二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 74話更新
- 日時: 2013/05/06 01:14
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=10906
オリキャラの採用者決定しました。
フェアリーテイルを読んでいて書いてみたい!と思い書くことにしました。
フェアリーテイルが好きなの人はぜひ読んで、コメをください。お願いします。
参照10000越え!!ありがとうございます
皆さんのおかげでこの大台に乗る事が出来ました。
本当はこの記念に何かやろうと思っていたんですが、色々な事情とやる事が出来ません。
そのかわりこれからはもう少し更新のスピードをあげられるように頑張りたいと思います。
オリキャラ採用者決定>>243
オリキャラ紹介
名前・・カムイ 性別・・男 年齢・・18歳
使う魔法・・雷系魔法 技集>>22
好きなもの・・チー 嫌いなもの・・退屈な所
備考・・・
流浪の魔導士だったが、フェアリーテイルの噂を聞きつけて
興味を持ち加入する。いつも肩には太刀に変化できる相棒の「雷電イタチ」のチーがいる。
彼が普段使う魔法は太刀に付加させたり、飛ばしたり、
自分の分身を作ったりと使いようは多様。
だが、彼が本気になった時が彼の魔法は真の姿を見せる
名前・・レナ 性別・・女 年齢・・16歳(年齢の割に幼く見える)
使う魔法・・思想魔法 技集>>23
好きなもの・・アップルパイ&綺麗な場所 嫌いなもの・・一人
備考・・・
カムイに助けてもらったことから今まで気にしていなかった
魔力とギルドに興味を持ちカムイのいるフェアリーテイルに入る。
捕らわれていた時ずっと独りだったので、極端に一人でいる事を嫌う
心のイメージを具現化する思想魔法。
レナはそれに言葉(言霊)でイメージ力を膨らませることで力を上げている
名前・・チー 性別・・不明 年齢・・不明
使う魔法・・武具化等 魔法集>>98
好きなもの・・カムイ 嫌いなもの・・暗い場所
備考・・・
カムイと一緒にいる雷電イタチ。その名の通り体から電気を発する。
武具化の魔法だが、そうはいっても太刀にしかなれない
それをカムイが使って、二人で戦っている。
名前・・ヒュート 性別・・男 年齢・・13歳
使う魔法・・プレイングゲーム/大型模型(ビックチュア)
好きなもの・・楽しい事 嫌いなもの・・何もないとこ
備考・・・
好奇心旺盛で、無邪気。興味があると他を忘れてそっちにいってしまうため危険な目によく合う。
楽しい事を第一に考えているため、飽きたら未練なく簡単に捨てる。
遊びながら戦う彼の魔法は彼の性格と良く合っていると言える。
〜目次〜
『定例会襲撃編』6話〜10話
『レナ救出編』 11話〜17話
『遺跡で鍵探し編』18話〜24話
『幽鬼の支配者編』25話〜37話
『シャドウ・ギア。恋の行方編』38話〜41話
『最高のプレゼント編』42話〜47話
『収穫祭編』48話〜62話
『六魔将軍討伐編』63話〜
1話>>26 2話>>27 3話>>28 4話>>29 5話>>30
6話>>31 7話>>32 8話>>33 9話>>34 10話>>35
11話>>36 12話>>37 13話>>38 14話>>39 15話>>40
16話>>3 17話>>18 18話>>24 19話>>25 20話>>43
21話>>45 22話>>51 23話>>67 24話>>82 25話>>90
26話>>91 27話>>97 28話>>102 29話>>103 30話>>104
31話>>105 32話>>108 33話>>112 34話>>113 35話>>114
36話>>125 37話>>126 38話>>127 39話>>135 40話>>138
41話>>143 42話>>151 43話>>152 44話>>155 45話>>161
46話>>166 47話>>169 48話>>172 49話>>178 50話>>181
51話>>184 52話>>187 53話>>190 54話>>191 55話>>192
56話>>193 57話>>215 58話>>222 59話>>226 60話>>238
61話>>239 62話>>240 63話>>244 64話>>245 65話>>248
66話>>251 67話>>252 68話>>253 69話>>254 70話>>255
71話>>256 72話>>257 73話>>258 74話>>259
番外編1>>128 番外編2>>132 番外編3>>156
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- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 69話更新 ( No.255 )
- 日時: 2013/01/20 22:35
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
70話〜炎祈師〜
「炎・・・・・祈師?」
「聞き覚えねぇか?無知な糞野郎だな。まぁ仕方ねぇ。この力は俺らの一族だけのものだしな。
それに今じゃその一族も俺を残して他にはいねぇからな」
少し悲しそうにそう呟くと、ゼイルは両手からメラメラと燃える円盤状の炎を生み出した。
「カグツチ」
そしてそれが地面を深く抉りながらレナへと迫っていった。
レナはそれを交わした後、それが通った後の地面を見て、目が丸くなった。
「!!・・・・地面が溶けてる」
「エクスプロージョン!」
ゼイルはレナが一瞬気を取られている間に接近し、先ほどの球体をレナへとぶつける。
「きゃあああ!!」
爆発とともに吹き飛ばされるレナ。魔法服をまとって無かったら一発でアウトな程の威力。
(強い!派手な攻撃で隙をつくって確実に攻撃を加えてくる)
表面的には荒々しい攻撃や口調が目立つが、
ゼイルは確実にこちらの隙を逃さず攻撃してくるだけの冷静さも持ちえている。
しかしレナにはそれよりも気になるところがあった。
「魔法を発動してる気配は全然ないのに・・・・なんで・・・・・?」
「単純な理由だ。魔法なんてもんは使ってねぇからだ」
「え?」
ゼイルの言葉に言葉がつまるレナ。魔法を使ってないのに、炎を生み出している?
その謎を解決するようにゼイルは語り始めた。
「火は文明の始まりとされいる。その火を一番初めに活用したのが俺の祖先だ。
火は人間に多くの利益を与えるとともに、危険性も多く含まれていることを感じた祖先は、
人に火を教える前に、火を完全に支配する術を手に入れた。それがこれだ」
ゼイルは腕を差し出すと、その腕に炎が巻き付いていく。
その行動自体に一切の魔力やりとりが感じられない。
「勿論、これだけの火力じゃ戦闘には向いてねぇから、自らの魔力を注ぎ込み
火を増大させる必要はあるがな」
そう言ってゼイルは、腕に纏わりつく炎を巨大化させ先の炎の蛇へと変貌させた。
それに驚くレナだが、それ以上に先ほどのゼイルの言葉が気になった。
「人に教える前にって・・・あなたの祖先は神だったって言いたいの?」
「知るか。一族に残る伝承を読み上げただけだ。だが、
世界に存在するあらゆる火を魔力を使わず召喚し使役する。
魔法の蔓延るこの世界でも魔力を使わず炎を生むその姿が民には神にでも思ったのか、
人々は俺らの力をこう呼ぶようになった。
炎の創造神(フレアクリエイター)と!」
再び炎の蛇がレナを襲う。
「っ・・・・!!
水面に揺らぐ大災の予兆
高なる水は全てを飲み込み 攫い 破壊する!
タイダルウェイブ!!」
レナの後ろから高波が発生し、炎の蛇を飲みこみゼイルへと向かう。
「・・・やっぱ変わった魔法を使いやがるな。だが・・・・」
—ザパーーーーーーン!!—
「・・・・・・」
津波に飲み込まれる姿をしっかりと確認したレナだが、その表情は固い。
—ジュゥゥゥゥゥゥ・・・・・—
「!!」
「この程度の力じゃ俺の『ペレ』は破れねぇよ」
姿を露わしたゼイル。周りからは蒸気が発生し、ゼイルの身体自身は全く濡れていない。
ゼイル全身には炎がゼイルを守る様に渦巻いており、何故かその背後にはぼんやりとしているが、
髪の長い人影が見える。
「アクアニードル!」
「無駄だぁ!」
足元から襲う水柱に対してゼイルは微動たにしない。
その代わりに渦巻く炎が爆発するように膨張し、水柱を一瞬で蒸発させた。
「・・・・・・・・」
「技が効かなくてだんまりか?」
「集まりし水は力を経て刃へと姿を変える」
「!!」
レナの呟きと共に辺りに広がる水が蠢きだし、レナへと全て集まっていく。
「その刃 海を割り 山を崩す」
レナの周りで魔力が渦巻き、大量の水がレナの手の平に収まるほど凝縮されていく。
(あれだけの水があれだけ一点に凝縮されていく!不味い!!)
「アブレシブジェット!!」
—ドシュゥゥゥウンン!!!—
凝縮された水が一気に噴射される。正に全てを切り裂く刃と化した。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
今ので大分魔力を消耗したレナ。息を整えながらゼイルの方を見る。
「・・・・・大した威力だな」
「!!」
声と共に姿を露わしたゼイル。
「ペレで軌道をずらすのがやっとか」
平然と立つゼイルだが、右腕からは血が流れている。
「今ので決められなかったのは残念だったな」
「・・・・・どうして」
「あぁ?」
「どうしてあなたはオラシオンセイスなんかの命令に従ってるの?」
レナがそう聞いたの単純な好奇心。この男が誰かに従うような器ではないと感じたからだ。
だが、その好奇心がゼイルの気に触れてしまった。
「口に気ぃつけやがれ。俺は命令されんのが大っ嫌いなんだ。
従ってるつもりはねぇ。俺もあいつも互いに利用しあってるだけだ」
「利用?」
「これ以上てめぇと話す気はねぇ。とっとと死ね!
スヴァローグ!!」
レナを中心に炎の竜巻が発生する。だが、レナ自身は台風の目にいるのでダメージはない。だが・・・・・
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
「苦しいか?この技は灼熱の大気に薄れてく酸素で相手を苦しみさせながら殺す俺お気に入りの技だぜ」
不吉な笑みを浮かべるゼイル。レナはなんとかこの中から抜け出そうと竜巻へと走る。
—バシュ!!—
「・・・・・あつぅっ!」
「無駄だ!中から脱出は不可能だぜ。下手に触れると大気で焦げるより、
酸素不足よりも先に丸焼きになって死ぬぜ」
どんどん空気が薄れ、意識を保つ事も難しくなってきたレナ。
膝が崩れ落ち倒れこみそうになる。
「とっとと死にやがれ。俺は残りの連合軍の奴らも全員ぶっ殺さなきゃならねぇんだ。
おめぇみてぇな雑魚相手に何時までも時間喰ってるわけにはいかねぇんだ」
「・・・・・・嫌だ」
ゼイルの言葉にレナはそう呟くと、よろよろと立ち上がり竜巻に手を触れた。
「っつぅううぅ!!」
「馬鹿か?言っただろ。中から出る事は不可能。ほんとに焼け死にてぇのか?
ま、どっちみちてめぇはもう死ぬ運命。とっとと諦めろ」
「嫌だ!」
「あぁ??」
レナは手が焼け焦げて行くのにも気にせず、竜巻から出ようと躍起になる。
「私が弱いせいで誰かが傷付くのなんて見たくない。
そんな思い、もう二度としなくない!だから絶対諦めない!ここであなたを、私が倒す!!」
「空気が薄くなってまともな思考が出来なくなったか?
どう考えたら俺を倒せると思ってんだ?」
「無理でもやる!私はもう自分に負けるようなことはしたくない!!
そのせいで!誰かが傷付くなんてもう嫌なの!
私はまだ立てる!腕も上がる!魔力も残ってる!戦える!!」
「下らねぇ。根性論もいいとこ・・・・・・・」
—・・・・・・・ズゥ—
「なんだ?・・・・・」
—・・・・・・ズズズズゥ—
レナの言葉を狂言として冷めた態度で聞いていたゼイルだが、
妙な音が辺りに響き渡り始めた事にそちらに耳を傾けた瞬間だった。
—パンッ!—
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 70話更新 ( No.256 )
- 日時: 2013/02/06 13:16
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
71話〜激闘!黒炎対究極の玉〜
(一体何が起こってんだ)
目の前の状況に頭の中でそれだけが繰り返し問われるが、決して答えが出てこない。
「てめぇ一体何しやがった!!」
—ズォォオオオォォォオォ!!—
吹き荒れる竜巻。だがそれはゼイルの出したものではなく、黒い竜巻が吹き荒れていた。
—パンッ!—
黒い竜巻が弾けて消えた。中から現れたのは先ほどと何も変わらないレナの姿。
と、言っても手は火傷を負い、頭は垂れて意識があるのかどうかもよく分からない状況ではある。
「・・・・・・・」
ゼイルはレナを目視しながら手にまた円盤状の炎を生み出す。
「カグツチ」
投げられた炎は真っすぐにレナへと向かう。
それに対し、レナは僅かに口を開いた。
「・・・・・クロ」
「!!」
レナの小さな呟きと共に、レナの傍に影の塊のような玉が出現した。
しかもそれだけに止まらず、その黒い玉が大きくなり、
向かってくるカグツチに反応するような動きを見せ、それを飲み込んだ。
「・・・・・・シロ」
レナがまた呟くと今度は白い光る玉が出現した。
そしてそれが一瞬で無数に分裂すると、ゼイルに向かって飛んで行った。
ゼイルはそれを見て、手に力を込め青い炎を生み出し、剣状に変化させた。
「アグニ」
避けるのは困難と感じたゼイルは、向かってくる白い玉を全て焼き落として行く。
順調に落としていったゼイルだが、剣にふと違和感を感じ見ると、
剣を先ほどの黒い玉が蝕んでいた。
「この黒い玉。俺の魔法を喰らってやがる!
・・・・っ!!」
意識が少しそれた隙に、白の玉がゼイルの身体を貫通した。
だが痛みは無い。しかし、すぐに自分の身体に起きた異変に気が付いた。
「魔力を・・・・・」
「アルテマボール」
レナが垂れた顔を上げ、真っすぐとゼイルを見据える。
先ほどの二つの玉がレナを守る様に、周りを回っている。
ゼイルの表情は先ほどまでとは違い余裕が無い。
(黒い玉は俺の魔法に反応して動き喰らう魔法迎撃用。
白の方は俺自身の魔力を奪うとる対魔導士用。強力な魔法だが・・・・・・)
「舐めてんのか?その魔法、敵を倒すより戦闘不能にすることを目的としてんだろ。
そんな甘っちょろいもんで俺を倒す気か?」
「倒すよ。けど、私は殺すようなまねはしたくないから。
あなたをここで戦う力を奪う事が出来れば、それで十分だよ」
「はっ!!俺を止めたきゃ殺す気できやがれ!!」
ゼイルはそう叫ぶと急激に魔力を高めていった。
「おもしれぇもん見せてもらった礼だ。てめぇに地獄の炎を見せてやるよ!!」
ゼイルの周りに炎が生み出され、ゼイルは球体に包まれた。
そしてその炎が晴れた時、その姿が露わになった。
「イフリート」
ゼイルの横に並んでいるのはまさに悪魔の化身のような姿をした化け物。
全身がメラメラと漆黒の炎で包まれ、そのものが息をするたび口から炎が飛び出てる。
「豪魔炎」
イフリートの大きく息を吐くと、そこから漆黒の炎が波のように襲ってきた。
それに反応し、クロも同じように波のようになり炎に喰らいついた。
互いに押し引きを繰り返し最後は相殺の形をとった。
「魔炎断」
それに怯む様子も無く、ゼイルは次の攻撃へと入っていた。
イフリートが腕を振り下ろすと、そこから刃状の黒炎が飛び出す。
レナはそれを交わすと、シロでの反撃に出た。
シロは大きな玉へと変わり、ゼイルに向かっていく。
それに対しイフリートが前へ出て、その拳でシロを殴りつけた。
だが殴った瞬間、シロは弾けその一つ一つがゼイルへと向かていった。
「ペレ」
炎を纏いシロを払い、払いきれない分は自分で避ける。
その間にイフリートはゼイルを放って、レナの元へと向かう。
「魔天楼」
イフリートが拳を地面に叩きつける。と、レナの足元が僅かに盛り上がった。
レナは危険を察知し、その場を離れる。
—ズドーーーン!!—
その直後、足元から黒炎が立ち上る。しかもそれだけに終わらず、
レナを追いかけるように黒炎がレナの足元から立ち上り続ける。
それをかわし続けるレナであったが、
—ズドーン!!—
最後には回避の着地前に黒炎が立ち上り、レナの姿が黒炎の中に消えた。
ゼイルは僅かに笑みを浮かべるが、もうレナをこれぐらいで倒せるとは思っていなかった。
ゼイルの思惑通り、レナはクロを展開させ黒炎の火柱を払う。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「どうした。もうばてたか?」
「・・・・・・・シロ」
レナが肩で息をしているのを見て、挑発するような言葉を放つゼイル。
だがレナの呟きに対し、周りのシロが点滅を繰り返すのに警戒をし始めた。
「解放(リベレイション)!」
—カッ!—
シロは点滅を繰り返した結果、眩い光を当たり全体を包み込んだ。
その眩しさに目を防ぐゼイルだが、それが直ぐ間違いだと気付いた。
「っ・・・!!」
僅かに身体がよろける。シロが発した光もシロと同じ効果があったのだ。
光を全身で浴びてしまって魔力を大きく削られるゼイルだが、
それほどの魔法を放ったレナの魔力も底をつき始めていた。
(これ以上長引かせると魔力を削がれて、本当に戦えなくなっちまうな。こうなったら・・・・・)
(私の魔力も限界に近い。魔力を大きく奪った今がチャンスのはず。だから・・・・・)
((次の攻撃で決着をつける!!))
共に最後の攻撃に向かえ魔力を最大限に高める。
それに伴いイフリートは原型を失い、その炎全てがゼイルの拳へと集まった。
そしてレナの周りにはシロの姿が消え、無数の数のクロが生み出されている。
ここで少しアルテマボールについての解説をしておこう。
アルテマボールの効果を上記で上げた通りだが、この技の原型の力はシロはセンティエント・メリア。
そしてクロの方はカムイ戦でレナの暴走によって起きた全てを蝕む影。
ともに強過ぎる力をレナなりに抑えて生まれたのが、アルテマボールだ。
だからシロの力を解放した時、原型に近い力が発揮されたのだ。
つまり同様に、クロの力も解放できるということなのだが・・・・・・
「・・・・・・」
レナの目には一切の迷いが無い。ただ魔力を解放し、クロの数を増やしていく。
そしてついにその時がきた。互いの魔力が極限にまで達した時、
まるで互いにタイミングを計っていたかのように、同時に動いた。
「天照!!」
「クロ・・・・・・リベレイション!!」
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 71話更新 ( No.257 )
- 日時: 2013/02/26 21:18
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
72話〜生きる意味〜
ゼイルは腕を前へと突き出すと、溜めた黒炎全てを放出させた。
レナも掛け声とともにクロの力が解放され、玉の一つ一つから無数の針が木の枝のように
不規則に分かれていき、ゼイルへと押し寄せた。
黒炎がクロが焼き払い、クロが黒炎を侵蝕する。そんな二つの激突。
「うおおおおおおお!!」
「はあああああああ!!」
互いに押し引きを繰り返す。その余波で周りの木々が次々と吹き飛んでいく。
「あああああああああああ!!!」
「なに!?」
だが、その均衡も崩れつつあった。クロの侵蝕が少しずつ進み出したのだ。
「このぉ・・・・負けられるか!!」
ゼイルは更に黒炎に魔力を注ぎ込み、火力を上げる。
・・・・・・だが
—ズアァアアアアァァアァアア!!!—
「!!!」
—ズシャッ!—
クロが黒炎をかきわけ、ゼイルの身体に幾本もの針が突き刺さる。
終わった、ゼイルは心の中でそう感じたが、自分の身体に起きている異変に
直ぐにそうじゃないと感じた。
「こいつは・・・・・」
身体に刺さる針の色を見て、ゼイルは目を丸くした。
針はゼイルの手前数センチのところでシロへと変わりへていたのだ。
「あなたを殺す気はないっていったでしょ」
「・・・・けっ!とことんあめぇ野郎だな。
・・・・・くそ・・てめぇみてぇな奴に俺が負けるなんてな」
「私だけの力じゃ、あなたには勝てなかったよ。
仲間がいたから、命を懸けても守りたいっていう仲間がいたから、私はあなたに勝つ事が出来た」
歯を喰いしばるゼイルにレナは少し穏やかな表情でそう言った。
それを見たゼイルは少し無気味な笑みを浮かべてこういった。
「俺だってそうさ」
「え?」
ゼイルの予想外な言葉に言葉を詰まらせるレナ。それを見て、ゼイルは更に笑みを浮かべた。
「俺だけの力じゃ、ここまで強くはなれなかった。
同士がいたから、例え何万人を殺そうが救いたいっていう同士がいたから、俺はここまで強くなれた」
「・・・・・もしかしてそれが、オラシオンセイスに従っている理由?」
「口に気ぃつけろって言っただろ。だが・・・・・いいぜ、教えてやるよ」
ゼイルはそこで一つ、区切りをつけると話しだした。
「炎祈師の一族はもう俺の他には誰もいねぇ、さっきそう言ったよな。
今から400年前、一族は一度ゼレフの手によって壊滅的な被害を受けた。
だが生き残った僅かな者たちの手で現代まで炎祈師は
その血筋を繋げてきたが10年前、悲劇を繰り返された。
ゼレフ書の悪魔によってな」
「!!」
ゼレフと言う名を聞いて身体を震わすレナ。それにゼレフ書の悪魔というのも
カムイやグレイから聞いた事があったからだ。
「てめぇも聞いたことあんだろ。ゼレフが作りだした生きた魔法。
奴の名はガーゴイル。そいつによって一族は完全に滅んだ。
当時7歳の俺は瀕死の重傷を負いながらも奇跡的に生き延びた」
「・・・・・・・・」
レナは黙ることしかできなかった。自分が同じ歳の時は両親ともに幸せに暮らしていた。
けどもしそれが一瞬にして壊れたらどうなっていただろう?
大切な人も、友達も家族も全て死に、残った自分は何を思うだろう。
とてもじゃないが考えられないし、考えたくも無いことだ。そんなことを彼は体験している。
「その時点で俺は決めた。一族を滅ぼしたゼレフ書の悪魔を含むゼレフに関連するものを全てこの手で壊し、
ゼレフ自身もこの俺の手で必ずぶち殺し、もう一度一族を復興させるってな」
彼みたいに復讐だとか一族の復興とか考えられただろうか。おそらく無理だ。
「俺が闇ギルドで活動してるのは蛇の道は蛇と思ったからだ。
そして俺とブレインの野郎が手を組んでるのは、今回の作戦の戦力として奴は俺の力を欲し、
俺は奴の魔法でゼレフに関する情報を手に入れさせる為のもんだ。
・・・・・・どうだ、これがてめぇの知りたがってた事だ」
「・・・・・悲しいね。そんな生き方してて楽しいの?」
レナはようやく絞り出せた言葉がそれだった。しかし、ゼイルはそれを鼻で笑った。
「っけ!いかにも幸せな暮らししかしてこなかった餓鬼が言いそうな台詞だな。
そんな台詞は三流ドラマの名台詞にも上がってこねぇぞ」
「・・・・・見るんだ。三流ドラマ」
「るっせぇ!俺の勝手だろ!!はぁ・・・・・・・・・殺せ」
「え?」
ゼイルのため息の後についた言葉にレナは言葉がつまった。
それまで諦めの表情を見せていたゼイルだが少し苛立ちの表情を浮かべた。
「聞こえてんだろ。殺せって言ってんだよ。てめぇみてぇな甘ちゃんに
負けるようじゃあこの先どれだけ強くなろうが、ゼレフはおろかあの悪魔たちにも勝てねぇ
俺が生きる意味はもうねぇんだよ」
再び諦めの表情に戻るゼイル。戸惑いの表情を隠せないレナ
「何で私が・・・・・」
「てめぇが俺の魔力全部奪ったせいでろくに動けねぇんだよ。それに俺の生きる意味も奪ったんだ。適任だろ」
「そんな!諦めないでもっと強くなるとか!他にも生き甲斐を見つけるとかして・・・・・!!」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇよ!!とっとと殺せって・・・・・!!」
——バシッ!!
「ッ!」
「え?」
鳴り響くビンタ音。その場にいる二人ともが驚いた。なんせゼイルの頬を叩いたのは
「・・・・・ペレ?」
ゼイルの技、ペレで現れた髪の長い人影だったからだ。
良く見ると女性のような顔立ちをしているのが分かる。
「なんだこいつは?」
(気付いてなかった・・・・・??)
ゼイルの不思議そうな顔を見てレナも不思議に思った。技の発動で姿を表したこの人影。
ゼイル本人が知らないのは可笑しいと思ったからだ。
女性はゼイルに何か訴えるような表情を浮かべ、そして次にレナの方に向きを変え
僅かに微笑むと姿を消した。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
二人とも今起きた事に唖然になっていると
—ピカッ!ゴオオオオオオオオオオ!!!—
「もう!?次から次からなに!?」
突然眩い光が天空へと伸びていく。
「ありゃ・・・・ニルヴァーナだな」
「え!・・・・あれが!?」
レナは再びその光を見る。立ち上る黒い光に黒い邪気のようなもんが吸い込まれている。
「・・・・・急げよ」
「え?」
「何やってんだ。てめぇの仕事はブレインたちがやることだろう」
「でも・・・・・・」
本当は今すぐにでも駆け出したいが、このままゼイルを放っておいたら
魔力を回復させて死なれてしまうかもしれない。
レナはそう感じ躊躇していた。そんなレナの考えを見抜いたゼイルは諦めたような表情を浮かべてこう言った。
「安心しろ。もう死ぬ気も失せた。支配してた炎に叩かれて死んだんじゃ、
俺の唯一の誇り、炎祈師の名が腐っちまう」
それを聞いたレナは安堵の笑みを浮かべて走り出した。
だが、途中で足を止めるとゼイルの方へと顔を向けた。
「あなた・・・・・フェアリーテイルに来る気はない?」
それを聞いてゼイルは一瞬驚きの顔をしたが、その後僅かに笑みを浮かべて言った。
「・・・・てめぇら如きで本当にオラシオンセイスを撃退出来たら考えてやるよ」
それを聞いてまた笑みを浮かべると走り出した。今度は躊躇いもせず、光の元へ真っすぐと。
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 72話更新 ( No.258 )
- 日時: 2013/03/20 13:51
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
73話〜ニルヴァーナの復活〜
「はぁ・・・はぁ・・・。一刻も早くニルヴァーナを止めないと・・・・・」
立ち上る光に向かって走るレナ。頭の中では先ほどゼイルに言われた事を思い返してた。
『ニルヴァーナは光と闇を入れ替える究極の反転魔法。
これが発動されればどんな聖者も極悪非道の悪魔になる。
だが今の黒い光はその前段階だ。黒い光の内は
光と闇の狭間にいる者の心を入れ替える。
もしおまえらの中に強烈な負の感情に囚われた者がいたらそいつは闇に落ちる。
気をつけろ。もしニルヴァーナが完全に封印が解かれ、オラシオンセイスの手に渡ったら、
正規ギルド同士の躊躇無しの殺し合い、戦争が簡単に起る』
「・・・・そんなことになったらギルドが無くなっちゃう!
絶対そんなことにはさせない!!」
——————————ニルヴァーナの封印場所——————————
「ジェラール!!」
(エルザ!!?クソッ!この俺が接近に気付かねぇとは・・・・。
ニルヴァーナ復活までジェラールはやらせんぞ)
ニルヴァーナの元に辿り着いたのはエルザ。
復活したエルザはナツの言葉を聞き、ジェラールのいると聞いた光の元へと駆けていたのだ。
実はエルザとジェラールはエルザがフェアリーテイルに入る前からの知り合いである。
だが、昔ジェラールはゼレフの亡霊にとり憑かれ、一度はエルザを殺そうとしたなど、
複雑な関係になっている。
「エルザ・・・・・・」
ジェラールの呟きにエルザは僅かに顔を濁らせるが、直ぐに何時ものキリっとした表情に戻す。
「どうしてここにいる?ジェラール」
「エルザ・・・・・・エルザ・・・・・」
「??」
エルザの問いかけにジェラールはエルザの名前を呟き続けるだけ。
不審に思ってると、ジェラールの表情が突然不安なものへと変わった。
「その言葉だけが強く頭をめぐっているんだ・・・・・・」
「え?」
予想だにしない言葉にエルザも言葉がつまり、影で見ていたコブラも驚きを隠せない。
「教えてくれないか・・・・・俺は誰なんだ?君は俺を知っているのか?
エルザとは誰なんだ?何も思い出せないんだ!」
「ジェラール・・・・お前まさか・・・・記憶が・・・・・・」
(記憶がねぇのか!!?)
エルザはそれ以上言葉が出てこなかったが、コブラがそれを代弁するように心の中で叫んだ。
「君は俺に向かってジェラールと叫ぶ。それが俺の名なのか?」
「・・・・・・・」
エルザは答えない。それにジェラールは更に不安そうな表情を浮かべた。
「頼む・・・・・答えてくれ」
「・・・・・そうだ。お前の名はジェラールだ」
エルザはようやく答えた。そして意を決すると更に続けた。
「お前はジェラール。かつての私の仲間だ。だが乱心したお前は死者を冒?し、仲間を傷付け、
評議院を破壊し・・・・・かつての仲間を殺した。
それすらも忘れたと言うつもりなら、心に剣を突き立てて刻み込んでやる!!
お前は本当に全てを忘れてしまったのか!!ジェラール!!!」
エルザの叫びを聞いたジェラールは目から涙が零れた。
「俺が・・・仲間を・・・・?俺は・・・・なんということを・・・・・!
俺はいったい・・・・・どうしたらいいんだ」
「取り込み中失礼するぜ」
「オラシオンセイス!?」
ついにシビレを切らし登場したコブラ。
「てめぇの記憶がねぇのはよく分かった。道理で心の声が聴こえねぇわけだ。
だが、解せぇねな。記憶がねぇのにどうやってここまで来た?
そんでどうしてニルヴァーナの封印を解いた?」
「何もかも忘れてたわけじゃない。眠っている時に聞こえた。
『ニルヴァーナを手に入れる』と。かすかにその魔法と隠し場所を覚えていた」
コブラの問いに顔を曇らせながら答えるジェラール。
これがどれほどのものか分かっているからだろう。
「これは危険な魔法だ。誰かが扱っていい品物じゃない。
だから完全に破壊するために封印を解いた」
「な・・・・!?」
「自律崩壊魔法陣を組み込んだ。ニルヴァーナはまもなく自ら消滅する」
「てめぇ!なんてことを!!」
急いでニルヴァーナに駆け寄り、情報を読みとるコブラ。
だが、そのあまりにも高度な魔法陣に打つ手が見えなかった。
「解除コードを吐きやがれ!!ジェラール!!!」
「・・・・・・・例え死んでも俺はそれは言わん」
「な!?」
コブラの顔からどんどん血の気が引いていく。やっとここまで辿り着いた念願の魔法。
それがまもなく消滅しようとしているのだ。
「ジェラール・・・・・・」
ジェラールはエルザの方に顔を向けると、穏やかな笑みを浮かべる。
そして自分の足元に魔法陣を展開させた。
「エルザ・・・・その名前からは優しさを感じる。
覚えていないとはいえ、俺が君にしたことは消えないし、とても許されたことじゃないだろう」
「ジェラール・・・・何を」
どんどん構築されていく魔法陣にエルザがうろたえるが、ジェラールの表情を何も変わらない。
「俺が生きている限り、君は俺に縛られ続ける。憎しみという鎖に。
だがそれでは駄目だ。エルザ・・・それから感じる優しさや温かさもその鎖に蝕まれる。
君を縛るもの全てを俺が連れていく。解除コードとともに」
「てめぇまさか・・・・死ぬ気か!?」
ジェラールの異変に気付いたコブラが叫ぶ。ジェラールが僅かに笑みを浮かべる。
それを見てエルザは止めさせようと駆け寄る。だが、すでに完成された魔法陣。
ジェラールは自らの命を絶つ魔法を発動させようと腕を空に翳し、それを振り下ろした。
「ジェラール!!」
—パリィン・・・・・・・—
「え?・・・・・」
「な・・・・・」
何かが砕ける音がした。目の前で起ったことに、今まさに自決しようとしたジェラールも手を止める。
「甘いぞジェラール。誰がうぬにその魔法を教えたのだ?」
「ブレイン!」
皆の意識がジェラールに向いてる中、いつの間にかニルヴァーナの上へと立っていたブレイン。
「自律崩壊魔法陣は私が魔法開発局にいたころに編み出した魔法。
解除コードなどなくとも魔法陣そのものを無効にすることなど、造作も無い」
「そんな・・・・・」
悔しがるジェラール。その身体にかけてある魔法陣を眺めてブレインが言った。
「貴様が掛けてる魔法は自らの身体を塵と変える自決魔法。
解除コードとともに死ぬ気だったというのか?」
「高濃度の魔力を浴びて記憶が不安定らしい。自分が悪人だったのことも覚えてないらしいぜ」
「ふはははは!!なんと滑稽な!哀れだなジェラール!ニルヴァーナは私が頂いた」
「させるか!」
エルザは剣を取り出し、ブレインに襲いかかる。だがそれを無視しブレインは両手を天に翳した。
「目覚めよニルヴァーナ!!姿を現わせぇ!!!」
ブレインのその掛け声とともに、ニルヴァーナが強い光を放ち始め、地面が大きく揺れ動く。
そしてついに現れたニルヴァーナの本体。それは町一つを飲み込んだ巨大な要塞だった。
- Re: フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜 73話更新 ( No.259 )
- 日時: 2013/05/06 01:13
- 名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
74話〜カムイVSストローク〜
—ズシーーーーン!!・・・・ズシーーーンン!!!—
巨大な要塞から生えた八本の足が動き出す。
「ふはははははは!!ついに手に入れたぞ!!
光を崩す最終兵器ニルヴァーナ!この時を持って正規ギルドは闇へと変わるのだ!!!」
高々とニルヴァーナを手に入れた喜びを叫ぶブレイン。
その巨大なニルヴァーナの壁に必死にしがみ付く二つの影があった。
「エルザ・・・・・・」
「勝手に死ぬなど許さないぞジェラール」
エルザが片手で自分とジェラールの身体を支えていた。
「おまえには生きる義務がある。たとえ醜くても、弱くても、必至に生き抜いて見せろ」
「だが・・・俺はニルヴァーナを止められなかった。もう終わりなんだ」
「何が終わるものか・・・・見てみろ」
エルザはジェラールを引っ張り上げると、ニルヴァーナの足へと顔を向けた。
釣られてジェラールも顔を向ける。そこにいたのは
「うおおおおおおおおお!!!!」
ナツ・グレイ・ルーシィが足を登っていた。
「私たちは諦めない。希望は常に繋がっている。
生きてこの先の未来を確かめろ。ジェラール」
————————————————————
「いってぇ・・・・・。なんで急に地面が動き出したんだ?」
ニルヴァーナから感じるトルトニスの匂いを追って森を彷徨っていたカムイ。
その時、突然地面が盛り上がり今現在は古びた家が立ち並ぶ遺跡に立っていた。
「もしかしてこれがニルヴァーナの正体か?」
全体を見渡し、もう一度トルトニスの匂いを探すが、ニルヴァーナ復活から
その気配が全くしなくなってしまった。
「・・・・・これ以上は探せねぇか」
カムイはそう呟くと、頭を本来の目的であるオラシオンセイス討伐へと切り替える。
「・・・・ところで」
カムイは突然遺跡に向かって雷を放った。遺跡が崩れ粉塵が立ち上る。
「そこでちょろちょろしてる奴。とっとと出てこい」
カムイの言葉に粉塵の中から一つの影が飛び出してきた。
「ケホッ!・・・ケホッ!!いきなり酷いな〜〜。
もし味方だったらどうするだい?」
現れ出たのは華奢な青年。ボサッとした髪に動きやすさを追求したのか、
露出多めの服装をしている。
「そんな禍々しい魔力放ってる野郎と仲間を間違うわけないだろ。
お前はオラシオンセイスのメンバーには入っていなかったな?」
「そりゃあ、僕はブレインに君たちを殺すように頼まれた別ギルドだからね。
無双の双死鬼のストローク」
無双の双死鬼と言う言葉にカムイは眉を顰める。
「無双の双死鬼?そのギルドは知ってるけど、確かそのギルドはもう何年も前に潰れたんだろう?」
「そうだよ。僕が当時のギルドメンバー全員殺したからね。だから今は僕一人のギルドなんだ」
「なに?お前が一人で?何のために?」
「簡単だよ。人殺しの依頼を一人占めするためさ!!」
「!!」
ストロークはそう叫ぶとカムイへと向かってきた。
カムイもすかさず刀で応戦するが、ストロークはクルクルと回転してかわす。
「ほらぁ!!」
—ズドォン!—
「クッ!!」
見た目からは想像できない重たい一撃。ガードした腕の骨が軋む。
「あんまり粘らないで欲しいな。僕は人を殺す瞬間に快感を得るんだ。
面倒だから痛めつける趣味は無いんだよ」
「そのわりに随分と単純な魔法使ってんな。
あらゆるものに回転の力を与える『回転(ドライブ)』」
「さっすが!もう気付いたんだね。そうだよ僕の魔法はドライブ。
確かに単純かもしれないけど、これはこれで結構使えるんだよ」
再び距離を詰め、肉弾戦を繰り広げるストローク。
「この星は丸い。その時点でこの地面はもう直線じゃないからね。
星の曲線のそって自分の身体に魔法をかけると、ほらこの通り」
素早く動きカムイを惑わす。カムイの刀に対しても寸でのところでくるりとかわす。
「勿論刀にそって自分の身体を軸回転かければ、それに当たる事はまず無い」
「・・・・それ、自分以外の人間には効果ないみてぇだな」
「正確には使用者以外の生物には効かない。けど、それ以外なら何でもいけるのさ」
ストロークは距離をとると腕を上げて手を振った。
「踊り狂う岩石(ロックダンス)」
すると地面に落ちている大岩が回転し始め、カムイへと向かっていった。
「雷冥」
その岩を粉々に吹き飛ばすカムイ。それに対しストロークは再び手を振るう。
「吹き荒れる竜巻(トルネイブ)」
粉々にした石を巻き込んでカムイの周りで竜巻が生まれた。
「石を取り込んで削岩機みてぇになってんな。
雷太刀・旋渦」
カムイは竜巻とは逆回転に回ることで相殺し、更に魔力を練る。
「雷写・騎兵隊(トルーパー)」
多数の馬の形した雷がストロークを襲う。
それに対しストロークは目の前までそれが迫っているというのを
気にせず掌を地面に添える。
—ズシャーーーーン!!—
電気が一斉に放電する。
しかしそこにはストロークの姿は無かった。
見ると先ほどストロークが立っていた辺りの地面が大きく穴開いていた。
「地面を回転させて砕いたのか。だったら・・・・・」
カムイは素早く穴の真上を取る。みるとそこにはストロークの姿があった。
「虎降雷!!」
「・・・・・・」
—ドーーーーーーーン!!!—
巻き上がる砂埃。カムイは避けられないのタイミングで攻撃を放った。
だがどこか妙な手応えを感じていた。
「危ない危ない」
カムイの後ろの方で声がする。見るとそこにはストロークが無傷で立っていた。
「やっぱ当たって無かったか。強力な移動系の魔法も使えんのか?」
カムイの質問に答えないストローク。代わりにクスクスと気味悪く笑うだけだ。
カムイは刀を構えなおすと、電光石火のスピードで間合いを詰める。
「雷太刀・爪牙!!」
—ヒュン・・・・・—
「!!」
カムイの攻撃にしゃがんでかわすストローク。それにカムイは違和感を感じる。
「見つけたぜ。てめぇの魔法の弱点」
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