二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆
- 日時: 2013/03/26 10:51
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
どうも、レッドです!
以前、ここでレイトン教授に出てくるルークの小説を書いていたのですが・・・私のことを知っている方は少ないかなと思います。
初めての方もいると思いますが、私のこと知らないと思うので、自己紹介します。
初めまして、レッドです。上記にレイトン教授の小説に関して書いてありますが・・・ルークが好きで書いていたので、そこで推理小説を書きながら鍛えていました。シリアス・ダークの方でも2次とは異なる推理小説を描いていたので、鍛えまくりました。
そして・・・最近、ダンボール戦機にハマり、小説を書きたくなりました!
ダンボール戦機W、初の小説!
第1作:【バン×ヒロと黒影の亡霊】です!
バンとヒロの2人による謎解きアクションアドベンチャー!!
バンは中学3年生、ヒロは中学2年生となります。
バンの幼馴染もオリキャラとして出ます!!
他はジン、郷田&仙道も出ます!
この2人が謎をどう解くのか・・・そこに注目してください!
これからも頑張って書くので、応援よろしくお願いします。
【本編:ストーリー原案・構成】
第1章〜第6章:LBX専門ショップ編まで
第7章〜第10章:幽霊ホテル編(謎かけ編)
第11章〜第20章:幽霊ホテル編(謎解き編)
全20章で完結しました。
今までありがとうございました。
【番外編:ストーリー原案・構成】
第1章〜第5章:謎かけ編
第6章〜第16章:謎解き編
全16章で完結しました。
今までありがとうございました。
【番外編2:ストーリー原案・構成】
第1章〜第6章:ミソラタウン編
第7章〜第8章:イッシュ地方編
第9章〜 :
番外編2は未来のバンたちを描くストーリーを展開することになりました。
こちらのスレは意外にもオリジナルになるかと思われます。引き続き、番外編2も執筆することになりました。
これからも応援よろしくお願いします!!
【お知らせ】
第2作:【バン×ヒロと過去の追憶】の小説は完結しました!
第3作:【バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ)】の小説も完結しました。
新スレにて、【バン×ハルと失われた過去】の小説を連載しております♪
【番外編2のキャラクター原案】
ダンボール戦機Wの登場人物設定 >>313
バンたちの登場人物が設定されているぞ!
この小説に初めて来た人は読む前に目を通しておいてください。
健太&直太、リンの登場人物設定も収録されているので、それも含めて確認しておいてください。
ポケットモンスターの登場人物設定 >>314
ミジュマル・ツタージャ・ポカブ、チコリータ・ワニノコ・ヒノアラシのポケモンが載っているぞ!
イッシュ地方・ジョウト地方のポケモンについて描かれています。残りの地方のポケモンも随時アップしていきます。
コモモ=リルアの登場人物設定 >>326
平野 小桃の代わりに登場する女の子。ミヒロとは双子の設定として出ています。
コモモちゃんのLBXも載っているので、クリックして確認してください。
ミヒロ=リルアの登場人物設定 >>332
コモモとは双子ですが、14歳の男の子として出ます。
ヒロに助けられたという設定も入っており、何らかの事情があると思われます。
LBX設定は後ほど更新しますので、お楽しみに!
ライガ&手持ちポケモンの登場人物設定 >>351
イッシュ地方で旅する少年と手持ちポケモンについて載っております。
通信機があるという設定でポケモンがどのように喋るのかも分かるようになっているので、クリックして確認してください。
【番外編2:目次(ストーリー進行具合)】
第1部:ミソラタウン編
序章(プロローグ) >>315
第1章 ミソラタウンへやってきたミジュマル、そこで出会う青年とは? >>317 >>331
第2章 船津直紀&ツタージャのコンビ登場! >>335
第3章 居酒屋で起きた、嫌な出来事とは? >>338 >>341
第4章 江連尚志&ヒノアラシの名コンビ、登場! >>354
第5章 異変を感じたミジュマル…その正体は? >>363-364
第6章 アララギ博士からの警告…謎の男・Lとは? >>373
第2部:イッシュ地方編
第7章 ポケモントレーナーのライガ、登場!(前編)…アララギ博士の依頼とは? >>375
第8章 ポケモントレーナーのライガ、登場!(後編)…ライガVSLのポケモンバトル、その行方は? >>388
第3部:謎かけ編
第9章 ミソラタウンにやってきたライガとの出会い >>393
第10章 初の廃墟ビル探検(前編)…そこで見つけたポケモンとは? >>405
第11章 初の廃墟ビル探検(中編)…Lの弟・R登場!>>409
第12章 初の廃墟ビル探検(後編)…ヒロ&直紀VSRの因縁対決、その狙いは? >>418 >>427
第13章 謎の幽霊屋敷探検(前編)…ハル・ナオ・楓の3人が見たものとは? >>446
第14章 謎の幽霊屋敷探検(中編)…そこに隠された事件の謎とは? >>453
第15章 謎の幽霊屋敷探検(後編)…ついに姿を現したバンたち、その理由は? >>457 >>459
第16章 幽霊屋敷に隠された秘密、深まる謎とは? >>471 >>474 >>481
これからも応援よろしくね!
【お客様】
勇騎那:イナイレの小説書いてる人です! ダン戦好きな友達の1人で仲良くさせていだたいてます!!
聖:初めてできたダン戦好きな親友! ダン戦のことなら何でも語り合える数少ない友達です!!
姫佳:この小説の展開が凄いと言った人・・・この子もイナゴの小説を書いてて、結構面白い!
ティアラ&ラティア、ここちゃん、輝姫の主役4人・・・かわいいぜ!!
シグレ:この小説に初コメしてくれた人です。友達だけど、ダン戦好きな人で気が合う! 2次(映像)でポケモン小説を描いておりますぜ♪ キョウヘイ君、カッコイイ!!
yumi:シエルが描いているポケモン小説で知り合って仲良くなった人です。友達だけど、この小説に初めて来た人で仲良くさせていただいています♪
タク:私の小説に初コメしてくれた人です。ダン戦シリーズの小説を読んでいて、凄く面白いと言ってくれました。本当にありがたいです♪ デュエマの小説を描いておりますぜ♪
際亜:私の小説に初コメしてくれた人です。ダン戦&ポケモンが好きで、ストーリー更新を楽しみにして読んでいるそうです。
☆7人のお客様がいらっしゃいました☆
またのご来店をお待ちしております♪
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- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.334 )
- 日時: 2013/01/19 09:56
- 名前: yumi (ID: wIulFSp9)
- 参照: なぬっ!?スギちゃんが私が住んでいる『市』出身だと!?
かわいいな〜
私は絶対ポカブ!!
3匹揃ってるけど(手持ちに)
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.335 )
- 日時: 2013/03/29 09:21
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第2章 船津直紀&ツタージャのコンビ登場!
(ストーリーモード:バン→ミジュマル)
俺たちは食堂に着いた。その時、聞き覚えのある声がして振り返る。
「おーい、バン! こっちに来いよ」
「あっ、直紀! そこにいたのか」
そこに駆けつけ、椅子に座ったのと同時に直紀がミジュマルとポカブを見て驚く。
どうやら、この2匹のポケモンを知ってるみたいだ。何か理由でもありそうな気がしてならなかった。
「あれ、この2匹のポケモンも初めて見るな」
「こいつはミジュマル、俺のパートナーだよ」
「この子はポカブっていうの、私のパートナーよ」
「なるほど、僕のところにもこんなポケモンが……」
直紀はガサコソとバックの中を漁り出して、ポケモンを取り出す。
すると、ミジュマルとポカブが目を見張って驚く。草タイプのポケモン・ツタージャだった。
「ミジュミジュマ!」
「ポカッ、ポカブー!!」
「ツタ、ツタージャっ!!」
3匹のポケモンは大喜びで再会しながら抱き合った。どうやら、ツタージャとは仲が良いみたいだ。
ミジュマルが喜ぶのも頷けるし、直紀が俺たちを呼び出したのも何となく分かってきたような気がした。
「ミジュマルたち、喜んでるな」
「ああ。そういえば、これ持ってるか?」
直紀が出したのは、翻訳機能ヘッドフォン。ヘッドフォンの色は緑になっていて、色違いバーションであることを示す。
俺の色は青で、ハルの色が赤……っていうことになるのか、よく分からない。
ハルが、ポカブやミジュマルたちを見て提案しながら、腕を組んで考え込んだ。
「ねぇ、今夜飲みに行こうよ。ポカブたちも連れてきてさ、あそこで話したほうが良いんじゃない?」
「あっ、それ良いかもな。でも、バンは酒を飲むと気が済むまで飲まなきゃダメなんだっけ?」
「うっせ、俺が酔いつぶれるとでも思ってんのか。でも、ポケモンを連れて行くにも気が引けるしな」
「あーそれも一理あるね。リンちゃんに見てもらったら?」
「リンに?」
「リンちゃん、可愛いもの好きじゃなかったっけ?」
「あー確かにそうだな、今晩はリンに預けとくか」
俺たちの会話を聞いていたミジュマルたちはボンヤリと見つめていた。
飲みに行くことを聞いていたのだろう、帰りが遅くなることも伝えておかないといけない。
「俺たち、今夜は3人で飲みに行くから遅くなるよ」
「ミジュ、ミジュミジュマ!」
「ミジュマル、おまえはリンのところで大人しくしてろよ」
「ミジュ?」
「リンってのは、俺の妹。あいつ、可愛いものが好きだから、喜んでくれるかなーって思うんだよ」
「ミジュ……」
「なんだ、不満そうだな。俺は飲み会で帰るの遅くなることが多いからよろしくな」
俺はミジュマルを撫でながら、思わず苦笑する。ハルと直紀もポカブとツタージャの2匹と話しながら言い聞かせていた。
まぁ、しょうがないよな。3人で飲みに行くことも決まったようなもんだしね。
数時間経ってから、夜を迎えた。すっかり真っ暗になっていて、外から見ると暗くなっている。
夜10時ちょうど、リンたちの部屋でバンの帰りを待っていた僕は窓の外の光景を見つめていた。
「あら、ミジュマル。急にどうしたの?」
「ミジュ……ミジュ、ジュマ(うん……バン、帰るの遅いんだね)」
「あー兄さんの帰りを待ってるのか」
「でも、兄貴は飲み過ぎで帰ることが多いからなぁ」
健太が見かねて、僕を抱きしめながらも思わず苦笑する。そんなに帰りが遅いということを察することができた。
バンの飲み会好きは一生、直らないとかって言いながらも笑うリンと健太。直太が僕を見て突っ込んだ。
「そりゃ、バン兄ちゃんも飲むのが好きなわけだし……しょうがないよ?」
「しょうがねぇって、そう言い切れんのはおまえだろ」
「あははっ、バレた?」
「直太、あんたも調子に乗るんじゃないよ。健太だってそうだよ」
「ミジュ……」
3人の会話を聞いていた僕は思わず溜息をついた。その時、リンのCCMが鳴る。
リンはちょっと待って、と言いながらも取り出して応対する。
「はい、もしもし……」
『リン? ハルだけど、バンのヤツが酔い潰れて寝ちゃったの』
「ええ、兄さんがまた飲み過ぎで?」
『そう。だから、12時ちょっとに連れて帰るからよろしくね。歩けるようだったら、帰らせることもできるんだけど……』
ハルの声を聞いて、バンが酔い潰れたということだけは分かった。飲みすぎはやっぱりいけない。
でも、ハルが困ってるってことはバンと揉めたりしたとか……いや、それは有り得ない。
バンが帰ってきたら、僕が起こすのもありだけど……連れて行くので精一杯な気がする。
「ミジュ、ミジュミジュマミジュ!」
「ミジュマル、玄関で迎えに行くってことにしようか」
「……ミジュ!」
バンのことだ、酔い潰れて帰って来るだろう。様子を見て、12時になったら起きるって言うので行こう。
やがて、夜中の12時になったのと同時に1階から聞き慣れない声が聞こえた。
「バン、ちょっと起きてよ」
「お母さんの声だわ。ミジュマル、一緒に行こう」
「ミジュ!」
リンと一緒に1階の玄関に向かうと、見覚えのあるクセ毛の青年が床に横たわったまま寝ていた。
間違いない、バンだと分かった僕はすかさず歩み寄って起こす。でも、なかなか起きない。
どうやら、爆睡してしまっているバンは気持ち良さそうに寝息を立てていた。
「ミジュ、ジュマ?」
「うーん、この様子だと起きてくれなさそうね。とりあえず、頬を抓ってみて」
「ミジュ」
リンに言われたとおりにして、試しにバンの頬を抓ってみる。すると、バンは眠そうに唸りながら、僕の右手を払いのけた。
酔っ払ってるみたいだけど、どれだけ飲んだんだろうか。ハルがバンを起こしてくれる。
「バン、家に着いたよー。起きてよ、ねえ!」
「んぁ……」
バンは寝惚けたまま立ち上がり、フラフラと2階に通じる階段を駆け上る。
自力で歩けるほどじゃないのに、1人で登っていく気か……心配そうに顔を見合わせた僕たち。
「うーん、あの様子だと途中で寝ちゃいそうな気がするね」
「寝ちゃうのもありですよね……」
ハルとリンは呆れながらも、顔を見合わせた。僕はバンのことが心配で、2階に通じる階段を駆け上って追いかけた。
「ミジュ?」
2階に着くと、部屋に続く廊下の途中で横たわって寝ているバンの姿が目に映った。
酔っ払っているみたいだけど、何かあったのかな?
「ミジュ、ジュマ!(バン、起きてよ!)」
「んー……」
「ミジュ、ミジュミ!!(いい加減にして、起きてよ!)」
「ミジュミジュ、うるせぇ……」
眠そうに顔を上げて起きるバン。どうやら、僕の声が伝わったみたいだ。
バンは頬を赤くしたまま、目が据わっていて眠りそうになっている。
「なんだぁ、ミジュマル……おまえが起こしてくれたのかぁ?」
「ミジュ、ミジュミ、ジュマッ!」
どれだけ飲んでるんだよ、というような顔をして顰めた僕。
リンたちの言っていたことの意味が何となく分かってきたような気がした。
「うーい、帰ったぞ〜ぉ……」
「ミジュ?」
バンがふらつきながら立ち上がり、部屋のドアを開けて入る。
嫌なことでもあったのか、思わず不満になっているバンを見てたら心配になってきた。
「ミジュ……」
「ミジュマル、大人しくして待っててくれたみたいだな。飲み過ぎちまってごめんなぁ」
「ミジュ?」
バンは僕を抱きしめたまま、部屋のドアを開けて閉めた。フラフラ歩きながら、ベッドにダイブして倒れ込んだ。
「ミジュ!?」
「んー……ミジュマル、俺と一緒に寝るかぁ?」
バンの言うことを聞いて寝た方がいいと思ったのか、腕の中に入る。
眠そうに見つめていたバンは転寝しながら、僕を抱きしめたまま寝入ってしまった。
ギューッと抱きしめられる力があまりにも強すぎて、寝苦しそうになりかけたが……思ったよりも温かくてウトウトしそうになるので、思わず目を閉じた。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.336 )
- 日時: 2013/01/19 11:22
- 名前: 姫佳 (ID: kM82Y1ex)
- 参照: 完全ふっかーつ!!←
おぉっ!!更新されてるね!!
遂にツタージャとも再会!良かったね〜!!
成程…。直紀君がトレーナーなのか!ピッタリだねwww
こっちも更新したよ!遂に暗莉の過去が明らかになったよ♪
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.337 )
- 日時: 2013/01/19 11:38
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
姫佳
いらっしゃい。そうだよ、直紀はツタージャのパートナーとしてやってもらうことになりました。
おおっ、更新したか。見に行きます!!
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと黒影の亡霊 ☆番外編2☆ ( No.338 )
- 日時: 2013/03/23 11:36
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: CzRhDmzb)
第3章 居酒屋で起きた、嫌な出来事とは?
(ストーリーモード:バン)
翌朝、チュンチュンと雀の鳴く声が聞こえる。カーテンの隙間から太陽の光が差し込まれて、朝だと伝わる感触に浸った。
だんだん意識が戻り、気だるそうに上半身を起こして寝惚けたまま起きる。
「んー?」
腕の中にミジュマルがいる事に気づいて驚く。昨日、ハルと直紀の2人と一緒に酒を飲んで帰ったところまでは覚えている。
家に帰った後の記憶が全くないと言っていいくらい、思ったよりも爆睡していたのだろうか。それとも寝惚けて、この部屋に来たような気がする。
「朝か、だるいな……」
しょうがなく、ミジュマルと話すために翻訳機能ヘッドフォンをつける。
ミジュマルを起こして、昨日の話を聞いてみた方がいいだろう。早速、ミジュマルを優しく起こす。
「ミジュマル、起きろ」
「ミジュ……?」
眠そうに目を開けるミジュマルはボンヤリとした視界に俺の姿が映ったのを見て納得した。
どうやら、寝惚けているようではないと分かったのか……眠そうに起き上がった。
「おはよ、バン」
「ああ。おはよう、ミジュマル」
「昨日、酒飲んで帰ったでしょ?」
「うん、帰った後の記憶が全くないんだよ。俺、余計なことしてなかった?」
ミジュマルに聞いてみると、考え込むようなしぐさをして見つめていた。
その後、俺が何をしたか思い出したらしく納得して呆れつつも話してくれた。
「そういえば、バンは床に寝転がって爆睡してたよ」
「俺が玄関の床で寝てた?」
「うん、靴はちゃんと脱いであったよ。その時に寝てるバンの頬を抓って起こしたの……」
「抓った……?」
そういえば、玄関の床で気持ち良さそうに寝ていた時に誰かが俺の頬を軽く抓ったような気がする。
あれはミジュマルだったのか……どうりで痛いと思って、払いのけてしまったみたいだ。
「ああ、そういうことか」
「バン、寝過ぎだよ。寝惚けてたとはいえ、2階に行って部屋のドアの前で寝てたし」
「どうりで、俺が寝てても気づかなかったわけだ……起こしてもらったのに、本当にごめんな」
俺は申し訳なさそうにミジュマルを見て思い出したのか、心配かけたことを気にしていた。
ミジュマルが、俺を見て思い出したかのように聞きたいことがあるという。
「昨日、居酒屋で何してたの?」
「何って……別に酒を飲んでた」
「そうかな、昨日帰ってきたときにバンの頬を見たら…何か殴られたような痕があったよ」
「えっ……嘘、見られちまった?」
「うん……急にどうしたの、嫌なことでもあった?」
「別に何ともねぇよ………」
「何か隠してるよ、バン?」
「うぐっ………」
ミジュマルに突っ込まれて、思わず苦笑する。勘の良いところは母親譲りか。
ハルも気にかけてたみたいだったし、殴られたことなんて忘れてしまっていた。
さっき、ミジュマルと会話したことでやっと思い出したのか、酔っていたことを認めなくてはならなかった。
「はぁ、分かったよ……全て話すよ」
「本当に!?」
「あぁ、最後まで聞いてくれるか」
「もちろん、僕でよければ……」
「うん、実はさぁ……」
俺はミジュマルを抱えながら、ベッドの上に寝転がって話し始める。
昨夜、トキオ大学近くの居酒屋で酒を飲んでいた。俺たちはそれぞれ、好きな酒を飲んで話していることが多い。
「ハル、飲んだら寝ちゃうよな」
「バカね、バン。飲み過ぎてるのはいつものことじゃないの?」
「いつもどころか、バンは酔って寝てることが多いもんな」
ハルと直紀に突っ込まれて、思わず苦笑していた。ポカブとツタージャもいないし、ゆっくり過ごすことができた。
ただ、ミジュマルがいないのは辛い……それでも、リンたちに可愛がられて大人しくしているのだろう。
「バン、今度のLBXバトル大会に出る?」
「LBXバトル?」
「そう、ストリートレギュレーションorアンリミデッドレギュレーションによるもので行うってさ」
「へぇ、ここでやるのか?」
「いや、居酒屋でやるバトルじゃなくて……」
「つまり、ハルが言いたいのはアキハバラで行われる大会のことでしょ?」
「そう、それよ! せっかくだしさ、バンも一緒に出ようよ」
アキハバラで行われるLBXバトル大会に参加しようと意気込みを見せたハルと直紀。
なるほどね、俺は出るかどうかさえも決まっていない。2人が出るなら、俺も思いっきり参加しないとダメだ。
ハルに参加しようと言いかけたその時、背後から聞き慣れない声が聞こえてきた。
「おまえが山野バンだな?」
振り返ると、柄の悪い連中がいた。どうやら、不良グループのようだ。
不良に絡まれるなんてついてねぇし、どういうつもりだと思いたくなる。
「そうだけど、俺に何か用?」
「気にいらねーんだよ、テメェ」
「……あぁ? 俺が気に入らないってんなら、ボコボコにしてやろうか?」
「んだと、テメー!」
「売られたケンカは必ず買う主義だからな、気に入らない理由があるなら言えよ!」
俺と不良グループのリーダー格の会話を聞いていたハルと直紀は思わず苦笑した。
そいつらがいると落ち着く気がしないので、一喝させておこうかと思った。その時、リーダー格が繰り出した拳によるダメージを受ける。
「ガッ!」
「バン!?」
「大丈夫だ、ハル……いってぇな、何すんだよ」
フラフラと立ち上がり、酒が入っているせいで顔が赤いことに気づく。
リーダー格のヤツを殴りたいのはヤマヤマだが、しょうがない。そう思っていた矢先、頭に何かをかけられた。
「うわっ、冷たっ……」
よく見ると、リーダー格のポケモンが水を繰り出したらしいことが分かる。
そいつはポケモンに向かって言い放つ。
「ガマガル、水鉄砲!」
「ガマッ!」
同時に水鉄砲を浴びた俺はイラッときたのか、リーダー格の胸倉を掴んだ。
「テメェ、俺に水を浴びせといて何しやがる! ガマガルだか知らないけど、いい加減にしろよ」
「このやろォ、俺に突っかかる気か!」
その時、殴りかかられそうになった俺を守ったのは後輩の大空ヒロだった。
チコリータによって、ツルのムチで巻きついたリーダー格の腕を押さえている。
「いい加減にしてくださいよ、バンさん。チコリータ、こいつの腕を押さえて」
「チコッ♪」
「ワニノコ、こいつの腕に噛み付いて」
ヒロの幼馴染である小野奈緒美も一緒に来ていたらしく、ワニノコはリーダー格の腕に噛み付いた。
そのダメージを受けたリーダー格は思いっきり悲鳴を上げた。
「ギャーッ、いてぇー!」
チコリータとワニノコの攻撃によって、ダメージを受けた不良グループの一味は慌しく立ち去っていった。
直紀とハルはヒロたちの登場に目を見張ったが、ヒロとナオは思わず苦笑していた。
「バンさん、飲み過ぎですよ」
「うっせ、濡れちまったじゃねぇか」
「乾いたほうが良いかと思って、予備の服を買っておきましたよ」
「お、サンキューな……ヒロォ、ハックッション!」
「タオルで拭いてください」
「おお、ありがとな……」
着替えだしてから、すぐに酒を飲んだ。しょうがないから、気を紛らわすことしかできなかった。
ヒロたちもポケモンを持っていたらしく、思わず目を見張る。チコリータとワニノコは俺たちに人懐っこく挨拶してくれた。
「ワニッ!」
「チコッ!」
「へー可愛いな、俺たちのポケモンは家に置いてきちまってるんでな」
「飲み過ぎだろ、バン。ヒロたちがいたから良かったけど、僕たちを巻き込ませないでくれよ」
「そうよ、私たちも危うくなったし・・・・・・まったく、もう!」
「ごめん、調子に乗りすぎた」
俺たちの会話を聞いていたヒロとナオは思わず苦笑しつつも、顔を見合わせる。
しょうがないもんな、ヒロたちがいてくれて良かったと思っている。
「いいですよ、3人が無事で何よりです」
「そうそう、私たちのことは気にしないで下さい」
「そっか……んじゃ、気を取り直して飲み明かそうぜ!」
コップを持ちながら、笑顔で乾杯した。その後は飲み明かして、12時になるまで過ごしたのだった。
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