二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 貴方なら、どう攻略する?【inzm】
- 日時: 2012/04/02 20:12
- 名前: 絆(ほだす) ◆w6bR1QqEtU (ID: vOrEmgsE)
はい、遂に登場の挨拶がなくなってしまいました、ほだすです((藁
ろくに更新もせんくせに……とかいうツッコミはなしの方向で←というのも、定番になって参りました。
今回のテーマは、どどん!
『イナゴキャラでギャルゲやってみよー』
という、どうしようもないものです(^_^;)
私は、ご存じの方も多いと思いますが(いねぇよ)、美少女ゲームをこよなく愛しているのです!
それで、イナゴでコラボできないかと考えたものです!
主な内容は、お馴染みのオリキャラの女の子が、イナゴキャラ(男の子)を逆攻略しちゃおう! 的な感じですw
労力and私的ブームが\(^o^)/な感じじゃなかったら、長く続けると思います。
まあ、蘭丸くん、拓人くん、京介くん、狩屋くんらへんまでかな。あ、あと倉間センパイ。
とりま、デュラの番外編書き終わったら更新開始で!
一応●注意書き
・思いっ切り夢小説。
・ほだすsに文才なんてもの求めてはいけない。
・ましてや、笑いのセンス、はやりを狙った萌えなんて書けない。
・キャラ崩壊激しい。
・俺っちを嫌いな人は、堂々と喧嘩売ってきなさい。
・心優しい方、是非お友達に。
・女の子、大歓迎だよ((殴
●Index.
【霧野蘭丸root】
〈定番のオリキャラ紹介〉>>01
〈Episode1〉>>04
〈Episode2〉>>08
〈Episode3.Event1〉>>09
〈Episode4〉>>12
〈Episode5.Event2〉>>13
〈Episode6.Event3〉>>14
〈Episode7.Event4〉>>15
〈Episode8.Event5〉>>16
〈Episode9.Event6〉>>19
〈番外編/Valentineday.前篇〉>>20
〈番外編/Valentineday.後篇〉>>21
〈Episode10.Event7〉>>33
〈SideStory/らんまるのキ・モ・チ〉>>41
【剣城京介root】
〈定番のオリキャラ紹介〉>>25
〈Episode1〉>>26
〈Episode2.架場陽丹Side〉>>29
〈Episode3.Without剣城京介〉>>32
〈Episode4〉>>34
〈Episode5〉>>36
〈Episode6.Event1〉>>40
〈Episode7〉>>44
〈Episode8.三国太一Side〉>>45
〈Episode9〉>>48
〈Episode10.Factor〉>>49
〈Episode11.〉>>50
〈SideStory.きょーすけのキ・モ・チ〉>>51
〈SideStory.ゆーいちのキ・モ・チ〉>>52
〈Episode12〉>>53
〈Episode13.sign〉>>54
【神童拓人root】
〈Episode1.Prelude〉>>55
〈定番のオリキャラ紹介〉>>56
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- Re: 貴方なら、どう攻略する?【剣城京介root】 ( No.51 )
- 日時: 2012/03/22 20:20
- 名前: sicrama;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: fNW8Dqgc)
〈剣城京介root.SideStory.きょーすけのキ・モ・チ〉
「おお……京介。最近、よく来るな」
病室のベッドに横たわっているのは、誰よりも大切な貴方。俺は、貴方から総てを奪ってしまった——。
貴方に向けられる笑顏は、確かに笑顏なのだけど——悲しそうで、辛そうで……貴方は決して弱音を吐いたりしないけれど、俺には解るんだ。
「むぎゅー……よにもいるのでーす」
「陽丹ちゃん。……ほら、制服がしわになっちゃうぞ」
そんな貴方を、いつだって本当の笑顏にしてくれるのは——天使。嫉妬なんてしない。ただ、自分の無力さに肩を落とすだけだ。
[俺には、貴方を笑顏にする力など……無い]
「きょーすけも、むぎゅー……だよ?」
それは、兄にとっての天使であるはずなのに……。
俺はいつしか、天使の——貴女の笑顏に囚われていた。
「きょーすけ……あったかい……」
ふわり。貴女の香りと、笑顏がすぅ……っと体中に染みこみ、身体が暖かくなる。貴女のもつ『人を幸せにするチカラ』によってもたらされた暖かさで。
——俺が貴女に抱いている思いで、身体が火照って。
[きょーすけ]
——ただ、名前を呼ばれるだけで
[て、つないでもいい?]
——ただ、手と手が触れているだけで
[むぎゅー……]
——ただ、その可愛らしい声を発して、小柄な身体に抱きつかれるだけで
[きょーすけ……すきー]
——ただ、その一言を発せられるだけで
……俺の総てが、貴女に支配されていく。——俺の願いとは裏腹に。
[もう、兄さんから、何も奪いたくない]
兄さんから総てを奪ったあの日——。
もう、二度と、兄さんから何も奪わないと誓った。
なのに……。
[架場……いや、陽丹先輩]
貴女は、兄の生きる支えになった存在なのに……。
[……俺……先輩のこと……]
今にも。言葉は。俺の中から。出てきてしまいそうで。
今すぐ。貴女を。この場から。奪い去ってしまいたくて。
それでも——。
[好き、だなんて——言えない]
- Re: 貴方なら、どう攻略する?【剣城京介root】 ( No.52 )
- 日時: 2012/03/25 20:03
- 名前: sicrama;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: fNW8Dqgc)
〈剣城京介root.SideStory.ゆーいちのキ・モ・チ〉
「兄さん」
「おお……京介。最近、よく来るな」
最近、お前は前にも増して病院に脚を運んでくれるようになった。俺は、それが嬉しくもあり……お前の辛い顔を見ることにもなって、哀しくもあった。
「むぎゅー……よにもいるのでーす」
「陽丹ちゃん。……ほら、制服がしわになっちゃうぞ」
前にも増して——それは、彼女——架場陽丹ちゃんが京介と知り合ってからだ。彼女はそれ以来、毎日のように俺のところに遊びに来てくれている。
陽丹ちゃんと俺は、昔の知り合いだ。
*
「こほん……けほっ……ごほっ……」
「……?」
あの日。俺は、暇を持て余して、独りで病院散策をしていた。ある病室の前を通りかかった瞬間、俺は、車椅子を押す手を止めていた。
「……けほけほっ……ごほんッ……ハァッ……はあっ……」
その個室では、小さな女の子——俺より2つ3つ違うくらいだろうか——がひどい咳に苦しみ、目を潤ませていた。その小さな躰は寒いのか、震えており、呼吸は酷く荒くなっていた。
俺は、おかしなものを見た気がした。何故なら……彼女は独りだったからだ。本来ならば、母親なり何なり、彼女の背中をさする者がいる筈だ。年端もいかぬ女の子を独り、病室においておく意味が理解出来ない。
気づけば、俺は、彼女に擦り寄り、背中をさすっていた。
「大丈夫かい? ……ほら、水だ」
「……だい……じょぶ……だよ? ありがと……」
俺コップにはいった水を差し出すと、ぱぁっと輝く笑顏を見せて、それを受け取った。
「家族は、どうしたんだい?」
「おとうさんとおにいちゃんは、しんじゃって。おかあさんは……がいこくで……しごと……」
最後の方は、声が小さく、掠れて聞き取りづらかった。
俺は、その話に酷く憤った。そして、なにより……彼女の傍にいたい、そう思うようになった。
「君、名前は……?」
「……はさば……よに……」
「俺は、剣城優一だ。……陽丹ちゃん。俺がずっと傍にいる」
俺は、彼女に誓ったんだ『ずっと傍にいる』と。
「……ゆーいちくん。ありがと……」
彼女は顔を明るくすると、満面の笑みで応えた。それと同時に——冷え切っていた俺の心は、暖かく解かされ、生きる希望を与えられた。
*
今、彼女に再会できて、眠っていた……良き思い出として残っていた彼女への思いが目覚め始めている。
——好きだ、陽丹ちゃん。
君といると、本当の笑顏でいられるんだ。
君の笑顔の裏側にある、深い深い闇も総て解っていて。
……君に思いを寄せているのが、俺一人だけじゃないことも解ってる。
「きょーすけも、むぎゅー……だよ?」
……君が思いを寄せているのが、俺じゃないことぐらい解ってる。
「はっ、はい……」
チクリ。その腕が彼女を包んだ瞬間。俺の胸に突き刺さるような——痛み。
「きょーすけ……あったかい……」
赤くなった京介に抱き締められ、幸せそうな顔をみせる、君。
イライライラ。理性ではない何かが、胸の奥でズキズキと痛みを持つ。知っている。俺は、この痛みの名を知っている。
それは——[嫉妬]という。
俺は、総てを知っているんだ。
自分の気持ち。陽丹ちゃんの気持ち。京介の気持ち……総て。
「……先輩も、暖かいです」
俺が、お前の瞳を射抜くと、お前の視線は踊り……凍りついた。
——兄さん、俺は……もう。
お前は、自分の気持ちを隠すことが、俺の幸だと思っているのか。
哀れだ。
お前の優しさも、今は——。
もう。何もかもが。遅すぎたんだ。
だったら。
——この、三人の行く末を、ハンデとして貰っておくよ。
- Re: 貴方なら、どう攻略する?【剣城京介root】 ( No.53 )
- 日時: 2012/03/29 20:20
- 名前: sicrama;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: fNW8Dqgc)
〈剣城京介root.Episode12〉
[架場陽丹さんへ]
ひらり。陽丹が靴箱から自分の靴を取り出すと、紙切れ——白い、封筒が落ちてきた。
「……また」
差出人の名は[佐藤]となっており、それが隣のクラスの佐藤くんだと解ると、ため息が出た。内容は、こうだった——。
[架場さん
話があるんだ。放課後、屋上で待ってる。]
話——何の話か、陽丹には解っていた。
沈む気持ちを持ち直し、早足で屋上へと向かった。
*
「佐藤——くん」
ガチャリ。屋上のドアを開けると、彼は手すりに寄りかかり、落ち着かない様子で待っていた。
「架場さん……」
「ごっ、ごめんね。またせちゃって」
そう言う自分の笑顏が引き攣っていることくらい、解った。
「話……なんだけど……」
「う、うん」
二人が向きあうと、佐藤くんはだんだんと顔を赤くし、口を開いた。
「好き……なんだ。架場さんのこと……。だから、付き合って下さい!!」
解っていた。毎日のように人の思いを聞き、毎日のように人の思いに応えられず……傷つけ。今日、告白してきた佐藤くんもそうなるのだと考えると、胸が痛かった。
「ごめんなさい……。よに、すきなひとがいるんだ」
ぽつり。譬え小さな声で呟くように言ったって、彼を傷つけてしまうことに変わりはないのに。
「そ、っか……」
すぅ……隣にいる彼の横顔は哀しく、大きく息を吸って。
「じゃあ、さ……。せめて、好きな人が誰なのか、教えてほしいな」
その真っ直ぐな瞳に見つめられ、陽丹はたじろいでしまう。
「えと……ごめんなさいっ。……すきに、なっちゃいけないひと……だから」
いつからだろう。こう、答えるようになったのは。 何かの口実にこれを使ったことは何度とあった。でも……。本当に好きな人ができてからは、なんだかその言い訳も、苦しくて。
「ほんとに、ごめんなさいっ……」
ただ、謝ることしかできなくて。その場から——その苦しみから、逃げ出した。
*
「どうして……」
どうして皆、私を好きだというの? やめて、やめてよ……私、苦しい。
「どうしてっ……」
どうして皆、私を苦しめるの? 私は何も悪くない。皆が私を好いてくるだけ。
「どうして……」
どうして——。
[今日もまた、靴箱に靴が入ってないんだ]
- Re: 貴方なら、どう攻略する?【剣城京介root】 ( No.54 )
- 日時: 2012/03/29 20:46
- 名前: sicrama;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: fNW8Dqgc)
〈剣城京介root.Episode13.sign〉
「すみません、先輩。……ちょっと、いいですか?」
「ほぇっ?」
部活終了後、陽丹は今日、優一のお見舞いに行く予定はなかったのだが、京介に呼び止められた。
「どーしたの、きょーすけ?」
「あの……。もうすぐ兄さんの誕生日なんですが……」
京介の話はこうだった。
優一の誕生日がもうすぐで、何かプレゼントを買いたいのだが、何を買って良いかわからない。
「そっかぁ。よにもなにかかわないとだなぁ……」
陽丹は、京介から優一の誕生日のことを聞くと、早速何かを買おうか考えていた。京介はその横で、何やら顔を赤くしている。
「……きょーすけ……かお、あかいよ?」
陽丹は、熱があるのではないかと心配し、京介の額に自らの手を当てる。
「いっ、いえ……大丈夫ですっ……」
京介は、陽丹に触れられたことによって、更に顔を赤くさせた。そして、ぶつぶつと何かをつぶやくと、やがて、観念したかのように口を開いた。
「今週の日曜日、プレゼント買いについてきてもらえませんか? ……も、もちろん、都合が良ければ……ですが……」
京介のほうが身長は高いはずなのに、上目遣いになっているようにみえるのは気のせいだろうか。まるで、告白の返事を待つ少女のようだ。
「そういうことならまかせなさーい!」
陽丹は、その不安な表情を払拭するかのような笑顏と、大声でそれに応えた。
「あ、ありがとうございます!!」
それとともに、京介の表情もぱぁっと明るくなった。
*
「……えへへ……」
帰り道。笑みをこぼす陽丹を、三国は不思議に思い、問う。
「どうしたんだ、陽丹? ……えらく御機嫌じゃないか」
「へへへ……わかっちゃった? にちようびにね、きょーすけとおかいものするんだぁ……」
三国は、街灯に照らされた陽丹の笑顔を見て、聞かなければ良かった……と後悔する。
彼女のこんな笑顏、見たことなかった。まるで、自分の存在を否定されているようで、辛かった。
「ね。……たいち」
すると、陽丹は何かを察したのか、三国の目をじっと見た。
「どうした?」
どきり。心臓が跳ね上がった。
「たいちともこんど、おかいもの……したいな?」
ぎゅう。陽丹は、ねだるように三国の学ランの裾を引っ張った。
三国は、動揺しているのを隠すようにして、言葉を紡いだ。
「ああ、そうだな」
素っ気ない二つ返事でも、陽丹の顔を明るくするには十分だった。
「ぜったい、だよ……?」
でも、何故か、今の彼女の顔には、明るさと暗さ——明暗が両方現れているように見えた。
「ああ、絶対だ」
くしゃくしゃ。彼女を落ち着かせるように、さらさらの髪を撫でた。
- Re: 貴方なら、どう攻略する?【神童拓人root】 ( No.55 )
- 日時: 2012/04/02 20:06
- 名前: sicrama;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: vOrEmgsE)
〈神童拓人root.Episode1.Prelude〉
「悪い、霧野。音楽室に楽譜忘れた」
放課後。サッカー部の練習を終え、友人の霧野とともに下校していた所、電撃のように自分の脳が忘れ物に気がついた。
「校門で待ってるよ」
先に帰っていていい……そう言おうと思っていたのだが、霧野はそれを解っているのか、呆れた顔で待っている、と言った。
「ああ、すまない……」
霧野を待たせては悪いと、音楽室へ向かう足は自然と足早になる。こんな時、音楽室が一番上の階にあることを恨みたくなる。
そもそも、何故俺が、音楽室に楽譜を忘れたのかというと、原因は一ヶ月後の合唱コンクールにある。雷門中学では毎年、クラス対抗の合唱コンクールが行われている。各クラス課題曲、自由曲の二曲を歌い、審査員に勝負を審査してもらう……というものだ。
神童は、ピアノを弾くことが出来るため、伴奏者に抜擢されたというわけだ。今日も、昼休みに楽譜を広げ、練習に励んでいた。
ふと、思考が途切れた瞬間——聞きなれた音が耳に入った。
「ピアノの……音?」
それは、目的地に近づくにつれ、大きく……鮮明に聴こえる。ただのピアノの音ではなく、一つ一つの音を繋げた——律だった。
その律は、とても優しく——まるで、総てを包み込んでくれるような柔らかい律で……とてもとても美しくて——儚かった。
「……誰だ?」
合唱コンクールでは合唱ももちろん聴くが、どちらかと言えばピアノの方に耳を傾けてしまう、神童である。弾く人弾く人で、律が変わるのがとても面白いからだ。律が、その人を表している——とでも言うのだろうか。
この演奏者は、とても優しくて……繊細で。独特の雰囲気を醸し出していた。
そして。神童は。その答への扉を[開いた]
ピアノの椅子に腰掛けていたのは——同じクラスの、成宮日向子だった。
「しっ、神童……?」
成宮は神童の姿を捉えると、すぐに演奏する手を止めた。
「綺麗な……律[オト]だな」
神童は成宮をじっと見つめると、手を叩き、感想を述べた。喉から出た音は、漏れ出るような声で、わざとらしさはこれっぽっちも感じ取れなかった。
「アンタッ……何でここにいるのよっ?!」
成宮はそれを無視し、何やら慌てた様子でワタワタとピアノの片付けを始めた。
神童は、そんな成宮の様子をくすりと笑うと、
「楽譜を忘れたんだ。……邪魔して悪かったな」
悪かったと謝っているのに、何故か成宮の元へ近づく。
「これか……ハイ、神童」
成宮は、ピアノの上に置いてあった楽譜を神童に渡すと「鍵閉めててね」と言って、部屋を出ていこうとした。
「成宮って、ピアノ弾けたんだな。……続き、弾かないのか?」
ピクリ。成宮は肩を震わせ、立ち止まると、辛そうな顔で——それこそ、神童が曲想から読み取ったように、小さく笑うと、嘲るように言った。
「弾かない……いや、弾けないんだ」
成宮は、次こそ歩みを強めると、無言で去っていった。
「弾けない……?」
まだ練習中で弾けない、という意味なのかと考えたが、違うような気がした。
まるで、[弾くことを怖がっている]かのようだと。
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