二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- ルーク青年と追憶の幻想
- 日時: 2012/01/08 12:57
- 名前: 紅蓮 ◆mAzj/Mydf. (ID: 1QppuERs)
初めまして、紅蓮(元:レッド)です。
新しいルーク青年シリーズを書くことになりました。今回のタイトルは・・・【ルーク青年と追憶の幻想】です!
レイトン教授シリーズでお馴染みのルークを主人公とするオリジナルストーリーを描きます。ルークの他に幼馴染のケイティ、アルフレッド、ルークの弟などが出ます。前回書いていた【ルーク青年と呪われた幽霊屋敷】の小説に出たあの少年も登場するぞ!
【あらすじ】
ルークが大学2年生になった時の春、同級生のアレックスに誘われ、孤児院にやってきた。ルークはアレックスからそこで問題を抱えている1人の少年のことを聞く。心を閉ざしてしまっているのだという。
ジャックのことを聞いたルークは、過去の自分と重ねて思い出す。しかし、ルークたちを待ち受ける、とんでもない事件が起きてしまう。
第1章〜第5章:謎かけ編
第6章〜第10章:謎解き編
ダークファンタジー×ミステリーによる謎解きアドベンチャー!
これからも応援よろしくお願いします!
- Re: ルーク青年と追憶の幻想 ( No.21 )
- 日時: 2012/01/13 11:27
- 名前: 紅蓮(レッド) ◆mAzj/Mydf. (ID: ar61Jzkp)
第4章 そこで明かされるジャックの過去・・・そこに隠された真実とは?
スコットランドヤードに来ていたルークはチェルミー警部の部屋でジャックの過去について聞こうとしていた。
「あいつに何があったんですか?」
「うむ・・・まずはこの家の写真を見てほしい」
「写真・・・ですか?」
僕は警部から渡された写真を受け取りながら見て言った。この家、どっかで見たな・・・ニュースで話題になってたような気がする。
「この家はジャックの実家ですか?」
「ああ、そうだ。ジャックはイギリスのバーミンガムというところで生まれ育った。家族構成は父・兄の2人と3人暮らしだ」
父・兄の2人と一緒に3人で暮らしていた・・・ということは、母親がいないのか。
「ジャックのお母さんはどうしたんですか?」
「彼が幼い頃に病気で死んだそうだ・・・」
そうか・・・それで、ジャックは寂しかったのか。
「ジャックの父親と兄は何してたんですか?」
「うむ・・・父親は酒浸りになっていてな、兄は冷酷な性格だったらしい。ところが・・・2年前の秋、事件が起きた」
そこで事件!?
「ちょ・・・事件って・・・」
「そうだ。ジャックはすでに心を閉ざしていたんだ」
「心を・・・閉ざしていた?」
そこに微妙な違和感を感じた。心を閉ざしていた・・・ということはエリックが言っていた痣のことも関係している可能性が高い。
「うむ、父親と兄から暴力を受けていたという事件だ・・・その時、虐待を受けていたことが判明した」
「ぎゃ、虐待!?」
なんて酷いことを・・・どうりでなかなか、心を開かないわけだ。
- Re: ルーク青年と追憶の幻想 ( No.22 )
- 日時: 2012/01/13 13:00
- 名前: 紅蓮(レッド) ◆mAzj/Mydf. (ID: ar61Jzkp)
でも、事情が分かってきた時点で虐待・・・っていうのは、あまりにも酷すぎるとしか思えない。ジャックは僕のことを兄さんと呼んでくれた・・・けど、どうして酷いことをされたのか知りたいくらいだった。
「ジャックのヤツ・・・それで、あんなに怯えきっていたのか」
「怯えきっていた?」
「はい。実は2日前の夜、エリックが知らせてくれたんです。上半身にいくつかの痣ができているって言うからビックリしたんですけど・・・それで、僕が2階の部屋に戻って入ったら、ジャックが僕を見て、いきなり怯えてきて・・・どうりで様子がおかしいなって思ってたんですよ」
僕の話を聞いていたチェルミー警部はうーむ・・・と唸った。
「なるほどなぁ・・・ルーク、孤児院のスタッフから君が里親として育てるっていう話を聞いていたが・・・本当だったんだな」
「はい。僕にできることなら協力してあげたいって思いました。でも、心の傷を深く負っていたなんて知らなかった・・・」
まさに想像を絶するジャックの過去・・・あいつは僕らを気遣って話さなかっただけかもしれない。
「ジャックは僕が守る・・・」
「ルーク、ジャックのことを頼むぞ」
チェルミー警部から告げられた僕は頷いた。
「はい!」
その日の夜、チェルミー警部との会談を終えて戻ってきた。
「ただいまー」
「お帰り、兄さん」
エリックが迎えてくれた。
「エリック、2人は?」
「2階にいるよ」
そうか、2階で遊んでるのか・・・それなら良かった。
- Re: ルーク青年と追憶の幻想 ( No.23 )
- 日時: 2012/01/20 12:02
- 名前: 紅蓮(レッド) ◆mAzj/Mydf. (ID: .p4LCfuQ)
だけど、ジャックの心はすでに闇に陥ってしまっているのだろう。せめて、少しだけでもいい・・・愛情を与えてやりたい。
「どうしたの、兄さん?」
「なぁ、エリック・・・おまえはジャックのことをどう思ってんの?」
僕はエリックに聞いてみた。
「僕はジャックのこと・・・弟だと思ってるよ」
「そっか・・・」
過去の記憶を思い出したくないのなら、僕もエリックたちも心を開くことを祈るしかないだろう。
「ねえ、ルーク兄さん」
エリックが言い出した。
「あのさ、実は・・・」
そこで聞かされた事実を聞いた僕はビックリした。
「何? 下半身にも痣ができていた?」
「そうなんだよ・・・ジャックのことだから何か隠してるだろうなって思ってたよ」
エリックの言うとおりだ・・・でも、僕ができることは話を聞くだけしかない。
- Re: ルーク青年と追憶の幻想 ( No.24 )
- 日時: 2012/04/03 21:36
- 名前: 紅蓮(レッド) ◆mAzj/Mydf. (ID: cqX79mXG)
彼の気持ちを考えると・・・配慮するしかない。それなりに生きようとするジャックを見ていると・・・なぜか、複雑になってしまう。
「ルーク兄さん・・・」
「ジャックのことだから、気遣うわけにはいかないよな。複雑だけど、話を聞かないとな」
エリックも頷いた。ジャックと初めて出会ったときから優しく接していたが・・・心の傷を癒す場所がなかったのだろう。
ラサークやエリックがいるから、面倒を見てやっているけれど・・・僕自身、アレックスから頼まれた時は驚いた。でも、想像以上に深く負っていたとは思わなかった。
「僕もできることなら協力してやりたいけれど・・・ジャックのことだし、ラサークとエリックに任せるよ」
「何で僕らなの?」
「しばらく様子を見て、あいつと話すタイミングを見計らうよ」
ゆっくり考えるには、その方が判断しやすいからだ。
だけど、ジャックが心を開いてくれれば良いのだが・・・子供だし、放っておけないところがあるから心配なんだよな。
「・・・ま、2人に任せるよ」
「うん・・・」
エリックは僕を見て頷いたのだった。
- Re: ルーク青年と追憶の幻想 ( No.25 )
- 日時: 2012/04/12 15:56
- 名前: 紅蓮(レッド) ◆mAzj/Mydf. (ID: 2zitOR7a)
翌日、グレッセンヘラーカレッジでいつものように授業を受けていた。
「・・・であるから、こうして・・・」
一番後ろの席に座っていた僕は眠そうにあくびをした。
「ふぁーあ・・・」
寝不足気味で何も考えたくない。でも、ジャックのことだからな。
「眠いの?」
隣に座りながら話を聞いていたケイティが心配そうに聞いた。僕は何でもないというようなしぐさをした。
「・・・いや、別に・・・」
「・・・フーン・・・」
ケイティは再び、講義を聞くことに専念した。
僕も一眠りするかぁ・・・そう思いながら、机に突っ伏した。
1時間半後、気持ちよさそうに寝ていた僕は爆睡した。
「・・・−ク、ルークってば」
自分を揺り起こす聞き覚えのある声がして、眠そうに目を開けた。
「・・・んー・・・あ?」
「こらーいつまで寝てんの!」
いきなり、ケイティに突っ込まれた。
「ふぁ・・・終わったのかぁー?」
「何寝ぼけてんの、終わってるわよ」
眠そうに顔を上げて、周りを見回すと・・・誰もいなくてガラーンとしていたのだった。
この掲示板は過去ログ化されています。