二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- とある科学の一方通行
- 日時: 2011/05/05 20:35
- 名前: 紗羅 (ID: JNqhe2AA)
どうも始めまして 紗羅 と申します
とある魔術の禁書目録が大好きです
小説を書くのは初めてで、下手だと思います
が、読んでいただけると幸いです
- Re: とある科学の一方通行 ( No.20 )
- 日時: 2011/05/08 22:27
- 名前: 紗羅 (ID: FzVK5xRK)
第五話 『絶対能力進化実験』〜二人の決意〜
一方通行視点
午前4時を回ったというのに全く眠気が襲ってこない。
一方通行は、ソファに寝転がり、ぼんやりと天井を眺めていた。
『ミサカの存在意義を奪わないでください』
先程の少女の言葉が突き刺さる。
彼女は、一方通行に殺されることが自分の存在意義だ、と言った。
それが自分の本望だ、と。
はたして本当にそうだろうか。
彼女は一方通行に殺されなければ、破棄されると言った。
選択肢はその二つだけだろうか。
例えば、一方通行が『実験』に関する研究所を全て潰したならば。
彼女は——彼女達は一方通行に殺されることもなく、破棄されることもなく、『生きる』ことができるのではないのではないだろうか。
普通に暮らすことはできなくても。
あまり外に出られなくても。
生きることはできる。
なら、自分のやるべきことは唯一つ。
『実験』に関わった研究所を一つ残らず潰すこと。
新たな決意を胸に秘め、一方通行は夜の街へ歩き出す。
御坂美琴視点
常盤台中学。
学園都市でも屈指の名門女子校。
その学生寮に御坂美琴はいた。
十四歳という年には似合わないパステル色彩のパジャマを着て、自分のベッドに寝転がっている。
「お姉様?もうお休みになられますの?」
そう声を掛けてきたのはルームメイトで後輩である、白井黒子だ。
「いや、ただ、寝転がってるだけよ」
「……お姉様、知ってます?」
「何が?」
「お姉様のDNAマップを利用して作られたクローンの話ですの」
「………」
「最近、噂になっていますのよ。今日も私のクラスの生徒が見たと言っておりますし…」
「馬鹿ね、黒子。そんなのいる訳ないじゃない。大体クローンの量産は法律で禁じられてるじゃない」
「そうですわよね。変なお話をしてしまいましたわ。すみません」
「いいって、謝らなくても」
御坂美琴のDNAマップを利用して作られたクローン。
確かにそれは———存在する。
前に研究所に忍び込んだとき、見つけてしまったのだ。
その資料を。
『量産能力者計画』。それによって生まれた、通称『妹達』。しかし、その能力は強能力(レベル3)程度のものだった。その計画は凍結するはずだった。ある『実験』が立てられるまでは。
『絶対能力進化(レベル6シフト)実験』。樹形図の設計者の予測演算によりはじき出された答え。
レベル6になれるのは‘一方通行‘唯一人。
超電磁砲を一二八回殺害することで絶対能力(レベル6)へ進化する。
しかし、超能力者(レベル5)である超電磁砲を一二八人も用意することは不可能である。よって『妹達』を用い、二万回殺害することで同じ効果が得られる。
ふざけるな、と思った。
人の命を何だと思っている、と。
でも、思うだけでは何も変わらない。
美琴が考えた結果———研究所を潰すしかない、という結論に至った。
美琴では‘一方通行‘に勝てない。なんせ相手は、学園都市第一位だ。
奇跡的に勝ったとしても『妹達(あの子達)』の身の安全は保障できない。
だったら、残るは研究所を潰して、『妹達(あの子達)』を助けるしか道は残されていない。
そして、その日の午後8時、同時に二つの研究所が襲撃された。
- Re: とある科学の一方 ( No.21 )
- 日時: 2011/05/10 22:16
- 名前: 華 (ID: xnzmqlIT)
新約読んでるよ〜
- Re: とある科学の一方通行 ( No.22 )
- 日時: 2011/05/14 22:07
- 名前: 紗羅 (ID: 3Mpht8EV)
アイディアが浮かばない…
誰かヘルプ・ミー!!
- Re: とある科学の一方通行 ( No.23 )
- 日時: 2011/05/15 00:11
- 名前: 紗羅 (ID: 3Mpht8EV)
第六話 『絶対能力進化実験』〜凍結・前〜
御坂美琴視点
「これで、ここの防犯カメラは全部機能停止にできたわね」
ここは、『実験』に協力していた研究所の一つ。
一応、変装はしてきている。
髪を後ろで一括りにし、近くの洋服店で買った、ハートのプリントされたTシャツに白い短パン、靴はオレンジのスニーカー。さらに、黒のキャップまでかぶっている。
おそらく、正体はばれないだろう。…たぶん。
後は、重要な機材を潰して終わり。…そのはずだった。
「た、大変だ!!」
突然、ななめ前の通路から慌てているような、研究者の声が聞こえてきた。
美琴は、一瞬心臓が止まるかと思った。
ばれたのかと歯噛みしながら様子を窺う。
余程慌てているのか、白衣を踏んで転んでしまった。
すると、反対側の通路からきた研究者がため息をつきながら、転んだ研究者に手を貸す。
「どうした?また、重要書類にでも紅茶をこぼしたか?」
「そうじゃなくて、いやそれもあるんですけど……」
研究者は、おどおど、としながらもなんとか声を絞り出した。
「『実験』に関した研究所が次々と襲われています!!先程第三学区の研究所が襲撃され、8件目になります!!」
美琴は自分の耳を疑った。
今この研究者は何と言った?
『実験』二関シタ研究所ガ次々ト襲ワレテイル?
馬鹿な。
美琴が襲った研究所は、これで2件目だ。
しかも、ここの研究者達は、美琴が忍び込んできていることも知らないはずだ。
なのに8件?
(私以外にも研究所を襲撃している人がいる?)
「な、なんだと!!」
「はい!あ、また!第四学区の方です!!応援を求められていますが、どうします!!」
「ええい!!ほっておけ!!第四学区といったな?ここは第五学区だ。狙われるとしたら、次はここだ!!逃げる準備をしておけ!」
そう言うと研究者達は奥に引っ込んでしまった。
それにしても、誰だ?
7件…いや8件もの研究所を潰している奴は?
一方通行視点
これで、ようやく8件目。
思ったよりも順調に潰せている。
移動に時間がかかってしまうが、それは仕方ない。
研究者達は逃げ惑っている。
その顔は、恐怖と困惑とでいっぱいだった。
ここの重要機材は潰したし、書物だって燃えてしまっただろう。
一方通行は踵を返し、研究所を後にした。
ここから一番近くて、『実験』に関した研究所は、第五学区にある。
隣の学区なので、移動の時間はたいしてかからないだろう。
背中に風の翼をはやし、夜の街を駆け抜ける。
時速七百五十キロ。
航空機並みの速さ。すぐに目的の第五学区につく。
研究所の百メートル前くらいのところに着陸し、今度は足の裏にかかる運動量の『向き(ベクトル)』を操って、一気に加速。
五、六歩で研究所の門前までくる。
まず、外からセキュリティを壊そうとID称号機に触れる。が、なぜかもう、セキュリティは壊されていた。
堂々と中に入る。
研究所はやけに静かで、人の気配がない。
(逃げられたか?)
そう思ったが、近くの通路から血相を変えた研究者が一方通行のすぐ横を通りすぎて行った。
今、一方通行は光の『向き(ベクトル)』を『反射』して、周りから見えないようにしている。
しかし、これはなかなか、演算が複雑だ。意識していないと薄く見えてしまう。
一方通行は、とりあえず重要機材があることが多いコントーロール室に行こうとした。
だが、そこで足が止まった。
壊されたセキュリティ。おかしいと思った。
原因はこれ。
学園都市第三位 『超電磁砲』 御坂美琴
学園都市最強の電撃使い(エレクトロマスター)。
(成程、ねェ。能力を応用すりゃあ、セキュリティをぶっ壊すことも可能ってことか)
「あ、アンタ……!!昼間の…!!」
注意がそれたせいでいつの間にか、光を『反射』しそこなった。
「何でアンタがこんなトコに……?」
「俺の名前は言ったはずだがなァ?」
一方通行の言っている意味が分からず首をかしげていたが、言わんとしていることを理解すると、わなわな、と唇を震わせ、信じられないという目でこちらを見る。
「だ、だとしても何で……?」
「はァ?研究所潰しに決まってンだろ」
「え?え?何で???」
一方通行はうんざりしながらも、『妹達』の存在意義や『実験』が放棄された場合の処遇など、事細かに説明した。
「なんか……悪いわね」
「何で謝ンだよ?」
「私、アンタのこと誤解してた。噂では、極悪非道で笑いながら人を殺せるような狂った奴だって聞いてたから…その……ゴメン、上手く言えないわ」
「……呑気に世間話なんかしてると、書物とか持って逃げられちまう。……俺はもう行くぞ」
「あ、ちょっと待ちなさいよ!!!」
………何か面倒臭そうなのが増えたなァ……
- Re: とある科学の一方通行 ( No.24 )
- 日時: 2011/05/18 20:37
- 名前: 紗羅 (ID: l5ljCTqN)
第七話 『絶対能力進化実験』〜凍結・中〜
御坂美琴視点
「お姉様!!」
「…!!な、何よ、黒子」
「大丈夫ですの?先程から何度も呼びかけているのに、返事がありませんの」
「そ、そうなの!?…ゴメン、ボーっとしてた」
ここ最近、まともに寝ていない。
研究所潰しに専念しているため、帰ってくるのが、もう朝方なのだ。
一方通行は、もっと寝ていないだろう。
研究所襲撃開始から、一週間。
会うたびに、目の下のクマは大きくなっていった。
おまけに、何も食べていないようで、フラフラしていた。
たたでさえ、今にも折れてしまいそうな細さなのに、いっそう、やつれてしまった。
さらに、美琴もそうだが、能力の使いすぎだ。
聞いた限りによると、『向き(ベクトル)』変換能力は、普段は『反射』していて、あらゆる攻撃を跳ね返すそうだ。
この『反射』は無意識の内に演算してしまっているから、大丈夫だが、『向き(ベクトル)』変換はその数倍の負荷がかかる。
攻撃してきた相手を殺さないように、いちいち『向き(ベクトル)』変換しているのだ。
さらに、美琴が学校に行ってる間もずっと、研究所を潰しに行っている。
脳にかかっている負担は、大きいだろう。
いくら、学園都市最強の超能力者でも、脳にかかる、膨大な負担は何ともできないだろう。
それでも、一方通行は、昼の間は学校に行け、と言ったのだ。
お前がいると、足手まといだ、と。
そんなはずはない。もっと強い相手ならともかく、研究員に後れをとるほど、学園都市第三位は甘くない。
恐らく、それは、美琴の日常を壊さないように、怪しまれないようにした、彼なりの気ずかいだ。
(全く…あいつには頭が上がらないな)
午後五時。
一方通行と合流する時間まで、後、四時間。
一方通行視点
ゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!
あっという間に、崩れる研究所。
これで33件目。
残るは、後2件。
今日中に終われると気を抜いた瞬間、崩れ落ちる膝。
なんとかそれを、『向き(ベクトル)』操作して、無理矢理立たせる。
脳にかかる負荷は、全く問題ない。
美琴は気にしていたようだが、学園都市第一位の脳のスペックは並ではない。
今、一方通行を襲っているのは、激しい眠気と吐き気。
まともに寝ない、食べないを一週間続けたツケだ。
でも、今日で終わる。
2件。美琴と協力すれば、すぐに終わる数だ。
『妹達』は外の世界の学園都市協力機関に任せればいいし、十人くらいなら、無償で預かってくれる病院も見つけた。
これなら、『妹達』も安心して暮らせるだろう。
なら、この選択は間違っていなかった。
しばらくして、第二十三学区の『実験』協力研究所が襲撃され、十分とたたずに壊滅した。
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