二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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悪ノ召使
日時: 2010/03/13 18:01
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

こんにちは〜☆

ボカロ大好き秋桜(コスモス)です♪

「ボカロで何か書いてみたい!!」と思い、この作品を作ることにしました。

ただ、歌を小説に変えるというのは難しいかもしれません。みなさんの中で気がついた点がありましたら、どうぞ遠慮なく私に言ってくださいね!!

アドバイスやコメも受け付けます♪

〜注意〜

・荒らしは止めろ〜!!(怒)
・短編になるか長編になるかは作者の気まぐれ♪
・挫折の可能性アリ!!
・ボカロって何?という方は、一度調べてみましょう♪

これでも私についてきてくれるという勇気あるみなさん、ありがとうございます!!奥にお進みくださいな〜☆

〜人物紹介〜

リン・・・黄の国の王女様。レンの双子の姉でもある。わがままで、国民を苦しめることばかりしてきた。

レン・・・リンの召使。リンの双子の弟でもある。優しく、まっすぐな男の子。

ミク・・・緑の髪の少女。カイトの婚約者だが、レンの事が好き。

カイト・・・青の国の王子。ミクの事を本気で愛している。

メイコ・・・城下の娘。父親を王国側(リン)に処刑され、密かに復讐の計画を練っている。

さてさて、主に出てくるのはこんな感じですかね〜。
まぁボチボチやっていこうと思うので、よろしくお願いします☆

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Re: 悪ノ召使 ( No.16 )
日時: 2010/04/24 14:26
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

オリキャラが登場します!大目に見てくださいッ!(大半は使わない奴らばっかり……^^;)
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     涙の誓い

メイコは一人旅路を急いでいた——…。
旅先は青の国。青の国の王子、カイトに会うために…。
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レンは王宮にある自室で召使になった日からの事を思い返していた。
「僕はたくさん悪い事をしてきた…たとえ王女のためでも、この罪は許されるものではない…。」
独り事を呟く。
——僕は、罪のない人を殺め、罪のない国を滅ぼし、罪のない人々を苦しめ、絶望の淵に追いやった…。そして、双子の姉リンにも辛い思いをさせた…。いくら大人たちの勝手な都合により引き離されてしまったとしても、リンから愛する気持ち、思いやる心を奪ってしまったのは紛れもなくこの僕自身。この国を混乱させる原因を作ったのも元を辿れば全て僕。
目を瞑り、全てを思い返していると
「レン!命令よッ!」
自室まで来たリン…王女様がいつものわがままを言う。
「なんでしょうか?王女様…」
この言葉を言うのはこれで何度目になるだろう?この言葉を言うたび、胸が締め付けられる——…。この罪は永遠に消えないのだろう——…。
「…ン…レンッ!聞いてたの?」
王女様が僕に向かって言う…。
「すみません。もう一度お願いします。」
勤めて笑顔で聞き返す。
——ごめんね?リン。愛する気持ち、思いやる心を全てリンから取り上げちゃって…。その分僕は君の言うことなら何でも聞くよ?僕が取り上げちゃったものをそれで埋められるのなら…。
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カイトは死んでしまった人間…いや、マリオネットのようになっていた。召使に言われ、自分の中の王子が素の自分を操っている…。
「ミク…」
——悲しみに全てをのみこまれてしまいそうだ…。
王子は再び涙を流す。最愛の人を失い、その人との思い出も、一夜にして消え去った…。
「王子。面会を申し出ている者がおりまして…。」
召使のサルファがマリオネットのようになった僕のもとへ駆け寄る。
「サルファ、申し訳ないが帰ってもらうように言ってくれ…。面会できるような気力はもう…ない…。」
そう言ってサルファから目をそむける。
「分かりました。」
サルファが悲しそうな作り笑いで去って行った。
——ミク…君はどうして…黄の国の王女に目をつけられてしまったんだい?
王子の悲しみは深くなっていくばかり…。その時遠くの方からサルファと女の声が響いてきた。
「おやめください!王子は面会を拒まれました。お帰りください!」
「いいや!私は帰らないッ!青の国の王子よ!聞こえるかッ!私は黄の国に住む村娘、メイコという!あなたの婚約者の事は本当に残念だ。…婚約者の敵を私とともに討たないか!?」
——ミクの…敵?
「おやめください!メイコ様!遠いところいらしていただいたのに申し訳ございませんが、王子はあなたとの面会を拒んでおります!どうかお引き取りをッ!」
「待てッ!サルファ、メイコさんと話がしたい。下がりなさい…。」
「…分かりました。」
サルファは下がっていった。
「カイト様、おいでいただき光栄にございます。さて、先程申しました通り、私と手を組みませんか?私は、黄の国の王女に父を殺されました。あなた様の痛み、分かりあえると思うのですが…」
「…分かった。今まで敵討なんて考えたこと無かったよ…。」
「理解いただき光栄にございます。」
不敵な笑みを浮かべ、メイコは作戦について話を進めた。
——ミク、僕は君のために流したこの涙に誓う…。黄の国を…君を殺した黄の国の王女を…必ず捕まえるから…。

こうして、ミクが望むはずのない争いをカイトは承諾してしまったのだった。

この承諾により、双子の…悲劇のカウントダウンが始まったのだった。

Re: 悪ノ召使 ( No.17 )
日時: 2010/04/24 14:27
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

     王宮内の異変

「ねえ、あなた私と一緒に手を組まない?この王宮に仕えていたあなたなら、私たちと共にやっていけると思うの…。どう?やってみない?この国の王女を葬る作戦——…。」
そう言って王宮内に仕える若い男に詰め寄っていたのは、紛れもなくメイコだった。
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レンは厨房に立っていた。リンの為に今日のおやつを作っていたのだ。
最近、妙に王宮を止める人が増えてきている…。止めるときはみな口をそろえてこう言った。
『他にやることができたのです。』
もうすでに王宮に残っているのは庭師のサフランと、
メイドのフィスティ、大臣のアルーン、大臣秘書のエノリス、そして僕だけ…。今、この黄の国は、王女と5人の人間によって支えられている状態だ…。
「こんなことで大丈夫なのだろうか?」
心の中で呟いていたはずなのに、声に出てしまっていた。
「レン、大丈夫?」
声をかけてきたのはメイドのフィスティ。僕ら双子と同い年の女の子。最も、彼女は僕らが双子だってことは知らない。知っているのは極わずかな人間だけ…。
「フィスティ…。大丈夫だよ?心配してくれてありがとう。」
「いいのよ。別に減るものじゃないでしょう?」
彼女はにこりと微笑む。
「ははは…そうだね。フィスティこそ疲れてるんじゃないか?」
「実を言うと少しだけ…。一緒に働いていた方がいなくなって…この王宮を全て綺麗にするのは一人じゃ大変なのよ…。」
ため息をつくフィスティ。
「僕でよかったらいつでも相談にのるから…。また来るといいよ。」
「分かったわ。ありがとう、レン君。」
フィスティは再び仕事に戻って行った。
「さぁ僕も仕事しなきゃ…。」
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「リン様、本日のおやつでございます。」
作り終わったおやつを王女様の前に持っていく。
「あら?今日はブリオッシュじゃないの?レンの作るブリオッシュが食べたかったのに…。そうだわ!明日のおやつの時間に作ってちょうだい?」
王女の瞳はまるで子供のような無邪気な笑顔。
「分かりました。ブリオッシュを作らさせていただきますね?」
一層輝きを増すリンの瞳。
「絶対よ!約束よ!」
そう言って指切りをした。でもこの約束は守れないままになってしまった。でもその事を知るのは明日のお話…。

Re: 悪ノ召使 ( No.18 )
日時: 2010/04/24 14:28
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

     さよなら、リン—前編—

自室にフィスティが駆け込んで来たのは、早朝だった。
「レンッ!大変なの!早く逃げてッ!」
明らかに様子のおかしいフィスティ。
「フィスティ?どうかしたの?」
「今、外に…この国の民と元王宮に仕えていた者たちを引き連れて、青の国の王子と村娘が押し寄せているの!」
「なんだって!?」
急いでカーテンを少し開け、窓の外を見る。そこには確かにたくさんの民、元王宮に仕えていた者たち、青の王子、村娘がいた
「『他にやることができた』というのはこういうことだったのか!」
奥歯を噛みしめ、拳を握る。
「フィスティ。裏口なら誰もいないはず。そこから逃げて!」
フィスティに逃げるようにいう。
「レンは?」
「王女を守らなきゃ…。でも、必ず生き抜いてみせる。逃げ延びたとき、町はずれの港で会おう。そこで待ってて?それと、今だから言っておかなくちゃいけない事がある。」
「言っておかなければならないこと?」
「そう。僕…いや、私実は女なの。それと、リンとは一応双子なの…。今まで黙っていてごめんね?」
わざと女声に変えて話をした。
「嘘…!」
驚きを隠せていないフィスティは僕をじろじろと見ている。
「本当だよ…。騙していてごめんね?」
「そうなんだ…。まぁ諸事情があっての事でしょう?そんなの気にしないよ!町はずれの港で待ってる。じゃああとでね!」
フィスティは勢いよく部屋を飛び出していった。これがフィスティと話した最後。勿論、僕が女だってことは嘘。リンを守り抜くための。
僕は部屋を飛びだしリンのいる王室に向かった。
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「リン様、いらっしゃいますか?」
王室に向かって声を張り上げる。
「…レン?」
案の定涙目のリンがそこには座っていた。
「リン様…いや、リン。今から僕が言う事をよく聞いて、その通り実行して?今から僕とリンは入れ替わる。リンは今からレンに、僕は今からリンになる。リンは僕の姿になったら、まずそのクローゼットの中に隠れていて?物音がしなくなったら、クローゼットから出て、町はずれの港に行く。そこでメイドのフィスティが待っているから、フィスティと合流して?あくまで僕のふりをして…。フィスティには僕が女だったって話をしておいた。だから、誰もリンだって気が付かない…。」
「じゃあレンはどうするのッ?殺されちゃうよ!」
リンは何もかも理解しているらしい。
「大丈夫。心配しないで?ほら、僕の服を貸してあげる。髪を結えば、ほら僕みたいだ…。リン、ごめんね?最後の最後には、リンを守ってあげられなかった…。」
着替え終えたリン強引にをクローゼットの中にいれ、扉を閉めた。
「いや!レンッ!レンッ!」
泣き叫ぶリン。
「リン。ほんの少しのお別れだ。さぁ泣くのをやめて?ほんの少し、ほんの少しだから…。」
これはリンについた最大の嘘。これから僕は——…。
「レン…ごめんなさい。」
リンの泣き顔が目に浮かぶ。それを振り払ってこう告げた。
「リン、少しの間静かにしてて?騒がしくなくなったら港に行くんだよ?」
「…レン…分かった…ありがとう…」
これがリンと会話をした最後。
——僕はこれから殺されに行く——…。

Re: 悪ノ召使 ( No.19 )
日時: 2010/03/31 16:31
名前: 秋桜 (ID: bTobmB5Q)

     さよなら、リン—後編—

十分ほどたっただろうか?廊下から足音が聞こえ重い王室の扉を開けた。
「黄の国の王女ッ!お前を処刑するッ!」
静まり返った王室に女の声が響きわたる。
「王女、あなたは僕の愛する娘を殺した……。僕はあなたを許さないッ!」
酷く憎しみの籠った視線と言葉を僕に向ける。彼は青の国の王子、カイト……。
——よかったぁ……僕、リンに見えるよね?
レンは安心する。
「それが?あんな小娘……いなくなったって同じでしょう?」
リンになりきったレンは、カイトに向かって余裕の笑みを見せる。
「このッ!ミクの恨みッ!」
襲いかかろうとするカイトを女が止めた。
「カイト、今は止めましょう。みんなの前で、みんなからの恨みの視線を受けながら死んでもらいましょう
。」
「……メイコ……。」
女……メイコはカイトを鎮めると、再びこちらを向く。
「王女リンッ!死人の恨み、みんなの前で晴らさせていただくッ!」
そう言って僕の腕をつかむ。
「無礼者ッ!私に触っていいのは私だけだッ!」
声を張り上げメイコの頬を叩く。
「……王女よ、これくらいの痛みで私や村人たちが鎮まるとでもお思いか?世の中そんなに甘くはないのだ!連れて行けッ!」
メイコが後ろに控えていた兵士を呼ぶ。その兵士たちに腕を掴まれ王室を後にする。王室の扉を出るとき、僕はフッと笑った。これでリンは守れたと……。だが、その笑みを見ていた者がいた事に、僕は気が付かなかった——……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
クローゼット越しに聞こえてきた声は、レンのモノではなかった。レンは我儘で横暴な私になりきっていた
。カイト王子の憎しみの嘆き、メイコの勝ち誇った声、私になりきったレン……。後悔ばかりが私の胸の中に残っている。
「レン」
名前を口にしても、答えてくれるあの優しい弟はどこにもいない……。そのうち、重い扉が開かれる音がして、その場にいたと思われる人たちの気配も消えた。
——連れて行かれちゃったの?レンが?私のために?
「嫌ッ!」
小声で叫び、私はクローゼットを出た。王室は静寂に包まれていた。
重い扉を自分の力で開け、私は裏口からそっと外に出た。
「どこ?……レンッ!」
私は落ちていたマント状の布をかぶり、先を急ぐ。
「レンが……早くしないとレンがッ!」
涙がぽろぽろと落ちてくる。でもそんなこと気にしない。耳を澄ますと、大通りの方から声が聞こえる。
「レンッ!?」
叫びながら大通りを抜けた。そこに広がる光景は、リンの一番見たくないもの……。
「死刑台……。」
ポツリとつぶやく。
——レンッ!
死刑台の傍からレンの姿が見えた。死刑台に上って行くレンの顔は笑っているようにも見えた。私は人の中に思いっきり飛び込む。
「レン」
口パクでレンの名前を呼ぶ。普通なら聞こえるはずのない声。でも、レンはその聞こえない言葉を聞いた。
レンはこちらを見てにこりと笑う。そして
「生きて……。」
首をのせた状態で口パクをする。その言葉に私は黙って頷いた。悲劇のカウントダウンが終わりを迎えようとしている。
「処刑人、何か言い残すことはあるか?」
メイコがレンに問う。ちょうど3時の鐘が鳴り響き、レンは私の口癖を言う。
「あら、おやつの時間だわ」
——シャキンッ
鋭い音とともにレンはいなくなった。終わりを告げる鐘は止み、悲劇のカウントダウンも終了した。これからは一人で生きていかなくてはならない——……。私を残していなくなった弟。私はただ泣く事しかできなかった——……。

Re: 悪ノ召使 ( No.20 )
日時: 2010/03/31 16:38
名前: 梨恋 (ID: ty0KknfA)


コメントありがとうございました^^*

小説読ませていただきました(><*)

感動ですね(;д;)

あと少しで終わっちゃうなんて悲しすぎます!!


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