二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 二ノ国 不思議な世界で
- 日時: 2012/01/24 17:39
- 名前: テテ (ID: IycwIUpg)
こんにちは、テテといいます♪ちょっとわかりにくい部分とかもあるかもしれませんが、よろしくお願いします・・・。
人物紹介(オリキャラ)
ナウィン・無口で毒舌。人に気持ちを伝えるのが苦手。12歳の少女。
回復魔法と補助魔法が得意。
ショウ ・無表情。マイペースだが、運動神経は良い。12歳の少年。
風属性の攻撃魔法が得意。
フィン ・さっぱりきっぱりした性格。明るい。15歳の少女。
ナウィンの姉。水属性の攻撃魔法が得意。
あとは、イマ-ジェンがしゃべります。
オリバー、マル、シズク、ジャイロもでます。
二ノ国が好きな人、見てくださると嬉しいです。
- Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.26 )
- 日時: 2012/10/21 18:20
- 名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)
10・「草原」
そよ風が草を揺らす。晴れた空からは、温かい光が差していた。
フ「なんていい気持ち!やっぱり晴れの日は好きだな〜。」
フィンはその言葉を紡ぐと同時に、懐かしさのようなものを感じていた。
ショウは何も喋りはしないがかすかに微笑んでいる。その笑顔は何処か切なそうでフィンの心を痛める。
フ「・・・もどかしいな。後少しで・・・何か思い出すような気がするのに。」
記憶さえ戻れば、何もかも上手く行く気がしていた。自分が何者なのか、此処は一体何処なのか。何も分からないのは堪らなく辛かった。
何かを待たせている気がする。誰かが、待っている気がする・・・。
シ「・・・・・・僕は・・・フィンに似た人、知ってる・・・。」
フィンは驚きで目を見開いた。
フ「なんて人!?」
シ「・・・ナ「キシャアアアア!!!」。」
フ「——え?もう一回・・・。」
ショウが答える前に、何かが襲いかかって来た。咄嗟にかわすが腕をかすって血が出てきた。
混乱しているフィンを庇うようにショウが前に出て、何処からか取り出した武器を構える。杖の形をしたそれは、『何か』を一瞬で切り、『何か』は消えてしまった。・・・お金のようなものを残して。
フ「あ、ありがと・・・。って、何時の間にその杖・・・。」
シ「・・・貰った。」
フ「そうなんだ・・・。いや、確かに。忘れてた・・・。何だろ、これ。」
確かに街で、水色の綺麗な石を貰った。
フ「何か魔法とか使えるのかなー。」
それを彼女が知るのは後一日後・・・——。
オマケ
「そこのお嬢ちゃん。」
フ「はい?」
急に猫人に話しかけられた。
「見たところ旅をしているようだね。」
フ「そ、そうですが・・・。」
「何か武器になるものを持っていないと危ないよ。これをあげよう。」
フ「え、・・・いいんですか?」
「あぁ。結構使えるよ。私はね・・・夢で、お告げを受けたんだ。
これを黒い髪の人間の少女に授けるようにと。だから、持っていてくれ。」
フ「そ、そうなんですか・・・ありがとうございます、大切に持っていますね。」
「あぁ、それじゃあね。」
フ「さようなら・・・ってショウは?」
シ「・・・・・・此処。」
ということで何か不思議な武器を貰い、フィンたちは街を出た。
- Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.27 )
- 日時: 2013/01/13 14:40
- 名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)
11・「準備万端?」
オ「おはよ、ナウィン。準備はできた?」
ナ「え?・・・・・・あの、本気であんなところへ行くんですか?」
オ「うん。だってこの世界は危険だからさ、ナウィンが傷ついたりしないように・・・ね。」
本気で私を心配してるからなのだろうけど・・・もし君が気遣ってくれてるんだったらそんな暗いジメジメな場所へ私を連れて行かないでほしい。
ジャ「ははっ、怖がってんのかぁ?ガキんちょ。」
何時私が怖がったって?救えない人だなぁ・・・まったく。思い込みもその下らない冗談紛いのものもつまらないし事実とは全然違うのだからやめてほしいよ。
ナ「ジャイロさん、私は怖い訳ではないのです。単に洞窟という場所の環境が私には合わないと言っているだけですよ。」
ジャ「まーた、お前何強がってんだ。」
マ「ジャイロ!!ナウィンをからかわないでくれる?しつこいわよ!」
セ「ジャイロしつこいのー♪ナウィンに嫌われちゃうよー?
ジャ「うっせぇ鳥!」
レ「・・・その言葉は、俺たちへの侮辱とみて良いのか?」
ジャ「あーもう!悪かった悪かった!!勝手にしろ!」
これぞ逆ギレなるものか。
何かと喧嘩してるなー。全く・・・。ほら、ルッチとかオリバーさんとか女の子達を見習えよ。あんなに静かじゃないか。
オ「ほら、皆・・・ナウィンが呆れてるよ?」
マ「そうだよ、ジャイロ。アンタのせいなんだからね?」
シ「そやで〜。」
口々に非難されるジャイロさんは、とても寂しげな顔を
ジャ「お前らが悪ィんだろ!?」
・・・してなかった。さっき「悪かった」って自分で言ったくせに・・・。
皆が、白い目で彼を見ている・・・。
流石に哀れに思ったのか、ルッチが口を開いた。
ル「ジャイロ、ちょっかい、かけた。嫌がられてる。そこ、反省。皆、弱い者いじめ、ダメ。それも、反省。全員悪い、納得か?」
人は、罪を共有し合うことで罪の重みを和らげる。そして、絆を深めるのだ。
しかし、一人で背負うとなると理不尽だと思う。これは、ほとんどの人間に共通する特徴である。
だから、彼の言葉は喧嘩を収めるにはとても良いと思った。
ジャ「・・・しかたねぇ、許してやるよ。」
何処までも上から目線な人だ。逆に下に見られてしまうことに、気づいていないのだろう。
でも!ここで私がなんか言ったら折角のルッチの言葉が台無しになる・・・から黙っておこーっと。
ブ「ところで。今、11時になるが、洞窟へは行かないのか?」
『はっ・・・。』
すっかり忘れてたー。あ、でも嬉しい♪洞窟にいる時間が減らせる!!
オ「たっ大変・・・だけど、仕方ないからさ、お昼食べてから行こっか。」
シ「そやな、飯はちゃんと食べなあかんわ。」
セ「僕今日のご飯わかるよー^^キノコシチューとロールパンと野菜サラダ〜。楽しみだねー♪」
ナ「・・・・・・野菜サラダの匂いって・・・?」
セ「そこ、気にしないー。」
オ「あ、そうだ。皆さ、ちゃんと食べたりお昼寝したほうがいいと思うよ。朝行けなかった時間・・・六時間分と午後にやる予定の六時間、合わせて十二時間洞窟で特訓するから。」
『え゛。』
ニッコリ笑顔のオリバーさん。・・・君は鬼なの?悪魔なの・・・?
思えば、準備はできたかと聞かれた時間は六時くらいだった。ねぇ、決めた。私決めたよ。
・・・今日で皆より強くなって特訓しなくて済むようにするからさ、もう二度と、こんなことがありませんように・・・。
いつものように平和で穏やかな午後、一軒の宿屋にて少女は祈る。
- Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.28 )
- 日時: 2013/01/13 15:13
- 名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)
12・「僕の意味」
僕は繋げるあの姉妹を。生きる意味を失った僕に与えられた最後の使命・・・。大切なものをなくした光と、何かが欠けてしまった闇を、灰色の少年が結び、繋げる。全てが無に還り始まりに辿り着くための神様の駒なんだ。
あの魔導師の物語に絡み絡まれ、やがてまとまってゆく魔法の世界。
終わった時、僕はどうなるんだろう?始まった時、僕に生きる意味はあるのかな?
心を失った罪深き少年もやがて全て許される時が来るよね。
だけど、僕は許されないかもしれない。
神様の気まぐれな道を辿っても何処へもたどり着かないからって、僕は自分で決めた道を歩いたから。
駒は指示通りに動かなきゃならないよね、でも、それはただの機械になるということ。だから僕は、罪がより深くなり永遠に許されずとも後悔はしてないんだ。
ねぇ、闇はもしかしてあの少女かな。僕と似通った罪を背負う子。
光のあの子と繋げて結んだら何が起こるんだろう?
きっとそれは望んでた平和な世界じゃなくて・・・・・・。
神様だけが笑ってる世界だ。
変えてしまおう。例え僕が消えようとも、あの姉妹が幸せになれるように・・——。
- Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.29 )
- 日時: 2013/01/13 23:32
- 名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)
13・「あたたかい日」
ナ「・・・・・・つか・・・れ、た・・・・・・。」
修行も終わり、宿へ着いた。意識がもうろうとする・・・きっと、今日はよく寝られる気がした。壁に寄り掛かると強烈な睡魔が襲ってくる。こんなに疲れたのは久しぶりかもしれない。
ル「ナウィン、大丈夫か?」
ナ「・・・・・・いや、ってあれ?ちょっと目を瞑ってただけなのに・・・。瞬間移動?」
ル「それ、間違い。ナウィン、倒れた。」
・・・そうなのか!?それは驚いた。
ナ「で、ここは・・・?」
ル「ここ、ルッチの部屋。ルッチ、ナウィン、運んだ。」
ナ「ありがとう・・・。」
あれ?何か目がさえてる・・・。もしかして、相当寝てたのか?
ル「・・・ルッチ、寝れない・・・外、出てくる。ナウィン、寝てろ。」
ナ「んー・・・私も寝れないから一緒に・・・あ、でも・・・・・・。」
ル「?」
ナ「・・・雨女だから、出れないや。」
ル「外、すごい雨。気にするな。行こう。」
強く腕をひかれて外へ出た。って、強すぎじゃないかな?痛かった・・・・・・。
ナ「でもさ、ルッチ。風邪ひいちゃうよ?」
ル「ルッチ、雨、大好き。絶対出る。」
ナ「・・・まぁいいや。風邪でもひいたら看病してあげるよ。」
ル「ナウィン、何故、オリバーたちに、親しくしない?何か、イマージェン、違うか?」
ナ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・傷つけたくないんだ。いっそもう、話しちゃおうかな・・・。ルッチ、オリバーさんたちには話さないでね?・・・私は、何故か親しくなるほど態度が冷たくなってしまうんだ。だけど、皆が求めてるのはそんな私じゃなくて・・・優しい私だけなの。冷たい私が皆を傷つけないように、ある程度の距離は保たないといけないの。それに、優しくないと皆私を憎むだろうし・・・私は皆を傷つけたくないから・・・。イマージェンは、確かに姿は今人間になってるけど、皆強そうだから・・・。」
許されたいなんて、そんなつまらないこと考えても、どうしようもないのに。もう一人の醜い心を持つ私は救えないのに。
ル「確かに、人間の心、とても弱い。だけど、オリバーたち、きっとナウィン、憎まない。皆、人の心、救ってきたから。だから、ナウィンの心、オリバーたち、救う。・・・ナウィン、いつか、笑えるはず。」
少し雨が弱くなった。
ナ「・・・ありがと。きっと本当に仲良くなれる日は来ないと思ってたけど・・・ルッチのおかげで、もしかしたら私も皆と友達になれるかなって少し思った。・・・ふぁぁ・・・そろそろ、部屋に戻ろう・・・。風邪ひいちゃうよ・・・。」
ル「・・・っくしゅん・・・。」
あの豪雨が小雨に変わって少しあたたかかったのは、君のおかげだから、いつかお礼をできるといいな・・・。
少女はクスッと微笑んで、眠りの世界へ落ちて行った・・・。
- Re: 二ノ国 不思議な世界で ( No.30 )
- 日時: 2013/01/27 22:00
- 名前: テテ (ID: 0aJKRWW2)
14・「空色の石」
『ビシャァァァァァァァ』
フ「っぶ!」
シ「うっ・・・!」
なんてことだ。あれ、夢じゃなかったのか・・・!
ずぶ濡れになったフィンは、顔にへばり付いた髪を鬱陶しそうに払うと手のひらの上にコロンと転がる青い石をまじまじと見つめていた。
シ「・・・・・・・・・フィン?どうして・・・?」
フ「あぁあ、ゴメンナサイ!こうなった経緯を説明するから、ねっ?許して!」
それは1時間ほど前の話・・・。
フ「綺麗だなー、この石。青って好きなんだよ。」
フィンは石を太陽にかざした。透けた青い石は、太陽の光で水のように輝いている。
宝石なのだろうか・・・。しかし、誤って落とした時も、蹴っ飛ばしてしまった時も、踏んでしまった時も、魔物の炎や剣がかすった時も、傷一つつかなかった。・・・これはきっとただの宝石でも石でもない・・・。だが、一体どんな用途があるというのだ?
フ「はぁ・・・ねぇ、ショウ?この石って何だろうね?・・・ってあれ?ショウーーー!!大丈夫!?」
何ということだ。ショウが、だいぶ後ろの方で倒れているではないか!
シ「ん・・・。」
フ「あああー・・・どうしよう?」
そんな時一滴のしずくがフィンの掌から零れ落ちた。
フ「・・・待った。私、泣いてないよ!?」
恐る恐る手を見ると、何と、薄ら濡れているではないか。
フ「なんで!?あ・・・もしかして。この、青い石・・・?」
もしかすると——・・・
『キシャアアアアアアアア!!!』
フィンがある考えに辿り着きそうになったその瞬間!何処からか魔物が飛び出してきた。
フ「ひゃああああっ!!!またか!?またなのか!?待て・・・落ち着け、フィン。何か恨まれるようなこと『ガルルル・・・!』あ・・・ちょっ、そっちは・・・!」
突然のことにフィンが混乱している間に魔物たちはショウに狙いを定めたのか、彼女の存在を無視してその隣にジリジリと歩み寄ってきていた。
そのことにやっと気づいたフィンは、覚悟を決めて、
ショウの前に立ち塞がった。
フ「こ、此処は絶対通さないっ!」
そう震える声で叫ぶ彼女に、二体が襲いかかる。
『キシャアアア!』
『ガアアアアア!』
フ「いやっ・・・!」
反射的にフィンが腕を前に突き出したその瞬間。
『ビシャアアアアアアア』
と、あの空色の石から水が飛び出してきたのだ。
それを浴びた魔物たちはそれぞれ断末魔を残して消えてしまった。
フ「・・・!・・・・・・!!」
フィンは驚愕を顔に浮かべる。
フ「う、嘘・・・!?」
こんな小さな石からあんなに水が出るなんて・・・。
しかし、こんなことができると知ったのだから、それを使わない手はない。
フ「よっし、ショウ・・・今から助けてあげるからね!!」
フ「・・・で、今に至る訳。」
シ「・・・・・・・・・。一応、・・・ありがとう・・・。」
彼の眼はまだ少し怒っているようであった・・・が、
フ「ま、まぁ助けたんだからさ、許して!!ね!?」
シ「・・・。」
ショウは呆れたように苦笑すると、
シ「・・・涼しくなったからいい・・・。」
と呟いて、安堵したような表情を浮かべたフィンと二人、炎天下の中を黙々と歩いて行った・・・。
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