二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

ブリーチ 夜を超える者達 一ノ二ノ四更新 11/9
日時: 2012/11/09 15:31
名前: スターク  ◆p8PV6bnEIQ (ID: aiiC5/EF)

おはようございます、こんにちは、こんばんは! 初めまして、スタークと申します^^
BLEACH大好き人間です! 
好きなキャラは、檜佐木さん、砕蜂さん、阿近さん、竜弦先生、浦原さん、スターク、ギン、グリムジョー、ルキア、吉良、ロリ、バンビエッタちゃん、ジオ、スンスンなどです♪
題名はもっと物語の内容にそぐう物があったら変えたいと思います。

コンテンツ—————

お客様一覧

カノン様
愛香様
素海龍様
月那様
礪月様
まいまい様

今のところ六名様です。コメントくださってありがとうございます!

更新話一覧

第一章 プロローグ >>2

第一章 第一話「現世異変」一頁目 >>9
第一章 第一話「現世異変」二頁目 >>16
第一章 第一話「現世異変」三頁目 >>23
第一章 第一話「現世異変」四頁目 >>25
第一章 第一話「現世異変」五頁目 >>29
第一章 第一話「現世異変」六頁目 >>32
End

第一章 第二話「黒き者達」一頁目 >>33
第一章 第二話「黒き者達」二頁目 >>38
第一章 第二話「黒き者達」三頁目 >>39
第一章 第二話「黒き者達」四頁目 >>44



貰い物一覧


設定資料及び番外編一覧


注意事項

宣伝や罵倒はご法度です。
グロ描写など入ると思いますので平気な方のみ。
亀更新です。一ヶ月に一度とかになるかもです。
誤字脱字あったら教えてください。

Page:1 2 3 4 5 6



Re: ブリーチ 夜を超える者達 一ノ一ノ二更新 6/28 ( No.23 )
日時: 2012/08/29 15:15
名前: スターク  ◆FwuTUrVzG2 (ID: 68i0zNNK)

素海龍様へ

呼びタメもお友達も全然OKですよ♪
私も暇があったら貴方のREBORN系小説覗いてコメントしますね^^
次から様付けなしで行こうと思います!


______________________ここから本編________________________




                     第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」三頁目


  「言われねぇでも見せてやるさ!」

  エツゥナイの気取った発言に、犬歯をむき出しにして一護は吠える。それを愉悦を含んだ笑みを浮かべながら、エツゥナイは迎え撃つ。

  「空絶黒球(ウルディア・ファルファリア)!」
  「黒球はあれほどの数、発動できるのか!? 不味い黒崎! それは……」
  「うるせぇよ。いつまでもお前は俺を何だと思ってんだ? あの程度の攻撃打ち落とせねぇはずがねぇだろう?」
  「相変わらず……君は、化物か?」
  「…………」 
  空を覆う黒き球体。その数、千を超えるだろう。石田が焦燥感をあらわにした顔で、一護に忠告する。しかし、一護は石田の勧告を無視しエツゥナイが顕現したその圧倒的な数のウルディアを、広範囲に月牙を放ちすべて打ち落とした。自分があれほど対処に苦労した黒い弾丸を、力技でねじ伏せる一護に、敬意と皮肉を篭めて石田は呟く。
  
  一護は憮然とした表情で「うるせぇよ」と呟き、沈黙するエツゥナイを見やる。

  「どうした? ビビリ過ぎてだんまりか?」  
  「いや、それはないだろう? まだまだ、相手の強さはこんな物じゃないはずだ」
  「分かってるよ、んなことぁ」
  「ふふふっ」
  「何が可笑しいんだよ!?」

  気遣うというよりも挑発の意味合いの強い、一護の言葉をエツゥナイは黙殺する。変りに石田が一護を「油断するな」と叱咤する。それに対しいつもどおりの返答をする一護。
 
  それを見てエツゥナイは笑う。彼らの緊張感に欠けるやり取りに呆れたということではないようだ。なぜなら、今のエツゥナイは歓喜に胸を高鳴らせていて、彼らの言葉など聞こえていなかっただろうから。

  「いやいや、可笑しいというわけじゃないさ。喜んでいるんだ。良いね。及第点だ。
  この状態で今の君とやるのは失礼というのもだな。じゃぁ、ここからさき、本当の力を見せてあげるよ?」
  「さっさとしやがれ」
  
  耳朶に響く高い声で、エツゥナイは喜びの感情を露にして、まくし立てる。大方の予想通り、切り札を隠し持っていたかと一護は呆れたように頭をふるい、相手の能力の解放を促す。確実に勝てるという保障があるわけではないが、相手の能力をじかに見れば披見体となり、言葉で敵の能力を伝えることできる。言葉と霊圧から予測して対策を立てられる有能な者を彼らは知っているのだ。最も、それができるのも石田と一護どちらかが生き残れればの話だが。

  「じゃぁ、行くよ? 君達は不幸にして栄光だ。なぜなら、我が圧倒的黒神獣(ディアルロイアー)の姿を拝見できるのだから」
  「黒崎、この霊圧の上がりは……刀剣解放も卍解も超えているぞ!?」
  「…………」
  「ビビるなよ最後のクインシー?」
  
  「天翔黒馬(ラング・ディア・ホルオス)——」

  光喰う刃(ヴォルナイアス)と呼ばれた剣を天にかざし、エツゥナイは解号を唱える。それと同時に、彼の周りに黒い陽炎が生まれ揺らめく。一泊遅れて甚大な霊圧の本流が一護たちの体に圧し掛かる。並みの虚程度なら砕け散るだろうほどの霊圧だ。
  
  石田が危機感を感じ叫ぶ。いまだかつてどの戦いでも感じたことのない、力の上昇にさすがの一護も剣呑な表情を浮かべる。それを察したエツゥナイは、興醒めとでも言うように石田を侮蔑した。次の瞬間——

  一度解放された力は止めるすべを知らず爆発し、顕現される。空間が湾曲し、強引に引きちぎり黒い巨大な馬が現れた。それにエツゥナイは乗馬し、霊圧を同調させ黒い鎧武者へと姿を変えた。

  「構えを解くなよ。目を背けるな。死にたくなければな」

  次回⇒第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」四頁目へ

Re: ブリーチ 夜を超える者達 一ノ一ノ三更新 7/8 ( No.25 )
日時: 2012/08/29 15:21
名前: スターク  ◆FwuTUrVzG2 (ID: 68i0zNNK)

 


                     第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」四頁目



  「構えを解くなよ。目を背けるな。死にたくなければな」

  清涼感のある声が響く。秋に入っているとはいえ、まだ少し暑さの残る東京の夜の空を、その清音は得体の知れない寒気で支配した。圧倒的な存在感と、霊力から見て取れる実力。エツゥナイの危険度を肌で感じ、一護は構えを一層硬くする。

  「行くぞ!」
  「チッ! 多角攻撃かよ!?」
  「気をつけろよ、ホルオスはなかなか賢いぞ?」

  黒い帯を漂わせながらエツゥナイが走り出す。それと同時にヒヒーンという馬の嘶き声がどこかから響き渡る。右手に装着された紅い三本の爪を振るうエツゥナイ。そして、その左側には先ほどエツゥナイと合体し鎧と化したはずの黒馬が走る。

  まずは先に到達したエツゥナイの攻撃を刀の腹で受け弾き、彼を蹴り飛ばす。すぐにきびすを返し即興性の月牙を放つ。筋骨隆々とした巨躯を誇る、漆黒の馬はそれにより怯み後退する。更に一護は怒涛の勢いで、小型の月牙を連発してみせた。

  「石田! 油断するなよ」
  「君に言われたくない……っうぐっ!?」
  「石田あぁぁぁぁぁぁ!?」
  『くっ、どういうことだ!? あれだけの攻撃を食らって即座に反撃だと! まさか、ダメージがない?』

  相手の霊圧を読み取れなくなった一護は一旦、相手の死角からの反撃を危惧し後ろへと飛び退る。石田に話しかけた瞬間だった。黒い乱気流が月牙による霊圧の奔流の中から現れ石田を貫いたのは。

  一護はしばし呆然とし倒れ行く彼を見つめ続ける。攻撃は見えたが、打ち払うことができなかったことを痛嘆し、落下していく仲間の名を叫ぶ。しかし、霊力が感じられることを確信しすぐに敵の考察へと頭を向ける。そうしないと逆に煩悶が心を支配するから。

  黒い霊圧が霧のように晴れていく。その先にはいまだ完全に原形をとどめる二つの影が。

  「嘘だろ、全くの無傷だと!?」
  「僕のホルオスは賢くて強い。君の放った全ての月牙を全身の霊力と、世界に満ちた霊子を使って構築した盾により防いだのさ」
  「…………」
  「さらに彼は、圧縮から解かれて飛散した霊子を収束し……放つことができる」
  「ぐっ!? うおぉぉぉ!?」

  全くの無傷で現れるエツゥナイとホルメスの姿に、一護は愕然とし立ち尽くす。それをさも楽しそうな表情で彼は見つめ種明かしをする。どうやら、ホルメスの力は霊力の吸収と硬貨、そして放出という多岐にわたるものらしい。空間中の霊子を凝結させ相手の動きを封じるなどということも、できるかもしれないと想像すると、一護はゆがんだ表情をさらに湾曲させずにはいられなかった。
 
  ホルメスから圧倒的な霊力濃度の光線が解き放たれる。その力の大半は自分の月牙によるものだと思うと、一護は斬月に頼り切ったその短慮な戦いぶりを悔いるしかなかった。

  彼はかろうじて攻撃を上空へと逃れ回避し、ホルメスは後回しにすべきと考えエツゥナイの後ろに回る

  「うおおぉぉぉぉっ!」
  「声を出すべきじゃないな?」
  「くそっ!」
  「そらぁっ! 隙だらけだぞ!」
  「エル・ディレクト」

  一護の攻撃は空を斬り、エツゥナイは悠々と後ろへと逃れていた。そして、彼の目の前には一角の馬ホルメスが急接近していた。一護は必死で黒馬の角による攻撃を剣で弾き、エツゥナイの動向を確認せんと後ろを振り向く。

  しかし、すでにエツゥナイの姿はなく一護の左死角から彼の武器である漆黒の爪が近づいていた。刹那、新たなる霊圧が風に乗って伝わり、低く落ち着いた声が届く。そのすぐ後に光り輝く霊力の塊が、大地が裂けるような轟音を鳴らしてエツゥナイに命中した。

  「ぐっ? なんだい……」
  「チャド!」
  「あぁ、フルブリングの力をその身に宿した豪腕の戦士、茶渡泰虎か」
  『くっ、こいつチャドのことまで! この分だと隊長達や浦原さんたち、親父や織姫なんかのことまで知ってるかもしれねぇな!』

  突然の攻撃に驚き声をささやかながら荒げるエツゥナイ。見なくても分かる。救援の同士の名を一護は叫ぶ。アロハシャツの似合う浅黒い肌の巨漢、一護にとってもっとも付き合いの長い親友の一人、茶渡泰虎の愛称を。

  しかし、敵前では敵意外に目を配るのは自殺行為だ。すぐに一護はエツゥナイに意識を集中させる。頭を抱えながら仲間の名を確認するエツゥナイに目をやり、一護は思案する。相手は相当に此方側の戦力を把握しているようだ、と。

  「茶渡君は黒崎君の援護を! あたしは石田君の治療をするから!」
  「分かった! ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ!」

  どうやら井上織姫も駆けつけてきたようだ。強力な回復手段を持つ仲間の出現に、一護はエツゥナイへの集中を高めていく。茶渡の霊圧が一気に上昇するのを確認し、戦友と肩を並べて戦えることに歓喜しながら、一護は全ての雑念を取り払った。

  「ムッ! 俺はあの馬のほうの相手をする! 俺のことは気にするな! あいつは任せる!」
  「分かった! 行くぜ——」

  「やれやれ、同世代メンバー全員集合かい? 面白いじゃないか」

  ブリンガーライトを使い空を蹴り、眼前に現れる巨躯を見てエツゥナイは舌なめずりする。



  次回⇒第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」五頁目へ

Re: ブリーチ 夜を超える者達 一ノ一ノ三更新 7/8 ( No.26 )
日時: 2012/07/21 14:25
名前: 素海龍 (ID: 1866/WgC)

おっひさ〜
スカル様だ((殴&蹴
私)ヘタレスカルはいってくんな!!

ごめんね〜
素海龍だよ♪覚えてる?
こっちにも来てくれてありがと♪

★お知らせ★
1.本館にて『ラブゼロ〜その後のゲーム〜』の新スレ立てた!!
2.なりきり掲示板にリボーン中心のなりキャラスレ立てた!!オリキャラや他のアニメもおk♪

良かったらきてね〜

Re: ブリーチ 夜を超える者達 一ノ一ノ三更新 7/8 ( No.29 )
日時: 2012/08/29 16:40
名前: スターク  ◆FwuTUrVzG2 (ID: 68i0zNNK)

素海流様へ

お久し振りです。
スカル、何だか憎めないと言うか可愛いですよね^^
面白いです。
いつになるか分りませんが時間が出来たら覗いて見ますね!



_____________________ここから本編________________________




                     第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」五頁目





  「やれやれ、同世代メンバー全員集合かい? 面白いじゃないか」
  「余裕かましてるんじゃ、ねぇぞおぉぉぉ!」

  斜に構えた様子で見下すエツゥナイに迎い、一護は黒い霊圧を纏わせた天鎖斬月を、全力で振り下ろす。それをエツゥナイは三本の爪で防ぐ。一護はすかさず刀身から溜めていた霊圧を月牙として解き放つ。ズ……ン、と鈍い音が響き衝撃で二人は吹き飛ぶ。

  「ぐっうゥ、ア゛ァッ!」
  「…………ッ」
  「まだまだぁっ!」
  「まさか、相打ち狙いとは笑わせる! どう考えても僕のほうが君より頑丈なのにさッ!」

  うめき声を上げながらも、体勢を立て直した一護は、予想外の形でダメージを受けたことに放心しているエツゥナイに、容赦なく切りかかる。しかし、彼は忌々しげに舌打ちをしながらも、容赦なく浴びせられ剣戟の雨を全て払いのける。

  一護の攻撃を全て受けきりながら、その上で彼は大気の霊力を練り、いくつもの黒玉を生み出す。剣と剣が重なり合うような至近距離で彼は黒玉を容赦なく解き放つ。爆発の余波で自らもダメージを食らいかねない距離だ。一護は後ろへと逃れようとするが間に合わない。

  「一護!」

  甚大な霊力の奔流と轟音に驚き、茶渡は一瞬漆黒の馬から目を離し盟友一護の名を叫ぶ。しかし、敵から目を離すのは当然ながら悪手。その隙をつかれた茶渡は、黒馬の放つ黒い弾丸に貫かれ、うめき声を上げる。

  「いってぇなぁ! てめぇこそ無茶するじゃねぇか!?」
  「生憎と僕は君と違って霊圧硬度を持っているんだ……こんなの大したことないさ」
  「ケッ! どいつもこいつも硬いのが主流かよッ!」

  しかし、茶渡の損傷に気づかない一護は、すぐに戦線に復帰する。黒球の直撃を受けたというのに、額から血を流す程度の一護を見て、内心エツゥナイは戦慄く。霊圧を体に纏わせることにより、一護は自らの攻撃の全てを防いだのだ。それはつまり霊圧の量自体なら、彼のほうが自分より勝っているという証明だった。それを肯定した上で悟られまいと強がりながら、エツゥナイは叫ぶ。自らを鼓舞するように。彼の心情を、長い戦いの中で培った勘から察した一護は、余裕に満ちた声で彼の言葉に答える。

  『強ぇけど、絶対勝てないレベルじゃない! チャドは……少しダメージを受けちまってるみてぇだが、まだ持つはずだ!
  石田も井上が治療している! いける、この勝負勝てるぞ!』

  「硬いだけじゃないさ。速くて強い!」
  「セロ!」
  「ナニィッ——!?」

  闇の陽炎に飲まれるような現象を一瞬見せ、圧倒的な速度で後ろに回り込むエツゥナイ。一護はそれに反応し左手の掌からセロを放つ。完全武装された鎧で目立った傷こそできないが、十数メートル後ろへと彼は吹き飛ばされる。

  「月牙天衝!」
  「黒い。漆黒だ——、認めるかよ! こんなの!」

  更に間髪いれずに極大サイズの月牙を解き放つ。その黒き片翼は、まるで全てを飲み込む闇のようで。漆黒の中にいた黒牙(ウルバス)達の誇りを踏み躙るかのようだ。個人的な感傷を専攻させエツゥナイは、怒髪天の形相を浮かべ咆哮する。

  「嘘……だろ!?」
  「嘘じゃないよ、現実さ!」
  「ぐっ!」 

  一護の放った全力の月牙を、爪から放たれた黒き三つの巨柱吹き飛ばす。膨大な霊力の奔流と苛烈な振動が辺りを支配する。夜の中に黒き霧が渦巻く。全力の月牙が弾かれた一護はしばし呆然とする。エツゥナイ自身もそれなりの体力を使っているのだが、ノーダメージとは少し驚いたらしい。黒き三叉の爪の攻撃を避け切れず、受けてしまう。 

  「一護!」
  「茶渡君! 黒崎はあれ位じゃやられない! 自分の敵に……」
  
  先決を撒き散らし落下していく知己を、心配げに見つめ茶渡は叫ぶ。いかに戦時とはいえ、同胞が傷つくのを平然と見ていられるような男では、談じてないのだ彼は。だが、戦線においてはそれが命取り。織姫の治療を受けていた石田が、茶渡を目の前の敵に集中させるたためにと声を荒げたのも遅く—— 

  威容を放つ漆黒の巨大馬は茶渡の目と鼻の先にいた。茶渡り息を呑む。防御も回避も間に合わない。確実に傷を負う。
 
  「その通りだチャド! 仲間を信じ目の前の敵から目を離すな。仲間とはそういうものだろう? 次の舞、白蓮(はくれん)!」

  その時だった。
  一陣の風が茶渡の硬そうな頬を撫で、聞き馴染んだ、だが懐かしい声が響いたのは。その声は相変わらず凛とした中に優しさがあって。頼りがいのある風情を漂わせている。技名の詠唱とともに肌寒いような冷機が体中を覆い、五体の穴という穴を針で刺されたような痛みが襲う。しかし、これは自分を狙ったものではないことを茶渡は最初から知っている。懐かしい仲間の救援。

  「朽木ルキア!」
 
  面差しもを見ずとも分かる。霊圧が彼女だと告げている。守る刃を渇望した親友、一護に力を与えてくれた張本人朽木ルキア。長年の付き合いだ。十年前から姿は少しも変わっていないが、そんなことは気にならない。なぜなら彼女が死神であることを知っているからだ。

  「久しいな、相変わらず昔が老け顔だったせいか、あまり変わって見えんぞ?」
  「ムッ! 朽木も相変わらずのようで何よりだ。この霊圧阿散井も来ているな?」
  「あぁ、一人で十分だといったんだがな。まったく過保護な奴だ。しかし、こうなってくるとあいつも連れてきて正解だったな」

  いきなりぞんざいな言いようの戦友に、苦笑を浮かべながら茶渡は挨拶を交わす。気分の悪いものではない。こういうやり取りができるのも長い付き合いならではだろう。しかし、再会を喜んだのはつかの間。すぐに二人は戦闘態勢に戻る。
  
  白蓮により凍った黒馬が氷を砕き、再び動き出す。

  「一護のほうには恋次が云ってる! 心配するな、我々はこの馬を何とかするぞ!」
  「ムッ!」

  茶渡とルキアは結託し黒き馬と向き合う。その時だ。思ったより深い傷で、簡単に体勢を立て直せないでいる一護にとどめの一撃を食らわそうと迫っていたエツゥナイが、吹き飛ばされたのは——

  「卍解狒々王蛇尾丸!」
  「ウワッ、ガハァッ!?」
  「よぉ、一護ッ! 苦戦してんじゃねぇか? 手伝ってやるぜ!」
  「苦戦なんて、してねぇよッ!」

  霊力の嵐の中から姿を現したのは、骨のように白い長蛇の姿をした斬魄刀と、赤い長髪をしたヤンキー風の長身死神だ。彼もまた一護達にとって深い縁のある男である。

  意外な増援に一護は顔を綻ばせ悪態をつく。

  「手強そうだな」
  「霊圧で察しはつくだろうが!」
  「一人じゃ駄目なら二人だぜ一護!」
  「足引っ張るなよ?」
  「お前がなっ!」

  悪口の押収をしながら、二人は最初から一蓮托生の念で、並び立つ。恋次とて戦闘部隊の副隊長の任につく猛者だ。相手の力量を測れぬ馬鹿ではない。冷静に敵に実力を分析し二人で戦うことを提案する。一護もそれに否を唱えることは泣く。

  ここに一護と恋次、ルキアと茶渡のダブルタックが成立した——

  「へぇ、これは少し厳しいかもしれないねぇ……まぁ、戦いは厳しいほど楽しいから良いけどさ!」
  「余裕ぶってやがれよ名前も知らねぇ誰かさんよぉッ!」

  「十大闘士“一番”(グラディエーター“ファースト”)エツゥナイ・サウザール。エツゥナイって呼んでくれ」
  
  余裕の態度で自己紹介するエツゥナイに青筋を立てる恋次。沸点の低い彼にとっては、なめられている気がしてならないのだろう。実際、素での実力差を把握したエツゥナイは彼を馬鹿にしているのだが。

  「六番隊副体長阿散井恋次だ! てめぇをぶっ殺す!」
  「君には興味ないなぁ——」

  護邸十三隊副隊長連の切り込み隊長と名高い恋次は、顔を高潮させながら叫ぶ。それを皮切りに三人全員が動き出した。




次回⇒第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」六頁目へ


Re: ブリーチ 夜を超える者達 一ノ一ノ五更新 8/29 ( No.31 )
日時: 2012/09/10 15:11
名前: スターク  ◆FwuTUrVzG2 (ID: 68i0zNNK)

あげさせてもらいます。
参照数1000突破! 皆様有難うございます!


Page:1 2 3 4 5 6