二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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妖界ナビ・リナ
日時: 2010/08/09 18:36
名前: 瑞沙 (ID: zRrBF4EL)

妖界ナビ・ルナの二次小説です!

次こそは消されたくないです……

見た方、ぜひコメを!!



   ☆登場人物

安堂 リナ・・・伝説の子の力を受け継いだ少女。半妖の父と巫女の母のあいだにうまれる
      好きなことは料理で運動音痴

こよみ・・・銀色オオカミの妖怪。リナの手助け役として、妖界から来た。変化の術が得意

アレック・・・火獣族の少年妖怪。本来は獣の姿。炎の術がつかえる

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Re: 妖界ナビ・リナ ( No.25 )
日時: 2010/03/19 19:03
名前: 瑞沙 (ID: 0i4ZKgtH)

    5 白い鳥


「伝説の子、さあ、おしえて!!」

 あおいはそう叫ぶと、目を青い色に変化させた。

 リナは落ち着いた声で言う。

「——知らない」

「とぼけるんじゃないわよ!!あなたは知っていると、あのお方はおっしゃっていたのだからね!!」

 あおいの言葉に、リナは眉をひそめた。

「あのお方……?」

 リナの言葉が聞こえたのか、あおいははっとした顔になった。

「さ、さあ、おしえなさい!!……おしえないのなら……」

 あおいは両手を突き出すと、水の球をうみ出した。

 リナはとっさによける。

「ほんとに知らないんだよ!!」

 リナがそう叫んだ直後……

 あおいが変化し始めた。

 からだ全体が白くなり、腕が白い翼になり、足と口が変化して……巨大な白い鳥のすがたになった。

「あ、あおいさん……」

 あおいは青い瞳でリナを睨みつけた。

「これが、わたしの本来の姿。青水族で白鳥の生まれ変わりの白く巨大な鳥よ!」

 そういうと羽ばたいて、水の針を次々と生み出した。

 リナは素早くよける。

「あおいさん、翔太さんはどうやったら出せるの!?あのお方って誰なの!?」

「どうでもいいことよ!」

 水の針のスピードが上がる。

(ふつうにさわったらはじかれちゃうし……さわらずに割れる方法は……あっ!!)

 リナは水の膜の中にいる翔太を見て、それからあおいをみて言った。

「あおいさん、おしえるよ」

 すると、あおいは攻撃をやめた。

(いまだ!!)

 瞬間、リナは水の膜に向かって、九字を切った。

「臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前!」

 すると、水の膜が割れ、翔太が出てきた。

「あおい……あおいは……」

 あおいが目を見開いて叫んだ。

「いやああああっ!!」

 翔太がはっとして、白い鳥のあおいを見る。

「まさか……あおい!?」

 するとその直後、

「ええ、そのとおりよ」

 出入り口から、こよみとアレックが現れた。

「アレック、こよみ」

 翔太は、次はリナを見た。

「君は……リナちゃん!?」

 すると次の瞬間……

「伝説の子……よくもやってくれたわね!!」

 あおいがそう叫んで、さっきより強く羽ばたいた。 

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.26 )
日時: 2010/03/23 17:47
名前: 瑞沙 (ID: 0i4ZKgtH)

    6 美しき恋


 あおいが羽を暴れさせ、風を起こす。

 そして——それと同時に、水を生み出していた。

「水っ!?」

 水はどんどんかさを増している。

 リナは水泳はできるのだが、ここで泳いでいるわけにはいかない。

 やがて、水が、リナの肩まで来たところで止まった。

「あおい……なにするんだ」

 翔太のその言葉をきいたあおいは、哀しそうな顔になった。

「わたし……こんな姿いや。だから、わたしの姿を見た者は、ただではおかないのよ。……しかも、わたしの初恋の人に見られちゃって……」

 とたん、翔太の顔が赤くなる。

(あおいさん……翔太さんのことが好きだったんだ)

 リナが心の中でつぶやいた、その時——。

 ドアが壊され、水が外へ出ていった。

 ドアの外には、アレックとこよみの姿がある。

「えっ、ふたりとも、外に出ていたの?」

「ええ、それよりも……あおいを妖界へかえさないと」

 こよみが言い終わった直後、あおいがすすり泣くこえがした。

 見ると、あおいは人間姿で、翔太の手を握っていた。

「翔太くん……出会ったときから、ずっと好きだった。わたし、人間に恋をしちゃった。妖怪なのに……」

「あおい、僕も君のことが……」

 と、翔太がいいかけた時、あおいが頭を抱え、うずくまった。

「あおい!?」

 あおいは青い瞳で、苦しそうに翔太を見つめる。

「わたし、あのお方に言われたの。勝手なことはするな、たとえば、人間に恋をしたとすれば、私の報いをうけることになる、と……。だから……わたし、翔太くんに恋しちゃったから……報いを受けるのよ……」

 リナは、あおいの言葉にはっとした。

(あのお方って……さっきも言っていたし、ヒュウトも……)

「リナ!あおいは寿命をどんどん奪われている!このままでは……五分もしないうちに、寿命は減り、しまいには……!」

「ええっ!?」

「なんだって!?」

 目を見開くリナと翔太。

「どうすればいいの!?」

 とたん、アレックの表情が暗くなった。

「それは……妖界にかえすこと。助かる方法はそれしかない……」

 つまり、ふたりは離れ離れになること。リナは泣きそうになった。

 あおいがさけぶ。

「いや!わたしは……恋したひとのそばで一生を終えるわ!」

 翔太があおいの手を握りしめる。

「だめだ、あおい。君は……どうか生き延びてくれ。好きになったひとが助かる方法があるのに、それもしないで息を引き取るのを見届けるなんて……そんなのいやだ!!あおい、どうか生きてくれ!」

 あおいが目を見開き、涙を流す。

 そしてうなずき、リナに言った。

「リナちゃん……わたしを妖界にかえして」

 リナは立ち上がった。

「天蓬、天内、天衝、天輔、天禽、天心、天柱、天任、天英」

 妖界への道が現れる。

「あおいさん、邪気を清め、妖界にかえします。どうか生き延びて、妖界で翔太さんを思い出していてください」

 あおいが翔太の手をそっと握り、

「翔太くん……あなたに会えてよかった。あなたのことは、一生忘れない——さようなら」

 妖界へのトンネルに入って行った。

「ふぅ、任務完了っと」

 すると、何かが落ちてきた。

「あっ、もしかして」

 それは、あおいの瞳のように青い玉だった。玉の中には、「水」の文字がある。

(これを集めると……って、イルが言っていた。これからも降って来るんかな、これ)

「リナ」

 アレックが声をかける。そのそばには、眠っている翔太がいた。

「さ、行きましょ」

 リナは翔太をおぶると、こよみの背に乗った。



「あ、翔太さん!」

 三日後、リナはあの公園に来ていた。そして、そこで翔太と偶然会ったのだ。

「あ、リナちゃん」

 リナのことは記憶になくなっている翔太は、いつものように笑顔だ。

「やっぱきていた。わたし、ここには法事できたから、そろそろ帰るんだ。だから、翔太さんにおわかれを言いたくて」

「あ、そうなんだ」

 じゃあね、と翔太が手を振る。リナは勇気を出して言った。

「翔太さん、あおいさんのこと、わすれちゃだめだよ。一生、あおいさんのことを好きでいて!それじゃ、また今度!」

 リナは翔太の返事を聞かなかったが、にこやかに笑っているような気がした。

「あら、リナ。探していたのよ」

 家(ぼろアパート)に帰る途中で、こよみに会った。

「アレックが妖怪のにおいをキャッチしたらしいわ。だから、出発する準備をしておいて」

「うん」

 リナは翔太のような笑顔でうなずき、アレックが待つぼろアパートへ走った。

    
    二章 おわり

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.27 )
日時: 2010/05/12 19:04
名前: 瑞沙 (ID: P/D0CuiW)

   3章 花風が吹く森


    登場人物

みもり・・・小学五年で自然を愛する少女

玲奈・・・みもりの同級生

アド・・・花風の森にひそむ妖怪。草や木をあやつる

ケイ・・リナの前に現れる謎の少年

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.28 )
日時: 2010/03/26 19:08
名前: 瑞沙 (ID: 0i4ZKgtH)

    1 海辺の森


 真夏の日、リナたち一行は、海の近くの町にやってきた。
 町のすぐそばには森があり、海でも泳げるということで、観光客も多い。

 リナは仮住まいのおんぼろのアパート「青海荘(あおみそう)」の窓から、南にある青い海を眺めていた。

「海かあ……また、水の妖怪なのかな?あ、でも、森もあるからなあ……そうだ!こよみ、あそこの海って泳げるんだよね?」

「そう言っていたわ」

 こよみが町のパンフレットを見ながら答える。

「じゃあじゃあじゃあ、あした泳いできていい?わたし、運動は水泳だけできるんだ〜」

「そうね。妖怪との対面のまえに楽しんだほうがいいものね」

「じゃあおれさまは、海にいるかわいい女の子に会ってく…………あ……スミマセン」

 扇風機に当たっているアレックが、うっとりした顔から、ちょっと焦った表情に変わる。

「わ〜い♪やったね」

 リナはうきうき気分で、水着をカバンから出した。




 次の日、リナはアレックと一緒に海に来た。

「わ〜近くで見てもきれい」

「っつーかさ、人多くね?」

 汗をぬぐいながらつぶやく、猫姿のアレック。

「でさ、アレックは泳がないの?」

「……この格好、猫だぞ!しかもおれは炎の妖怪だから、水はちょっと苦手で……」

「じゃ、近くで見てて」

 海に向かって走るリナを見送りながら、アレックは日陰に移動した。

「ああ、リナは水の妖怪なのか?」

 そうつぶやいた、その時——

『妖怪はすぐ近くに』

 そう言う声がして、アレックは目を見開き、あたりを見回した。

「だれだっ!?」

 しかし、妖怪の気配もにおいも感じない。妖怪らしき影もない。

「空耳か……?」

 アレックは複雑な思いで、砂浜に寝そべった。

Re: 妖界ナビ・リナ ( No.29 )
日時: 2010/03/28 18:00
名前: 瑞沙 (ID: 0i4ZKgtH)

    2 森の少女


 次の日、リナは調査を兼ねて、森にやってきた。

 この森は昔、「花風の森」と呼ばれていたらしい。森にしては花がたくさん咲いていて、風も涼しく、やさしくふいてくるからだろう。

「わあ、オレンジ色の花!何の花だろう」

 そうつぶやくリナの後ろで、

「その花はセイランというの。この森にしか咲いていないと言われているわ」

 少女の声がし、リナは振り向いた。
 そこには、背が小さく、肌が色白の少女がいた。

「あ、えっと、こんにちは!」

 少女があわあわして、あいさつして微笑む。

「セイランの花?聞いたことないや」

「まあ、名前もこの町の人が考えたんだけどね」

「花に詳しいんだね」

 少女は照れたように笑った。

「ええ、親の影響で。わたし、みもりと言うの。この町の小五だよ」

「わたしはリナ。この町には、観光客として来たんだ。ちなみに、わたしも小五だよ」

 と話しているうちに、ふたりは仲良くなっていた。

 と、その時、

「あら、みもり」

 凛とした少女の声がして向くと、そこにはいい具合に日焼けした美少女がいた。

「あ……玲奈さん。な、なんでここに?」

 みもりが、急におろおろし始めた。

「あんたを探していたのよ。あんたが行くところなんてここぐらいしかないから、すぐ見つかってラッキーだわ」

 みもりを睨みながら言う、玲奈と呼ばれた少女。

「あんたなんてこの世でいっちばん嫌いなのに探してあげたのよ。さ、早く来い」

「い……いやっ!!」

 首を振るみもりの右手首を、玲奈はつかんだ。

「来るったら来るのよ!!」

 リナは、玲奈に連れて行かれるみもりを茫然として見ながら突っ立っていた。

 と、その時——声がした。

「もしかして——」


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