するかのような・・・そして神話に出てくる不死鳥『フェニックス』をイメージさせる二対4枚の巨大な背中の4つの噴出口があるスラスターから噴出される炎の翼が羽ばたく。
バサッという音とともに輝く炎がまるで羽のようにふわふわと飛ぶ。
「「きれ〜い♪」」
「うぅ〜あぅ♪」
妹たちはその綺麗な粒子に見ほれる。触ってみたい・・・。そういうような好奇心が彼女たちにあった。
”Generation Unsubdued Nuclear Drive Assalut Module”
彼の義理の両親がスザクのために完成させた、人々を守るための一本の剣である。
一瞬にしてシステムが稼動する。
モニターには様々なデータが映し出される。
紅いパイロットスーツを着ているスザク。
ヘルメットをして対Gへの衝撃のためである。
右腕にある高魔力ビームライフル『アルテミス』を構える。
目の前にいるストライカーのゼストは黒い槍型のデバイスを構えている。
彼とて簡単に負けてしまっては魔道師として、騎士としてのプライドがそれを許さない。
「はあぁぁぁぁ!!」
槍を構えたまま、弾丸のごとく突っ込んでくるゼスト。
もはや戦いとなれば力の差など関係ないといったものだ。
本気の自分を倒してみろ・・・。
それがこれから戦いに出るであろう、息子へのはなむけであり、仲間への祝辞でもあった。
「クロスファイアー!!」
無数の魔力弾が次々とゼストに向かって放たれるが当たりそうなのは切り裂いたり、交わしたりして、当たらないものとそれを見極めていた。
(さすがは歴戦のつわもの・・・)
シュミレーションを何度もしてきたが、やはりそれだけでは計れない強さが人間にはある。
だからといってガンダムが負けるというわけではない。
このガンダムは搭乗者との精神や肉体がリンクしているために自分の体と同じように操作できる。
魔力弾の嵐をかいくぐったゼストは横槍に槍をなぎ払った。
『ガギィン!!』
ものすごい金属音が響き渡った。
ゼストの槍とスザクが腰にライフル『アルテミス』をマウントしてしまうとともに腰から一本の高出力ビームサーベル『バルムンク』取り出し、得物同士がぶつかり合い、鍔迫り合いをしていた。
(重い・・・)
スザクは剣をぶつけ合った瞬間そう思った。
彼の槍からは覚悟が伝わってくる、自分を超えて見せろ、その剣で何かを守って見せろ・・・。
それは魔道師であるからとかそういうことではなかった。
一人の人間として・・・お前に何ができると聞いてきていた。
ちらりと横のモニターを見れば自分のことを応援してくれている3人の女の子がいる。
なら今は彼女たちを守って見せようと思った。
二度目の天涯孤独になったときに救ってくれたのは地上部隊の皆だった。
それからはナカジマ家へと居候という形で息子となり、妹が二人できた。
その後、部隊員のメガーヌが出産してからは3人目の妹という存在ができた。
兄として接することが多い彼に、どこまでも着いてこようとするギンガとスバル。
そうして、1日何度も何度も抱っこし、散歩してあげなければ泣き止まないルーテシア。
そんなかわいい妹たちを守ってみせる・・・。
そう覚悟しながら開いていた左手で更に腰にマウントされているビームサーベル『バルムンク』を展開し、切りかかる。
「はあああぁぁぁぁ!!」
「ぬぅ!!」
死角からの攻撃に一瞬と惑ったゼストはしたの部分でそれを受け止めたがその分威力を吸収し切れなかったために吹き飛ばされる。
なんとか空中で体勢を立て直す。
それを見て部隊員たちは隊長を押したことに歓声を上げていた。
「まさか、そこから攻撃してくるとは・・・予想はしていたが」
「なるほど・・・だから受け止められたんですね」
スザク自身は決まったと思ったのだが、吹き飛ばされた後に体勢を整えられたことから、まだまだかなわないなということを悟った。
だが負けるつもりはなかった。
両手にあるビームサーベルを連結させ、ハルバードモードにして背中にあるスラスターの変わりでもある4枚の紅蓮に燃え滾るフェニックスを象徴する炎の翼を羽ばたかせ、幻影を残すほど高速移動をしながら一気に加速し、ゼストに向かって飛び込みながら切りかかる。
上段からの攻撃をゼストは下段から振り上げることで受け止める。
バリバリ!!っと言うはげしいスパークが走る。
火花が散るくらいに激しい激突を見せる。
更に下段からの攻撃を今度は上段から振り下ろすことで防ぐ。
そうして再び火花が散る。
その瞬間にお互いが姿が見えなくなるくらいの速さで所かしこで火花が散る。
その光景を隊員立ちあがり余りのことに唖然とした面持ちで見ていた。
- Re: 魔道戦士リリカルガンダムPhoenix ( No.6 )
- 日時: 2011/04/15 07:21
- 名前: 泉 海斗 (ID: 1/l8DPvU)
スザクは画面を眺めながら残りの残量魔力を見て考えていた。
すでに戦闘が始まってだいぶ時間がたっていた。
GNコアのおかげで魔力のない彼らがえているが現在のところ開発されているそのコアではSランク相当の魔力を保有しているくらいである。それだけでもかなりのものであるが彼にとっては最終的に半永久的に戦い続けられるためにそのコアを開発してやろうと思っていたが、現在理論上は難しく、最終手段がレリックやらジュエルシードといった高魔力を保有しているロストロギアを使用するしかなかった。
魔力の保有量としてはスザクもゼストも互角である。しかしここまでゼストはやり術を中心に戦い、スザクはライフルであるアルテミスを牽制で使いながら、高速移動を使うなどとやや魔力を使っていた。
とはいえ鍛えられた体力勝負としてもつわものであるゼストのほうが上である。
ハルバードの状態になっているバルムンクと槍がぶつかり合う。
すでにゼストもまたすべての力を出しているようでフルドライブを使っていた。
そのためか徐々に押されていくセイバーとスザク。
突きを放つゼストのデバイスが肩の装甲を削る。
「くぅ!!」
「どうした!!お前の力はそんなものか!?」
横槍に振るわれた槍の重さに胴体の装甲をやや削られつつ吹き飛ばされる。
しかし飛ばされるに従ってハルバードのバルムンクを解除し、ブーメランとして投擲する。
プロテクションをたたききるくらいの威力のあるそれをゼストはシールドを張らずに華麗なまでの槍術を見せ、叩き壊した。
壁に立ち、そのまま背中の4枚の翼から黄金に輝く紅蓮色の幻想的な粒子を作り出し、それによって加速しつつ、背中にマウントされていたもっとももビルスーツの名前にもあるセイバーと二つ何もある不死鳥『フェニックス』を象徴するような丸で博物館にでも飾られているのではないかと思われるような美しいまでの対艦刀である『フェニックスカリバー』を構え、それを振るうとゼストの槍と激突する。
『ガギン!!ガギン!!』
槍と剣がぶつかり合い、火花を散らす。
鍔迫り合いになるとごり押しで押したり押されたりと一進一退を繰り返す。
足に力を入れるたびに衝撃によってその場に穴が開く。
しかしここで均衡が破られる。
ぶつかり合いで上にのみ気が行っていたセイバーの足を払ったゼスト。
「うわぁ!!」
足を払われ、その場に倒れてしまう。
止めといわんばかりに槍を突き刺してきた。
非殺傷でもいたいものはいたい。
しかしその攻撃を剣で受け止め、衝撃で剣が後方へと吹き飛ばされる。
回りは思った・・・。
これはゼストの勝利だと・・・。
しかしすぐに両肩にある突起に手をつかむとそこから再び二本のビームサーベルを展開した。
「まだ武器が合ったのか!!」
驚きのところから取り出された武器に一瞬困惑するがすぐに後ろに後退する。そしてそれと同時に剣を拾い、背中にマウントする。
それに追撃するスザク。しかしその追撃も難なくいなされるなど、ここへ来て焦りに世ってゼストが有利になっていた。
「戦いにおいて・・・焦りは禁物だ!!」
「しまった!?」
そう思った瞬間に槍を横っ腹に喰らい吹き飛ばされる。何とか炎を噴出させ、勢いを殺して止まろうとした。
「ふぅ・・・」
何とか体勢を立て直すことに成功し、一息を入れる。しかし戦いの中で一瞬のため息も好きの1つとなる。
「隙だらけだ!!」
「しまった!!」
自分としたことがいつも教導でも言っていることを自身で実行できないとは恥ずかしいこと限りないと歯噛みする。
追撃といわんばかりに憑きを放ってきたゼストの攻撃を左腕のイージスで受け止め、それを横に流していなすと、体制をやや崩したところに鋭い爪の付いたクローを構えゼストの腹をえぐる。非殺傷であるがかなり痛い。ゼストも何とか後ろに飛びながら威力を軽減したが、最初に入っていたために少々表情が苦悶で染まっている。
「さすが不死鳥というくらいだからそのような武器もあったか・・・」
「ええ、殴るだけじゃあナックルをつけるかしなきゃいけないですから。でもフェニックスですから鋭い爪・・・クローをつけました」
すぐに腰から再びライフルをとると距離をとるために牽制で放つ。ゼストは距離を取らせまいと近づこうとするが的確な射撃で距離が縮まらない。
かわして、槍で弾き返すなどして一定の距離を保つしかできない。
(距離が縮まらない・・・これではフルドライブも意味がない。何とかして近づきたいものだ)
(どう戦う・・・。アルテミスだけじゃあ砲撃は打てない・・・。威力がないからゼストさんには通用しない。だからといって近接でも互角・・・。くっそ、八方塞だ!!)
そしてここは真っ向勝負だと決めたスザク。背中からマウントされていた対艦刀『フェニックスカリバー』を取り、構える。
「うおおおおぉぉぉ!!」
剣を構えて背中から炎を噴出し、加速してつっこんできたスザクを見てゼストも面白いと思わず笑みを浮かべて槍を構え、突撃する。
「フルドライブ!!」
リミットを外したゼストは先ほどとは雲泥の差の力強さと速さでスザクとフェニックスを圧倒する。突きを放てばをそれを剣の刀身で受けるが力に押される。何とか抑え込もうと足に力を入れるがそれも叶わず押される。
「くぅぅ!!」
わざとからだを浮かせ、腹にめがけてけりを放つがそれをひじで受け止められ、更に追撃でやりの先端ではなく舌先で横っ腹を殴られる。
思いっきり叩かれたためにPS装甲に皹が入る。生身だったら骨折ものだとぞっとするとともに、ゼストが本気になってきてくれていることが嬉しかった。
「うおおおぉぉ!!」
刀身に金色を含む紅蓮の炎をともして、ゼストめがけて撃ち出す。
「紅蓮一閃!!」
打ち出された炎をシールドで防ぐゼストだが懇親の一撃であるために徐々に押され、シールドにも皹が入る。顔をゆがめるとともに、フルドライブのまま槍で炎を吹き飛ばす。
その炎の中からフェニックスカリバーを構えたスザクが飛び出す。
「はあぁぁぁ!!」
「ぬおおぉぉ!!」
剣を振るい、それを受け止める。横に流して突きを放てば刀身で受け止め流してけりを放ち、それを跳んで交わすと、すかさずかかとお年を食らわせ、それを盾で防ぐといなして剣を振るいそれを盾を利用して槍で受け止められ、わざと飛ばされることでゼストは距離をとった。
ここまでの流れがほんの数秒の間に行われ、それを皆は見ほれてみていた。
- Re: 魔道戦士リリカルガンダムPhoenix ( No.7 )
- 日時: 2011/04/15 07:22
- 名前: 泉 海斗 (ID: 1/l8DPvU)
「「かっこいぃ!!」」
「あ〜ぅ〜♪」
ギンガとスバルは眼をきらきらと輝かせながら自分たちの義兄の姿に眼を奪われ、まだ言葉は発することはできないメガーヌの娘であるルーテシアも全身と笑顔できっとかっこいいといってくれているのだろう。
観客席から見ている地上部隊の皆もその姿に眼を奪われながらも、フェニックスとスザクとゼストの戦いがもはやも義戦という領域を越していることに唖然としている。
明らかにそこらにいる魔道師を軽く超越しているのだから。
それを見ていた協力者であり、最もスポンサーであるレジアスは思わず笑みをこぼしていた。
魔法資質がない人間があの地上の最強の騎士相手に互角に戦っている・・・。
これによって地上の不足している戦力の確保はできるし、何せ、ミッドチルダには力がないばかりに戦いたくとも戦えない、強気意志を持つものたちもたくさんいるのだから。
セイバーほどの力はなくとも、最低限、この世界を守ることができれば十分だと思っていた。
確かに世界を守るということは聞こえはいいができる範囲というものはある。
いくら時空管理局があまたなる世界にいけるとしても、戦力というものには限りがある。
それはなぜか・・・。
至極簡単で管理局が掲げている魔道師至上主義が原因だった。
魔道師ではなければ魔法が使えない。
そうして世界を守ることができない。
そんな考えがあるためにそれを盾にして横暴を広げる者たちがいる。
それが最悪なことに管理局員たちの場合もあるために余りにたちが悪い。
ミッドチルダにおいて犯罪がはびこる。
それを抑えていても本局に力あるものたちは次々と吸収されていって地上における戦力はがたがたとなっていた。
なんとかならないものかと思っていたときに現れたのは両親を何者かに殺され天涯孤独になっていた少年だった。
彼の両親が地上でも有名だったためにすぐに誰だかがはっきりしていた。
そうして少年の瞳にある覚悟をレジアスは感じ取った。
彼は両親の研究を元に、自分と同じ考えを持ち、完成させた彼にとっての相棒がいた。
フェニックスガンダム・・・。
初めて魔法が使えない一般人でも普通の魔道師並みに魔法が使えるようになると聞いたときはそれこそ魔法であるように感じた。
はじめはレジアスでさえ半信半疑であった。
彼を引き取ったナカジマ夫婦も最初は止めようとしていたが、余りの彼の強気な姿勢がとうとう二人を黙らせたのだ。
そうして完成させたものを見せられたときは幼いころに見ていたアニメにも出ていたロボットのように見えた。
まさしく小さなものならあこがれるであろうロボットである。
眠っていた少年の心が思わず躍りだしそうになったところを抑えていたのは秘密であるが。
そうして研究の結晶が今目の前にあるそれだ・・・。
「ありがとう・・・」
その言葉が一体何を意味するのか・・・。
まだ誰もわからない・・・。
紅の騎士・・・フェニックスと対峙している同じく騎士であるゼスト。
肩で息をしていることから疲労しているものと見られる。
対するフェニックスもまた残りの魔力が少なくなっていた、中のパイロットであるスザクはヘルメットの中で大きく息をしていた。
一進一退の戦いにおいて、気が抜けないために常に緊張状態であったために疲労していた。
大粒の汗が顔をぬらしていく。
ここで一気に片付けなければ反動時に一気に決められてしまうだろう。
両手に構えたフェニックスカリバーを構える。
ゼストもまた本気の一撃を放つためと構える。
「ここで決着といくか・・・ナカジマの倅」
「はい、ゼストさん」
そういって黙ってお互い視線をぶつけ合う。
誰もが固唾をのんで見守る。
余りの緊張感に誰もが無言にならざるをえなかった。
スザクは手に汗がにじんでいることに気づいた。
それくらいの歴戦を潜り抜けてきたものだけが出せる覇気というものを感じていた。
こんな戦いにおいてはまったくの素人の自分にここまで突き当て暮れたゼストに感謝しつつ、やはり男としてここは勝ちたいという気持ちを持って、一気に4枚の燃えた駆る翼羽ばたかせ粒子をほとばしらせ、加速する。
「フルドライブ!!」
「うおおおぉぉぉ!!」
ゼストが自身に負荷をかけるブーストを展開し、スザクは背中のスラスターから炎を今まで以上に噴出させ巨大な炎の翼を展開し、加速すると刹那の瞬間二人の姿が消える・・・。
そうしてぶつかり合う音とともに現れた二人・・・。
次の瞬間ゼストの騎士装甲がずたずたにされた同時にデバイスの槍が粉々にされた。
「「おおおぉぉぉぉ!!」」
まさかの騎士ゼストの敗北に驚きと歓声を上げるものたち。
しかしそんな歓声もすぐに沈黙する。
「簡単に負けるほど私の腕はなまっていない」
ゼストがにやりと笑いながら動かないセイバーとスザクに向かっていう。
「さ・・・すがです。ゼストさん」
キズナのくぐもった声とともに、どうしたんだという戸惑いの声。
瞬間四肢が破壊され、装甲がはがれてボディースーツが現れる。胸部だけが残されたかたちである。
このところでまだ素手で戦えるゼストと身動きができないセイバーとスザク。
勝者は一目瞭然だった・・・。
「勝者、騎士ゼスト!!」
「「おおおぉぉぉぉぉ!!」」
歓声を聞きながら負けたとしてもすがすがしい表情を見せたスザクがそのヘルメットをはずした。
彼らに対してねぎらいの言葉がかけられ、うれしそうだったのは当然であろう。
「セイバー・・・確かに強かったぞ。そしてそれを使いこなすお前の腕のよさ・・・」
ゼストはまだ自分よりも半分しか生きていない少年が本局のデバイスマイスターの舌を巻くくらいの天才ぶりを発揮してこれを作り出したことに驚きを隠せなかった。
一度は捨てられ、二度目は奪われた家族・・・。
守るための力がほしいといって特訓を申し込んできたときはまだ小さな少年だった男がこうも大きくなり、とうとうデバイスではないが魔法を使って自分と互角以上の戦いをしてのけた。
そのことが師匠としてうれしくもあり、好敵手を見つけられたこととしてうれしくもあった。
- Re: 魔道戦士リリカルガンダムPhoenix ( No.8 )
- 日時: 2011/04/15 07:22
- 名前: 泉 海斗 (ID: 1/l8DPvU)
「くやしい・・・」
相棒をあそこまでぼこぼこにされてしまったのだ・・・騎士として、そして戦士として悔しくないわけなかった。
「どんまい、にーにぃ」
「惜しかったよ、お兄ちゃん」
「あぅ〜♪」
妹のギンガ、スバル、ルーテシアががっくりと肩を落としている兄であるスザクに声をかける。
励まされたことで幾分か笑顔になるスザクを見て、クイントとメガーヌはというと。
「「あらあら、まぁまぁ」」
将来はいい感じではないかと勝手に未来予想図を描いていた。
ぐったりとつかれきったスザクはとてとてと走ってきたスバルからドリンクをもらい、同じくわたわたと走ってきたギンガからタオルをもらい、二人にお礼を言いながらなでなでと頭をなでてやると二人ははふぅっとうれしそうな表情になった。
そんな愛くるしい二人の妹に表情を見て思わず笑みがこぼれる。
ルーテシアがメガーヌから抱えられているところからスザクに手を伸ばしてくる。
まだ小さな手を優しく握ってあげるとぎゅっと小さな力で握り返してくれた。
(この小さな手の中に無限の未来がある・・・ルーだけでなくギンガも・・・スバルも・・・)
まだ小さな少年少女たちが力や才能があるからといって魔道師にされ、局に入れられる。彼らにとって魔道師とはひとつの未来にしか過ぎない。職を手に入れるために手段の一つにしかならない魔法・・・。
才能とか・・・確かに戦いになればそれが大きなウェイトを閉めてくる・・・。
しかしいわば魔道師とは自衛隊である・・・軍人である。誰が世界を守るために死んで来いなどというだろうか・・・。誰が腹を痛めてまで授かった命を放り出すだろうか・・・。常々思う管理局のやり方のずさんさ・・・。局員不足に嘆いているのは当然である。
管理する世界の広げすぎ・・・。それは一体何のためであろうか。
自分たちが世界を行き来できることを見せ付けたいのだろうか。そんなことをしてまでもその世界たちは弱いだろうか。人間とは弱いだろうか・・・。
それは否だった。管理局が動かずとも世界は平和である。
(今こそ管理局は変わらなければいけない・・・世界はその世界に任せるべきだ・・・そうやって世界はできている。他世界の管理といってもそれは侵略だ。管理するくらいならお互いに協定を結んで協力体制になったほうがいい。一方的な統治は争いを生んでしまう)
ミッドチルダに生きるものはまずはミッドチルダを守らなければいけないのだ。自分はそのひとつのきっかけになればいい・・・後押しになればいい・・・。そのためにならなんでもやろうっと思っていた。
例え他世界からの侵略を受けたときは力をあわせて戦えばいい。むしろそんなことをする必要が世界にはあるだろうか。広げてもただ周りに振り回されて終わりである。
ミッドチルダにおいて犯罪がはびこっているがそれは地上が手が回らないからである。なんとか皆で力をあわせているが人には限界がある。明らかなる局員不足である。なぜか・・・。それは有望な魔道師を次々と本局が吸収していくからだ。それでいて地上の働きに文句を言ってくるのは筋違いではないかと思う。それは皆が思うことだが何も文句を言わずにただただミッドを守るためにがんばっているのだ。
そんな地上や人員不足の管理局にも一筋の光があった。それがスザク・カンザキであった。彼の両親が完成させた基礎理論を元に天才的案頭脳にて完成させた、魔法が使えない一般人が魔法を使えるようなパワースーツ・・・それがモビルスーツである。
それの性能は先ほどの戦闘で十分証明された。地上最強の騎士であるゼスト・グランガイツをあわやというところまで追い詰めたのだから。
レジアスにとってはそれは強力なバックアップであった。これで十分な戦力を確保できる。ミッドを守りたいというものたちはたくさんいるのだ。
このままではだめだ。それでも魔法が使えないから自分たちには何もできない・・・。そんなもどかしい思いを抱えていた者たちにとってもビルスーツとはまさに希望の光であった。
少しずつ部隊も教導のおかげで様になってきていた。結果も小さいながらもあげており。将来的には警察部隊として独立させることもできた。
しかしどこからかしら内がモビルスーツについてのデータがもれたのか知らないが本局がそれを知って激しく口論してきたのだ。
魔法が使えないものが魔法を使うことが遺憾だというらしい。彼らを魔道師とは呼ばないといってきた。
しかし三提督や、なぜか上層部・・・最高評議会がそれを承認し、文句を言ってきていた魔道師至上主義者たちは抑えられた。
そのために本局のほうでもモビルスーツを取り込むなど少しずつ換わっているようにも見えた。
別に魔道師といわれなくても機動戦士といわれればそれで十分であり、なかなかかっこいいものでもあった。
少しずつだが聖王教会もスザクのプランを認めつつあった。聖王がどうして小さな存在を戦場に出させたがるだろうか。それは決してないだろう・・・ということだった。
少しずつ認められつつあるモビルスーツ。魔道師に負けない力・・・それ以上の強さを持つそれはいつしかミッドチルダになくてはならないものになりつつあった。
そうしてスザク自身、フェニックスのその姿から、『不死鳥(フェニックス)』の名前が与えられていた。
そんな平和で幸せな生活を送れているスザク・・・。そんな彼に・・・彼らに降りかかる魔の手。
彼にとって大切なのは第一に家族である。そんな大切な存在を脅かそうとするものたち・・・。
まだそれに気づかない彼ら・・・。炎騎士・・・不死鳥が立ち上がるとき・・・ミッドチルダはどうなるのだろうか・・・。
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